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月刊ファインケミカル 2017年6月号

【特集】生薬・薬用植物研究が明らかにする漢方の実力

商品コード:
F1706
発行日:
2017年6月15日
体裁:
B5判
ISBNコード:
0913-6150
価格(税込):
7,700
ポイント: 70 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物 > 月刊ファインケミカル

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著者一覧

高松 智 昭和大学
小池佑果 昭和大学
森川敏生 近畿大学
北島満里子 千葉大学
永津明人 金城学院大学
和田篤敬 小林製薬株式会社
荒井哲也 小林製薬株式会社
大野高政 松浦薬業株式会社
今井昇治 松浦薬業株式会社
難波達也 第一工業製薬株式会社
大島一史 元(一財)バイオインダストリー協会

目次 +   クリックで目次を表示

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【特集】生薬・薬用植物研究が明らかにする漢方の実力

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特集にあたって
Introduction

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漢方概念に基づいた天然資源からの創薬シーズ探索と研究
Drug Development Seeds Search and Research from Natural Resources Based on Kampo Concept

 食用や薬用として経験的に利用されていた天然物は,科学が発展するにつれて天然物に含まれる有効成分の構造やその作用が明らかとなり,ごく微量の化合物が人体に影響を与える薬となった。本稿では,天然物から抗マラリア薬が開発された経緯と古人が築いた漢方の基本的な概念に触れ,漢方独特の病態であるお血に関する研究について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 古典より生み出された新薬〜artemisinin〜
3. 天然物活用法としての漢方
4. 漢方特有の病状「お血」に対する研究
5. お血に作用する活性成分を求めて

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カンカニクジュヨウ(Cistanche tubulosa)の耐糖能改善作用成分           
Acylated Phenylethanoid Glycosides, Echinacoside and Acteoside,from Cistanche tubulosa Improve Glucose Tolerance 

 カンカニクジュヨウの主要フェニルエタノイド配糖体成分であるechinacosideおよびacteosideに,デンプン負荷マウスを用いた血糖上昇抑制作用が認められた。また,echinacosideおよびacteosideをマウスに二週間連続投与後に耐糖能試験を実施したところ,体重増加や摂餌量に影響を与えることなく,有意な耐糖能改善作用が認められた。

【目次】
1. はじめに
2. カンカニクジュヨウの含有成分
3. Echinacosideおよびacteosideの抗糖尿病作用
4. カンカニクジュヨウ含有フェニルエタノイド配糖体のα-グルコシダーゼおよびアルドース還元酵素阻害活性
5. おわりに

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薬用資源植物からの生物活性アルカロイドの探索
Search for Novel and Bioactive Alkaloids from Medicinal Plant Resouces

 キョウチクトウ科のKopsia属およびVoacanga属植物より,特異な構造を有する新規モノテルペノイドインドールアルカロイド類を発見した。本稿では,それらの腫瘍細胞毒性作用,カンナビノイドCB1受容体や温度感受性TRPチャネルに対するアンタゴニスト作用を見出したので紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. Kopsia属植物含有アルカロイド
3. Voacanga africana含有アルカロイド
4. おわりに

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定量NMR(1H-qNMR)法による生薬成分の分析〜生薬キョウニン,トウニン,ウバイに含まれるamygdalinの定量を例に〜
Application of a Quantitative 1H-NMR Method for The Determination of Components in Crud Drugs〜The Determination of Amygdalin in Persicae Semen, Armeniacae Semen, and Mume Fructus〜

 1H-qNMR法を用いた生薬中の成分定量についてamygdalinの定量を例に概説する。認証標準物質を用いて濃度を決定したhexamethyldisilane(HMD)のpyridine-d6溶液に生薬抽出物を溶解し,その1H-qNMRを測定,HMDのメチルシグナルとamygdarlinの2-Hのシグナルの積分値から生薬中の含有率を算出した過程と,1H-qNMR法の利用について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. トウニン,キョウニン,ウバイとamygdalin
3. 1H-qNMR法の条件検討〜溶媒の検討〜
4. 1H-qNMRの測定手順
4.1 仲介物質HMD溶液の濃度決定
4.2 Amygdalin標準品の純度決定と定量可能範囲の確認
4.3 生薬中のamygdalin含有率の確認
5. 測定の結果
6. HPLC測定値との比較
7. おわりに

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大柴胡湯の抗肥満作用の検討
Studies of The Anti-Obesity Effects of Daisaikoto

 肥満症は糖尿病を始めとする生活習慣病の危険因子であり,メタボリックシンドロームの普及に伴い治療の必要な病態として広く認知されている。近年,肥満症や脂質代謝異常に対して,漢方薬が利用される機会が増えており,大柴胡湯はその代表処方のひとつである。本稿では,大柴胡湯の抗肥満作用について,筆者らの研究結果を中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 漢方処方「大柴胡湯」
3. 大柴胡湯の肥満に対する臨床効果
4. 大柴胡湯の抗肥満効果に対する構成生薬の関与
5. 大柴胡湯の抗肥満効果の作用機序
6. おわりに

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パフィアエキスパウダーの経口美肌素材としての有用性
Beneficial Effect of Pfaffia Extract Powder as Oral Beautiful Skin Agent

 老化を実感する肌などの組織は,コラーゲンの含有率が非常に高い。20歳前後をピークにコラーゲン合成能が低下することから,コラーゲン合成促進作用を有する素材は老化防止に有用であると考えられる。本稿では,パフィアエキスパウダーのコラーゲン合成促進作用,紫外線による光老化に対する改善作用など,パフィアエキスパウダーの美肌分野の研究成果を紹介する。

【目次】
1. はじめに
1.1 皮膚の構造
1.2 皮膚老化とコラーゲン
2. パフィアの加齢による皮膚老化に対する有用性
3. パフィアの紫外線による皮膚老化に対する有用性
4. パフィアエキスパウダーの皮膚線維芽細胞活性化作用
5. モニターアンケート調査
6. パフィアエキスパウダーの安全性
7. おわりに

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[研究開発情報:Report of Research & Development]

疎水変性セルロースナノファイバーの開発
Development of Hydrophobic Cellulose Nanofiber

 セルロースは樹木など植物の主要構成成分の1つであり,地球上で最も多量に生産・蓄積されている再生可能なバイオマス資源である。樹木などの植物は先史の時代から木材として,1万年前からは繊維として,2,000年前からは紙として,そして現代ではセルロース誘導体が食品,医薬品,化粧品などに利用されている。
 近年では,セルロースの新たな利用方法としてセルロースナノファイバー(CNF)という素材が注目されている。CNFは植物の細胞壁から取り出したセルロース繊維を微細化したもので,環境負荷が少なく,さらに軽くて丈夫であることから,「夢の新素材」といわれている。

【目次】
1. CNFの疎水変性に向けて
2. 疎水変性CNFの調製と外観
3. 有機溶剤中での疎水変性CNFの機能
3.1 分散安定性
3.2 高粘度化
3.3 擬塑性流動性の付与
3.4 微粒子の分散安定化
4. 樹脂中での疎水変性CNFの機能
4.1 分散安定性
4.2 弾性率の向上
4.3 帯電防止性の付与
4.4 低硬化収縮性の付与
5. おわりに

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[連載] バイオプラスチックを巡って

第6回:バイオマス系資材の判定方法とは

 今回は,化学品や化成品,さらにはプラスチックがバイオマス(BM)に由来するのかどうかを,どの様な方法で判定するのかについて,その現状を紹介する。
 基本は遺跡などの年代測定に利用されている炭素年代法(Carbon Dating)と呼ばれている測定法を応用したもので,現代に生成されるBM中にはわずかに含まれ,古代に形成された原油中には消滅している炭素同位体(14C)を加速器質量分析(AMS)法,あるいは液体シンチレーション(LSC)法で測定する。固体として扱われるケースが圧倒的に多いバイオプラスチック系資材の場合はAMS 法が,バイオエタノールの様な液体の場合にはLSC 法が適用されるが,本質的に両者は測定誤差内で一致する。
 我が国でバイオプラスチックの認証制度を運営している民間団体においては,定期的にAMS法によるBM度を算定して,制度の信頼性維持に努めている。

【目次】
1. バイオマス由来度の考え方
2. バイオマス度測定法の現状
2.1 AMS法
2.2 LSC法
2.2.1 直接法(1)
2.2.2 直接法(2)
2.2.3 水抽出法
2.3 バイオマス度の算出方法
2.4 AMS法とLSC法の比較
3. バイオマス度の測定事例
4. バイオプラスチック,およびバイオプラスチックを含む製品への適用

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[マーケット情報:Market Report]

健康食品・機能性食品工業の市場動向

 2016年の特定保健用食品(トクホ)の市場規模は6,463億円(前年比101.1%)となり,前年を僅かに上回り過去2番目の規模に伸長した。トクホ炭酸飲料ブームが一巡した一方で新たに茶系飲料が伸長したほか,乳酸菌関連が健康機能の認知拡大により市場をけん引した。2015年4月より施行された機能性表示食品は,トクホに比べコスト面・時間面で申請のハードルが低く,また機能性の表現の自由度が高いことが魅力となり,トクホから機能性表示食品を活用する方向に一部シフトする動きが見られた。今後さらにその動きは加速するものと予想される。また,トクホにはない新たな機能をアピールする商品群や,機能性を付与した生鮮食品に市場拡大の動きが見られた。

【目次】
1. 健康食品と機能性食品
2. トクホ市場動向
3. 機能性表示食品の市場動向
4. 健康食品の機能別市場動向
4.1 美容・アンチエイジング関連
4.2 抗肥満・ダイエット関連
4.3 ロコモティブシンドローム・サルコペニア関連
4.4 抗疲労関連
4.5 免疫賦活関連
4.6 脳機能改善関連

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[ケミカルプロフィル]

カテキン・茶カテキン(Catechin)
キラヤサポニン(Quillaja saponin)
L-シトルリン(L-Citrulline)
ルチン(Rutin)

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[ニュースダイジェスト]

・海外編
・国内編