著者一覧
川戸勇士 静岡県立大学
濱島義隆 静岡県立大学
矢内 光 東京薬科大学
近藤 梓 東北大学大学院
寺田眞浩 東北大学大学院
矢島知子 お茶の水女子大学
池本哲哉 住友化学(株)
金田岳志 第一三共(株)
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会
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【特集】有機分子触媒がもたらす新しい有機合成の形
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特集にあたって
Introduction
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キラルブレンステッド酸触媒を用いた水素移動型還元反応
Enantioselective Transfer Hydrogenation Reaction by Means of Chiral Brønsted Acid
本稿では(R)-BINOL由来のキラルリン酸をキラルブレンステッド酸として用いたケトイミンの水素移動型不斉還元反応について紹介する。Hantzschエステルが水素供与体として用いられたが, ベンゾチアゾリンも優れた水素供与能を示し, 対応するアミンが高い光学純度で得られた。
【目次】
1. はじめに
2. Hantzschエステルを水素供与体として用いたイミンの水素移動型不斉還元
3. ベンゾチアゾリンを水素供与体として用いたケトイミンの水素移動型不斉還元
4. インドリンの酸化的速度論的光学分割
5. おわりに
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有機分子触媒による不斉ブロモ環化反応の開発
The Development of Organocatalytic Enantioselective Bromocyclization
アルケンの求電子的ハロゲン化反応は炭素-炭素二重結合に対して二つの官能基を同時に導入できる有用反応である。近年, 不斉ハロゲン官能基導入法として触媒的不斉ハロ環化反応が活発に研究されている。本稿では, 最近筆者らが開発したキラルアミン触媒を用いた非対称化型不斉ブロモラクトン化反応, およびキラルホスフィン触媒を用いた不斉ブロモ環化反応について概説する。
【目次】
1. はじめに
2. キラルアミン触媒を用いた不斉ブロモ環化反応
2.1 シンコナアルカロイドを用いた不斉ブロモラクトン化反応
2.2 免疫抑制活性を有する天然アミノ酸合成研究
3. キラルホスフィン触媒を用いた不斉ブロモ環化反応
3.1 キラルホスフィン化合物の触媒応用
3.2 BINAP触媒を用いたアリルアミドの不斉ブロモ環化反応
3.3 触媒活性種の同定
3.4 対称ジエンアミドの非対称化型ブロモ環化反応への展開
4. おわりに
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超強酸性炭素酸の合成と触媒利用
Superacidic Carbon Acids:Synthesis and Catalysis
解離性水素を炭素原子にもつ炭素酸は, 有機合成における基本的な合成素子として広く利用されているが, 一般に酸触媒として利用できるような強い酸ではない。しかし例外的に, ビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンおよびその置換体が硫酸に匹敵する強酸性化合物であることが知られている。本稿では, この新しい酸構造をもつ強酸性化合物の合成と触媒利用をまとめる。
【目次】
1. はじめに
2. 強酸性炭素酸の合成
3. 強酸性炭素酸の酸性度
4. 炭素酸誘導体の触媒作用
5. おわりに
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不斉有機超強塩基触媒が拓く新たなエナンチオ選択的付加反応
Enantioselective Addition Reactions Realized by Chiral Organosuperbase Catalyst
不斉有機塩基触媒を用いたエナンチオ選択的付加反応は, 光学活性化合物を簡便かつ効率的に与える方法論として有機合成上きわめて有用である。本稿では, 従来の触媒に比べ強力な塩基性を付与した「不斉有機超強塩基触媒」を用いることで達成された, 新たなエナンチオ選択的付加反応についてまとめる。
【目次】
1. はじめに
2. 不斉有機超強塩基触媒の設計・開発
3. 環状ケトンの不斉α位アミノ化反応
4. 2-アルコキシカルボニル-1,3-ジチアンのイミンへのエナンチオ選択的付加反応
5. 隣り合う二つの第四級不斉中心の構築
6. おわりに
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有機分子触媒を用いた光ペルフルオロアルキル化反応の開発
Photoinduced Perfluoroalkylation Using Organocatalyst
近年, 有機色素を酸化還元触媒とする可視光ペルフルオロアルキル化反応の開発が行われている。この手法は, 低エネルギー, 低コストで金属の混入の心配がない含フッ素化合物の合成法として注目されている。この有機触媒を用いた光ペルフルオロアルキル化反応に関する我々の取り組みについて紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 末端アルケン, アルキンへのペルフルオロアルキル化反応
3. ヨウ化-ペルフルオロアルキル化反応の反応機構の考察
4. おわりに
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プロリン誘導体を触媒とする直截的不斉アルドール反応を利用した抗エイズ薬中間体のプロセス開発
Process Development of a Key Building Block for Anti-AIDS Drugs by Proline-Derivatives Catalyzed Enatioselective Direct Cross Aldol Reaction
プロリン誘導体を触媒とする不斉アルドール反応を利用した抗エイズ薬中間体のプロセス開発について述べる。プロリンを触媒とする方法においてはジアステレオ選択性に課題があったが, ジアリールプロリノール誘導体を触媒とする不斉アルドール反応を鍵とすることで大きく選択性が改善し, より効率的なプロセス開発を行うことができた。
【目次】
1. はじめに
2. プロセス化学にとっての有機分子触媒の魅力と課題
3. 抗エイズ薬中間体BFOLの製法開発
3.1 ジアステレオ選択的アルキル化法
3.2 DKR不斉水素化法
3.3 プロリン触媒による不斉アルドール反応を鍵とする方法
3.4 ジアリールプロリノール触媒による不斉アルドール反応を鍵とする方法
3.5 新規なジアリールスルフォンアミド型触媒の開発
4. おわりに
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不斉有機触媒を用いた二環式ケトンの実用的な速度論的分割法の開発
Practical Organocatalytic Kinetic Resolution of Bicyclic Ketone at Large Scale
(-)-3-Ethylbicyclo[3.2.0]hept-3-en-6-one(-)-1は, 3つのsp2炭素を持つ四員環と五員環が縮環したビシクロ[3.2.0]ヘプタン骨格を有する大きく折れ曲がった二環式化合物であり, 光学活性な本化合物の大量合成法の構築は非常に挑戦的な課題であった。今回, 光学活性体の取得法として不斉塩基触媒を用いた実用的な速度論的分割法を開発し, (-)-1をパイロットスケールで高収率かつ高選択的に合成することに成功した。
【目次】
1. はじめに
2. 光学活性な二環式ケトンの特徴とメディシナルルート
3. 安価で効率的なラセミ体合成法の構築
4. 二環式ケトンの光学活性体取得法の構築
4.1 酵素触媒によるケトンの速度論的分割法
4.2 不斉有機触媒を用いたケトンの速度論的分割法
5. 光学活性な二環式ケトンの工業化プロセス
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[連載] バイオプラスチックを巡って
第3回:バイオプラスチックとは(分類・種類・市場規模など)-その2
今回は, バイオプラスチックを原料バイオマスの利活用方法によって分類し, その市場展開の状況を概観する。バイオマスを完全構造変換するケースとして, いわゆる化学合成タイプ, 具体的にはポリ乳酸, ポリブチレンサクシネート, ポリトリメチレンテレフタレート, ポリオール, およびポリアミドを紹介する。
【目次】
1. バイオマスを生物化学的手法で利活用したバイオプラスチック(第2回続き)
1.1 バイオマスの完全構造変換ケース
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[ケミカルプロフィル]
エチレンイミン(Ethyleneimine)
ジ-t-ブチルパーオキサイド(Di-t-Butyl peroxide)
t-ブチルパーオキシ- 2 -エチルヘキサノエート(t-Butylperoxy-2-ethyl hexanoate)
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[ニュースダイジェスト]
・海外編
・国内編
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