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抗体薬物複合体(ADC)の設計・合成と最新動向

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Design, Synthesis, and Recent Trends of Antibody-Drug Conjugates (ADCs) Engineering

★がん細胞のみを標的とし、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが期待され、各国で開発に力が注がれる抗体薬物複合体!
★ADCの基本的なメカニズムから最前線の研究動向まで、幅広い内容を網羅!!
★リンカーテクノロジー、臨床・評価、企業の取り組みなどADC開発の動向を詳解!

商品コード:
T1271
監修:
眞鍋史乃
発行日:
2024年10月4日
体裁:
B5判・188頁
ISBNコード:
978-4-7813-1818-9
価格(税込):
70,400
会員価格(税込):
63,360
ポイント: 576 Pt
関連カテゴリ:
ファインケミカル
バイオテクノロジー
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ファインケミカル > 医薬
バイオテクノロジー > バイオ医薬品
ファインケミカル > 合成技術・製造プロセス開発

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キーワード:

抗体薬物複合体/ADC/ADCs/リンカー/合成/設計/がん/臨床試験/評価/DDS/光免疫療法/システイン誘導体/ペイロード/膵管腺癌/ADC-抗原複合体/薬物動態制御/低分子化合物/α線/薬物送達/毒性

刊行にあたって

 抗体・薬物複合体(Antibody-Drug Conjugates、ADC)の最前線へようこそ!
 近年、がん治療の分野において注目を集めているのが、ADCです。ADCは、がん細胞に特異的に結合するモノクローナル抗体と、強力な抗がん剤を結びつけた新しい治療法であり、その革新的なメカニズムは医療の未来を大きく変える可能性を秘めています。
 ADCの大きな特徴は、抗体の特異性を利用することで、がん細胞に対する選択的な攻撃が可能になる点です。従来の化学療法では、正常細胞にも影響を及ぼし、多くの副作用が生じることが課題とされてきました。しかし、ADCはがん細胞のみを標的とし、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが期待されています。この特性により、患者のQOL(生活の質)向上にも寄与することができます。
 本書では、ADCに関する最新の研究成果や臨床応用の現状、そして今後の展望について、国内外の専門家からのご寄稿をいただきました。ADCの基本的なメカニズムから最前線の研究動向まで、幅広い内容を網羅しており、ADCがもたらす未来を具体的にイメージしていただける内容となっています。
 本書が、読者の皆様にとってADCの理解を深め、新しい治療法の可能性を探る一助となることを願っております。

(「はじめに」より抜粋)

著者一覧


眞鍋史乃   星薬科大学;東北大学
河上紘子   ㈱ペプチド研究所
吉矢 拓   ㈱ペプチド研究所
アブドール・ラフィーク  鹿児島大学
伊東祐二   鹿児島大学
千葉 明   味の素㈱
廣瀬賢治   日本ウォーターズ㈱;東北大学
小郷尚久   静岡県立大学
浅井章良   静岡県立大学
秋葉宏樹   京都大学;医薬基盤・健康・栄養研究所
井上勝央   東京薬科大学
青山道彦   国立医薬品食品衛生研究所
鎌田春彦   医薬基盤・健康・栄養研究所
江﨑寛季   名古屋大学;BFACT㈱
世良田聡   岩手医科大学
仲 哲治   岩手医科大学
安永正浩   国立がん研究センター
髙島大輝   国立がん研究センター

深瀬浩一   大阪大学
樺山一哉   大阪大学
渡部直史   大阪大学
中島孝平   北海道大学
小川美香子  北海道大学
石井明子   国立医薬品食品衛生研究所
岩間映二   九州大学
田部亜季   国立感染症研究所
高橋良明   琉球大学
渡邉俊樹   聖マリアンナ医科大学
津本浩平   東京大学
中野和民   国立感染症研究所
西尾 真   久留米大学
阿部有生   第一三共㈱
我妻利紀   第一三共㈱
松村保広   国立がん研究センター研究所;㈱凜研究所
白砂圭崇   ㈱GenAhead Bio
周郷 司   ㈱GenAhead Bio

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 抗体・薬物複合体の基礎
1 はじめに
2 基本概念
3 開発の歴史
4 リンカー
 4.1 放出機構によるリンカーの分類
 4.2 リンカーによる疎水性の回避
 4.3 リンカーによる放出後の薬物動態制御
 4.4 リンカーによるADCの構造均一化
5 搭載薬物
 5.1 低分子化合物
 5.2 Radioisotope
 5.3 光免疫療法(Photoimmunotherapy,PIT)
6 抗体の選択と設計
7 ADCの毒性
8 おわりに

第2章 抗体薬物複合体の設計と合成
1 親和性ペプチドを用いた抗体標識による高機能性抗体医薬品の開発
 1.1 はじめに
 1.2 天然型抗体の部位特異的修飾法
 1.3 tCAP法による抗体コンジュゲートと特異性
 1.4 おわりに
2 次世代ADC作製プラットフォーム技術:AJICAP®
 2.1 はじめに
 2.2 AJICAP®位置特異的修飾技術
 2.3 AJICAP®リンカー技術
 2.4 選択的DAR1 ADC作製技術の開発と応用展開
 2.5 まとめ
3 ADC開発を支える分離分析技術の進展―UPLC/MSによる特性解析―
 3.1 はじめに
 3.2 ADC特性解析のための液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)
 3.3 Lys-ADCの特性解析例
 3.4 Cys-ADCの特性解析例
 3.5 均一構造ADC
 3.6 分析機器システムの進展
 3.7 おわりに
4 新規ペイロードとしてのKSP阻害システイン誘導体
 4.1 はじめに
 4.2 ADCを構成する薬物とリンカーの特徴,多様化の重要性
 4.3 KSP阻害薬開発の現状と課題
 4.4 新規KSP阻害システイン誘導体の創出
 4.5 ADCペイロードとしてのKSP阻害システイン誘導体の構造最適化
 4.6 おわりに
5 化学的連結法による抗体ターゲティングシステムの開発
6 リソソームトランスポーターを介した抗体薬物複合体の薬効発現機構
 6.1 はじめに
 6.2 リンカータイプによるADCの分類と細胞膜透過性の関係
 6.3 ADCを設計する上で考慮すべき活性代謝物の膜透過性
 6.4 トラスツズマブ エムタンシンの薬効発現機構
 6.5 リソソームトランスポーターSLC46A3の機能と特性
 6.6 薬物―ADC相互作用の可能性
 6.7 SLC46A3の輸送機能の評価系
 6.8 おわりに
7 薬物修飾部位とリンカー構造が抗体薬物複合体の品質特性に及ぼす影響評価
 7.1 はじめに
 7.2 部位特異的修飾による均一なADCと品質特性解析の現状
 7.3 薬物修飾部位とリンカー構造が異なる部位特異的ADCの品質特性解析
 7.4 まとめ

第3章 標的選定の戦略と抗体作製
1 膜タンパク質を標的とした抗がん抗体医薬候補分子とADCの創製
 1.1 はじめに
 1.2 ADC創出における創薬ターゲット
 1.3 創薬ターゲットとしての膜タンパク質
 1.4 ADC開発に向けたバイパラトピック抗体と創薬ターゲットとしてのTNFR2
 1.5 おわりに
2 がん関連線維芽細胞を標的とした抗体薬物複合体
 2.1 背景
 2.2 がん関連線維芽細胞を標的とした抗体薬物複合体
 2.3 がん関連線維芽細胞マーカーのMeflin(メフリン)
 2.4 Meflinを標的とした抗体薬物複合体
 2.5 がん関連線維芽細胞を標的としたADCの現状と今後の課題
3 癌と間質を標的とした抗体薬物複合体による膵臓癌の革新的治療法の創出
 3.1 はじめに
 3.2 癌関連抗原としてのGPC1の同定
 3.3 抗GPC抗体の開発
 3.4 GPC1-ADCは間質のCAFを介した抗腫瘍効果を有する
 3.5 GPC1-ADC(MMAE)は細胞にアポトーシスを誘導するが,CAFにはアポトーシスを誘導しない
 3.6 ヒト化GPC1-ADCの開発
 3.7 ヒト化GPC1-ADCの安全性
 3.8 おわりに
4 難治性リンパ性白血病・自己免疫疾患に対するIL-7R標的ADCの開発
 4.1 はじめに
 4.2 がんと炎症・自己免疫疾患に対する新薬開発
 4.3 リンパ球とIL-7R
 4.4 リンパ性白血病に対するIL-7R標的ADCの開発
 4.5 炎症・自己免疫疾患に対するIL-7R標的療法
 4.6 IL-7R標的ADCと免疫ターゲッティング
 4.7 おわりに

第4章 ADCの革新的治療法への応用
1 アルファ線放出核種アスタチン-211標識抗体を用いた放射免疫療法におけるDrug Delivery System
 1.1 がん治療におけるDrug Delivery System(DDS)
 1.2 アルファ線放出核種と標的アルファ線治療
 1.3 アスタチン-211標識抗体の前臨床研究
 1.4 まとめ
2 大阪大学におけるアスタチン-211(211At)を用いた核医学治療研究と89Zr/211At標識抗グリピカン-1抗体を用いた膵管腺癌に対するセラノスティクスへの展開
 2.1 211Atを用いた核医学治療研究
 2.2 抗グリピカン-1抗体を用いた膵管腺癌(PDAC)に対するセラノスティクス研究
3 光免疫療法の進展
 3.1 はじめに
 3.2 従来型の光治療法の細胞障害メカニズムとPITとの相違点
 3.3 NIR-PITの細胞障害メカニズム
 3.4 IR700が結合したフラグメント抗体・小分子リガンド
 3.5 臨床におけるNIR-PIT
 3.6 腫瘍内の免疫抑制性細胞を標的としたNIR-PIT
 3.7 おわりに

第5章 抗体薬物複合体(ADC)の品質・安全性確保の課題
1 ADCの分子デザイン,品質確保
2 ADCの安全性確保の概要
3 ADCの非臨床安全性評価
4 ADCの安全性評価に関する課題
5 ADCの臨床薬理学的評価における留意事項
 5.1 生体試料中薬物濃度分析(バイオアナリシス)
 5.2 用量及び暴露-反応解析
 5.3 内在性因子
 5.4 免疫原性

第6章 臨床
1 ドライバー遺伝子陽性非小細胞肺癌に対する抗体薬物複合体の開発
 1.1 はじめに
 1.2 非小細胞肺癌におけるドライバー遺伝子
 1.3 HERファミリーとHERファミリーに対する分子標的治療薬の現状
 1.4 ADCを用いたEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対するEGFR-TKI耐性の克服
 1.5 おわりに
2 成人T細胞白血病リンパ腫に対する新規ADCの開発
 2.1 成人T細胞白血病リンパ腫(ATL:Adult T-cell leukemia/lymphoma)の現状と課題
 2.2 ATLにおける抗体療法
 2.3 T細胞リンパ腫に対する抗CD30抗体薬物複合体の有効性:ATL治療への応用
 2.4 ATLを標的とする抗体薬物複合体開発に向けた標的細胞表面抗原選択~CADM1:ATL細胞の高感度マーカー
 2.5 抗CADM1-ADC開発の試み
 2.6 抗CADM1抗体薬物複合体の正常組織への影響と今後の課題
 2.7 結語
3 抗体薬物複合体「farletuzumab ecteribulin」の安全性・有効性評価
 3.1 はじめに
 3.2 farletuzumab ecteribulinについて
 3.3 FZEC第I相試験について
 3.4 プラチナ抵抗性卵巣がん拡大パート試験について
 3.5 おわりに

第7章 業界の動向と展望
1 新規トポイソメラーゼI阻害剤を搭載する抗体薬物複合体:DXd ADCの開発
 1.1 背景
 1.2 新規ADC技術の概要
 1.3 技術開発の経緯
 1.4 T-DXdの創製
 1.5 まとめと今後の展望
2 がん間質を狙うADC
 2.1 はじめに
 2.2 抗体療法に関係する固形がんの病態生理
 2.3 固形がんにおける抗体デリバリーを阻むバリアの克服;がん間質ターゲティング療法
 2.4 おわりに
3 抗体-核酸コンジュゲート研究の進展
 3.1 はじめに
 3.2 検出用プローブとしての抗体-核酸コンジュゲート
 3.3 抗体による機能性核酸のデリバリー
 3.4 臨床開発
 3.5 その他の展開