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月刊機能材料 2003年5月号

【特集】表面・界面構造制御技術

商品コード:
M0305
発行日:
2003年4月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
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【特集】表面・界面構造制御技術

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高分子材料の表面ナノ構造とナノ物性
Surface Nano-structure and Nano-physical Properties of Polymeric Materials

梶山千里(九州大学)
高原淳(九州大学)


 高分子固体の表面・界面の凝集構造と表面の分子運動特性は, バルクとは著しく異なることが明らかにされつつある。本稿では, 高分子固体の表面ナノ構造と表面ダイナミクスに関する最近の研究例を紹介する。さらに高分子固体の表面ナノ構造と表面ダイナミクスに及ぼす材料側の因子について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 高分子固体の表面構造
2.1 非晶性高分子
2.2 ポリマーブレンド
2.3 ブロック共重合体
2.4 結晶性高分子
3. 高分子固体表面のダイナミクス
4. おわりに

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ブロック共重合体薄膜の階層構造
Hierarchical Structures of Block Copolymer Films

早川晃鏡(産業技術総合研究所)


 ナノ特有の機能や物性を利用した新規ナノ材料開発には, ナノ構造の構築や構造制御が重要な基盤技術となる。本稿では, 高分子の自己組織化を利用し, 分子レベルからナノ・マイクロメートルにわたって階層的に規則構造が構築したブロック共重合体薄膜について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 新しい自己組織性ブロック共重合体
3. 分子設計と合成
4. 薄膜作製と構造解析
5. おわりに

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高分子混合物の表面偏析
Surface Segregation in Polymer Mixtures

田中敬二(九州大学)
川口大輔(九州大学)
高原淳(九州大学)
梶山千里(九州大学)

 
 高分子混合物の表面には, 系の自由エネルギーを最小化させるため, 一成分が選択的に濃縮する。このような現象は表面偏析と呼ばれている。本稿では, 表面偏析を支配する因子について解説し, これらの因子を組み合わせることで高分子混合物の表面組成が自在に制御できることを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 分子量の効果
3. 表面エネルギーの効果
4. 末端基の効果
5. おわりに

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高分子固体表面のレオロジー解析
Rheological Analysis of Polymer Solid Surfaces

田中敬二(九州大学)
梶山千里(九州大学)


 高度に機能化された高分子表面を創成するためには, 表面構造および物性の特異性を正確に理解し, 精密に設計・制御する必要がある。しかしながら, 高分子表面の物性に関してはその評価方法さえ確立されていないのが現状である。本稿では, 筆者らが提案している高分子表面のレオロジー解析法について紹介し, 高分子表面と内部の分子鎖熱運動性の
違いについて解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 測定手法
2.1 走査粘弾性顕微鏡
2.2 水平力顕微鏡
3. 室温での表面分子運動特性
4. 表面ガラス転移温度
5. 表面αa緩和の活性化エネルギー
6. おわりに

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視斜角入射X線回折法によるポリエチレン固体膜表面の結晶構造評価
Analysis of Crystal Structure in the Surface Region of Polyethylene Solid Films based on Grazing-Incidence X-ray Diffraction

佐々木園(九州大学)
矢可部公彦(九州大学)
梶山千里(九州大学)


 高分子材料の濡れ性, 接着性や耐磨耗性などの材料表面特性は, 材料表面の構造・物性と密接な関係にある。高分子材料表面構造を制御して新規機能性高分子材料を開発するためには, 高分子固体表面に特異的な分子鎖凝集構造を分子レベルで解明することが不可欠である。本稿では, 筆者らが行った視斜角入射X線回折法に基づく結晶性高分子固体表面領域の結晶構造評価について概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 視斜角入射X線回折(GIXD)
3. 溶融ー等温結晶化PE 固体膜表面の結晶構造評価
3.1 PE 固体膜の調製と GIXD 測定
3.2 HDPE 固体膜表面領域の結晶構造と見かけの結晶化度
3.3 HDPE 固体膜表面領域のパラクリスタル構造評価
4. おわりに

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エネルギーフィルター電子顕微鏡による高分子材料のナノ構造解析
Nano-scale Analysis of Polymers by Energy-filtering TEM

堀内伸(産業技術総合研究所)


 試料を透過した電子線を分光するエネルギーフィルターを搭載した透過型電子顕微鏡(TEM) により, これまで重金属により染め分けて観察していた高分子の白黒画像の世界から, 電子線の“色” を見分ける世界へと変わり, 元素マッピングや局所領域からの化学状態の情報を得ることが可能になった。本稿では, 本手法の原理と高分子界面の解析について概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 原理
2.1 電子エネルギー損失分光と電子分光結像法
2.2  元素マッピングおよびImageEELS
2.3 化学結合の可視化
3. 高分子接着界面の解析
4. おわりに

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[Material Report-R&D]

熱可塑性プラストマーAsuwan®
-プラスチックと金属, 両方の特徴を備えた新素材-
A New Engineering Plastic : Thermoplastic Plastomer, Asuwan®

井上隆(山形大学)


 PET を主成分としたリアクティブプロセッシングにおけるナノ構造制御によって生まれた新素材Asuwan は, 射出・押出しなど通常のプラスチックとしての成形加工が可能であるとともに, 鉄板などと同様に室温近傍でプレスや絞り加工ができる。いわば, プラスチックと金属の両方の性質を兼ね備えた素材である。ここでは, 世界に例のないこの新素材の特徴と, 想定される用途について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. Asuwan の特徴
3. Asuwan の用途

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触媒を使わないラクタム合成法の開発
Innovation in the Synthesis of ε-Caprolactam using Supercritical Water in the Absence of Catalysts

生島豊(産業技術総合研究所)


 超臨界状態になると水の水素結合強度が特異的に減少することから, 筆者らは超臨界状態とりわけ臨界点付近でプロトンの反応性が顕著に増す可能性を提唱している。本論文では, 筆者らが世界に先がけて開発した“超臨界水マイクロリアクションシステム” を適用することにより, 超臨界水中では酸触媒無添加でもシクロヘキサノンオキシムからε-カプロラクタムの高効率合成を実現できることを述べる。

【目次】
1. はじめに
2. ε-カプロラクタムの合成
2.1 実験
2.2 結果と考察
3. おわりに