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月刊機能材料 2003年6月号

【特集】色素増感太陽雷池の先端技術

商品コード:
M0306
発行日:
2003年5月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
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【特集】色素増感太陽雷池の先端技術

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低温半導体膜形成法とフィルム型カラフル太陽電池への応用
Low Temperature Processing of Semiconductor Films and Their Application to Film-type Colorful Dye-sensitized Solar Cells

吉田司(岐阜大学)
箕浦秀樹(岐阜大学)


 色素増感太陽電池のプラスチックフィルム化とカラフル化は, 従来の太陽電池との差別化を図るための重要な課題である。それを実現するためには光電極の低温形成法を確立する必要がある。ここでは電析法および水熱処理を利用した光電極の作製, およびそれらを用いた太陽電池の試作に関するわれわれの取り組みを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 電析法による酸化亜鉛/色素電極の作製と色素増感太陽電池への応用
2.1 酸化亜鉛/色素複合膜の自己組織化電析
2.2  酸化亜鉛/エオシンY複合膜の作製とその微細構造
2.3 フィルム型カラフル太陽電池作製の可能性
3. 水熱処理を利用した酸化チタン厚膜の作製とプラスチック太陽電池への応用
3.1 酸化チタン厚膜の低温形成法の概略
3.2 得られる酸化チタン厚膜の評価
3.3 得られた酸化チタン厚膜電極を用いる色素増感太陽電池特性
3.4 さらなる性能向上の可能性
4. おわりに

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泳動電着チタニア膜を用いる色素増感プラスチックフィルム電極
Dye-sensitized Plastic Film Electrodes with Electrophoretically Deposited TiO2 Porous Layers

雉鳥優二郎(桐蔭横浜大学)
宮坂力(桐蔭横浜大学)


 プラスチックフィルム型色素増感光電池の電極基板に, ITO-PET などの汎用の透明導電性フィルムを利用するための低温製膜法として, 泳動電着法によるチタニア膜の形成と化成処理による粒子間結合の強化を検討している。この方法で製膜した多孔性チタニア膜はフィルムヘの密着性も良く, フィルム型色素増感光電池において, 4 %以上のエネルギー変換効率が得られている。

【目次】
1. はじめに-フィルム化に向けて
2. 電気泳動法によるTiO2 多孔層作製
2.1 TiO2 泳動電着膜の作製手順
2.2 泳動電着法の特徴
3. 化成処理によるネッキング
4. セルの作製と評価方法
5. TiO2 泳動電着膜の最適化
5.1 化成処理の効果
5.2 泳動電着膜の作製方法の検討
6. オールプラスチックセル
7. 今後の展開

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CuIを用いる全固体型色素増感太陽電池
Dye-sensitized Solid-state Solar Cell using CuI

昆野昭則(静岡大学)
G. R. アソカ クマラ(静岡大学)
奥谷昌之(静岡大学)
金子正治(静岡大学)

 
 次世代型太陽電池として注目されている色素増感型太陽電池の固体化について, p 型半導体層にCuI を用いる全固体型色素増感太陽電池の作製法, 現在の性能およびその高効率化のための課題について概説した。この太陽電池の性能向上には, TiO2 電極, CuI 層お
のおのの最適化およびCuI 層の短絡防止が重要である。

【目次】
1. はじめに
2. ヨウ化銅の特長
3. CuIをp-型半導体層とする全固体型色素増感太陽電池
3.1 TiO2 電極の作製法と短絡防止層の効果
3.2 ヨウ化銅層の形成とチオシアン酸イミダゾリウム添加効果
4. おわりに

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色素増感太陽電池のフィルム化技術に向けて
Flexible Dye-sensitized Solar Cells fabricated with Titanium Oxide Films formed on Plastic Conducting Substrates and Ionic Conducting Polymers

錦谷禎範(新日本石油㈱)


 非常に軽量で低コスト化が可能な, フィルムタイプ色素増感太陽電池の研究開発が, 精力的に実施されるようになった。その重要な構成要素は, TiO2 を透明導電フィルム上に製膜したプラスチックTiO2 電極と, 固体状の電解質であるイオン伝導性ポリマーである。本総説では, 世界のフィルムタイプ色素増感太陽電池の研究開発状況を概説したのち, わ
れわれが現在研究開発を行っている, PVDF-HFP 系イオン伝導性ポリマーを用いたセルの検討結果を述べる。

【目次】
1. はじめに
2. プラスチックTiO2 電極の研究開発動向
2.1 加圧プレス法による製膜
2.2 静電的電着法による製膜
3. イオン伝導性ポリマーの研究開発動向
4. PVDF-HFP 系イオン伝導性ポリマーを用いた色素増感太陽電池の研究開発
5. おわりに

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金属酸化物複合電極を用いる新しい色素増感太陽電池
Novel Dye-sensitized Solar Cells based on Metal Oxide Composite Electrodes

真狩祐紀(大阪大学)
和田雄二(大阪大学)
柳田祥三(大阪大学)


 ここ数年, 金属酸化物複合電極を用いた色素増感太陽電池に関する報告が相次いでいる。複合電極の研究開発は学術的な興味だけでなく, 色素増感太陽電池の実用化に対しても有用な手段になると考えられる。本稿では酸化物複合電極を用いた太陽電池の研究開発動向について紹介し, 最後に筆者らのグループにおける研究について紹介する。

【目次】
1. 半導体多孔質電極
2. SnO2/ZnO 系の発見
3. 複合電極系の進展
4. 今後の展望

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色素増感太陽電池に向けたナノ酸化チタンコロイドの水熱合成
Hydrothermal Synthesis of Titania Nano Colloids to Dye-sensitized Solar Cell

内田聡(東北大学)
冨羽美帆(東北大学)
正木成彦(東北大学)


 工業的にも確立された感のあるナノサイズ酸化チタンの合成であるが, こうした各種酸化チタン粒子を色素増感太陽電池へ応用したときの特性はどのようなものかという知見についてはノウハウ的な要素が多く, 学問的にも新規性に乏しいことから, これまであまり公開されてこなかったように思われる。本稿では酸化チタンコロイドの簡便な合成方法を提案し, これらを電極材料として使用したときの諸特性について紹介する。

【目次】
1. はじめに
1.1 酸化チタンに期待される役割
1.2 酸化チタンペーストの調製
2. 酸化チタンコロイドの水熱合成
3. 酸化チタンコロイド電極の特性評価
4. おわりに

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28GHz マイクロ波による酸化チタン膜の焼成と色素増感太陽電池への応用
Fabrication of Titanium Oxide Films by 28GHz Microwave Irradiation and the Application to Dye-sensitized Solar Cells

冨羽美帆(東北大学)
内田聡(東北大学)
滝沢博胤(東北大学)


 マイクロ波による加熱は, 物質の誘電損失に依存するため選択的な加熱が可能である。また電気炉に比べてはるかに短時間で加熱できる利点がある。本稿ではこれらの性質に着目し, 28GHz マイクロ波を照射することで色素増感太陽電池の電極材料である酸化チタン膜を焼成した結果について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. マイクロ波加熱
3. 酸化チタン膜の焼成
3.1 基板の温度変化
3.2 照射面の影響
3.3 出力および照射時間の影響
3.4 電気炉加熱との比較
4. 今後の展開

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[Material Report-R&D]

高導電性ラングミュア・ブロジェット膜の開発
—超伝導性分子超薄膜の実現に向けて—
Development of Highly-conductive Langmuir-Blodgett Films
—Toward the Realization of Superconducting Ultra-thin Films―

三浦康弘(桐蔭横浜大学)


 分子の豊富な機能を生かして電子デバイスを構築する分子エレクトロニクスと呼ばれる研究分野が, 21世紀の科学技術の牽引役として期待されている。デバイス化には, 機能性分子をナノメートルオーダーのシークエンスで組織的に配列する技術が鍵を握るが, 本稿では, 水面上の単分子層を基板上に1層1層積み上げて作製するラングミュア・ブロジェット(LB) 法に注目する。特に高導電性分子超薄膜の開発に焦点を絞り, 最近筆者らが開発したジテトラデシルジメチルアンモニウムーAu(dmit)2(2C14-Au(dmit)2) 塩に基づく高導電性LB 膜について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 背景
2.1 導電性有機固体と薄膜化
2.2 ラングミュア・ブロジェット(LB) 法
2.3 金属的導電特性をもつLB 膜
3. 超伝導性LB 膜
3.1 C60に基づく超伝導性LB 膜
3.2 2C14-Au(dmit)2LB膜中に超伝導相が存在する可能性
4. おわりに

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シングルウォールカーボンナノホーンコロイドの界面化学機能
Surface Chemical Function of Single Wall Carbon Nanohorn Colloids

金子克美(千葉大学)


 シングルウォールカーボンナノホーン(SWNH) はダリアの花様のコロイドを形成することが知られている。部分酸化によってナノスケールの窓を開けたSWNH と窓のないSWNH コロイドの細孔構造と, 分子に対する相互作用ポテンシャル構造との関係から,気体吸着サイトについてどのように考えるべきかが論ぜられる。ほぼ完全に酸素官能基がないSWNH コロイドにも水蒸気が十分に吸着される。また, 超臨界メタンがナノ窓付きのSWNH コロイドには高密度で吸着される。超臨界水素吸着については絶対量は少ないが, ナノスケールでの特別な吸着増進効果が認められる。

【目次】
1. シングルウォールカーボンナノホーンとは
2. SWNH 粒子集合体と構造制御
3. SWNH コロイドの細孔構造とポテンシャル構造
4. SWNH コロイドの水蒸気吸着
5. SWNH コロイドのメタン吸着性
6. SWNH コロイドの水素吸着性