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ピッカリングエマルション技術における課題と応用

Challenges and Applications in Pickering Emulsion Technology

★微粒子を用いた新世代乳化技術「ピッカリングエマルション」の最新研究!
★基礎から応用まで、多彩な分野での開発と製品適用を専門家が解説!
★ピッカリングエマルション研究の未来が見える実践的な一冊!

商品コード:
T1277
監修:
柴田雅史
発行日:
2024年12月23日予定
体裁:
B5判・203頁
ISBNコード:
978-4-7813-1825-7
価格(税込):
59,400
会員価格(税込):
53,460
ポイント: 486 Pt
関連カテゴリ:
ファインケミカル
新材料・新素材
地球環境
刊行予定
新材料・新素材 > 微粒子・ナノマテリアル
地球環境 > 未利用資源活用・リサイクル
ファインケミカル > 合成技術・製造プロセス開発

Review

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キーワード:

ピッカリングエマルション/化粧品/医薬/食品/乳化/界面活性/コロイド/シリカ/酸化チタン/セルロース/リグニン/キチンナノファイバー/カーボンナノチューブ / バイオマス/ヤヌス粒子/ナノマテリアル/アップサイクル

刊行にあたって

 ピッカリング乳化は、20世紀初頭にS.U. Pickeringによって報告された、固体粒子による乳化安定化現象である。当初は基礎科学として研究されていたが、近年のナノテクノロジーや材料科学の進展により再評価され、さまざまな産業分野での応用が期待されている。

 特に界面活性剤の代替として固体粒子を用いることで、環境に優しいプロセスと高機能な乳化物の調製が可能となり、製薬、化粧品、食品、農薬、エネルギー分野など多岐にわたる応用が模索されている。

 また、ピッカリング乳化技術は、使用される固体粉体の種類やサイズ、表面修飾方法、乳化手法など、さまざまな要因が複雑に絡み合っている。その応用例も食品添加物、医薬品のカプセル化、環境保護型農薬、触媒担体、エネルギー貯蔵材料など多様化しており、技術の柔軟性と広範な応用可能性を示している。本書ではピッカリング乳化技術の最新の発展と応用事例について、体系的かつ包括的に整理し、多岐にわたる産業分野や研究領域における応用について網羅している。読者の皆様にとってピッカリング乳化技術の理解を深め、新たな発展の一助となることを心から期待している。

(本書「はじめに」より)

著者一覧

柴田雅史   東京工科大学
則末智久   京都工芸繊維大学
金森千聡   京都工芸繊維大学
廣本眞結   京都工芸繊維大学
吾郷万里子   東京農工大学
岩下靖孝   京都産業大学
松原弘樹   広島大学
濵野浩佑   三洋化成工業㈱
三刀俊祐   テイカ㈱
中谷明弘   ポーラ化成工業㈱
森本裕輝   ㈱スギノマシン
北岡卓也   九州大学
金井典子   横浜国立大学
丹沢美結   横浜国立大学
川村出   横浜国立大学
山本徹也   名古屋大学
田中良奈   九州大学
田中史彦   九州大学
矢野裕之   農業・食品産業技術総合研究機構
シャーミン・タンジナ   福岡大学
大内幹雄   福岡大学
三島健司   福岡大学
岡智絵美   名古屋大学
北本仁孝   東京科学大学
黒川成貴   東京科学大学;慶應義塾大学
堀田篤   慶應義塾大学
門川淳一   鹿児島大学
近藤哲男   東京農工大学
飯島志行   横浜国立大学
久保田紋代   第一工業製薬㈱
後居洋介   第一工業製薬㈱
恩田智彦   元 花王㈱

目次 +   クリックで目次を表示

【第1編 ピッカリングエマルションの基礎と測定】

第1章 ピッカリング乳化の概要と最近の動向
1 ピッカリング乳化の概要
2 ピッカリング乳化の乳化機構と性能を決める因子
3 ピッカリング乳化で活用されている粉体とその機能
 3.1 無機微粒子のピッカリング乳化剤としての活用と高機能化
 3.2 ポリマーや有機物粉体による高機能エマルション
 3.3 天然由来粉体を用いた安全性の高いエマルション

第2章 シリカナノ粒子の被覆によるPickering エマルションの超音波解析
1 はじめに
2 超音波散乱法
 2.1 超音波散乱法の原理
 2.2 超音波スペクトロスコピー実験方法
 2.3 散乱理論解析
3 シリカ粒子の表面修飾とエマルションの調製
 3.1 シリカ粒子の表面修飾
 3.2 エマルションの調製
4 超音波散乱の解析結果
5 まとめと展望

第3章 リグニン微粒子によるピッカリングエマルションの安定化
1 緒言
2 エアロゾルフロー法による球状リグニン粒子
 2.1 エアロゾルフロー法による球状リグニンナノ~マイクロ粒子の合成と特性評価
 2.2 リグニン微粒子によるピッカリングエマルションの安定性の評価

第4章 ピッカリングエマルションにおける粒子の異方性の効果
1 はじめに
2 粒子の異方性と界面活性
3 両親媒性粒子-水-油混合系における構造形成
4 正多角形粒子によるPE液滴
5 最後に

第5章 界面活性剤吸着膜の相転移を応用したピッカリングエマルションの自発解乳化
1 はじめに
2 界面活性剤吸着膜の相転移
3 粒子と界面活性剤の競争吸着とピッカリングエマルションの解乳化
4 界面張力が解乳化に関わるほかの事例
5 おわりに


【第2編ピッカリングエマルション用材料の開発と調製】

第6章 使用感と乳化安定性を両立させたピッカリング乳化剤の開発
1 はじめに
2 シリル化シリカの合成および評価
3 シリル化シリカの乳化性評価およびO/Wエマルションの経時安定性評価
4 シリル化シリカを用いた乳化製剤の官能評価
5 おわりに

第7章 ピッカリング乳化機能を有する酸化亜鉛を用いたサンケア素材の開発
1 はじめに
2 自己乳化型酸化亜鉛の開発に向けて
 2.1 表面処理サンプルの作製
 2.2 評価基剤の作製
 2.3 紫外線防御効果
 2.4 化粧品膜の評価
3 結果
 3.1 P-ZnO の乳化機能
 3.2 P-ZnO の塗布膜の分析:紫外線防御効果
4 考察
 4.1 P-ZnO の塗布膜の分析:電子顕微鏡観察
 4.2 P-ZnO のW / O 製剤の分析:紫外線防御効果
5 おわりに

第8章 O/W型ピッカリングエマルションおよびこれを含む化粧料型ピッカリングエマルション
1 はじめに
2 ピッカリングエマルションについて
3 ピッカリングエマルション安定化のキモとなる要素
 3.1 油水界面への微粒子の吸着エネルギー(接触角)
 3.2 エマルション状態のコントロール
 3.3 ピッカリングで安定化しやすい特殊な乳化領域
4 耐水性を付与するピッカリングエマルションを応用したサンスクリーン製剤の開発
 4.1 はじめに
 4.2 研究の目的
 4.3 粉体と海水の相互作用
 4.4 ピッカリングエマルションを応用した日焼け止め製剤の開発
 4.5 海で落ちない日焼け止めの評価
 4.6 おわりに

第9章 面繊維化セルロース粒子(F25)について
1 はじめに
2 表面繊維化セルロース粒子(F25)とは
3 表面繊維化セルロース粒子の分散性と粘度特性
4 界面活性剤を使用しない乳化
5 70 wt%油相乳化物の粘度調整(低粘度~高粘度まで)
6 油種を選ばない乳化
7 ワンステップ乳化
8 耐熱,耐塩性の高い乳化物の調整が可能
9 おわりに

第10章 セルロースナノファイバーで被覆された木質模倣真球微粒子の合成
1 はじめに
2 CNFの両親媒性と乳化能
 2.1 CNFのナノ形状と界面構造
 2.2 CNFによるイソオイゲノールの乳化
 2.3 西洋わさびペルオキシダーゼによる酵素重合
 2.4 木質模倣真球微粒子の形態観察と真球度
 2.5 コアのリグニン構造と物質担持・徐放能
3 生態系材料学のコンセプト
4 おわりに

第11章 ピッカリングエマルションの粒子安定剤としての農業/食品廃棄物由来セルロースナノファイバーの利用
1 はじめに
2 CNFを用いた乳化安定剤への応用と疎水化修飾による安定性の向上
3 TOCNFおよびACNFを用いたピッカリングエマルションの安定性評価
4 分子動力学(MD)シミュレーションを用いた油滴とCNF間の相互作用の解析
5 磁気共鳴技術を用いたピッカリングエマルションの解析
6 MRIによるピッカリングエマルションの不安定化機構の解明
7 拡散NMR法によるピッカリングエマルションの液滴サイズ分布の決定

第12章 微粒子を利用した疎水性粉体の水への分散技術の開発
1 はじめに
2 混酸によるカーボンナノチューブ表面修飾とその複合高分子微粒子の合成
3 微粒子により表面修飾したカーボンナノチューブの水への分散性
4 微粒子により表面修飾したリサイクル炭素繊維とその樹脂への分散性
5 おわりに

第13章 ピッカリングエマルション技術を用いた可食コーティング剤の物性・安定性と青果物品質保持効果
1 はじめに
2 ピッカリングエマルション技術を用いた可食コーティング剤の特性
 2.1 製法と溶液の安定性
 2.2 フィルムの特性
3 可食コーティングによる青果物品質保持効果
 3.1 抗真菌効果
 3.2 品質保持効果
4 おわりに


【第3編ピッカリングエマルションの応用】

第14章 グルテンフリー米粉パンの開発:生地の膨化メカニズムとしてのピッカリング安定化
1 はじめに
2 パンが膨らむしくみ
3 無添加・グルテンフリーでパンをつくる
4 メカニズムに関する考察
5 無添加・グルテンフリーパンの製造に適した米粉
6 無添加・グルテンフリーパンの製品化

第15章 超臨界二酸化炭素を用いたピッカリングエマルション技術
1 はじめに
2 超臨界流体
3 超臨界二酸化炭素-水系でのピッカリングエマルション
4 ピッカリングエマルションと粒子表面改質
5 ナノ・マイクロ無機粒子と合成高分子の複合化
6 マイクロ・ナノ無機粒子とCNFの複合化
7 おわりに

第16章 標的薬物送達のための生分解性ポリマー粒子と酸化鉄磁性ナノ粒子からなるコアシェル複合粒子
1 緒言
2 コアシェル複合粒子作製方法
3 酸化鉄磁性ナノ粒子分散剤濃度の影響
4 酸化鉄磁性ナノ粒子濃度の影響
5 薬物モデル搭載コアシェル複合粒子作製
6 まとめ

第17章 ピッカリングエマルジョンプロセスで作製したTEMPO酸化セルロースナノファイバー/Bio-PBSAナノコンポジット
1 はじめに
2 ピッカリングエマルジョン法を用いたTOCN/PBSAナノコンポジットの作製とその内部構造
3 TOCN/PBSAナノコンポジットの熱特性
4 TOCN/PBSAナノコンポジットの機械特性および寸法安定性
5 おわりに

第18章 機能性キチンナノファイバーを用いたピッカリング乳化重合法によるキチンベース蛍光性中空粒子の創製
1 はじめに
2 ボトムアップ的手法に基づいた自己組織化ChNFの創製
3 自己組織化ChNFを安定剤に用いたスチレンのピッカリングエマルション重合による複合粒子の創製
4 複合粒子の中空粒子への変換
5 キチンベース蛍光性中空粒子の創製
6 おわりに

第19章 界面反応プラットフォームとしてのピッカリングエマルジョンを用いた水中対向衝突セルロースナノフィブリルの局所的表面アセチル化反応
1 はじめに
2 ACC法により得られるセルロースナノファイバー(ACC-ナノセルロース)とは?
3 疎水性熱可塑性樹脂粒子の表面に選択的に吸着するACC-ナノセルロース
4 両親媒性ACC-ナノセルロースを用いるPickeringエマルション形成ならびにその安定性の溶媒依存性
5 PickeringエマルションをプラットフォームにするACC-ナノセルロースの局所的表面アセチル化反応
6 おわりに

第20章 粒子間光架橋性ピッカンリングエマルションを用いた複雑形状多孔質セラミックス部材の製造
1 はじめに
2 粒子間光架橋性ピッカリングエマルションの設計
3 粒子間光架橋性ピッカリングエマルションを用いた多孔質セラミックスの作製
4 複雑形状多孔質セラミックス部材の作製プロセスへの展開
5 おわりに

第21章 化粧品処方におけるセルロースナノファイバーによるピッカリングエマルションの形成挙動
1 はじめに
2 水系添加剤としてのCNF の開発
3 CNF の乳化機能
 3.1 CNF によるエマルション形成のメカニズム
 3.2 CNF によるエマルションの安定化
 3.3 エマルションの形態観察
 3.4 乳化可能な油の構造からの推測
 3.5 乳化への添加剤の種類と量の影響
 3.6 乳化における添加剤の配合順の影響
4 さいごに

第22章 果実繊維を用いたピッカリングエマルションによる乳化
1 はじめに
2 植物繊維粉体の乳化剤への応用
3 カリン果実粉体の調製とピッカリング乳化方法
4 各種処理粉体の乳化性能
5 粉体の組成・性質と乳化性能の関係
6 まとめ

第23章 ファインバブルによる油のピッカリング型乳化と洗浄作用
1 はじめに
2 O / W エマルション中の泡の状態
3 泡によるピッカリング型乳化と自己乳化の発現
4 ファインバブルの洗浄作用
5 おわりに

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