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月刊機能材料 2015年7月号

【特集】バイオミメティクスの産業応用へ向けた新たな歩み

商品コード:
M1507
発行日:
2015年7月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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【特集】バイオミメティクスの産業応用へ向けた新たな歩み

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バイオミメティクスがもたらす工学革新:生物模倣技術から生物規範工学へ
Innovation for Sustainability based on Engineering Biomimetics

下村政嗣 (千歳科学技術大学)

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バイオミメティクスの産業応用に向けた国際標準化動向
International Standardization toward the Industrialization of Biomimetics

関谷瑞木 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
阿多誠文 ((現)日本ゼオン(株))

 2012年10月に始まったバイオミメティクスの国際標準化は,ちょうど2 年後の2014年10月にはバイオミメティクスに関わる定義や用語,さらには生物の順応的成長に学ぶ工業製品の構造最適化アルゴリズムといった産業分野と密接に関わる課題の国際標準発行に至った。本稿ではバイオミメティクスの産業化の視点から,この国際標準化の活動を開始した背景や現在の活動の状況,今後の課題などについて俯瞰する。

【目次】
1. はじめに
2. バイオミメティクス国際標準化の背景とこれまでの経緯
3. WG3における標準化とその産業への影響
4. 今後の課題

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バイオミメティクスの産業利用促進と日本の課題
Development of Biomimetics in Industries and Japanese Issues

平坂雅男 ((公社)高分子学会)

 生物に学ぶ技術としてバイオミメティクスは古くから着目されてきたが,周辺技術の進歩と共に新たなバイオミメティクス時代の幕が開いた。海外では環境技術としてバイオミメティクスを位置づけ,産業利用が進んでいる。本稿では,バイオミメティクスに関する動向および日本企業の課題について報告する。

【目次】
1. はじめに
2. 欧州の政策
3. 国際標準化の動き
4. 製品開発
5. 日本の課題

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輝く蝶の謎に学ぶ省エネ・多機能光材料
Optical Multi‒functional Material for Energy Conservation Learned from Mystery of Brilliant Butterfl y

齋藤 彰 (大阪大学;国立研究開発法人 理化学研究所)

 モルフォ蝶の構造色は,干渉色ゆえ高反射率なのに,虹色でない物理学的に「異常な色」である。その鍵は「秩序」と「乱雑さ」の融合にある。筆者らは実証のため光学原理を抽出し「人工モルフォ発色体」を再現した後,幅広い応用価値を見出したが,生産技術には壁が多く,1つずつ解決してきた。そこには新たな機能材料のヒントが数多く隠されていた。

【目次】
1. はじめに
2. 構造色とモルフォ蝶の謎
3. 応用への道と作製技術
 3.1 量産技術
 3.2 基板フリー・粉体化
 3.3 光特性制御
4. まとめ

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生物模倣による撥液表面の創製
Development of Artifi cially‒mimicking Omniphobic Surfaces

穂積 篤 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
浦田千尋 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

 蓮の葉を模倣した超撥水材料の実用化が困難な主たる理由は,摩擦や摩耗により表面を被覆している分子の剥離,微細構造の崩壊,汚れなどの不純物の付着などが起こると,その機能が著しく低下し,永久に回復しないことが挙げられる。本稿では著者らが開発した,生物の持つ“分泌機能や自己修復機能”に学んだこれまでにない新しい撥液表面を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 最近の超撥液/撥液処理の研究動向
 2.1 微細構造を利用した超撥液表面(蓮の葉模倣)
 2.2 液体膜を利用した撥液表面(ウツボカズラ模倣)
 2.3 生物に学んだ多機能撥液表面
 2.4 生物の分泌機能や自己修復機能に学んだ撥液表面
3. まとめ

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生物模倣によるトライボロジー技術
Tribotechnology Inspired by Biological Surfaces

小林元康 (工学院大学)

 生物が持っている微細構造や分子構造から着想を得て表面構造を設計し摩擦特性の制御が試みられている。生物の体表を模倣した表面微細構造が無潤滑状態で摩擦低減効果を示すことや,生体関節に存在するブラシ状高分子電解質の分子構造に着目し,水中にて流体潤滑効果を促進する表面の分子設計の事例などを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 生物表面の模倣による摩擦制御
3. 生体表面模倣による潤滑
4. 今後に向けて

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植物の水・物質循環から学ぶ流体力学
Fluid‒dynamics on Water/Material Circulation of Plants

望月 修 (東洋大学)

 自然界の水循環における植物の位置づけおよび植物内の水・物質循環について観察し,植物がどのように流れを利用し生きているかを考える。それぞれの場面で水の流れを理解する基礎となるのは流体力学である。生物が行っている現象をモデル化し,物理的法則に則った解釈で理解する姿勢が重要である。生命体だから不思議で済ませるのではなく,物理的に説明し良いものを設計に取り入れていくことが工学であり,バイオミメティクスのやり方である。

【目次】
1. はじめに
2. 植物とは
3. 地球の水循環(高レイノルズ数の流れ)
4. 植物の吸水(中レイノルズ数の流れ)
5. 原形質流動(低レイノルズ数の流れ)
6. おわりに

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生物模倣による接着・非着と接合技術
Biomimetic Adhesion and Anti‒adhesion Technologies

細田奈麻絵 (国立研究開発法人 物質・材料研究機構)

 昆虫などの小動物は足の裏に接着と非着(剥離)を両立させたしくみを発達させ,さまざまな表面の上を歩行(接着と非着の繰り返し)できる。一方,植物は表皮の微細構造などを発達させ,ムシの足をすべらせる工夫がみられる。本稿では,生物がつくりだした接着・非着(剥離)のしくみと,その技術開発への応用について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ヤモリの足の例
 2.1 ヤモリの足における接着・剥離
 2.2 生物模倣による毛状接着構造の製作
3. 昆虫の足の接着と非着のしくみ
 3.1 接着性の表面粗さによる影響
 3.2 足の汚れによる接着性への影響
 3.3 表面のポーラスな構造による影響
 3.4 プラントワックスによる接着性への影響
 3.5 昆虫の足の接着性の特徴を利用する植物
 3.6 植物の粘液による接着を回避する昆虫
 3.7 生物の非着のしくみのまとめ
4. 新しい水中接着の発見
5. 落葉の剥離技術と産業応用
 5.1 製造時に解体を設計している植物
 5.2 落葉をモデルにした接合技術
6. おわりに

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カタツムリに学ぶ住宅材料の防汚技術 〔TOPICS 1〕
Nature Inspired Anti‒stain Surface Treatment ‒Snail Shell and Housing Materials‒

井須紀文 ((株)LIXIL)

 2050年にCO2排出量80%削減を目指し「つくる」,「つかう」,「もどす」の各段階で環境負荷を下げながら商品価値の向上を同時に実現するための研究開発を進めている。その1つのヒントは,自然が長時間かけてつくり上げた生物や地球の中にあると考えている。今回は一例として,タイルやトイレの防汚抗菌技術について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 住宅としてのカタツムリの殻
3. カタツムリの防汚技術
4. 住宅材料の防汚・抗菌技術
 4.1 タイルの防汚技術
 4.2 トイレの防汚・抗菌技術
5. おわりに

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界面張力を用いた自己組織化実装技術 〔TOPICS 2〕
Interfacial‒Controlled Placing Technique of Microstructures by Self‒Assembly Mechanism

中川 徹 (パナソニック(株))

 水面に落ちた小さな虫はそこからなかなか脱出できない。アメンボは水面を自由自在に動き回ることができる。これらは,小さな物体に働く液体の界面張力が重力よりも大きいことに起因する。本稿では,界面張力をコントロールすることで,大きさがサブμm 〜サブmm の物体が効率よく基板の所定の位置に実装できることを示す。

【目次】
1. はじめに
2. 実装原理
3. シリコンナノワイヤとシリコン板を実装する
4. シリコンナノワイヤとシリコン板の実装
5. 今後の展開

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ものづくりの“ 奥義” を見極める―伝統技術の科学的解明と未来展望― 第1回

連載にあたって;なぜいま技術革新が必要か
Serialization Introduction ; Why is Innovation Required Now?

黒田孝二 (京都工芸繊維大学)

【目次】
1. はじめに
2. ものづくり現場で育まれる“感性”
 2.1 感性の源泉
 2.2 感性と科学―人を知るようにモノを知る―
3. ものづくり現場の暗黙知と科学
 3.1 現場課題の解決方法
 3.2 ものづくり現場の計測科学とナノテク
 3.3 最先端分野の感性と科学
4. 伝統技術における感性と科学
 4.1 伝統技術を支える感性
 4.2 感性の空間モデル化
 4.3 感性と科学の融合に向けて
5. 本連載について

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