著者一覧
曽我公平 東京理科大学
今村行雄 理化学研究所
神 隆 理化学研究所
岡﨑俊也 産業技術総合研究所
湯川 博 名古屋大学
小林香央里 名古屋大学
新岡宏彦 大阪大学
亀山達矢 名古屋大学
佐藤和秀 名古屋大学
鳥本 司 名古屋大学
石川哲也 名古屋大学
馬場嘉信 名古屋大学
東 和生 鳥取大学
吉田 亘 東京工科大学
馬場勇次 東京工科大学大学院
吉岡仁美 東京工科大学大学院
軽部征夫 東京工科大学
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【特集】近赤外バイオイメージング―NIR-II:第2 の生体の窓
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「第2の生体の窓」の波長域を利用する近赤外蛍光バイオイメージング
Near-Infrared Fluorescence Imaging in the Second Biological Window
近年, 「第2の生体の窓」と呼ばれる波長1000nmを超える波長域の近赤外光が, 極めて高い組織透過性を示すことが知られており, 生体深部の蛍光イメージングへの応用が話題を呼んでいる。本稿では, 筆者らが世界に先駆けて研究を進めてきた, この次世代の蛍光イメージング技術について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 蛍光プローブの設計
2.1 希土類含有セラミックスナノ粒子
2.2 量子ドット
2.3 カーボンナノチューブ
2.4 有機蛍光色素
3 OTN-NIR蛍光in vivoイメージングシステム
4 まとめ
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第2光学窓近赤外蛍光プローブによるマウス脳の非侵襲イメージング
Noninvasive imaging of mouse brain using near-infrared fl uorescent probe in the second optical window
生体の第2光学窓と呼ばれる波長1000-1400nm領域での非侵襲近赤外蛍光イメージングは, 従来の近赤外領域(波長700-900nm, 生体の第1光学窓)に比べ生体組織からの自家蛍光, 散乱が弱いため, 高い空間分解能での生体深部蛍光イメージングが可能である。 本稿では, 生体の第2光学窓で利用可能な近赤外蛍光量子ドットプローブの簡易合成法とこれを用いたマウス脳の非侵襲蛍光イメージングについて紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 生体組織(皮膚, 心臓, 脳)の光学特性
3 第2光学窓で利用できる近赤外蛍光プローブ
4 高輝度発光する第2光学窓近赤外量子ドット蛍光プローブの簡易合成法
4.1 グルタチオン被覆水溶性PbS量子ドット
4.2 蛋白質被覆水溶性PbS量子ドット
5 第2光学窓におけるマウス脳の非侵襲イメージング
5.1 マウス脳血管の蛍光イメージング
5.2 脳血栓の蛍光イメージング
5.3 第2光学窓による脳血栓の顕著な量的変化の検出
6 おわりに
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カーボンナノチューブのNIR-IIにおける蛍光
Fluorescence of carbon nanotubes in NIR-II region
カーボンナノチューブ(CNT)は, 構造に依存して1000~1400nmの波長領域に蛍光を有する。そのため, 生体透過性の良い近赤外領域の蛍光プローブとしての応用が期待されている。本稿ではCNTの近赤外発光について解説し, CNT近赤外蛍光標識をもちいたイムノアッセイについて述べる。
【目次】
1 カーボンナノチューブの近赤外発光
2 CNT近赤外蛍光標識をもちいたイムノアッセイ
3 まとめ
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NIR-II近赤外領域における移植幹細胞in vivo蛍光イメージング
In vivo fluorescence imaging of transplanted stem cells in near-inflared II region
再生医療において, 移植幹細胞の生体内動態や集積組織・臓器を正確に診断するためのイメージング技術は極めて重要である。本稿では, 従来の可視光やNIR-I近赤外領域と比較して極めて生体透過性が高い「第2の生体の窓」と称されるNIR-II近赤外領域の蛍光を利用した移植幹細胞in vivo蛍光イメージング技術について概説した。
【目次】
1 はじめに
2 これまでの成果~NIR-I近赤外領域における移植幹細胞in vivo蛍光イメージング~
3 NIR-II近赤外領域におけるin vivoイメージングの有用性
4 NIR-II近赤外領域における移植幹細胞in vivo蛍光イメージング
5 まとめと展望
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BIO REVIEW
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キチンナノファイバーの食品, 化粧品および医療分野への応用
Applications of chitin nanofibers for food, cosmetic and medical field
カニ殻などの主成分であるキチンは, 天然ではナノ繊維(ファイバー)が密集した状態となっている。近年, キチンナノファイバー(CNF)の作製が容易に可能となり, その応用が期待されている。筆者らは, 現在CNFの食品, 化粧品および医療分野への応用の可能性を模索している。本稿では一連の研究成果を概説し, CNFの様々な分野への応用の可能性に関して述べる。
【目次】
1 キチンナノファイバー(CNF)
2 CNFの食品分野への応用
2.1 CNF経口摂取による抗炎症効果
2.2 SDACNF経口摂取による抗肥満および高コレステロール血症改善効果
2.3 CNFおよびSDACNFのプレバイオティクスとしての有用性
3 CNFの化粧品分野への応用
4 医療分野への応用
4.1 創傷治癒に対する効果
4.2 皮膚炎に対する効果
5 まとめ
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メチル化DNAの簡易計測法の開発
Development of direct DNA methylation sensing systems
ヒトゲノムDNAにおいてシトシン・グアニン塩基配列中のシトシンはメチル化され, このDNAメチル化が遺伝子の発現を制御するスイッチとして機能している。がん細胞中ではこのメチル化パターンが異常になっているため, メチル化DNAはがんのバイオマーカーとして期待されている。本稿では, 筆者らが開発した遺伝子特異的なメチル化レベルとゲノム全体のメチル化レベルを簡便に測定する方法について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 DNA四重鎖構造を利用した遺伝子特異的メチル化レベル検出方法
2.1 測定原理
2.2 PCR産物のメチル化レベル測定
2.3 ヒトゲノム中のVEGFA遺伝子のメチル化レベル測定
3 ルシフェラーゼ融合メチル化CpG結合蛋白質を利用したゲノム全体のメチル化レベル測定法
3.1 測定原理
3.2 MBD融合ルシフェラーゼの組換え生産
3.3 プラスミドDNAのメチル化レベル測定
3.4 ヒトゲノムDNAのメチル化レベル測定
4 まとめ
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BIO BUSINESS
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木質系バイオマス原料の市場動向
Market Trend of Woody Biomass Materials
食料問題への波及が懸念されている可食性植物由来のバイオマス原料に対して, 非可食性植物由来のトウゴマ(ヒマシ油), 廃糖蜜, キャッサバなどのバイオマス原料に加えて, 木質系セルロース原料の研究開発も進んできている。特にセルロースナノファイバーや木質チップの応用が期待されている。
【目次】
1 セルロース
1.1 概況
1.2 原料別動向
(1) セルロース粒子
(2) セルロース誘導体
(3) セルロースナノファイバー(CNF)
2 ヘミセルロース
3 リグニン
機能性色素の新規合成・実用化動向
価格(税込): 81,400 円
蛍光イメージング/MRIプローブの開発《普及版》
価格(税込): 4,290 円