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月刊機能材料 2003年3月号

【特集】水素製造と応用の最新動向-Part1

商品コード:
M0303
発行日:
2003年2月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
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【特集】水素製造と応用の最新動向-Part1

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燃料電池用水素貯蔵輸送媒体としてのデカリン
Decalin as a Storage/Transportation Medium of Hydrogen for Fuel Cell

斉藤泰和(東京理科大学)


【目次】
1. はじめに
2. 過熱液膜状態にある触媒の脱水素作用
3. ニッケル系触媒のデカリン脱水素芳香族化活性
4. デカリン/ナフタレン油の水素供給インフラストラクチュア

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アセトン水素化反応を利用した熱再生型燃料電池
Thermally Regenerative Fuel Cell using Acetone Hydrogenation

安藤祐司(産業技術総合研究所)


 水素/酸素系燃料電池における酸素の代わりにアセトンを用いると, 水素/アセトン系燃料電池を構成できる。燃料電池反応の生成物である2 プロパノールは, 沸騰還流条件(83℃) において水素とアセトンになるので, これらを組み合わせることにより,100℃程度の低品位熱を電気に変換する熱再生型燃料電池を構成することが可能になる。本稿では,熱再生型燃料電池に用いる触媒や発電特性などについて,いくつかの事例をあげながら紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 熱再生型燃料電池の原理
3. アセトン/水素系熱再生型燃料電池
3.1 2 -プロパノール脱水素触媒
3.2 電極用触媒
3.3 発電特性
4. アセトン/ 2-プロパノール系熱再生型燃料電池
5. おわりに

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水から水素を作り出す光触媒の開発
Development of Photocatalysts for Hydrogen Production from Water

加藤英樹(東京理科大学)
工藤昭彦(東京理科大学)

 
 タンタル系複合酸化物は, 水の水素と酸素への分解反応に高い活性を示す新しい材料群であることを見いだした。なかでもランタンをドーピングしたNiO 助触媒担持NaTaO3は,量子収率50%というほかに類をみない高活性な光触媒であった。また,水素生成に活性ないくつかの可視光応答性光触媒を開発した。

【目次】
1. はじめに
2. 光触媒による水の分解反応
3. タンタル系複合酸化物光触媒による水の分解反応
4. 超高活性なランタンドーピングNaTaO3 光触媒
5. 水素生成のための新規可視光応答性硫化物光触媒
6. ワイドバンドギャップ光触媒への金属ドーピングによる可視光応答化
7. おわりに

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[Material Report-REVIEW]
LCD 用カラーフィルター-いま・むかし
Color Filters for Liquid Crystal Displays—Past and Present

市村國宏(東京理科大学)


 LCD は有機・高分子系材料からなる多数の高機能性部材から成り立つが,カラーフィルターはそれ自体で膨大な市場を形成するに至っている。筆者は現在主流となっている顔料分散型LCD 用カラーフィルター開発の揺籃期にかかわったので,その当時の開発経緯を紹介するとともに, 酸増殖反応および液晶光配向という2 つの手法に基づく新しいカラーフィルター製造の試みを述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 染色法
3. 顔料分散法
4. 酸増殖反応を用いるLatent pigment technology
5. 光配向色素膜
6. おわりに

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[Material Report-R&D]

粒界量子構造制御による高温セラミック材料の開発
Development of High Temperature Ceramic Materials based on Grain Boundary Quantum Structure Control

吉田英弘(東京大学)


 微量ドーパント添加によるAl2O3 多結晶体の高温クリープ特性の向上と,ナノプローブを用いたHREM による粒界の原子構造,局所組成,化学結合状態の解析に関して,筆者らのグループによる最近の研究を紹介する。特に,第一原理分子軌道計算を駆使した粒界量子状態制御による新しいセラミックス材料設計の可能性について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 微量ドーパント添加によるAl2O3 の高温クリープ特性向上
3. 微量ドーパント効果に対する粒界量子構造からのアプローチ
4. 粒界量子構造制御による新しい材料開発
5. おわりに

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木タールからの機能性ポリマーの合成
Synthesis of Functional Polymers from Wood Tar

吉田大(北見工業大学)
長坂陽子(北見工業大学)
王宏偉((財)北見工業技術センター)
吉田孝(北見工業大学)


 木タールの持続的高度循環活用システム構築研究の一環として, 木タール中に存在する無水糖類,主に1 , 6-無水グルコース( レボグルコサン)を抽出し,ベンジル化およびメチル化させて無水糖重合モノマーであるベンジル化およびメチル化レボグルコサンを合成した。窒素気流下,ルイス酸触媒で温和な条件で重合させたところ,立体規則性のポリマー,(1→6)-α-D-グルコピラナン(デキストラン誘導体) が得られることを見いだした。木タールは木炭製造における廃棄物である。木材は再生産可能な資源であるので, 木タールを活用できれば, 森林資源を中心とした持続的循環活用システムの一つが構築され, ゼロエミッション化技術にもなる。

【目次】
1. はじめに
2. 木タールからレポグルコサンの抽出と温和な条件での重合反応の検討
2.1 レポグルコサンの抽出
2.2 レポグルコサン誘導体の温和な重合条件の検討
3. 木タールからフェノール類の抽出と酵素重合反応の検討
3.1 フェノール類の抽出
3.2 フェノール類の酵素重合

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新機能素材としての炭化綿
Charcolized Cotton for a New Functional Material

門上洋一(門上研究室;ワイオミング大学)


 炭化綿とは木綿を焼成してできる炭素繊維の一種であり, 低温で,かつ1 段の焼成で製造できるため, 安価で機能的に優れた新機能素材である。活性炭を上回る吸着能を示し,さらには水素吸蔵材料としても期待される。しかし,木綿の独特の構造から,吸着や吸蔵の仕組みは活性炭とは異なるものと考えられる。また,一定温度以上で焼成したものはグラファイト化が進み導電性を示す。炭化綿の物理的性状およびその応用研究については,まだまだ端緒についたばかりであり,今後の成果が期待されるものであるので,本稿は炭化綿の可能性を示すにとどめる。

【目次】
1. はじめに
2. 木綿の焼成条件
3. 炭化綿の構造
4. 炭化綿の一般的物性
5. 吸着性
6. 水素の吸蔵性
7. 半導体性
8. 抗菌性
9. 水耕用部材としての応用
10. おわりに