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月刊機能材料 2004年10月号

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【特集】ナノファイバーの評価法

商品コード:
M0410
発行日:
2004年9月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
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雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

Review

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特集:ナノファイバーの評価法
Formation and Characterization of Nanofibers
 ●特集号によせて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

                           谷岡明彦

 Akihiko Tanioka   東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授 


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 散乱法によるナノファイバーの解析・・・・・・・・・・・・7
 Analysis of Nanofibers by means of Scattering Methods

                          梶 慶輔

 Keisuke Kaji   京都大学 名誉教授 

 ナノファイバーの形状(太さと長さ)とその分率,および内部構造の散乱法による解析を説明す
る。散乱法としては,小角X 線散乱(SAXS),小角中性子散乱(SANS,広角X線回折(WAXD),レ
ーザーラマン散乱などを取り上げた。これらの散乱実験結果の解釈には信頼できるモデルが不可欠
であることを強調した。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.ナノファイバーの構造と散乱法
 3.小角散乱によるナノファイバーの形状の測定
  3.1 棒状粒子の散乱理論
  3.2 小角X線散乱によるミクロフィブリルの太さの決定
  3.3 小角中性子散乱によるシシの太さの決定
 4.広角X線回析による結晶サイズの決定
  4.1 シェラー(Scherrer)の方法
  4.2 ホーゼマン(Hosemann)の方法
  4.3 実験法と実際例
 5.ラマン散乱による結晶サイズの決定
  5.1 ポリエチレン(PE)
  5.2 その他のポリマー
 6.シシの分率の決定
 7.おわりに


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 複屈折近接場光学顕微鏡の開発と応力イメージングへの応用・・・・17
 Development of Birefringence Scanning Near-field Optical Microscope and its
Application to Stress Imaging

                                梅田倫弘

 Norihiro Umeda   東京農工大学大学院 共生科学技術研究部 教授 

 ナノテクノロジーによる構造・機能材料分野の進展に伴い,応力や異方性分布を非接触・高分解
能に観測評価できる分析手法として,複屈折を高速に評価できる計測法を近接場光学顕微鏡に導入
した新規な計測システムを開発した。開発装置の構成および光磁気ディスクやナノインデンテーシ
ョン圧痕の応力分布の観測結果について紹介する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.複屈折近接場測定の条件
 3.複屈折近接場の顕微鏡の装置と計測特性
  3.1 装置構成
  3.2 計測特性
 4.光ディスク基板の観測
 5.ナノインデント圧痕の応力分布
 6.おわりに


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 AFMによる高分子一本鎖のナノ力学測定・・・・・・・・・・24
 Nano-mechanical Measurement of a Single Polymer Chain by AFM

              中嶋 健 *1 酒井康博 *2 伊藤耕三 *3 西 敏夫 *4

*1  Ken Nakajima   東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻 助手 
*2  Yasuhiro Sakai  東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 博士課程3年 
*3  Kohzo Ito     東京大学大学院 新領域創成科学研究科 物質系専攻 教授 
*4  Toshio Nishi   東京工業大学大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授

 通常表面の凹凸情報を取得するための「顕微鏡」として利用されるAFMを高分子表面のナノ力学
物性を測定するための手段と位置づけ,高分子に特化した形で筆者らが開発してきた測定法・評価
法について述べる。高分子表面のナノスケールでの力学物性測定に始まり,ナノブリッジ,高分子
一本鎖とその研究の道筋をたどっていく中でナノレオロジーAFMと名づけたこの方法がいかに有効
であるかを示す。

 ~目次~
 1.はじめに
 (1)ナノレオロジーAFM
 (2)ナノトライボロジーAFM
 2.高分子表面のナノレオロジー
 3.ナノブリッジ
 4.ナノフィッシング(単一高分子鎖伸張)
 5.高分子一本鎖のナノレオロジー
 6.おわりに


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 3次元電子顕微鏡の概要と高分子ナノ構造の観察・・・・・・・・・・・33
 Introduction of Three-dimensional TEM and Application for Polymeric Materials

                 古河弘光 *1  陣内浩司 *2  清水美代子 *3

*1  Hiromitsu Furukawa  日本電子システムテクノロジー(株) 第5技術部 部長 
*2  Hiroshi Jinnai    京都工芸繊維大学 繊維学部 助教授 
*3  Miyoko Shimizu    日本電子システムテクノロジー(株) 第5技術部 

 ナノテクノロジーをキーワードに,微細領域の研究が盛んである。これを背景に,ナノレベルの3
次元構造を観察したいという要求が高まってきた。現在,この要求に応えられる唯一の装置が3次元
電子顕微鏡である。本稿では3次元電子顕微鏡の原理および概要と,高分子ナノ構造の観察事例を紹
介する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.透過型電子顕微鏡
 3.3次元再構成の原理
 4.3次元電子顕微鏡
 5.高分子分野への応用
 6.おわりに


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 陽電子消滅試験および微小領域応力測定による材料評価技術・・・・43
 Material Evaluation Technology by Positron Annihilation Measurement and Micro/
Nano-scopic Stress Measurement

                        藤城泰文 *1  溝尾 律 *2

*1  Yasufumi Fujishiro  住友金属テクノロジー(株) 関西事業部 試験・調査部 部長 
*2  Osamu Mizoo      住友金属テクノロジー(株) 関西事業部 試験・調査部

 半導体素子のようなナノテクノロジーを活用した微細構造物の品質評価技術は,従来の評価方法
では難しく,新しい評価技術およびその適用が研究されている。陽電子消滅試験は各種材質の微細
構造変化(析出現象,疲労破壊ほか)を定量的に評価することが可能であり,また光や電子線を用
いた微小領域応力測定技術は,0.1μm程度の微小部の残留応力や作用応力を測定することができる。
本稿ではこれらの技術と適用例について紹介する。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.陽電子消滅試験
  2.1 陽電子消滅法
  2.2 ナノ構造を陽電子で探る
  2.3 陽電子消滅寿命の測定例
  2.4 陽電子消滅寿命の今後
 3.微小領域応力測定
  3.1 微小領域応力測定の原理
  3.2 微小領域応力測定の測定例
  3.3 微小領域応力測定の今後
 4.おわりに


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 ナノテク材料評価における振動分光法の活用・・・・・・・・54
 Application of Vibrational Spectroscopy to Materials in Nano-technology

                     幾田信生 *1  西尾悦雄 *2

*1  Nobuo Ikuta   湘南工科大学 工学部 マテリアル工学科 教授 
*2  Etsuo Nishio  (株)パーキンエルマージャパン 代表取締役社長 

 赤外吸収とラマン発光による振動分光法は一般的な分析であるが,ナノテクノロジー分野でも構
造解析法として用いられている。ここでは,ナノ構築表面あるいは局所空間の評価技法として振動
分光を紹介するとともに,ナノカーボンチューブの特性解析として用いられる共鳴ラマン分析を取
り上げる。末尾には振動分光法を用いた当該分野の最近の研究動向を記した。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.赤外分光による表面状態分析
  2.1 各種反射法によるLB膜評価
  2.2 誘起電磁波による高感度赤外分析
 3.最近の表面界面分析:和周波発生(SFG)
 4.顕微赤外分光法
 5.カーボンナノチューブの共鳴ラマン
 6.最近の研究動向と今後の展望


Material Report
R&D
 フェノキシイミン錯体触媒の開発と応用・・・・・・・・・・・・60
 Development of Highly-Active Olefin Polymerization Catalysts "FI Catalysts"
and their Applications to New Polymers

                     中山 康 *1 三谷 誠 *2 藤田照典 *3

*1  Yasushi Nakayama  三井化学(株) 触媒科学研究所 研究員 
*2   Makoto Mitani   三井化学(株) 触媒科学研究所 主任研究員 
*3  Terunori Fujita  三井化学(株) 触媒科学研究所 研究主幹 

 FI触媒の大きな特徴は,配位子構造の変換により,従来のオレフィン重合触媒では合成困難であっ
たユニークなポリオレフィンが合成できることにある。本稿では,FI触媒を用いた分子量制御ポリマ
ー(極低~超高分子量)の合成や,リビング重合技術を利用したブロックポリマーの合成について紹
介する。また,工業プロセス上重要な担持型FI触媒の開発についても述べる。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.オレフィン重合触媒発展の歴史
  2.1 Ziegler触媒の発見と高活性Mg系担持型チタン触媒
  2.2 ポストメタロセン触媒の研究の進展
 3.FI触媒の現状と機能性ポリオレフィンへの展開
  3.1 分子量制御ポリマー
  3.2 ブロックポリマーへの展開
  3.3 塩化マグネシウム助触媒系への展開
 4.おわりに


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 音力発電の現状とこれから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
 An Overview of Research and Development of Sound-generated Electricity

                     速水浩平 *1 武藤佳恭 *2

*1  Kohei Hayamizu    慶應義塾大学 環境情報学部 
*2  Yoshiyasu Takefuji  慶應義塾大学 環境情報学部 教授;政策メディア研究科委員 

 「音力発電」とは,音のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電方法である。この発電では特
に騒音や雑音・振動などこれまで捨てられていた音を有効に使う(再利用する)ことを目的としてい
る。音力発電の研究領域は,「波動や振動のエネルギー」を使って発電する「振動力発電」の研究領
域と重なる。その意味で,音力発電は振動力発電の技術の一部を応用したものともいえる。音と振動
の2つの発電方法を組み合わせた「音力・振動力発電」は,新しいエネルギーとして将来さまざまな
分野において利用することが可能である。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.音力発電の紹介
  2.1 音力発電とは
  2.2 振動力発電とは
  2.3 目的
 3.技術的特徴
  3.1 2種類の発電方法の比較
  3.2 音力発電の技術的特徴
 4.長所と課題
 5.他技術との比較
 6.音力・振動力発電が可能にすること
 7.共同研究について
  7.1 注目される音力・振動力発電
  7.2 JR東日本との共同研究
  7.3 音力発電のMOT-ジュールプロダクト
 8.音力・振動力発電の普及
 9.応用展開
  (1)ユビキタス発電とは
 10.音力・振動力発電を生かすべき
  10.1 音や振動で駆動する低消費電力機器
  10.2 複合リソースとして
 11.おわりに

機能材料連載講座:因果化学からみる材料の機能性(8)
 材料展開を複眼視する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
 Multiple Viewpoints of Materials

                             市村國宏

 Kunihiro Ichimura   東邦大学 理学部 特任教授 

 材料は科学と産業技術の接点で深化しているが,材料の研究開発が進めば進むほど専門以外の材料
分野を理解することが難しくなっている。実際には,多種多様な素材を組み合わせて実用的な性能や
機能を創造しているので,異種の材料技術間での横断的な見方が重要となっている。

 ~目次~
 1.はじめに
 2.材料技術の展開
 3.相互作用と相互依存
 4.超分子系と分子協調系
 5.分子協調系における因果化学的な機能発現
 6.材料技術を複眼視する
 7.おわりに


連載:高分子材料の実用性(4)
 医療機器への応用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87

                               鴨川昭夫

 Akio Kamogawa   元・理化学研究所 研究員/元・工学院大学 電子工学科;化学工学科 

 プラスチックを使用して,コンピューター制御で頭部模型を塑性変形で作り,それを用いた医学の
発達のための研究が始まっている。また,プラスチックは加工されると弱電を帯びるために,これを
防ぐためにスプレーでアンモニアを吹き付けるが,時計バンドのような帯状のプラスチックでは静電
気除去用のプラスチックが開発されている。

 ~目次~
-感光性樹脂製の実物大頭部模型
-ポリエステル製抗菌白衣
-人工筋力で人間並みの反応速度を達成