著者一覧
Gallet--Pandellé Alia 東北大学
王真金 東北大学
栗田大樹 東北大学
成田史生 東北大学
安藤義人 九州工業大学
川野哲聖 九州工業大学
高山哲生 山形大学
内藤公喜 (国研)物質・材料研究機構
宗像文男 東京都市大学
佐藤圭浩 東京都市大学
石割文崇 大阪大学
畠山歓 東京科学大学
藤田正博 上智大学
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【特集】複合材料の開発と活用に向けた取り組み
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手すき和紙を原料とした高強度で高生分解性の複合材料の開発
Japanese Washi-Paper-Based Green Composites
手すき和紙と生分解性プラスチックからなる複合材料を開発し,力学・物理特性および生分解性を解明した。また,力学・物理特性変化と生分解度の関係解明に成功した。本研究は,生分解性評価指針の提案に資するほか,低環境負荷の包装・農業用マルチフィルムなどとしての実用化,伝統和紙の用途開拓に寄与すると予想される。
【目次】
1 はじめに
2 作製および評価
3 結果および考察
4 おわりに
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オリーブ搾油滓と大理石加工屑を用いた廃棄物由来ポリマーコンポジットの開発
Waste Valorization: Polymer Composite Design Using Olive Pomace and Marble Powder Waste
トルコで大量に廃棄される大理石粉末とオリーブ搾りかすを再利用し,ポリプロピレン複合材料の補強材としての可能性を検討した。応答曲面法(RSM)を用いて,補強材の最適配合比率を導出し,機械的特性の向上を実現した。結果として,廃棄物の高付加価値化と持続可能な材料設計への貢献が示された。
【目次】
1 はじめに
2 結果と考察
2.1 材料特性の評価
2.2 イオン液体を用いたEOPpの処理
2.3 応答曲面法(RSM)による最適化
3 まとめ
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有機繊維強化ポリプロピレンの力学特性に及ぼすカーボンナノファイバーの分散効果
Effect of Carbon Nanofiber Dispersion on Mechanical Properties of Organic Fiber Reinforced Polypropylene
環境保全の観点より,廃棄されたプラスチック製品を資源として利活用することが注目されている。廃棄物を再成形するメカニカルリサイクルは環境負荷が小さい手法といえる。繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)についても廃棄物の利活用が求められている。ガラス繊維や炭素繊維は本質的に脆性であるため,溶融成形加工時に受けるせん断や圧縮によって破損することがしばしば報告されている。持続可能な社会を形成するためには,サーマルリサイクルでは残渣がほとんど残らず,メカニカルリサイクルではFRTPで使用する繊維は強化剤としての性能を残すために,繊維が短くならないことが要求されると予想される。溶融成形加工で短くならない繊維としてアラミド繊維(AF)が挙げられる。この材料は優れた衝撃強さを発現することが知られている。その反面,ガラス繊維や炭素繊維で補強されたプラスチックと比べると,強度や弾性率が劣ることも報告されている。本研究ではアラミド繊維強化ポリプロピレン(PP/AF)に第3成分としてウイスカであるカーボンナノファイバー(CNF)を分散することを検討した。本研究の結果と考察により,PP/AFにCNFを分散させることは,その射出成形品の耐衝撃性を損なうことなく力学特性を底上げすることができることが明らかとなった。また,得られた力学特性はガラス繊維を分散させた複合材料よりも優れたものとなることもわかった。このことは有機繊維強化熱可塑性プラスチック複合材料を利用して,ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック複合材料の代替えが可能であることを示している。
【目次】
1 はじめに
2 アラミド繊維強化ポリプロピレンの力学特性に及ぼすカーボンナノファイバー分散効果
2.1 曲げ特性
2.2 界面力学特性
2.3 ノッチ付きCharpy衝撃強さ
3 終わりに
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炭素繊維の構造と力学特性の異方性評価
Structure and Anisotropic Mechanical Property Evaluations of Carbon Fibers
本研究では,ナノインデンテーション法と理論的な解析を組み合わせて,異方性の程度の異なる4種類の炭素繊維の5つの弾性定数を調べた。また,炭素繊維の微細構造は走査型・透過型電子顕微鏡,ラマン分光分析およびX線回折解析を用いて調べた。これらの結果より炭素繊維の構造と弾性定数の関係を系統的に明らかにした。
【目次】
1 緒言
2 材料および実験方法
3 結果および考察
4 結言
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機能性複合材料組織の新しい画像解析技術の開発とその自己組織化/自己集積化組織への応用
Development of New Image Analysis Techniques for Functional Composite Material Textures and Their Application to Self-Organized/Self-Assembled Structures
本論文では,機能性複合材料の組織制御に自己組織化/自己集積化プロセスを適用することでフラクタル材料組織を実現し,多機能性複合材料組織構築の可能性を述べたものである。特に,材料組織の設計指針の立案にマルチフラクタル解析を用いた新しい画像解析技術の適用の試みたものである。
【目次】
1 はじめに
2 機能性材料組織と画像解析
2.1 フラクタル/マルチフラクタルとは
2.2 フラクタル/マルチフラクタル解析理論
2.3 機能性材料組織の画像解析
3 材料組織学への応用
3.1 マルチフラクタル一般化次元と複合材料組織
3.2 マルチフラクタルと複雑ネットワーク
3.3 材料組織学と情報熱力学
4 今後の展開
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[Material Report-R&Dー]
CISS(不斉誘起スピン選択性)を示すホモキラル二面性π共役ポリマー
Homochiral Bifacial π-Conjugated Polymer with CISS Property
近年,キラル物質におけるCISS(Chirality-Induced Spin Selectivity,不斉誘起スピン選択性)効果が,物理,化学,生物と言う広範な分野で大きな興味を持たれている。本稿では,CISS効果の概要と,我々が開発した顕著なCISS効果を示すホモキラル二面性π共役ポリマーについて,物性測定にも焦点を当てて紹介する。
【目次】
1 不斉誘起スピン選択性(Chirality Induced Spin Selectivity: CISS)とは
2 CISS効果を示す物質群
3 CISS効果の応用先
4 mc-AFMによるCISS効果測定法
5 ホモキラル二面性π共役ポリマーの合成とCISS特性
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マテリアルズ・インフォマティクスによる固体電解質の効率的な探索
Efficient Exploration of Solid Electrolytes Using Materials Informatics
可塑性とイオン伝導性を有する柔粘性イオン結晶(OIPC)は,固体電解質として電池用途への応用が期待されるものの,イオン伝導度のさらなる向上が必要である。本稿では,マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を用いた高イオン伝導性OIPCの効率的な探索手法について紹介する。実験的アプローチとMIを組み合わせることで,構造と物性の相関について理解が深まることが期待される。
【目次】
1 はじめに
2 イオン伝導度の予測
3 高イオン伝導性OIPCの探索
4 イオン半径比とイオン伝導度の関係について
5 おわりに
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[Market Data]
接着剤工業の市場動向
2023年の接着剤の生産量は前年比1.0%増の75万8,249トンとなり,出荷金額は同11.8%減の2,687億円となった。2015年以降は合板など建築用途で需要が増加し,全体的な生産量は増加の傾向にあったが,2023年は,新型コロナウイルス感染症による影響も薄れ,生産量は微増したが,出荷金額は減少した。
【目次】
1 需給概要
2 品目別概要
3 需要動向
4 輸出入の概要
5 業界動向
6 環境問題への対応
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[Material Profile]
シリカゾル
パラフィン
月刊機能材料 年間購読(12冊)
価格(税込): 55,000 円
ポリマーアロイ・ポリマーブレンド
価格(税込): 58,300 円
生分解性プラスチックの環境配慮設計指針
価格(税込): 72,600 円
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の開発と市場 2020
価格(税込): 88,000 円
環境調和型複合材料
価格(税込): 4,400 円
ポリマーナノコンポジットの開発と分析技術《普及版》
価格(税込): 3,960 円