著者一覧
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【特集】高機能紙の開発と紙がもたらす次世代技術の最前線
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製紙用粘剤としての超高分子量ポリエチレンオキサイドの新展開
The Novel Development of the Ultra-High Molecular Weight Polyethylene Oxide as
Paper Manufacture Mucilaginous Agent
井戸 亨 (住友精化(株))
ポリエチレンオキサイドは天然のトロロアオイ(黄蜀葵)に代わる合成の製紙用粘剤として, 50年以上前からティッシュやトイレットペーパーなど薄葉紙を抄造する際に使用され続けており, 近年ではさらなる高分子量化が進んでいる。本稿では, 使用が難しいとされている高速抄紙機への応用展開, および生産性改善の可能性について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. PEOの特徴
3. 「PEO」による繊維分散機構
4. 高濃度水溶液の耐せん断性
5. 高速抄紙機への展開
6. 円網抄紙機での用水原単位改善
7. 紙料濃度の高濃度化による生産性改善
8. まとめ
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紙表面上での化学反応を活用した機能紙の開発と応用
Developments and Applications of Functional Paper Using Chemical Reaction at Paper Surface
市浦英明 (高知大学)
本論文では, “紙表面上で化学反応”を行う手法を活用した機能紙の調製技術について概説する。具体的には, 紙表面上で界面重合反応を行い機能材料の合成と定着を同時に行う界面重合法と紙表面上で高分子ゲルの合成と定着を同時に行う天然高分子ゲル析出法を用いて調製した機能紙を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 界面重合法を活用した機能紙の開発
3. 天然高分子ゲル析出法を活用したインテリジェント機能紙の開発
4. おわりに
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ゼオライト高密度結晶化技術による「セルガイア(R)」の開発と応用
Development and Application of “Cellgaia” by the Zeolite High‒Density Crystallization Technology
杉山公寿 (レンゴー(株))
ゼオライトを紙と複合化させるには, 抄紙の段階で填料として添加するのが一般的であるが, 歩留まり率を向上させることが難しい。著者はパルプがアルカリ性水溶液で膨潤する性質があることから, このアルカリ性水溶液中で結晶化するゼオライトの特性を利用して, パルプ内部にゼオライトを高密度に結晶化させる技術を確立した。ゼオライト含有パルプとして抄紙工程で添加するだけで, ほぼ100%の歩留まり率で高機能紙を生産することができる。
【目次】
1. はじめに
2. セルガイア(R)パルプの基本特性
2.1 セルガイア(R)パルプの製造方法
2.2 セルガイア(R)パルプへの抗菌性金属イオン担持方法
3. セルガイア(R)パルプ含有紙および湿式不織布の機能および用途
3.1 抗菌性
3.2 ウイルス不活化性
3.3 アレルゲン不活化性
3.4 消臭性
4. セルガイア(R)パルプおよびその応用製品の今後
4.1 水溶性放射性物質吸着繊維
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進化型「高度紙」としての無機/有機ナノハイブリッド膜iO‒brane(R)の開発と応用
Development of Inorganic/Organic Nano‒Hybrid Membrane iO‒brane(R) as Advanced Paper and its Applications
澤 春夫 (ニッポン高度紙工業(株))
有機ポリマー分子に無機酸化物ナノ粒子が化学結合した独自の無機/有機ナノハイブリッド膜(iO‒brane(R))を開発した。「紙」の発展系とみなせるこの材料の, 分子レベルでの吸液性, あるいは化学的・物理的安定性, ナノ材料としての特性を生かして, 燃料電池, 有機合成用触媒, 分子フィルターなどへの応用が開けている。
【目次】
1. はじめに
2. 無機/有機ナノハイブリッド膜(iO‒brane(R))
3. iO‒brane(R)の用途
3.1 燃料電池用電解質膜
3.2 金属ナノ粒子触媒膜
3.3 分子フィルター
4. おわりに
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紙の高誘電率化による小型フレキシブルペーパーアンテナの開発
High‒k Paper Composite for a Miniaturized Flexible Antenna
古賀大尚 (大阪大学)
能木雅也 (大阪大学)
Internet of Thingsやウエアラブルエレクトロニクスに大きな注目が集まる中で, 薄くて小さく・軽くて柔軟なワイヤレス情報通信アンテナの開発が急務となっている。そのためには, アンテナ基板のフレキシブル化・高誘電率化が必要不可欠である。本稿では, 植物ナノセルロースベースの高誘電率紙基板の開発, および, それを用いて実現した小型・フレキシブルペーパーアンテナについて述べる。
【目次】
1. はじめに
2. IoTに向けたフレキシブルアンテナ開発
3. アンテナの小型化に向けた紙基板の高誘電率化
4. 高誘電率紙基板で実現する小型フレキシブルアンテナ
5. おわりに
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Material Report -R&D-
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エマルションフロー法を用いたレアメタルなどの回収・リサイクル
Recovery and Recycling of Minor Metals etc. by “Emulsion Flow” Method
長縄弘親 (国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構)
廃材, 工程くずからのレアメタルの回収・リサイクル, 工場廃水の浄化などに対する革新的な新技術“エマルションフロー法”を紹介する。同法では, 溶媒抽出に基づく化学分離, 液液界面を利用した固液分離をポンプ送液だけで簡便かつ効率的に行うことができ, 従来法との比較において, 最も低いコストと最高レベルの高性能を両立させている。
【目次】
1. 水に溶けている有価物を選択的に回収する二大手法
2. “エマルションフロー法”とは?
3. エマルションフロー法を利用した溶媒抽出
4. 他の方法との比較
5. レアアースの溶媒抽出における従来法との比較
6. エマルションフロー法に基づく溶媒抽出の適用例
7. エマルションフロー法に基づく固液分離の適用例
8. 今後の展望
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ものづくりの“ 奥義” を見極める―伝統技術の科学的解明と未来展望― 第4回
漆の可能性〜漆の改質と人工漆の開発〜
The Possibility of Urushi 〜 Improvement of Urushi and Development of Artifi cial Urushi 〜
大藪 泰 ((地独)京都市産業技術研究所)
日本の代表的な伝統技術の一つに漆工がある。わが国では9000年以上も前から漆は使用されているが, 今, 環境に優しい塗料として注目を集めている。キーワードは(1)酵素反応, (2)資源作物・資源植栽, である。この漆を改質し利用拡大を図るとともに, 漆をモデルとした酵素反応型塗料(人工漆)の開発を進めている。
【目次】
1. あなたは漆を知っていますか?
2. なぜ環境に優しいのか?
3. そして漆を改質しよう, 人工漆を開発しよう
3.1 漆の改質は
3.2 人工漆の開発は
4. 漆および人工漆のこれからは?
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タッチパネル関係の材料技術トレンド(3)
表面処理材料
Surface Treatment Materials
鵜飼育弘 (Ukai Display Device Institute)
タッチパネルの表面処理材料としての新規材料と最新技術を紹介する。まず, 代表的なタッチパネルの構造を概説し, なぜタッチパネルに表面処理が必要かを述べる。ここでは, 表面処理材料として, 表面の傷つき防止(ハードコート), 指紋汚れ防止, そして視認性向上のための反射防止機能を表面に付与したり, 機能を持ったフィルムを取り上げる。いずれの材料も単一機能でなく複合機能を有するもので, 日本の技術は抜きんでており, 今後ともデバイスの性能向上に寄与することを期待したい。
【目次】
1.はじめに
2. タッチパネルの構造と表面処理材料
2.1 タッチパネルの構造
2.1.1 抵抗膜式
2.1.2 投影型静電容量式
2.2 タッチパネルの表面処理
2.2.1 表面傷つき防止(ハードコート)
2.2.2 反射防止
2.2.3 指紋汚れ防止
3. おわりに
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機能材料マーケットデータ
電池用材料・ケミカルスの市場動向
Market Trend of Materials and Chemicals for Batteries
【目次】
1. 電池市場の概要
1.1 一次電池
1.2 二次電池
2. 開発動向と構成材料
2.1 一次電池
2.2 二次電池
2.2.1 正極材
2.2.2 負極材
2.2.3 電解液
2.2.4 セパレータ
3. 二次電池構成材料の市場動向
3.1 リチウムイオン電池構成材料の市場
3.2 ニッケル水素電池構成材料の市場
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