著者一覧
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【新春特集】熱電発電開発の新戦略
New Strategy of Thermoelectric Generation
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熱電発電,現在と将来
Thermoelectric Generation, Present and Future
舟橋良次(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
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インターカレーションによる無機/有機複合熱電変換材料
Inorganic/Organic Hybrid Thermoelectric Materials through Intercalation
河本邦仁 ((公財)豊田理化学研究所)
Ruoming Tian ((公財)豊田理化学研究所)
万春磊 (清華大学)
層状構造TiS2に有機分子をインターカレートして無機/有機複合超格子を構築すると, 室温で0.12W/mKという極めて低い格子熱伝導率が得られ, 大気中, 室温〜140℃でZT=0.24〜0.33を示す優れたn型熱電変換材料になることを見出した。この材料のフレキシブルな性質を利用した新しい熱電応用を提案する。
【目次】
1. はじめに
2. TMDC;TiS2
3. TiS2/有機複合超格子熱電変換材料
3.1 有機分子の電気化学的インターカレーションによる複合超格子構築
3.2 無機/有機ナノ複合化による熱伝導率の低減
3.3 フレキシビリティ
4. キャリア濃度の制御は可能か?
5. キャリア移動度のチューニングは可能か?
6. 工業的製造プロセスの開発と新しい応用
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熱電変換材料としての非整合複合結晶
Incommensurate Composite Crystals as Potential Thermoelectric Materials
宮讓 (東北大学)
新たな熱電変換材料を創製するアプローチの一つとして, 非整合複合結晶の利用が考えられる。本稿では, 複合結晶の特徴をはじめに解説し, 続いて複合結晶の実例として, 優れた熱電特性を示すことで知られるカルシウムコバルト酸化物とマンガンケイ化物の結晶構造と熱電特性を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 非整合複合結晶の特徴
3. 非整合複合結晶の変調構造と熱電変換特性
3.1 カルシウムコバルト酸化物“Ca3Co4O9”
3.2 マンガンケイ化物”Mn4Si7”(HMSs)
4. おわりに
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ミクロスコピック熱伝導機構の解明と熱伝導制御指針
Numerical Analyses of Microscopic Thermal Conduction
吉矢真人 (大阪大学)
材料科学における熱伝導のメカニズム解明のための計算的アプローチの必要性やそのための手法の紹介から層状熱電変換材料の熱伝導抑制メカニズムの解明の実例を紹介する。いずれの層状熱電変換材料でも層状構造由来の2次元性のみならず第3 の次元の層間相互作用こそが電子的特性を損なわずに熱伝導が抑制されている必要条件であり,その相互作用や隣接層の制御を通じてさらなる熱伝導制御が可能である。
【目次】
1. 緒言
2. 計算的手法によるアプローチ
3. 摂動分子動力学法
4. 層状コバルタイト熱電変換材料の微視的熱伝導機構
5. 結言
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パイプ型熱電モジュール
Pipe‒Shaped Thermoelectric Module
菅野勉 (パナソニック(株))
未利用熱を電力として回収可能な熱電発電に期待が寄せられている。本稿では排ガスや蒸気, 温水など流体熱源で熱電発電を行う際にモジュールに求められる要件と, パイプ型熱電モジュールについて紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. モジュール設計と発電効率, 発電出力の関係
3. モジュールの構造
3.1 トランスバース型パイプモジュール
3.2 サーモカップル型パイプモジュール
4. モジュールの作製
5. 発電性能
6. パイプモジュールでのペルチェ冷却
7. おわりに
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小型積層モジュール
Small Size Multilayer Module
中村孝則 ((株)村田製作所)
今回, 酸化物熱電材料を使用して小型の積層モジュールを作製した。この積層モジュールは温度差10℃で100μWの出力が得られ, 機械的な強度も強いことが確認できた。この積層モジュールをワイヤレスネットワーク端末の電源として適用し, 1年以上メンテナンスフリーで動作することが確認できた。
【目次】
1. はじめに
2. 環境発電用熱電材料
3. 小型積層モジュール
3.1 積層モジュールの概要
3.2 試作例
4. ワイヤレスセンサネットワーク電源への適用
4.1 ワイヤレスセンサネットワーク端末電源の概要
4.2 実証実験結果
5. まとめ
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熱電発電技術の応用
Application of Thermoelectric Generator
梶原健 ((株)KELK)
ビスマステルル系材料は室温から約200℃程度の温度領域で高い熱電性能を示す。ビスマステルル系材料を用いた熱電発電モジュール, ユニットの実用化への取り組みについて紹介する。具体的には100W以上の発電を目的とした産業排熱回収の例として熱処理炉排熱およびスラブ排熱への適用例を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ビスマステルル系熱電発電モジュールの特性
2.1 ビスマステルル系熱電材料について
2.2 発電モジュールの特性
3. 熱電発電ユニットの特性
4. ビスマステルル系熱電発電ユニットの応用例
4.1 熱処理炉排熱への熱電発電の適用例
4.2 スラブ排熱への熱電発電の適用例
5. 今後の課題
6. おわりに
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Material Report -R&D-
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光で駆動する,曲がる透明ディスプレイ
Photo‒Assisted Flexible Transparent Display
渡邉智 (熊本大学)
曽我公平 (東京理科大学)
近年, メカニカルフレキシビリティーと透明度を活かした次世代透明ディスプレイに関する研究が盛んに行われている。しかし, 既存の半導体技術では, 電極, アクティブスイッチ, 半導体層の光吸収や光散乱による透明度の低下が避けられなかった。本稿では, 希土類元素含有ナノ粒子のアップコンバージョン発光材料とポリマーアレイ導波路格子を組み合わせた新しい原理に基づく透明アップコンバージョン発光ディスプレイを紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ブラウン管ディスプレイ
3. 液晶ディスプレイ
4. アップコンバージョン発光ディスプレイ
5. アップコンバージョン発光層のパターニング技術
6. ポリマーアレイ導波路格子アップコンバージョン発光デバイスの作製
7. おわりに
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ものづくりの“ 奥義” を見極める―伝統技術の科学的解明と未来展望― 第7 回(最終回)
「これからの伝統技術とものづくり」
ものづくり文化を支える伝統技術と先進技術の循環
A Cycle of Traditional Arts & Crafts/Advanced Technology Serving the Basis of “Monodzukuri” Culture
西本清一 ((地独)京都市産業技術研究所)
京都には伝統技術と先進技術が絶えず循環しながら息づいている。人間の感性による介入を排除した要素還元主義に立つ西欧近代科学技術を受容しつつ, 人間固有の感性に依拠する生気論的立場の伝統工芸技術を堅持する世界が現存する。京都の歴史や文化風土=京都のエートスと深く結びついた濃密な現象の本質を探る。
伝統みらい学の誕生
Master of Dento Mirai
濱田泰以 (京都工芸繊維大学)
本稿では, これからの伝統技術を活かしたものづくりのためにできるいくつかの方法の中で, 教育に関わる筆者の夢を語ってみました。それは伝統みらい学と呼ばれるものであり, ものづくり現場に必要な改革者の養成カリキュラムを作ってみました。MDMという修士号を提供する課程です。MDMとは? 最後まで, お読みいただきたいと思います。
感性と科学のハイブリッド工学基盤への夢
A Dream for Human Sense Hybridized Engineering Base
黒田孝二 (京都工芸繊維大学)
伝統技術に夢を描く研究者の一連の連載を閉じるにあたり, これ俯瞰してみると, 先人の卓越した感性が育み継承してきた日本のものづくりの奥義と, 大きく発展した科学の流れを融合させて, 次世代への伝統技術に発展させることの重要さを改めて感じる。読者諸氏と, この方策について考え, 次世代に継ぐ宝の形を考えてみたい。
【目次】
1. はじめに
2. 感性と科学の融合を達成するマネージメント
2.1 日本のものづくり感性の育み
2.2 感性と科学の融合
3. おわりに
【新春特集】熱電発電開発の新戦略
New Strategy of Thermoelectric Generation
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熱電発電,現在と将来
Thermoelectric Generation, Present and Future
舟橋良次(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
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インターカレーションによる無機/有機複合熱電変換材料
Inorganic/Organic Hybrid Thermoelectric Materials through Intercalation
河本邦仁 ((公財)豊田理化学研究所)
Ruoming Tian ((公財)豊田理化学研究所)
万春磊 (清華大学)
層状構造TiS2に有機分子をインターカレートして無機/有機複合超格子を構築すると, 室温で0.12W/mKという極めて低い格子熱伝導率が得られ, 大気中, 室温〜140℃でZT=0.24〜0.33を示す優れたn型熱電変換材料になることを見出した。この材料のフレキシブルな性質を利用した新しい熱電応用を提案する。
【目次】
1. はじめに
2. TMDC;TiS2
3. TiS2/有機複合超格子熱電変換材料
3.1 有機分子の電気化学的インターカレーションによる複合超格子構築
3.2 無機/有機ナノ複合化による熱伝導率の低減
3.3 フレキシビリティ
4. キャリア濃度の制御は可能か?
5. キャリア移動度のチューニングは可能か?
6. 工業的製造プロセスの開発と新しい応用
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熱電変換材料としての非整合複合結晶
Incommensurate Composite Crystals as Potential Thermoelectric Materials
宮讓 (東北大学)
新たな熱電変換材料を創製するアプローチの一つとして, 非整合複合結晶の利用が考えられる。本稿では, 複合結晶の特徴をはじめに解説し, 続いて複合結晶の実例として, 優れた熱電特性を示すことで知られるカルシウムコバルト酸化物とマンガンケイ化物の結晶構造と熱電特性を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 非整合複合結晶の特徴
3. 非整合複合結晶の変調構造と熱電変換特性
3.1 カルシウムコバルト酸化物“Ca3Co4O9”
3.2 マンガンケイ化物”Mn4Si7”(HMSs)
4. おわりに
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ミクロスコピック熱伝導機構の解明と熱伝導制御指針
Numerical Analyses of Microscopic Thermal Conduction
吉矢真人 (大阪大学)
材料科学における熱伝導のメカニズム解明のための計算的アプローチの必要性やそのための手法の紹介から層状熱電変換材料の熱伝導抑制メカニズムの解明の実例を紹介する。いずれの層状熱電変換材料でも層状構造由来の2次元性のみならず第3 の次元の層間相互作用こそが電子的特性を損なわずに熱伝導が抑制されている必要条件であり,その相互作用や隣接層の制御を通じてさらなる熱伝導制御が可能である。
【目次】
1. 緒言
2. 計算的手法によるアプローチ
3. 摂動分子動力学法
4. 層状コバルタイト熱電変換材料の微視的熱伝導機構
5. 結言
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パイプ型熱電モジュール
Pipe‒Shaped Thermoelectric Module
菅野勉 (パナソニック(株))
未利用熱を電力として回収可能な熱電発電に期待が寄せられている。本稿では排ガスや蒸気, 温水など流体熱源で熱電発電を行う際にモジュールに求められる要件と, パイプ型熱電モジュールについて紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. モジュール設計と発電効率, 発電出力の関係
3. モジュールの構造
3.1 トランスバース型パイプモジュール
3.2 サーモカップル型パイプモジュール
4. モジュールの作製
5. 発電性能
6. パイプモジュールでのペルチェ冷却
7. おわりに
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小型積層モジュール
Small Size Multilayer Module
中村孝則 ((株)村田製作所)
今回, 酸化物熱電材料を使用して小型の積層モジュールを作製した。この積層モジュールは温度差10℃で100μWの出力が得られ, 機械的な強度も強いことが確認できた。この積層モジュールをワイヤレスネットワーク端末の電源として適用し, 1年以上メンテナンスフリーで動作することが確認できた。
【目次】
1. はじめに
2. 環境発電用熱電材料
3. 小型積層モジュール
3.1 積層モジュールの概要
3.2 試作例
4. ワイヤレスセンサネットワーク電源への適用
4.1 ワイヤレスセンサネットワーク端末電源の概要
4.2 実証実験結果
5. まとめ
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熱電発電技術の応用
Application of Thermoelectric Generator
梶原健 ((株)KELK)
ビスマステルル系材料は室温から約200℃程度の温度領域で高い熱電性能を示す。ビスマステルル系材料を用いた熱電発電モジュール, ユニットの実用化への取り組みについて紹介する。具体的には100W以上の発電を目的とした産業排熱回収の例として熱処理炉排熱およびスラブ排熱への適用例を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ビスマステルル系熱電発電モジュールの特性
2.1 ビスマステルル系熱電材料について
2.2 発電モジュールの特性
3. 熱電発電ユニットの特性
4. ビスマステルル系熱電発電ユニットの応用例
4.1 熱処理炉排熱への熱電発電の適用例
4.2 スラブ排熱への熱電発電の適用例
5. 今後の課題
6. おわりに
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Material Report -R&D-
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光で駆動する,曲がる透明ディスプレイ
Photo‒Assisted Flexible Transparent Display
渡邉智 (熊本大学)
曽我公平 (東京理科大学)
近年, メカニカルフレキシビリティーと透明度を活かした次世代透明ディスプレイに関する研究が盛んに行われている。しかし, 既存の半導体技術では, 電極, アクティブスイッチ, 半導体層の光吸収や光散乱による透明度の低下が避けられなかった。本稿では, 希土類元素含有ナノ粒子のアップコンバージョン発光材料とポリマーアレイ導波路格子を組み合わせた新しい原理に基づく透明アップコンバージョン発光ディスプレイを紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ブラウン管ディスプレイ
3. 液晶ディスプレイ
4. アップコンバージョン発光ディスプレイ
5. アップコンバージョン発光層のパターニング技術
6. ポリマーアレイ導波路格子アップコンバージョン発光デバイスの作製
7. おわりに
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ものづくりの“ 奥義” を見極める―伝統技術の科学的解明と未来展望― 第7 回(最終回)
「これからの伝統技術とものづくり」
ものづくり文化を支える伝統技術と先進技術の循環
A Cycle of Traditional Arts & Crafts/Advanced Technology Serving the Basis of “Monodzukuri” Culture
西本清一 ((地独)京都市産業技術研究所)
京都には伝統技術と先進技術が絶えず循環しながら息づいている。人間の感性による介入を排除した要素還元主義に立つ西欧近代科学技術を受容しつつ, 人間固有の感性に依拠する生気論的立場の伝統工芸技術を堅持する世界が現存する。京都の歴史や文化風土=京都のエートスと深く結びついた濃密な現象の本質を探る。
伝統みらい学の誕生
Master of Dento Mirai
濱田泰以 (京都工芸繊維大学)
本稿では, これからの伝統技術を活かしたものづくりのためにできるいくつかの方法の中で, 教育に関わる筆者の夢を語ってみました。それは伝統みらい学と呼ばれるものであり, ものづくり現場に必要な改革者の養成カリキュラムを作ってみました。MDMという修士号を提供する課程です。MDMとは? 最後まで, お読みいただきたいと思います。
感性と科学のハイブリッド工学基盤への夢
A Dream for Human Sense Hybridized Engineering Base
黒田孝二 (京都工芸繊維大学)
伝統技術に夢を描く研究者の一連の連載を閉じるにあたり, これ俯瞰してみると, 先人の卓越した感性が育み継承してきた日本のものづくりの奥義と, 大きく発展した科学の流れを融合させて, 次世代への伝統技術に発展させることの重要さを改めて感じる。読者諸氏と, この方策について考え, 次世代に継ぐ宝の形を考えてみたい。
【目次】
1. はじめに
2. 感性と科学の融合を達成するマネージメント
2.1 日本のものづくり感性の育み
2.2 感性と科学の融合
3. おわりに
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価格(税込): 55,000 円