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【特集】産業応用をめざす最新フェムト秒レーザープロセス技術
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色素薄膜のフェムト秒レーザー加工と転写
Femtosecond Laser Etching and Ablation Transfer of Organic Thin Films
朝日剛(大阪大学)
増原宏(大阪大学)
【目次】
1. はじめに
2. 色素薄膜の離散的エッチング
3. フェムト秒レーザーアブレーション転写
4. 転写のダイナミクスとミクロ機構
5. おわりに
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フェムト秒時間分解偏光画像化計測法(FTOP)によるフェムト秒光パルス伝播の計測
Measurement of Femtosecond Optical Pulse Propagation using Femtosecond Time-resolved Optical Polarigraphy (FTOP)
青島紳一郎(浜松ホトニクス㈱;(財)光科学技術研究振興財団)
藤本正俊(浜松ホトニクス㈱;(財)光科学技術研究振興財団)
土屋裕(浜松ホトニクス㈱;(財)光科学技術研究振興財団)
フェムト秒時間分解偏光画像化計測法(FTOP : Femtosecond Time-resolved Optical Polarigraphy) と呼ばれる新しい計測法について解説する。まず,気体,液体,固体の種々の媒質中における高強度フェムト秒レーザーパルスの超高速非線形伝播特性を非侵襲的に調べた結果を報告する。この手法を用いると複雑な非線形伝播の様子を直接画像化計測することが可能であり, 光の本質に関わる物質との超高速相互作用の理解に大いに役立つ。また, 一連のFTOP 像から瞬間の断面強度分布を再構成する方法, フェムト秒時間分解・マイクロメートル空問分解・ナノメートル分光計測,マルチフレーム計測など,FTOP の応用計測と高機能化についても述べる。これらの手法で初めて可能となる計測を実現しており,フェムト秒レーザー加工などに有用であると期待される。
【目次】
1. はじめに
2. フェムト秒時間分解偏光画像化計測法(FTOP)の計測原理と実験装置の構成
3. FTOP 計測例
3.1 気体-空気希ガス
3.2 液体-CS2, 水
3.3 固体-石英ガラス
4. FTOP の応用計測と高機能化
4.1 時間プロファイルの計測
4.2 空間強度分布の計測
4.3 フェムト秒時間分解・マイクロメートル空間分解・ナノメートル分光計測(FTOP 像の分光計測)
4.4 マルチフレームFTOP
5. おわりに
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フェムト秒レーザーによる積層薄膜同時加工
Simultaneous Ablation of Multi- layered Thin Films with Femtosecond Laser
山田泰史(㈱リコー)
フェムト秒レーザー加工法は多くのデバイスに対して応用が期待されている。われわれは特に光学素子加工への応用をめざして, 金属薄膜と透明薄膜の積層構造体を用いたプロセスを提案し, その特性観察を行った。本プロセスにより, ナノオーダーの立体形状と平滑面を有する構造体を作製することが可能であることがわかった。
【目次】
1. はじめに-フェムト秒レーザー加工の展開-
2. フェムト秒レーザー超加工
2.1 微細加工領域
2.2 フェムト秒レーザーによる金属加工
2.3 バルク金属加工での問題点
3. フェムト秒レーザーによる金属薄膜材料加工
3.1 実験
3.2 レーザー照射強度による薄膜加工部の形状変化
3.3 加工しきい値の膜厚依存性
4. フェムト秒レーザーによる透明薄膜・金属膜の同時加工
4.1 積層薄膜構成
4.2 積層薄膜同時加工結果
4.3 加工面マイクロラフネス
4.4 加工しきい値の透明層膜厚依存性
4.5 積層薄膜同時加工モデル
5. おわりに
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フェムト秒レーザーによる3 次元超加工
Three-dimensional Fabrication with Super Resolution using a Femtosecond Laser
三澤弘明(徳島大学)
可視・近赤外波長域のフェムト秒レーザー光を透明材料に集光照射すると, 焦点付近に非線形光学現象である多光子吸収が容易に誘起され, 回折限界を超える加工分解能で表面を損傷させることなく材料内部のみを加工することが可能となる。ここではガラスやポリマー材料の集光フェムト秒レーザーによる3 次元微細加工について解説する。
【目次】
1. はじめに
2. フェムト秒超加工装置
3. シリカガラスヘの局所的な光学損傷の誘起
4. シリカガラス,およびサファイアの集光フェムト秒レーザー支援加工
5. シリカガラスを用いたフォトニック結晶の作製
6. 光硬化樹脂の固化を用いたフォトニック結晶の作製
7. 多光束干渉によるフォトニック結晶の作製
8. おわりに
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[Material Report-R&D]
超臨界アルコールによるシラン架橋ポリエチレンのマテリアルリサイクル技術
Recycling of Silane Crosslinked Polyethylene by Supercritical Alcohol
後藤敏晴(日立電線㈱)
山崎孝則(日立電線㈱)
架橋ポリエチレンは,ケーブル被覆材料として大量に使用されている。この廃棄物は,架橋されているために加熱しても流動しない。したがって,ポリ塩化ビニルやポリエチレンに比べて成形性が悪く,マテリアルリサイクルが進んでいない。ここでは,超臨界メタノールを用いてシラン架橋ポリエチレンの架橋点を選択的に切断する技術について述べる。この方法によって,シラン架橋ポリエチレンの成形性を改善することができる。
【目次】
1. はじめに
1.1 ケーブル被覆材リサイクルの現状
1.2 架橋ポリエチレン
1.3 架橋ポリエチレンのリサイクル技術
2. 超臨界流体
3. 超臨界流体によるXLPE の熱可塑化
3.1 XLPE への超臨界流体の溶解
3.2 超臨界処理したXLPE のゲル分率と分子量分布
3.3 超臨界処理したXLPE の構造
4. 超臨界処理したXLPE の物性
5. おわりに
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セルロース結晶内へのジアミン分子の可逆的インターカレーション
Reversible Diamine Intercalation into Cellulose Crystals
和田昌久(東京大学)
天然で最も多量に存在する高分子の一つであるセルロースは,β-1, 4 グルカン分子鎖が束になって結晶化し,ミクロフィブリルと呼ばれる幅3~20nm の微細繊維として存在している。最近筆者らは,このミクロフィブリルの構造を保持したままで, セルロース分子鎖間への種々ジアミン分子の挿入と放出が容易にできることを見つけた。本稿では,セルロース-ジアミン複合体の構造とジアミン分子の可逆的インターカレーションについて解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 高結晶性セルロース
3. セルロースの結晶多形
4. セルロースI-エチレンジアミン複合体
5. セルロースI-各種ジアミン複合体
6. おわりに
【特集】産業応用をめざす最新フェムト秒レーザープロセス技術
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色素薄膜のフェムト秒レーザー加工と転写
Femtosecond Laser Etching and Ablation Transfer of Organic Thin Films
朝日剛(大阪大学)
増原宏(大阪大学)
【目次】
1. はじめに
2. 色素薄膜の離散的エッチング
3. フェムト秒レーザーアブレーション転写
4. 転写のダイナミクスとミクロ機構
5. おわりに
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フェムト秒時間分解偏光画像化計測法(FTOP)によるフェムト秒光パルス伝播の計測
Measurement of Femtosecond Optical Pulse Propagation using Femtosecond Time-resolved Optical Polarigraphy (FTOP)
青島紳一郎(浜松ホトニクス㈱;(財)光科学技術研究振興財団)
藤本正俊(浜松ホトニクス㈱;(財)光科学技術研究振興財団)
土屋裕(浜松ホトニクス㈱;(財)光科学技術研究振興財団)
フェムト秒時間分解偏光画像化計測法(FTOP : Femtosecond Time-resolved Optical Polarigraphy) と呼ばれる新しい計測法について解説する。まず,気体,液体,固体の種々の媒質中における高強度フェムト秒レーザーパルスの超高速非線形伝播特性を非侵襲的に調べた結果を報告する。この手法を用いると複雑な非線形伝播の様子を直接画像化計測することが可能であり, 光の本質に関わる物質との超高速相互作用の理解に大いに役立つ。また, 一連のFTOP 像から瞬間の断面強度分布を再構成する方法, フェムト秒時間分解・マイクロメートル空問分解・ナノメートル分光計測,マルチフレーム計測など,FTOP の応用計測と高機能化についても述べる。これらの手法で初めて可能となる計測を実現しており,フェムト秒レーザー加工などに有用であると期待される。
【目次】
1. はじめに
2. フェムト秒時間分解偏光画像化計測法(FTOP)の計測原理と実験装置の構成
3. FTOP 計測例
3.1 気体-空気希ガス
3.2 液体-CS2, 水
3.3 固体-石英ガラス
4. FTOP の応用計測と高機能化
4.1 時間プロファイルの計測
4.2 空間強度分布の計測
4.3 フェムト秒時間分解・マイクロメートル空間分解・ナノメートル分光計測(FTOP 像の分光計測)
4.4 マルチフレームFTOP
5. おわりに
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フェムト秒レーザーによる積層薄膜同時加工
Simultaneous Ablation of Multi- layered Thin Films with Femtosecond Laser
山田泰史(㈱リコー)
フェムト秒レーザー加工法は多くのデバイスに対して応用が期待されている。われわれは特に光学素子加工への応用をめざして, 金属薄膜と透明薄膜の積層構造体を用いたプロセスを提案し, その特性観察を行った。本プロセスにより, ナノオーダーの立体形状と平滑面を有する構造体を作製することが可能であることがわかった。
【目次】
1. はじめに-フェムト秒レーザー加工の展開-
2. フェムト秒レーザー超加工
2.1 微細加工領域
2.2 フェムト秒レーザーによる金属加工
2.3 バルク金属加工での問題点
3. フェムト秒レーザーによる金属薄膜材料加工
3.1 実験
3.2 レーザー照射強度による薄膜加工部の形状変化
3.3 加工しきい値の膜厚依存性
4. フェムト秒レーザーによる透明薄膜・金属膜の同時加工
4.1 積層薄膜構成
4.2 積層薄膜同時加工結果
4.3 加工面マイクロラフネス
4.4 加工しきい値の透明層膜厚依存性
4.5 積層薄膜同時加工モデル
5. おわりに
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フェムト秒レーザーによる3 次元超加工
Three-dimensional Fabrication with Super Resolution using a Femtosecond Laser
三澤弘明(徳島大学)
可視・近赤外波長域のフェムト秒レーザー光を透明材料に集光照射すると, 焦点付近に非線形光学現象である多光子吸収が容易に誘起され, 回折限界を超える加工分解能で表面を損傷させることなく材料内部のみを加工することが可能となる。ここではガラスやポリマー材料の集光フェムト秒レーザーによる3 次元微細加工について解説する。
【目次】
1. はじめに
2. フェムト秒超加工装置
3. シリカガラスヘの局所的な光学損傷の誘起
4. シリカガラス,およびサファイアの集光フェムト秒レーザー支援加工
5. シリカガラスを用いたフォトニック結晶の作製
6. 光硬化樹脂の固化を用いたフォトニック結晶の作製
7. 多光束干渉によるフォトニック結晶の作製
8. おわりに
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[Material Report-R&D]
超臨界アルコールによるシラン架橋ポリエチレンのマテリアルリサイクル技術
Recycling of Silane Crosslinked Polyethylene by Supercritical Alcohol
後藤敏晴(日立電線㈱)
山崎孝則(日立電線㈱)
架橋ポリエチレンは,ケーブル被覆材料として大量に使用されている。この廃棄物は,架橋されているために加熱しても流動しない。したがって,ポリ塩化ビニルやポリエチレンに比べて成形性が悪く,マテリアルリサイクルが進んでいない。ここでは,超臨界メタノールを用いてシラン架橋ポリエチレンの架橋点を選択的に切断する技術について述べる。この方法によって,シラン架橋ポリエチレンの成形性を改善することができる。
【目次】
1. はじめに
1.1 ケーブル被覆材リサイクルの現状
1.2 架橋ポリエチレン
1.3 架橋ポリエチレンのリサイクル技術
2. 超臨界流体
3. 超臨界流体によるXLPE の熱可塑化
3.1 XLPE への超臨界流体の溶解
3.2 超臨界処理したXLPE のゲル分率と分子量分布
3.3 超臨界処理したXLPE の構造
4. 超臨界処理したXLPE の物性
5. おわりに
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セルロース結晶内へのジアミン分子の可逆的インターカレーション
Reversible Diamine Intercalation into Cellulose Crystals
和田昌久(東京大学)
天然で最も多量に存在する高分子の一つであるセルロースは,β-1, 4 グルカン分子鎖が束になって結晶化し,ミクロフィブリルと呼ばれる幅3~20nm の微細繊維として存在している。最近筆者らは,このミクロフィブリルの構造を保持したままで, セルロース分子鎖間への種々ジアミン分子の挿入と放出が容易にできることを見つけた。本稿では,セルロース-ジアミン複合体の構造とジアミン分子の可逆的インターカレーションについて解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 高結晶性セルロース
3. セルロースの結晶多形
4. セルロースI-エチレンジアミン複合体
5. セルロースI-各種ジアミン複合体
6. おわりに