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月刊機能材料 2016年3月号

【特集】イオン液体をデザインする―多機能化への挑戦―

商品コード:
M1603
発行日:
2016年3月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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【特集】イオン液体をデザインする―多機能化への挑戦―

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イオン液体の多機能化に向けた現状と将来展望
Current Status and Future Perspective of Multi‒Functional Design of Ionic Liquids
大野弘幸 (東京農工大学)

イオン液体に様々な機能を付与する試みが増えてきている。それに伴って多彩な応用展開も提案されるようになってきている。本稿では基本的なイオン液体の物理化学的な特性や特徴を述べ, これらの特性改善の最先端を紹介する。さらに, 多機能化イオン液体の設計につなげるための諸物性制御について注意点と具体例を紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.イオン液体の特徴と可能性
3.物理化学的な特徴とイオン構造による制御
 3.1 イオン伝導度の制御
 3.2 極性の制御
 3.3 屈折率の制御
 3.4 集合状態の制御
 3.5 水との親和性の制御
4.新機能の可能性を持つイオン液体
 4.1 生体分子由来イオン液体
 4.2 Zwitterion
 4.3 水和イオン液体
5.今後の展望

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電気化学キャパシタ / 燃料電池用新規フッ素系イオン液体の開発
Developments of Ionic Liquid Fluorides for Electrochemical Capacitors and Fuel Cells

松本一彦 (京都大学)
野平俊之 (京都大学)
萩原理加 (京都大学)

低粘性, 高導電率を示すイオン液体であるフルオロハイドロジェネート塩の性質と, 高容量を示す電気化学キャパシタ, ならびに既存の燃料電池と異なる機構で中温無加湿運転が可能なフルオロハイドロジェネート燃料電池など, 電気化学デバイスへの応用について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.フルオロハイドロジェネートイオン液体の特徴
3.電気化学キャパシタ用電解液としてのフルオロハイドロジェネートイオン液体
4.燃料電池用電解液としてのフルオロハイドロジェネートイオン液体
5.おわりに

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イオン液体リチウム二次電池の開発
Development of Rechargeable Lithium Batteries Utilizing Ionic Liquid Electrolytes

石川正司 (関西大学)
山縣雅紀 (関西大学)

 揮発性がなく安全な電解液として, 溶媒を含まない「イオン液体」電解液が注目されている。長らくリチウム二次電池への適用は困難とされていたが, FSIイオン液体がこれを実現した。この電解液は電極抵抗を低く保つため, 高粘度にも関わらず高出力作動を実現する。さらに最近では無揮発特性を活かし, 宇宙空間での電池作動にも成功した。

【目次】
1.はじめに
2.負極の可逆化と高レート特性の機構解明
3.FSIイオン液体系を特徴づける電極界面構造
4.FSIイオン液体電解液の最適化による炭素負極のレート特性向上
5.イオン液体による実用リチウムイオン電池の設計
6.FSIイオン液体電解液中におけるSi薄膜電極の挙動
7.無溶媒イオン液体電解液による「宇宙用リチウム二次電池」
8.おわりに

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バイオマスエネルギー生産に向けた極性イオン液体の進化
Polar Ionic Liquids for Biomass‒Energy Production

深谷幸信 (鳥取大学)

従来系とは本質的に異なる新たなバイオマス処理プロセスの構築に向けた極性イオン液体の機能設計に焦点を当て, セルロースや植物バイオマスを溶解するための極性イオン液体のデザインや, 近年注目が集まっているイオン液体/水の混合系など, 植物バイオマスからのエネルギー生産を目的とした極性イオン液体の進化について概説した。

【目次】
1.はじめに
2.極性イオン液体の設計
3.極性イオン液体を用いたバイオマス処理
4.極性イオン液体の進化
5.将来展望

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イオン液体をゲート絶縁膜として用いた高信頼性IGZO‒TFTの開発
Ionic Liquid Gate Dielectric for Highly Reliable IGZO‒TFT

石河泰明 (奈良先端科学技術大学院大学)
藤井茉美 (奈良先端科学技術大学院大学)
小野新平 ((一財)電力中央研究所)
浦岡行治 (奈良先端科学技術大学院大学)

 イオン液体をトランジスタのゲート絶縁膜に利用すると, 電気二重層が自己組織化的に形成される。この効果をトランジスタに利用すると, 低電圧駆動(低消費電力化)が実現される。本稿では, 低電圧駆動が必要なInGaZnO(IGZO)薄膜トランジスタに対してイオン液体ゲートを導入し, デバイス特性および信頼性特性への効果について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.イオン液体ゲートによるIGZO‒TFT
 2.1 IGZO‒TFTの特長
 2.2 イオン液体ゲートによる電気二重層導入効果
3.電気二重層が非晶質IGZO‒TFT特性に与える効果
 3.1 イオン液体ゲートとSiO2ゲートの比較
 3.2 イオンゲルゲートによる特性および信頼性特性
4.おわりに

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常温常圧でCO2吸着機能を持つイオン液体型CO2ガスセンサへの応用
CO2 Gas Sensor Using Ionic Liquid’s Gas Adsorption Function at Room Temperature and Atmospheric Pressure

本多祐仁 (オムロン)
竹井裕介 (東京大学)

 近年, イオン液体に関して様々な研究がなされ, 官学および企業からの研究が盛んに行われている。特に2000年以降は多くのイオン液体に特化した学会や論文が多く発表され, また特許の出願件数も非常に多くなっており, ニューマテリアルとして注目されてきた。本稿ではイオン液体が持つ優れた特長を利用した常温常圧でCO2吸着可能な, イオン液体ガスセンサについて紹介する。

1.イオン液体について
2.イオン液体センサについて
3.電極素材の選定
4.イオン液体の固体化(ゲル化)についての検討
5.CO2ガスセンサ端末の実証実験
6.まとめ

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時系列データを認識するニューラルネットワーク「動的ボルツマンマシン」
Recognizing Time‒Series Data by a Neural Network:The Dynamic Boltzmann Machine

恐神貴行 (IBM東京基礎研究所)
大塚誠 (フリーランス)

 従来の人工ニューラルネットワークはヘブ則に基づいて学習するが, 近年の生物実験においてはヘブ則をより精緻にするスパイク時間依存可塑性(STDP)が神経細胞の学習則として確認されている。本稿では, STDPに基づいて学習する新しい人工ニューラルネットワーク「動的ボルツマンマシン」を紹介する。

1.はじめに
2.動的ボルツマンマシン
3.実験
4.まとめ

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海水を利用した高耐久コンクリートの開発と今後の展望
Development and Future Vision of High Durable Concrete with Sea Water

新村亮 (大林組)
竹田宣典 (大林組)

 コンクリートの練り混ぜ水として海水を使用し, さらに, 各種混和材や海水用特殊混和剤を使用することにより, 長期強度, 水密性などのコンクリートの品質を改善することができる。また, 非腐食性補強材の使用により, 鉄筋コンクリートへの適用も可能となる。本技術の各種用途への適用を検討するとともに, コンクリートがら, 鉄鋼スラグなど産業副産物の有効利用も行った。

1.はじめに
2.海水練りコンクリートの特徴
 2.1 従来の海水練りコンクリートの問題点
 2.2 強度特性
 2.3 水密性
 2.4 補強材の腐食および変質
 2.5 その他の耐久性
 2.6 施工性の評価
 2.7 CO2排出量の評価
3.海水練りコンクリート技術の応用例
 3.1 放射線遮蔽型海水コンクリ-ト
 3.2 海水を使用した地盤注入工法
 3.3 火山灰を使用した海水練りソイルセメント
4.海水練りコンクリートへの産業副産物の適用事例
 4.1 震災コンクリートがらの有効利用
 4.2 鉄鋼スラグを使用した舗装
5.まとめ

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