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【特集】シナジーセラミックスの展望-構造制御による機能多重化
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「シナジーセラミックス」プロジェクト概要
Overview of the Synergy Ceramics Project
柘植章彦(ファインセラミックス技術研究組合)
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多孔質セラミックス材料におけるシナジー効果
Synergy Effect of Porous Ceramic Materials
大司達樹(産業技術総合研究所)
セラミックスにおける気孔の存在は,その機械的特性を損なうものと認識されてきたが,微細構造を的確に制御すれば,複数の特性を同時に発現することが可能となる。本稿では,多孔質セラミックスの気孔形態や分布,配向性とともに粒子形態や配向性を制御することにより,強度,靭性,損傷許容性,変形許容性などの複数の特性が発現するシナジー効果について述べる。
【目次】
1. はじめに
2. 粗大柱状粒子が配向した窒化ケイ素多孔体
3. 微細柱状粒子が配向した窒化ケイ素多孔体
4. 特性の総合比較と今後の展開
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電気化学セルによるNOx 浄化
High Performance Ceramic Reactor for NOx Decomposition
淡野正信(産業技術総合研究所)
片山真吾(ファインセラミックス技術研究組合)
セルゲイ・ブレディヒン(NEDO;ロシア科学アカデミー)
環境問題はその重要性が増す一方であり, 環境浄化材料開発への社会的な期待は大きい。シナジーセラミックスの展開の一つのターゲットとして, 環境浄化と省エネルギー化を同時に実現する「材料=デバイス」の開発をめざした。理想的なNOx浄化技術として期待されながら, その消費電力の大きさから実用不可能と考えられていた「電気化学セル」について, 触媒電極部などの高次構造制御により, 浄化反応効率の飛躍的な向上に成功した。実用的な排ガス浄化への適用が期待される。
【目次】
1. はじめに
2. 社会的ニーズと研究開発ターゲット
2.1 環境保全への社会的な動向
2.2 能動型の環境浄化材料デバイスの開発
3. 電気化学セルの高次構造制御による機能向上
4. NOx直接還元浄化における世界最高効率の達成
4.1 非対称型電気化学セルの作製と触媒-電極層上部層における内部構造の制御
4. 2 電気化学セルのNOx 浄化性能と高効率浄化のメカニズム
5. 電気化学セルの実用化に向けた取り組み
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シナジーセラミックスの摺動材料への応用
Applications of Synergy Ceramics for Sliding Materials
北英紀(㈱いすゞ中央研究所)
窒化ケイ素セラミックスを基材として, 潤滑油膜保持性(親油機能)や自己潤滑機能を付与するために分散粒子の成分や形状,粒径,およびその配置を中心とした組織制御ならびにそれに必要なプロセスの開発を行った。その結果, 摺動材料として必要な特性である低摩擦,低磨耗,そして高強度を共生させた室化ケイ素を得ることができた。
【目次】
1. はじめに
2. 開発成果の例
2.1 潤滑摺動下の流体~混合潤滑域において摩擦係数を低減できるセラミックス
2.2 潤滑摺動下の境界潤滑域における摩擦係数を低減できるセラミックス
2.3 無潤滑摺動下で有効なセラミックス
2.4 部品化技術とその評価
3. おわりに
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シナジーセラミックスにおける「先端評価・設計技術」
—ミクロとマクロ領域の破壊挙動をつなぐ応力解析技術—
Advanced Structural Design and Evaluation in Synergy Ceramics
—Stress Analyses between Micro- and Macroscopic Fracture Behavior of the Ceramics―
河本洋(ファインセラミックス技術研究組合;(財)ファインセラミックスセンター)
【目次】
1. はじめに
2. セラミックスの破壊挙動とは
3. 研究開発技術の全体像
3.1 ねらいと目標
3.2 研究開発の内容
4. 研究開発成果の概要
5. おわりに
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ナノ構造制御による多機能セラミックス
Multifunctional Ceramics through Nanostructure Design
新原晧一(大阪大学)
関野徹(大阪大学)
中山忠親(大阪大学)
楠瀬尚史(大阪大学)
ナノコンポジットコンセプトを基礎にして,多岐にわたる多機能型ナノコンポジットが開発されている。本稿では多機能化の基本的な材料設計指針を紹介し, 次に多機能材料の作製プロセスとナノ構造と機能の相関について述べ, 最後に優れた機械的機能と電気あるいは磁気的機能が調和した各種ナノコンポジットを紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. セラミックスの多機能化のためのナノ構造制御
3. 磁気的に多機能化したセラミックス系ナノコンポジット
3.1 プロセシングとナノ構造
3.2 セラミックス/金属ナノコンポジットの磁気的機能性
4. 粒界構造制御によるセラミックスへの電気的機能付与
5. 感触センシング機能をもつ有機-無機系ナノコンポジット
5.1 感触センサーの設計
5.2 ナノコンポジット感圧センサーの作製と特性
5.3 ナノ複合化による感圧センシング特性の改善
6. おわりに
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【特集】水素製造と応用の最新動向-Part2
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低エネルギー放電を用いた水素製造プロセス
Hydrogen Production Process by Low Energy Discharge
関根泰(早稲田大学;㈱事業創造研究所)
水素エネルギー社会を迎え,多種多様な水素製造用触媒が模索されている。われわれはいろいろな燃料を,触媒を用いずに低エネルギーパルス放電により活性化し,水蒸気改質反応により水素へと転換するプロセスを検討してきた。低エネルギーパルス放電は非定常直流放電の一種であり, ガス温度を常温に保ったまま電子温度のみを非常に高くすることが可能で, 高い水素収率とエネルギー効率を達成することができる。このまったく新しい小型民生用水素製造装置開発のための基本技術をまとめた。
【目次】
1. はじめに
2. 本プロセスの概略について
3. 実験装置の一例
4. メタンの水蒸気改質反応
5. メタン以外のガスの水蒸気改質反応
6. メタンの炭酸ガス改質反応(ドライリフォーミング)
7. エネルギー効率について
8. おわりに
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中温作動燃料電池用プロトン伝導体の開発
— 金属酸化物水和物のプロトン導電性―
Development of Proton Conductors for Fuel Cells Operated at Intermediate Temperature
-Proton Conductivity of Metal Oxide Hydrates-
宮山勝(東京大学)
田中優実(東京大学)
原晋治(東京大学)
固体高分子型燃料電池の作動温度を,現在の100℃以下から100~200℃の中温度域にできれば, 多くの課題が解決できる。そのため,適切なプロトン伝導性固体電解質材料が要望されている。いくつかの金属酸化物水和物では, 中温度域の高水蒸気圧下で高いプロトン導電率を示すことが明らかとなった。その導電特性と機構およびポリマーとの複合化について概説する。
【目次】
1. はじめに
2. 金属酸化物水和物のプロトン伝導性
2.1 水和酸化スズ,水和ジルコニア
2.2 酸化タングステン水和物
3. 前駆体混合法による水和物-ポリマーコンポジットの合成
4. おわりに
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水素分離用担持金属膜と燃料電池用改質器への応用
Supported Metal Membranes for Hydrogen Separation and their Application to Fuel Cell Reformer
上宮成之(岐阜大学)
メンブレンリフォーマーヘの適用を想定し開発してきた水素選択透過金属膜に関して,メッキ法およびCVD 法による調製と得られた膜の特徴について概説した。メッキ法では緻密なパラジウム薄膜を作製でき, 数μm まで薄膜化できた。一方,CVD 法ではこれま
でに水素分離膜として対象とならなかった金属でも製膜でき,得られた膜はパラジウムと同程度の水素透過能を示すことを明らかにした。
【目次】
1. はじめに
2. メンプレンリフォーマー
3. 水素分離用金属複合膜の創製
3.1 メッキ法による金属薄膜の調製
3.2 CVD 法による金属薄膜の詞製
3.3 無電解メッキ法およびCVD 法で調製した各種複合膜の水素透過性能
4. おわりに
【特集】シナジーセラミックスの展望-構造制御による機能多重化
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「シナジーセラミックス」プロジェクト概要
Overview of the Synergy Ceramics Project
柘植章彦(ファインセラミックス技術研究組合)
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多孔質セラミックス材料におけるシナジー効果
Synergy Effect of Porous Ceramic Materials
大司達樹(産業技術総合研究所)
セラミックスにおける気孔の存在は,その機械的特性を損なうものと認識されてきたが,微細構造を的確に制御すれば,複数の特性を同時に発現することが可能となる。本稿では,多孔質セラミックスの気孔形態や分布,配向性とともに粒子形態や配向性を制御することにより,強度,靭性,損傷許容性,変形許容性などの複数の特性が発現するシナジー効果について述べる。
【目次】
1. はじめに
2. 粗大柱状粒子が配向した窒化ケイ素多孔体
3. 微細柱状粒子が配向した窒化ケイ素多孔体
4. 特性の総合比較と今後の展開
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電気化学セルによるNOx 浄化
High Performance Ceramic Reactor for NOx Decomposition
淡野正信(産業技術総合研究所)
片山真吾(ファインセラミックス技術研究組合)
セルゲイ・ブレディヒン(NEDO;ロシア科学アカデミー)
環境問題はその重要性が増す一方であり, 環境浄化材料開発への社会的な期待は大きい。シナジーセラミックスの展開の一つのターゲットとして, 環境浄化と省エネルギー化を同時に実現する「材料=デバイス」の開発をめざした。理想的なNOx浄化技術として期待されながら, その消費電力の大きさから実用不可能と考えられていた「電気化学セル」について, 触媒電極部などの高次構造制御により, 浄化反応効率の飛躍的な向上に成功した。実用的な排ガス浄化への適用が期待される。
【目次】
1. はじめに
2. 社会的ニーズと研究開発ターゲット
2.1 環境保全への社会的な動向
2.2 能動型の環境浄化材料デバイスの開発
3. 電気化学セルの高次構造制御による機能向上
4. NOx直接還元浄化における世界最高効率の達成
4.1 非対称型電気化学セルの作製と触媒-電極層上部層における内部構造の制御
4. 2 電気化学セルのNOx 浄化性能と高効率浄化のメカニズム
5. 電気化学セルの実用化に向けた取り組み
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シナジーセラミックスの摺動材料への応用
Applications of Synergy Ceramics for Sliding Materials
北英紀(㈱いすゞ中央研究所)
窒化ケイ素セラミックスを基材として, 潤滑油膜保持性(親油機能)や自己潤滑機能を付与するために分散粒子の成分や形状,粒径,およびその配置を中心とした組織制御ならびにそれに必要なプロセスの開発を行った。その結果, 摺動材料として必要な特性である低摩擦,低磨耗,そして高強度を共生させた室化ケイ素を得ることができた。
【目次】
1. はじめに
2. 開発成果の例
2.1 潤滑摺動下の流体~混合潤滑域において摩擦係数を低減できるセラミックス
2.2 潤滑摺動下の境界潤滑域における摩擦係数を低減できるセラミックス
2.3 無潤滑摺動下で有効なセラミックス
2.4 部品化技術とその評価
3. おわりに
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シナジーセラミックスにおける「先端評価・設計技術」
—ミクロとマクロ領域の破壊挙動をつなぐ応力解析技術—
Advanced Structural Design and Evaluation in Synergy Ceramics
—Stress Analyses between Micro- and Macroscopic Fracture Behavior of the Ceramics―
河本洋(ファインセラミックス技術研究組合;(財)ファインセラミックスセンター)
【目次】
1. はじめに
2. セラミックスの破壊挙動とは
3. 研究開発技術の全体像
3.1 ねらいと目標
3.2 研究開発の内容
4. 研究開発成果の概要
5. おわりに
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ナノ構造制御による多機能セラミックス
Multifunctional Ceramics through Nanostructure Design
新原晧一(大阪大学)
関野徹(大阪大学)
中山忠親(大阪大学)
楠瀬尚史(大阪大学)
ナノコンポジットコンセプトを基礎にして,多岐にわたる多機能型ナノコンポジットが開発されている。本稿では多機能化の基本的な材料設計指針を紹介し, 次に多機能材料の作製プロセスとナノ構造と機能の相関について述べ, 最後に優れた機械的機能と電気あるいは磁気的機能が調和した各種ナノコンポジットを紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. セラミックスの多機能化のためのナノ構造制御
3. 磁気的に多機能化したセラミックス系ナノコンポジット
3.1 プロセシングとナノ構造
3.2 セラミックス/金属ナノコンポジットの磁気的機能性
4. 粒界構造制御によるセラミックスへの電気的機能付与
5. 感触センシング機能をもつ有機-無機系ナノコンポジット
5.1 感触センサーの設計
5.2 ナノコンポジット感圧センサーの作製と特性
5.3 ナノ複合化による感圧センシング特性の改善
6. おわりに
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【特集】水素製造と応用の最新動向-Part2
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低エネルギー放電を用いた水素製造プロセス
Hydrogen Production Process by Low Energy Discharge
関根泰(早稲田大学;㈱事業創造研究所)
水素エネルギー社会を迎え,多種多様な水素製造用触媒が模索されている。われわれはいろいろな燃料を,触媒を用いずに低エネルギーパルス放電により活性化し,水蒸気改質反応により水素へと転換するプロセスを検討してきた。低エネルギーパルス放電は非定常直流放電の一種であり, ガス温度を常温に保ったまま電子温度のみを非常に高くすることが可能で, 高い水素収率とエネルギー効率を達成することができる。このまったく新しい小型民生用水素製造装置開発のための基本技術をまとめた。
【目次】
1. はじめに
2. 本プロセスの概略について
3. 実験装置の一例
4. メタンの水蒸気改質反応
5. メタン以外のガスの水蒸気改質反応
6. メタンの炭酸ガス改質反応(ドライリフォーミング)
7. エネルギー効率について
8. おわりに
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中温作動燃料電池用プロトン伝導体の開発
— 金属酸化物水和物のプロトン導電性―
Development of Proton Conductors for Fuel Cells Operated at Intermediate Temperature
-Proton Conductivity of Metal Oxide Hydrates-
宮山勝(東京大学)
田中優実(東京大学)
原晋治(東京大学)
固体高分子型燃料電池の作動温度を,現在の100℃以下から100~200℃の中温度域にできれば, 多くの課題が解決できる。そのため,適切なプロトン伝導性固体電解質材料が要望されている。いくつかの金属酸化物水和物では, 中温度域の高水蒸気圧下で高いプロトン導電率を示すことが明らかとなった。その導電特性と機構およびポリマーとの複合化について概説する。
【目次】
1. はじめに
2. 金属酸化物水和物のプロトン伝導性
2.1 水和酸化スズ,水和ジルコニア
2.2 酸化タングステン水和物
3. 前駆体混合法による水和物-ポリマーコンポジットの合成
4. おわりに
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水素分離用担持金属膜と燃料電池用改質器への応用
Supported Metal Membranes for Hydrogen Separation and their Application to Fuel Cell Reformer
上宮成之(岐阜大学)
メンブレンリフォーマーヘの適用を想定し開発してきた水素選択透過金属膜に関して,メッキ法およびCVD 法による調製と得られた膜の特徴について概説した。メッキ法では緻密なパラジウム薄膜を作製でき, 数μm まで薄膜化できた。一方,CVD 法ではこれま
でに水素分離膜として対象とならなかった金属でも製膜でき,得られた膜はパラジウムと同程度の水素透過能を示すことを明らかにした。
【目次】
1. はじめに
2. メンプレンリフォーマー
3. 水素分離用金属複合膜の創製
3.1 メッキ法による金属薄膜の調製
3.2 CVD 法による金属薄膜の詞製
3.3 無電解メッキ法およびCVD 法で調製した各種複合膜の水素透過性能
4. おわりに