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月刊機能材料 2016年6月号

【特集】最新エポキシ樹脂の研究開発

商品コード:
M1606
発行日:
2016年6月5日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料

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【特集】最新エポキシ樹脂の研究開発

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エポキシ樹脂の概要と市場動向
Overview and Market Trends of Epoxy Resin

大塚恵子 ((地独)大阪市立工業研究所)

 エポキシ樹脂は,要求特性や使用形態に合わせて,その構造や硬化剤との組み合わせにより多様な性能を出すことが可能であるために,エポキシ樹脂や硬化剤メーカーによりニーズに合わせた多種多様な化学構造や分子量を持った製品開発が行われている。本稿では,エポキシ樹脂の一般的な概要と最近の市場動向や今後の展開について述べる。

【目次】
1.はじめに
2.エポキシ樹脂の概要と種類
 2.1 ビスフェノールA 型エポキシ樹脂
 2.2 ビスフェノールF 型エポキシ樹脂
 2.3 ノボラック型エポキシ樹脂
 2.4 ナフタレン型エポキシ樹脂
 2.5 ビフェニル骨格エポキシ樹脂
 2.6 脂環式エポキシ樹脂
 2.7 グリシジルエステル型エポキシ樹脂
 2.8 グリシジルアミン型エポキシ樹脂
3.硬化剤の種類と概要
 3.1 アミン系硬化剤
  3.1.1 脂肪族ポリアミン
  3.1.2 芳香族ポリアミン
 3.2 酸無水物系硬化剤
 3.3 潜在性硬化剤
4.最近の市場動向
5.今後の展開
6.おわりに

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炭素とエポキシ樹脂の接着に関する量子力学的接着理論
Quantum Mechanical Theory for the Adhesion between Carbon and Epoxy Resin

樋口千紗 (九州大学)
吉澤一成 (九州大学)

 物と物をくっつける接着技術の研究は,実用面から極めて活発に行われている。しかし,接着現象がどのような界面相互作用により生じるのかについての理論的な議論はそれほどなされていない。炭素繊維とエポキシ樹脂の界面に関して,量子化学計算によって接着エネルギー及び接着力を算出した。その結果,炭素繊維とエポキシ樹脂の接着が水素結合を起源とする分子間力により起こると考えて,矛盾はないことを示した。

【目次】
1.はじめに
2.接着現象
3.炭素繊維表面
4.計算手法
 4.1 グラファイト結晶構造
 4.2 炭素表面モデルの構築
5.接着界面モデルの形成
6.接着エネルギー,接着力の算出方法
7.接着エネルギー
8.接着力
9.おわりに

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エポキシ樹脂の硬化技術概論
Introduction of Epoxy Resin Curing Technology

鈴木敏弘 (埼玉化成技術研究所)

 エポキシ基の反応性の高さの要因およびエポキシ樹脂と各種エポキシ硬化剤との反応(硬化反応)の仕組みについて定性的に解説する。また併せ主な硬化剤について,その用途や使用法について概要を記す。

【目次】
1.エポキシドの反応性
 1.1 酸触媒開環反応
 1.2 塩基触媒開環反応
2.エポキシ樹脂と硬化剤の関係
3.エポキシ樹脂硬化剤の種類
4.エポキシ樹脂硬化技術(硬化剤の具体例)
 4.1 脂肪族ポリアミン
 4.2 ポリアミドポリアミン
 4.3 芳香族ポリアミン
 4.4 酸無水物系
 4.5 フェノール樹脂系硬化剤
 4.6 三級アミン
 4.7 低温硬化
 4.8 ジシアンジアミド
 4.9 エポキシ- 6 -ナイロン
5.おわりに

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ハイブリッド透明エポキシ材料
Transparent Epoxy Hybrid Materials

榎本航之 (山形大学)
菊地守也 (山形大学)
鳴海 敦 (山形大学)
川口正剛 (山形大学)

 透明なエポキシ樹脂は,光学接着剤やLED の封止剤などで利用されている。屈折率は光学用途における最も重要な因子であり上記用途において決定的な影響を与える。本稿では,高屈折率無機材料として知られるジルコニア(ZrO2)ナノ微粒子水分散液の表面疎水化処理技術およびこれを用いたエポキシ樹脂とのハイブリッド化による屈折率制御について,筆者らの研究成果を中心に解説する。

【目次】
1.はじめに
2.溶媒置換法を用いた表面処理
3.エポキシ樹脂とのハイブリッド化
4.表面処理剤フリーハイブリッド化
5.おわりに

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液晶性エポキシを用いたネットワークポリマー
Liquid Crystalline Epoxy Network Polymer

原田美由紀 (関西大学)

 骨格にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂は,通常はアモルファス網目構造を形成するエポキシ樹脂中に,秩序性を導入できるエポキシ樹脂として注目されている。網目鎖中への秩序性の導入は,硬化物の強靱化や高熱伝導化をもたらし,エポキシ樹脂の新規な可能性が見出された。

【目次】
1.はじめに
2.メソゲン基の構造とメソゲン骨格エポキシ樹脂の配向構造形成
3.メソゲン骨格エポキシ樹脂の低融点化
4.シクロヘキセン構造を含む低融点型液晶性エポキシ
5.高耐熱性メソゲン骨格エポキシ樹脂
6.配列構造形成を利用した高熱伝導コンポジットの調製
7.おわりに

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エポキシ樹脂の耐熱性向上技術
Molecular Design for High Heat Resistance Epoxy Resins

有田和郎 (DIC)

 硬化物の耐熱性,特にガラス転移温度に代表される物理的耐熱性に対して強く影響を及ぼすエポキシ樹脂の分子構造因子としては官能基濃度,官能基数,剛直性骨格,高対称性骨格,立体障害,強分極性基が挙げられる。高耐熱性エポキシ樹脂の代表格は多官能ノボラック型エポキシ樹脂であるが,従来の分子設計手法を用いて高ガラス転移温度化を図ると,ほかの重要物性を犠牲にする場合が多い。本稿では,新たに見出したエポキシ樹脂の高耐熱性化原理を応用した新規な高耐熱性エポキシ樹脂の代表例を説明した。

【目次】
1.はじめに
2.分子設計指針と課題
 2.1 エポキシ樹脂の高耐熱化に関する分子設計指針
 2.2 高耐熱化の課題(相反する諸特性の紹介)
3.開発事例
 3.1 ナフタレン型2 官能エポキシ樹脂[耐熱性×流動性,密着性]
 3.2 ナフタレン型4 官能エポキシ樹脂[耐熱性×流動性]
 3.3 ジシクロペンタジエン結節型エポキシ樹脂[耐熱性×吸湿性,誘電特性]
 3.4 ナフチレンエーテルオリゴマー型エポキシ樹脂(E‒NEO)[耐熱性×難燃性,密着性]
4.まとめ

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木質リグニンを原料としたエポキシ樹脂
Epoxy Resin Derived from Woody Lignin

香川博之 (日立製作所)

 循環型社会の形成に向けて,再生可能な炭素源である植物を利用した樹脂材料の開発が盛んである。本稿では,木材から水蒸気爆砕法によって取り出したリグニンの性状,水蒸気爆砕リグニンを用いたエポキシ樹脂及びリグニンを硬化剤として用いたエポキシ樹脂硬化物の特性について紹介する。

【目次】
1.はじめに
2.水蒸気爆砕リグニンの特徴
3.木質リグニンを用いたエポキシ樹脂
4.木質リグニンのエポキシ樹脂硬化剤への適用
5.木質リグニンの応用
6.おわりに

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ディープラーニングの世界―新たな人工知能による産業の躍進に向けて― 第1回

ディープラーニングの技術概要
Deep Learning: A Technical Overview

金下裕平 (大阪大学)
浅谷学嗣 (大阪大学)
田川聖一 (大阪大学)
三宅 淳 (大阪大学)

 ディープラーニングは人工知能の代表と目され,自動車の自動運転の中核技術として期待される。IoT,Industry4.0 など産業分野,囲碁などゲーム,画像や言語・翻訳などでも革新技術の基盤となると期待される。統計ではなく自ら学んだ『特徴』に基づいて未知のデータの分類・予測を行うことが,知能といわれる所以である。本稿では,歴史,特徴と理論,応用を広く概観する。

1.はじめに
2.人工知能と機械学習の歴史
 2.1 人工知能の盛衰
 2.2 第三次AI ブームとディープラーニング
3.機械学習とディープラーニング
 3.1 機械学習とは
 3.2 従来の機械学習手法の課題
 3.3 ニューラルネットワーク:ディープラーニング
 3.4 特徴表現の学習
 3.5 ディープラーニングが抱える問題

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