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バイオマスのガス化技術動向

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Trends in Biomass Gasification Technology

★バイオマス発電の「熱分解ガス化方式」「生物化学的ガス化方式」に焦点を当てた技術書!
★燃料材,バイオマスガス化,バイオガスプラント,海外バイオマス発電装置の動向を解説!
★国内のバイオマス発電概況と採算性評価,バイオマス発電所での爆発・火災対策についても網羅した一冊!

商品コード:
T1282
発行日:
2025年3月3日予定
体裁:
B5判、195ページ
ISBNコード:
978-4-7813-1862-2
価格(税込):
60,500
会員価格(税込):
54,450
ポイント: 495 Pt
関連カテゴリ:
地球環境
新刊・近刊
刊行予定
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー
地球環境 > 未利用資源活用・リサイクル

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キーワード:

燃料材 / 木質バイオマス / 未利用材 / 燃料品質 / バイオマスガス化 / 水素 / 合成ガス / ガス化炉 / クリンカ / RPF / チャー / タール / バイオガス / メタン発酵 / 海外バイオマス発電装置 / バイオマス発電 / FIT / FIP / 熱電併給 / 採算性 / 爆発 / 火災 / 再発防止 / 粉じん爆発 / 発熱監視

刊行にあたって

 日本各地でバイオマス発電の検討が盛んに行われている。バイオマス発電には,大きく「直接燃焼方式」「熱分解ガス化方式」「生物化学的ガス化方式」の3つの方式がある。
 直接燃焼方式は,木材や可燃ごみなどのバイオマスをボイラーで燃焼,その熱エネルギーで水蒸気を発生させ,蒸気タービンによる発電を行う方式である。この方式は燃焼温度が低く,発電効率の点から大型の設備に用いられる。
 熱分解ガス化方式は,バイオマスをガス化炉にて高温で蒸し焼きにすることでガス化し,ガスタービンまたはガスエンジンによる発電を行う方式である。この方式は燃焼温度が高く,直接燃焼方式よりも小規模の設備でも高い発電効率を得ることができる。
 生物化学的ガス化方式は,生ごみや家畜排せつ物などを発酵してメタンガスなどを発生させ,ガスタービンまたはガスエンジンにより発電を行う方式である。発生するガスの発熱量が高いため発電効率が高くなっている。
 本書は,上記の「熱分解ガス化方式」と「生物化学的ガス化方式」に該当するバイオマスのガス化技術を主要テーマとしている。
 第1章燃料材の動向:燃料となる木質バイオマスの安定調達が課題としてあるが,その需給動向や利用可能な未利用材が国内にどれ位の量あるのか,また木質バイオマスを燃料として効率よく利用するための水分低減技術や加工技術について解説している。
 第2章バイオマスガス化動向:バイオマスからの可燃性ガス製造技術,ガス化の効率に大きな影響を与えるバイオマスチャーガス化,そしてタール対策について解説している。
 第3章バイオガスプラントの動向:有機性廃棄物からメタン発酵によりバイオガスを生成し,それを利用したバイオガス発電プラントについて実例を交えて解説。
 第4章海外バイオマス発電装置の動向:日本国内で稼働しているバイオマスガス化発電装置の多くが海外製である。その現状を踏まえ,4つの会社から海外製バイオマスガス化発電装置についてご紹介頂く。
 第5章バイオマス発電の概況と採算性:日本国内のバイオマス発電の現状と課題について解説して頂き,FIT制度に頼らないビジネスモデルを考え,熱分解ガス化による熱電併給事業の採算性について評価する。
 第6章バイオマス発電の火災対策:昨今,バイオマス発電所での爆発・火災事故のニュースを目にすることがあるが,爆発・火災事故例から再発防止策について考え,爆発や火災の防止にどう取り組めばよいのか,解説している。
 本書がバイオマスのガス化技術についてご研究されている方々へ向けて,ご研究活動の一助となれば幸いである。

著者一覧

澤田直美   (一社)日本木質バイオマスエネルギー協会 
有賀一広   宇都宮大学 
山田 敦   (地独)北海道立総合研究機構 
大原利章   岡山大学 
官 国清   弘前大学 
杉山史一   ㈱トーヨーエネルギーソリューション 
川本克也   岡山大学名誉教授
成瀬一郎   名古屋大学 
今田雄司   日工㈱ 
三崎岳郎   ㈱バイオガスラボ 
片岡直明   水ing エンジニアリング㈱
熱田洋一   ㈱豊橋バイオマスソリューションズ 
井上翔吾   ㈱ビオストック
戸田貴純   ㈱コーレンス 
平井 晃   合同会社バイオ燃料 
中村 茂   ㈱KSバイオマスエナジー
フォレストエナジー㈱
松村幸彦   広島大学     
張 孟莉   広島大学 
菅野明芳   ㈱森のエネルギー研究所 
古俣寛隆   札幌市立大学 
那須貴司   BS&Bセイフティ・システムズ㈱ 
芹田皓朗   ㈱チノー 

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 燃料材の動向
1 国産燃料材の需給動向とガス化向け燃料材の確保
1.1 はじめに
1.2 我が国における燃料材需給の現状
1.3 木質バイオマス利活用技術と燃料の特性
1.4 燃料材品質と安定供給の課題
1.5 まとめ
2 木質バイオマス発電のための未利用材利用可能量推計
2.1 はじめに
2.2 材料と方法
2.2.1 解析した森林GIS
2.2.2 森林GISによる解析,分析方法
2.2.3 解析,分析結果
2.3 結果と考察
2.4 おわりに
3 林地未利用材の水分低減技術
3.1 はじめに
3.2 バイオマス発電所土場に保管された丸太の燃料品質
3.3 放置された林地残材の燃料品質
3.4 林地における丸太の天然乾燥試験
3.5 まとめ
4 木質バイオマス燃料の製造を効率化する木を搾る技術の開発
4.1 はじめに
4.2 ローラー式圧搾機の概要
4.3 圧搾メカニズムと燃料としての品質
4.4 搾汁液について
4.5 今後の展望

第2章 バイオマスガス化動向
1 バイオマス水蒸気ガス化による水素製造
1.1 はじめに
1.2 バイオマスガス化の原理
1.3 バイオマス水蒸気ガス化に影響する重要なパラメーター
1.3.1 バイオマスの種類の影響
1.3.2 バイオマス原料の含水量の影響
1.3.3 水蒸気ガス化温度の影響
1.3.4 酸素(空気)当量比の影響
1.3.5 水蒸気/バイオマス比率の影響
1.3.6 触媒の影響
1.4 バイオマス水蒸気ガス化炉開発現状
1.5 バイオマス水蒸気ガス化の課題及び解決策
1.5.1 バイオマス原料に関わる課題
1.5.2 タールに関わる課題
1.5.3 ガス化システムに関わる課題
2 二塔流動床ガス化技術によるバイオマスからの合成ガス製造
2.1 はじめに
2.2 合成ガスの利用用途
2.3 バイオマスの間接ガス化のメリットと課題
2.4 当社ガス化炉の特徴
2.5 当社ガス化炉におけるタール対策
2.6 当社ガス化炉におけるスギ材に対するクリンカ耐性
2.7 当社ガス化炉での国産木質チップ(スギ材由来)での合成ガス組成とチップ使用量
2.8 終わりに
3 木質バイオマスとRPFの共ガス化
3.1 はじめに
3.2 実験および研究方法
3.2.1 試料
3.2.2 実験装置および試験方法
3.2.3 測定方法および解析方法
3.3 結果と考察
3.3.1 生成ガス組成への反応温度の影響
3.3.2 酸素および水蒸気添加の影響
3.3.3 触媒の効果
3.3.4 冷ガス効率による評価
3.4 おわりに
4 木質バイオマスチャーのガス化挙動
4.1 はじめに
4.2 バイオマスガス化
4.3 熱天秤によるバイオマスチャーのガス化挙動
4.4 バイオマスチャーの表面観察
5 木質バイオマス発電設備におけるタール燃焼装置の開発
5.1 はじめに
5.2 重質タールと加熱軽質タール
5.3 タール燃焼装置
5.3.1 重質タールバーナ
5.3.2 加熱軽質タールバーナ
5.3.3 タール燃焼炉
5.4 木質由来ガスの処理状況
5.5 プラント運用時のランニング
5.6 最後に

第3章 バイオガスプラントの動向
1 バイオガス事業の現状と課題
1.1 はじめに
1.2 バイオガス事業の特徴
1.2.1 他の再生可能エネルギー事業との違い
1.2.2 技術的な特徴
1.2.3 事業スキームの多様性
1.2.4 脱炭素化社会への貢献
1.3 バイオガス事業の現状
1.3.1 FIT 制度におけるID認定の現状
1.3.2 国内の普及状況
1.3.3 対象としているバイオマスの内訳
1.4 バイオガス事業の課題
1.4.1 事業上の課題
1.4.2 技術的な課題
1.4.3 情報の共有と技術者の養成
1.4.4 卒FIT 対応
1.5 バイオガス事業の今後
2 下水汚泥のバイオガス化技術
2.1 はじめに
2.2 下水汚泥の高効率ガス回収型消化装置(高濃度汚泥消化システム)の開発事例
2.2.1 高濃度汚泥消化システムの特長
2.2.2 高濃度汚泥消化システムの評価(室内実験)
2.2.3 高濃度汚泥消化の開発動向
2.3 下水処理場における地域バイオマス利活用施設
2.3.1 黒部市下水道バイオマスエネルギー利活用施設
2.3.2 豊橋市バイオマス利活用センター
2.4 今後の展望
3 次世代型小規模メタン発酵システム 
3.1 はじめに
3.2 小規模普及型バイオガス発電システム
3.3 次世代型小規模メタン発酵システム
3.4 次世代型小規模メタン発酵システムの展開について
4 生ごみをエネルギーと肥料に変える「超小型バイオガスプラント」
4.1 廃棄物系バイオマスの利活用を取り巻く環境
4.2 超小型バイオガスプラント・遠隔監視システムの概要・特長
4.3 実際の運用事例
4.4 調布市との連携による学校給食調理残菜再資源化と環境学習の取り組み
4.5 今後の取り組み・展望

第4章 海外バイオマス発電装置の動向
1 URBAS社製木質バイオマスガス化熱電併給プラント
1.1 はじめに
1.2 適用範囲と商業的利用
1.3 ガス化プロセスの概要
1.4 システムの構成
1.5 システムの説明
1.6 まとめ
2 高発電効率A-Tec社製バイオマス・ガス化発電装置
2.1 バイオマス・ガス化発電装置に求められる諸要件
2.1.1 発電効率の最大化が実現可能なガス化発電装置を第一に選択する
2.1.2 発電効率(発電原単位)の最大化が実現出来る装置とは?
2.1.3 発電効率の最大化の為,排熱回収・ORC複合発電(ORC:Organic Rankine Cycle)方式を採用する
2.1.4 ガス化装置はTar‒Free(無タール)ガス化方式を採用した装置の選択が有利である
2.1.5 ガス化発電は装置選定に加え,原材料仕様が重要である
2.1.6 ガス化発電装置は稼働実績のあるメーカー,設備能力モデルの選択が重要である
2.2 高発電効率の統合型A-Tecガス化発電装置の概要と特徴
2.2.1 木質バイオマス専用の高発電効率A-Tec統合型ガス化発電装置
2.2.2 最適化されたA-Tec用ガスエンジン発電機は豊富な実績,高効率・高信頼性である
2.2.3 A-Tecは乾燥機もガス化設備及びエンジン発電機・ORC発電機と一体化・統合化済みの標準化製品
2.2.4 A-Tecなら木質生チップを投入から発電迄を連続・自動化プロセスにより運転可能
2.2.5 A-Tecは導入実績,高ガス化発電効率・高信頼性に加え,最新技術及び知見に基き今後も益々装置は進化中
2.2.6 A-Tecガス化発電装置は統合型Turn‒Keyシステムとして提供中
2.3 A-Tecガス化発電装置の実例写真
2.4 A-Tecの主要な技術仕様
3 木質ガス化発電装置「リプロ(LiPRO)」と乾式メタン発酵プラント「ビーコン(BEKON)」
3.1 木質ガス化発電装置「リプロ」
3.2 “乾式”メタン発酵プラント「ビーコン」
4 Volter社製,SynCraft社製,Cortus社製熱電併給設備
4.1 Volterシリーズの紹介
4.1.1 Volterシリーズの特徴
4.1.2 モデルラインナップ
4.1.3 ガス化炉およびガスエンジン
4.1.4 自動運転への対応
4.2 SynCraftのCraftWERKの紹介
4.2.1 CraftWERKのプロセス概要
4.3 CortusのWoodRollⓇの紹介
4.3.1 プロセス概要
4.3.2 向流熱回収システム
4.3.3 合成ガスの組成と用途

第5章 バイオマス発電の概況と採算性
1 バイオマス発電の現状と課題
1.1 緒言
1.2 バイオマス発電の種類とその課題
1.3 バイオマス発電の経緯と現状
1.4 バイオマス発電の展望
1.5 結言
2 FIT・FIPに頼らぬバイオマス発電・熱利用の新たなビジネスモデル動向
2.1 はじめに
2.2 国内の木質バイオマス発電事業,熱利用を伴う発電(熱電併給),熱利用の現状
2.2.1 木質バイオマス発電の現状と課題認識
2.2.2 木質バイオマスのエネルギー利用の現況
2.3 近年の特徴ある木質バイオマス熱電併給・熱利用の動向,導入事例について
3 熱分解ガス化方式による熱電併給事業の採算性評価
3.1 はじめに
3.2 採算性や経済性の評価指標,評価ツール
3.3 採算性の評価例
3.3.1 燃料にチップを用いる場合
3.3.2 燃料にペレットを用いる場合
3.3.3 熱利用方法の現状
3.4 おわりに

第6章 バイオマス発電の火災対策
1 木質バイオマスの爆発・火災事故例と再発防止策
1.1 はじめに
1.2 爆発・火災事故の概要
1.2.1 米子バイオマス発電所
1.2.2 武豊火力発電所
1.2.3 石狩新港バイオマス発電所
1.3 再発防止策案
1.3.1 米子バイオマス発電所
1.3.2 武豊火力発電所
1.3.3 石狩新港バイオマス発電所
1.4 おわりに
2 バイオマスペレット粉じんの爆発防護技術の動向
2.1 粉じん爆発防護
2.2 粉じん爆発放散ベント
2.3 爆発抑制システム
2.4 爆発しゃ断
3 バイオマス発電火災における発熱監視
3.1 はじめに
3.2 放射温度計の概要
3.2.1 測定原理
3.2.2 種類
3.3 熱画像計測装置CPA-Lシリーズ
3.3.1 小形熱画像計測装置CPA-L4
3.3.2 熱画像広域監視ソフトウェア
3.4 走査放射温度計IR-EA
3.5 計測における注意点
3.5.1 熱画像計測装置の場合
3.5.2 走査放射温度計の場合
3.5.3 保護装置
3.6 アプリケーション事例
3.6.1 破砕物搬送コンベア発熱監視
3.6.2 屋外バイオマスヤード発熱監視
3.6.3 燃料貯蔵ピット発熱監視
3.7 おわりに