キーワード:
ナノカーボン/単層CNT(SWCNT)/多層CNT(MWCNT)/サプライヤー/合成技術/高結晶性/半導体型・金属型の分離技術/分散技術/可溶化/分散剤/分散機/精製技術/分散液/導電性/熱伝導性/高強度・高靱性/混練/金属複合材料/樹脂複合材料/ゴム複合材料/ネットワーク構築/センサ/薄膜トランジスタ/帯電防止材料/LiB電極用導電助剤/放熱材/CNT繊維/CNTシート/CNT塗料/透明導電膜/太陽電池/キャパシタ/燃料電池/生体材料/ドラッグデリバリーシステム(DDS)/長尺CNT/紡績/安全性/作業環境の整備/取扱い方法
刊行にあたって
カーボンは太古の昔より人類によって様々な形で利活用されてきた基本材料の一つです。それが近年急速に脚光を浴びているのは、分子、原子を自在に制御し、操ることが求められている「ナノテクノロジー時代」を牽引する夢の素材としてナノカーボン(フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン)が登場してきたことが背景にあります。
とりわけ直径が1~100ナノメートル、長さが数マイクロメートルの結晶性の高い「カーボンナノチューブ(CNT)」は、化学的に極めて安定なsp2混成軌道の炭素原子のみからなる超微細な高分子材料で、金属以上に導電性、熱伝導性、耐熱性に優れ、しかも炭素繊維を凌駕する力学特性や柔軟性、摺動性、生体適合性を有しています。また、CNT内部の中空部分に有用物質を導入することもできます。人類が今まで手にしたことがないこの多彩な物性こそ、物理、化学、生物といった既存の学問領域を超えて、多くの科学者や技術者を惹きつける大きな動機だと思います。
CNTが誕生してから20年以上が経ち、多くの優れた学術書やハンドブックが刊行されてきましたが、残念ながら一部を除いて実用化に繋がる大きな成果は上がっていないのが現状かと思います。その理由、品質の安定したCNTが量産化されていなかったこと、絡み合ったバンドル状態のCNTを傷つけずに分散することが難しいこと、結果として期待した特性を再現性よく発揮することができなかったこと、さらに、安全性に関する懸念とそれを受け容れる社会基盤が構築されていないことなどがあろうかと思います。しかしながら、ここ数年、これらの懸念材料はかなり払拭してきた感があります。合成技術の進歩で多様なCNT(多層や単層)が安定的に製造できるようになりました。絡み合ったCNTを均一に分散する量産技術も実用レベルに達してきました。また、CNTの作業環境を整え、飛散量をモニタリングすることで一般の化学原料同様に取り扱うことができるという一定のガイドラインも公表されています。
世界は私たちの想像以上にCNTの産業化に向けて進んでいます。特に、欧米、中国、韓国に見られるような「実用化しながら改良していこう」という企業姿勢が注目されます。CNTの応用分野も、複合材料分野、薄膜コーティング分野、マイクロエレクトロニクス分野、エネルギー・環境分野、バイオテクノロジー分野と非常に多岐に亘っており、全体を把握するのも難しい状況になってきました。
このような中、CNT産業化の全体像が分かる実用書を作りたいと考え、第一線で活躍している専門家、とりわけ実用化を推進している産業界の技術者に声をかけたところ、幸い多くの賛同を得ることができました。紙面の関係で割愛せざるを得なかった内容や企業経営者の了解が得られず掲載を見送らざるを得なかった応用もありますが、これを契機により一層充実した実用書が継続刊行されることを期待したいと思います。本書がCNTの実用化・産業化に少しでも資することができれば幸いです。
著者一覧
畠賢治 (独)産業技術総合研究所
斎藤毅 (独)産業技術総合研究所
花輪 大 巴工業(株)
樽本直浩 保土谷化学工業(株)
菊竹順一郎 Nanocyl
野崎利夫 宇部興産(株)
瀬谷和宏 丸紅情報システムズ(株)
森本良行 大同塗料(株)
濱智浩 神戸天然物化学(株)
本間清史 神戸天然物化学(株)
武藤浩行 豊橋技術科学大学
佐野正人 山形大学
松澤洋子 (独)産業技術総合研究所
吉田勝 (独)産業技術総合研究所
若原章博 ビックケミー・ジャパン(株)
中嶋直敏 九州大学大学院
藤ヶ谷剛彦 九州大学大学院
石井利博 アシザワ・ファインテック(株)
佐野恵一 (株)常光
小林芳則 吉田機械興業(株)
辰巳昌典 (株)プラスチック工学研究所
鷺坂功一 油化電子(株)
芝田正之 大日精化工業(株)
小池常夫 島貿易(株)
荒川公平 日本ゼオン(株)
小笠原俊夫 (独)宇宙航空研究開発機構
文淑英 (独)宇宙航空研究開発機構
島村佳伸 静岡大学
井上翼 静岡大学;浜松カーボニクス(株)
細田正和 (株)マルアイ
野口徹 信州大学
福森健三 (株)豊田中央研究所
近藤勝義 大阪大学
河合陽賢 サン工業(株)
秋庭英治 クラレリビング(株)
渡邉洋道 特種紙商事(株)
武内正隆 昭和電工(株)
八名拓実 (株)名城ナノカーボン
浅利琢磨 パナソニック(株)
今西雅弘 トヨタ自動車(株)
村田成亮 トヨタ自動車(株)
松田一成 京都大学
平岡和志 日立造船(株)
津田薫 ナノフロンティアテクノロジー(株)
矢嶋尊 大陽日酸(株)
三好健太朗 大陽日酸(株)
大野雄高 名古屋大学
田路和幸 東北大学
柳和宏 首都大学東京
鈴木克典 ヤマハ(株)
山中重宣 大研化学工業(株)
東山哲也 名古屋大学
村上匡且 大阪大学
宮治裕史 北海道大学病院
橋田泰彦 京都大学
山下冨義 京都大学
橋田充 京都大学
中西太宇人 JNC石油化学(株)
林靖彦 岡山大学
岸本充生 東京大学;(独)産業技術総合研究所
小野真理子 (独)労働安全衛生総合研究所
谷英明 (株)竹中工務店
天野健太郎 (株)竹中工務店
目次 + クリックで目次を表示
1 進化するカーボンナノチューブ
2 カーボンナノチューブの合成,性質,期待用途
3 カーボンナノチューブサプライヤー
4 初期のカーボンナノチューブの用途開発と安全性への懸念
5 広がるカーボンナノチューブの応用展開と技術課題
6 展望と成功への道
【基礎編】
第1章 CNTの種類
1 スーパーグロース法SW-CNTの開発
1.1 スーパーグロース法
1.2 垂直配向単層カーボンナノチューブ構造体と超効率合成
1.3 超高純度カーボンナノチューブ
1.4 水分効果のメカニズム
2 改良直噴熱分解合成法(eDIPS法)によるカーボンナノチューブ製造
2.1 はじめに
2.2 気相流動法のルーツとMWCNT合成
2.3 気相流動法によるSWCNT合成
2.4 eDIPS法と精密直径制御合成の進化
2.5 今後の展望:SWCNT構造体の作製
3 KH Chemicals社製 単層CNT
3.1 KH Chemicalsについて
3.1.1 沿革
3.1.2 事業紹介
3.1.3 開発者のKim Youngnam-Hong Eunhwa夫妻紹介
3.2 KH Chemicalsの大量生産能力
3.2.1 連続生産工程
3.2.2 特許現況
3.2.3 製造設備
3.3 KH Chemicalsの製品紹介
3.3.1 KH SWCNT ED
3.3.2 KH SWCNT EP
3.3.3 KH SWCNT HP
3.3.4 水分散液(KH Water Solution)
3.4 KH SWCNTアプリケーション現況
3.4.1 透明帯電防止用インク
3.4.2 導電性繊維
3.4.3 EDLC
3.4.4 透明導電性フィルム
3.5 国内外戦略的協力体制
4 保土谷化学工業(株)製多層カーボンナノチューブについて
4.1 はじめに
4.2 多層カーボンナノチューブ合成法について
4.3 浮遊流動反応法で得られる多層カーボンナノチューブの特長
4.4 触媒担持反応法で得られる多層カーボンナノチューブの特長
4.5 市販多層カーボンナノチューブの結晶化度について
4.6 市販多層カーボンナノチューブの面間隔について
4.7 多層カーボンナノチューブの導電性について
4.8 多層カーボンナノチューブの熱伝導性について
4.9 多層カーボンナノチューブ含有エポキシ樹脂複合体の熱伝導率について
4.10 おわりに
5 Nanocyl社 CNT
5.1 Nanocyl NC7000
5.2 CNTの工業的用途
5.3 樹脂コンパウンド
5.4 分散液
5.5 技術サポート
5.6 研究開発
5.7 NC7000の安全性評価と各国での許認可状況
5.8 Company Motto
6 AMC®の開発
6.1 はじめに
6.2 MWCNTについて
6.3 AMC®
6.4 AMC®の特長
6.5 おわりに
7 CNano社「FloTubeシリーズ」
7.1 はじめに
7.2 CNano Technology, Ltd.
7.3 丸紅情報システムズ(株)
7.4 CNano社製品
7.5 MSYSの取組み
7.6 おわりに
第2章 分散・可溶化技術
1 多層CNTの液相分散の実際
1.1 はじめに
1.2 CNTの種類
1.3 濡れ剤と分散剤の選択
1.4 分散機の選択
1.5 おわりに
2 カーボンナノチューブの高濃度・高分散体の量産技術
2.1 はじめに
2.2 カーボンナノチューブの選択
2.3 応用を踏まえたカーボンナノチューブの量産分散技術
2.4 分散体の例
2.5 おわりに
3 CNT導電ナノチャンネルの導入のための材料設計
3.1 はじめに
3.2 既往の材料設計の問題点
3.3 静電相互作用を用いた複合粒子の設計
3.4 透明導電性複合材料の作製例
3.5 今後の展望
4 単層カーボンナノチューブの分散法とマイクロ波応用
4.1 はじめに
4.2 束をほぐす
4.2.1 凝集エネルギー
4.2.2 CNTを切断するエネルギー
4.2.3 超音波による応力エネルギー
4.3 分散を安定化させる
4.3.1 速度論的安定化
4.3.2 エネルギー的安定化
4.4 マイクロ波応用
4.4.1 液体の加熱
4.4.2 分散への応用
4.5 おわりに
5 単層CNTの分散状態を光で制御する新技術
5.1 はじめに
5.2 光応答性SWCNT分散剤の開発と応用
5.2.1 分子デザイン 合成と特性
5.2.2 分散性評価
5.2.3 液中における1および2のふるまい
5.2.4 光でSWCNTの分散性を制御する
5.2.5 光反応性分散剤を使ってSWCNTを精製する
5.3 おわりに
第3章 湿潤剤・分散剤
1 CNTの分散安定化を図る顔料分散剤
1.1 はじめに
1.2 分散安定化の基礎
1.3 分散剤の基本構造と選定のポイント
1.4 CNTに適した分散剤
1.5 MWCNT分散液の例
1.6 まとめ
2 CNT分散剤の開発と応用展開
2.1 カーボンナノチューブ(CNT)の可溶化
2.1.1 可溶化の重要性
2.1.2 化学修飾可溶化(共有結合による可溶化処理)
2.1.3 物理修飾可溶化(非共有結合による可溶化処理)
2.2 カーボンナノチューブ複合材料創製(機能材料創製)
2.3 燃料電池への利用
第4章 分散機
1 湿式微粉砕・分散機(ビーズミル)
1.1 はじめに
1.2 ビーズミルの原理
1.3 湿式ビーズミルの粉砕・分散効率に影響を与える因子
1.4 湿式ビーズミルの運転方法
1.5 湿式ビーズミルでのCNTの分散例
1.6 おわりに
2 湿式ジェットミル装置「ナノジェットパル」による分散
2.1 はじめに
2.2 カーボンナノチューブの分散について
2.3 湿式ジェットミルについて
2.4 湿式ジェットミルによるカーボンナノチューブ分散の特徴
2.5 まとめ
3 超高圧湿式せん断方式「ナノヴェイタTM」でのダメージレス分散
3.1 はじめに
3.2 ナノヴェイタTMによるスラリー分散コントロール
3.2.1 スラリー分散コントロールの概念
3.2.2 ダメージコントロール
3.2.3 ナノヴェイタTMの原理と構造
3.3 ナノヴェイタTMによるCNT分散
3.3.1 ナノヴェイタTMのCNT分散メリット
3.4 おわりに
4 二軸押出機によるポリマー中のCNTの分散
4.1 はじめに
4.2 ナノコンパウンドとは
4.3 二軸押出機における混練技術の考え方
4.3.1 分配と分散とは
4.4 カーボンナノチューブコンポジット技術
4.5 CAEにおけるミキシングセクションの3次元流動解析
4.6 おわりに
【応用編】
第5章 複合材料
1 CNT複合樹脂による静電気対策製品
1.1 はじめに
1.2 CNT複合樹脂の概要
1.3 CNT複合樹脂の諸特性
1.4 CNT複合樹脂への性能付与
1.5 CNT複合樹脂の静電気特性
1.6 おわりに
2 CNTを用いた導電性プラスチックナノコンポジット材料
2.1 はじめに
2.2 樹脂加工機
2.2.1 ロール型混練機
2.2.2 ニーダー
2.2.3 エクストルーダー
2.3 CNTの分散加工法
2.3.1 メカニカル分散加工法
2.3.2 分散剤の活用
2.3.3 湿式亜臨界解砕法
2.4 おわりに
3 CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料
3.1 はじめに
3.2 CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料の概要
3.3 均一系CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料の特性
3.3.1 曲げ特性
3.3.2 破壊靭性と層間せん断強度
3.3.3 ガラス転移温度
3.3.4 その他
3.4 CNT充填エポキシ樹脂繊維強化複合材料の用途
4 スーパーグロース法SW-CNTの工業化に向けた技術開発
4.1 はじめに
4.2 カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクト(NEDOプロジェクト)成果
4.3 単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)の成果
4.3.1 SGCNTとゴムの複合材料
4.3.2 SGCNTと金属の複合材料
5 プリプレグ法によって成形した配向CNT/エポキシ複合材料の力学特性
5.1 はじめに
5.2 プリプレグ法による配向CNT/エポキシ複合材料のプロセシング
5.2.1 配列CNTシート
5.2.2 プリプレグおよび複合材料の成形
5.2.3 力学特性評価
5.3 CNT/エポキシ複合材料の力学特性
5.4 おわりに
6 CNT/複合製品
7 CNTを用いた透明・静電防止塗料
7.1 はじめに
7.2 CNT透明・静電防止塗料の調合と評価
7.2.1 CNTの選択
7.2.2 CNTの分散液製造
7.2.3 塗料化
7.2.4 製膜方法
7.2.5 塗膜性能の評価
7.3 おわりに
8 キャリアテープへの応用
8.1 はじめに
8.2 キャリアテープと電子部品の超微小化
8.3 キャリアテープへの帯電防止,導電性付加
8.4 CNT導電性紙キャリアテープの作製
8.4.1 CNT導電性塗料の調製
8.4.2 紙台紙の調製
8.4.3 CNT導電性塗料塗工工程からキャリアテープの作製
8.4.4 CNT導電性紙キャリアテープの帯電圧測定
8.5 CNT導電性紙キャリアテープの評価
8.5.1 電子部品の摩擦帯電への対応
8.5.2 カバーテープ剥離時の剥離帯電,ピール力安定化,およびピール時の発塵への対応
8.5.3 台紙成形性に対する対応
8.6 おわりに
9 弾性混練法によるCNTセルレーション複合材料設計と実用化
9.1 はじめに
9.2 弾性混練法によるCNT凝集塊の解繊
9.3 CNTセルレーション
9.4 CNTセルレーションの応用展開
9.5 まとめ
10 多層CNTの分散構造制御による絶縁樹脂の高熱伝導化
10.1 はじめに
10.2 樹脂の高熱伝導化技術
10.2.1 従来手法―無機系熱伝導性フィラーの配合―
10.2.2 新規手法―CNTの分散・複合化―
10.3 おわりに
11 CNT分散金属基複合材料の作製方法と諸特性
11.1 はじめに
11.2 金属粉末へのCNT被覆プロセス
11.3 CNT分散金属基複合材料の特性
11.4 まとめ
12 CNT複合銀めっきの開発
12.1 はじめに
12.2 銀めっきの種類と特徴
12.3 複合めっき
12.4 CNT複合銀めっきの技術開発
12.5 CNT複合銀めっきの特徴―硬度―
12.6 CNT複合銀めっきの特徴―摩擦係数―
12.7 CNT複合銀めっきの特徴―接触抵抗―
12.8 CNT複合銀めっきの商品化
12.9 おわりに
13 CNTコーティングによる導電繊維「CNTEC」の開発と実用化
13.1 はじめに
13.2 「CNTEC」とは
13.3 導電繊維「CNTEC」応用製品
13.3.1 ファブリックヒーター
13.3.2 静電容量センサー
13.3.3 その他
13.4 おわりに
14 CNTペーパーの開発と応用
14.1 CNTペーパーとは
14.2 電磁波シールド,電波吸収体
14.3 面状発熱体
14.4 CNT平面発熱体を応用した通過型流量計の開発
14.4.1 流速の検出原理および流速計測
第6章 エネルギー分野
1 VGCF®の電池用途への応用
1.1 はじめに
1.2 VGCF®の製造方法と代表的物性
1.3 VGCF®のLIB電極用導電助剤としての添加効果代表例
1.3.1 サイクル寿命の改善
1.3.2 高電極密度での電解液浸透性改善
1.4 VGCF®電池用途への最近の検討状況
1.4.1 Feオリビン正極系への添加
1.4.2 VGCF®-HとCBとの耐酸化性(正極側電位安定性)
1.4.3 VGCF®の電池用材料としてのその他の展開
1.4.4 新規VGCF®複合導電材
2 リチウムイオン二次電池への適用
2.1 はじめに
2.2 CNTの種類と物性
2.3 CNTの合成法と合成法に伴う特性を阻害する不純物
2.4 CNTのペースト化と分散技術
2.4.1 CNT分散に影響する因子
2.4.2 CNT分散液やCNTペーストの評価方法
2.5 リチウムイオン二次電池負極への適用
2.6 おわりに
3 CNTキャパシタ
3.1 キャパシタとは
3.2 カーボンナノチューブ(CNT)を電極に使用したキャパシタ
3.2.1 CNT粉末を塗工もしくは成形して電極にした構造
3.2.2 垂直配向CNTを転写して電極にした構造
3.2.3 垂直配向CNTを根元接続して電極にした構造
3.3 今後の課題
4 垂直配向CNTの燃料電池電極への応用
4.1 緒言
4.2 VACNT電極の製造方法の検討
4.3 VACNT電極の良品判定のための構造定量化
4.4 結び
5 CNTの太陽電池応用
5.1 太陽電池応用としてみたCNTの特長
5.2 CNT太陽電池の研究例
5.3 我々の研究紹介
5.3.1 CNT/シリコンヘテロ接合太陽電池の試作
5.3.2 CNT/シリコンヘテロ接合太陽電池の特性測定
5.3.3 CNT/シリコンヘテロ接合太陽電池の発電機構
5.3.4 硝酸ドーピングによるCNTホール濃度増加の効果
5.3.5 浮揚触媒化学気相堆積成長CNT膜適用の効果
5.4 今後の展望
6 カーボンナノチューブと酸化チタンの複合による太陽光吸収率98%の集熱板
6.1 はじめに
6.2 集熱板の特徴,性能
6.3 多種炭素素材での比較
6.4 集熱板の耐久性
6.5 事業化展開
6.5.1 太陽熱温水利用
6.5.2 太陽熱発電利用
6.5.3 温度差発電
6.5.4 放熱部材コーティング
第7章 エレクトロニクス&フォトニクス
1 CNTを用いた透明導電膜の開発
1.1 はじめに
1.2 CNT透明導電膜の作製技術
1.2.1 CNTの選択
1.2.2 CNT分散液の調製
1.2.3 CNT導電ネットワーク(ナノネット膜)の構築
1.2.4 ナノネット膜の高耐久性付与と特性評価
1.3 高透明・高導電への一考察
1.3.1 CNTの見直し
1.3.2 化学ドーピング技術の開発
1.3.3 バンドル間の接触抵抗の低減
1.4 おわりに
2 長尺CNTを用いた透明導電膜,帯電防止膜向け分散液の開発
2.1 はじめに
2.2 CNT製透明導電膜の特徴
2.3 長尺CNTの特徴
2.4 長尺CNT分散液の加工法について
2.5 透明導電膜の試作・評価
2.6 塗布方法の検討
2.7 まとめ
3 CNT薄膜による柔軟で透明な集積デバイスの開発
3.1 はじめに
3.2 高移動度TFTを実現するCNT薄膜技術
3.3 より柔軟で透明な全カーボン集積回路
3.4 今後の展望
4 高結晶性SWCNTを用いた超低消費電力フィールドエミッション型平面照明
4.1 はじめに
4.2 実用化を妨げるカーボンナノチューブの結晶性
4.3 カーボンナノチューブの評価法
4.4 カーボンナノチューブのネットワーク構造の評価
4.5 ネットワークの完全なカーボンナノチューブからのフィールドエミッション
5 エレクトロクロミック材料としての単層カーボンナノチューブ
5.1 はじめに
5.2 SWCNTの光吸収
5.3 分離精製によって現れる色,色の直径依存性
5.4 SWCNTにおけるエレクトロクロミック動作
5.5 おわりに
第8章 超高感度センサ
1 ストレッチャブルCNT動歪センサ
1.1 はじめに
1.2 製造プロセス,構造,動作原理
1.3 CNT歪センサの静的,動的特性
1.4 CNT歪センサの繰り返し耐久性
1.5 応用提案
1.6 おわりに
第9章 超高性能デバイス
1 原子間力顕微鏡用カーボンナノプローブ
1.1 原子間力顕微鏡
1.2 カーボンナノチューブの特性と原子間力顕微鏡
1.3 カーボンナノプローブ(製造方法)
1.4 カーボンナノプローブの特性
1.4.1 高分解能・長寿命
1.4.2 高アスペクト
1.4.3 導電性ほか
1.5 おわりに
2 キャピラリーインジェクションへの応用
2.1 はじめに
2.2 CNT分散液を用いたキャピラリーインジェクション法
2.3 レーザー吸収剤としてのCNT分散液
2.4 CNT分散液を用いたキャピラリーインジェクション法の応用例
3 ナノチューブ加速器によるプロトンビーム生成
3.1 はじめに
3.2 ナノチューブ加速器の加速機構
3.3 粒子シミュレーション
3.4 おわりに
第10章 生体材料関連
1 CNTで表面改変したバイオマテリアルの生体応用
1.1 はじめに
1.2 骨再生用スキャフォールドのCNTによる表面改変
1.3 チタン表面へのCNTネットの構築
1.4 おわりに
2 CNTのDDSへの応用
2.1 はじめに
2.2 薬物体内動態制御を目的としたDDSの設計と開発
2.3 CNTのDDS素材としての特徴と応用
2.4 CNTの生理的環境中における分散特性の制御
2.5 生物医学応用を目的とした自己組織化ペプチド/CNTハイブリッド材料の開発
2.6 CNTの治療素材としての応用
2.7 CNTのDDSキャリアとしての課題と今後の展望
2.8 おわりに
第11章 長尺CNTのドライプロセス技術
1 CNT紡績糸
1.1 はじめに
1.2 紡績性長尺CNTアレイの高速成長
1.3 CNT紡績糸の機械特性
1.4 CNT紡績糸の機械特性に関する考察
1.5 CNT紡績糸の直流電気伝導特性
1.6 国内外におけるCNT紡績糸の開発状況
1.7 最後に
2 長尺CNTの応用展開
2.1 ウエットプロセスに代わる長尺CNTによるドライプロセスへの期待
2.2 高密度・長尺CNTの成長と評価
2.2.1 概要
2.2.2 熱化学気相成長法(熱CVD)による高密度・長尺CNTの成長と評価
2.2.3 長尺CNTの物性
2.3 ドライプロセスによるCNTの連続繊維の作製
2.3.1 シート状集合体や連続繊維可能なCNT基板
2.3.2 ドライプロセスによるCNT連続繊維の作製
2.3.3 ドライプロセスのメカニズム
2.4 ドライプロセスによるCNTシート状集合体や連続繊維への期待
【安全編】
第12章 CNTの毒性, 安全性, 作業環境
1 カーボンナノチューブの有害性評価の動向
1.1 はじめに―メカニズム仮説
1.2 これまでの経緯:研究と規制
1.3 動物を使った有害性試験
1.3.1 はじめに
1.3.2 腹腔内および胸腔内注入試験
1.3.3 吸入曝露試験と気管内投与試験
1.4 残された課題
2 CNTの安全な取り扱い
2.1 はじめに
2.2 リスクアセスメント
2.2.1 CNTの有害性
2.2.2 曝露測定
2.2.3 炭素分析によるMWCNTの定量
2.3 リスク管理
3 作業環境におけるCNT飛散量の測定方法と事例
3.1 はじめに
3.2 測定方法
3.2.1 CNT飛散量の測定
3.2.2 炭素分析を用いたCNT飛散量の定量
3.3 測定事例
3.3.1 測定概要
3.3.2 粒子個数濃度測定(改善前のみ実施)
3.3.3 電子顕微鏡観察(改善前のみ実施)
3.3.4 CNT飛散量の定量分析(改善前・後に実施)
3.4 おわりに
4 おわりに
関連商品
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の開発と市場 2020
価格(税込): 88,000 円
ナノ・マイクロ微粒子の分散評価技術
価格(税込): 58,300 円
ポリマーアロイ・ポリマーブレンド
価格(税込): 58,300 円
樹脂の溶融混練・押出機と複合材料の最新動向
価格(税込): 94,600 円
高熱伝導樹脂の設計・開発
価格(税込): 79,200 円