著者一覧
武藤浩行 豊橋技術科学大学
Tan Wai Kian 豊橋技術科学大学
竹内信行 京都工芸繊維大学
長田俊郎 (国研)物質・材料研究機構
森分博紀 (一財)ファインセラミックスセンター
小川和洋 東北大学
柳岡遼太郎 東北大学
中山義一 (株)中野製作所
Tan Wai Kian 豊橋技術科学大学
竹内信行 京都工芸繊維大学
長田俊郎 (国研)物質・材料研究機構
森分博紀 (一財)ファインセラミックスセンター
小川和洋 東北大学
柳岡遼太郎 東北大学
中山義一 (株)中野製作所
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【特集】ファイン・ナノセラミックス最前線
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AD法による機能性ナノ複合厚膜の作製
Fabrication Technique of Functional Thick Ceramic Nanocomposite Films by Use of Aerosol Deposition Method
AD(Aerosol Deposition)法は,原料粉末を基板に吹き付けるだけで室温下で緻密なセラミックス厚膜を作製することができる技術として注目を集めている。本稿では,独自に開発した複合粒子を原料に用いることでナノ物質がセラミックス厚膜に分散した各種の機能性厚膜を作製する手法を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. AD法の原理と原料粉末設計
2.1 AD法による成膜
2.2 AD法に用いる材料種
2.3 複合化のための原料粉末設計
3. 複合粒子を原料とした材料開発
4. 静電相互作用を用いた複合化技術(静電吸着複合法)
5. AD複合膜の作製
6. まとめ
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焼成雰囲気および使用雰囲気がセラミックスの性質に与える影響
Effect of Firing and Operating Atmosphere on the Properties of Ceramics
下水汚泥焼却灰とフライアッシュから作製したリサイクルセラミックスの見掛け密度,EuとDyを共添加したSrO-Al2O3系蛍光体の長残光特性,および,GdとMnを共添加したBaTiO3半導体のPTCR特性に及ぼす焼成雰囲気の影響,そして,窒化ケイ素セラミックスの酸化反応やムライトを主成分とする結晶質繊維の熱分解反応に与える使用雰囲気の影響を紹介した。
【目次】
1. はじめに
2. 下水汚泥焼却灰とフライアッシュの混合物の窒素雰囲気焼成による軽量セラミックスの作製
3. Eu-Dy共添加Sr4Al14O25蛍光体の長残光特性に及ぼす焼成雰囲気の影響
4. 還元雰囲気焼成-再酸化処理により作製したBaTiO3セラミックスのPTCR特性
5. 低酸素分圧下における窒化ケイ素焼結体の酸化挙動
6. 水素雰囲気中で加熱した多結晶質繊維の熱的安定性
7. まとめ
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自己治癒セラミックスの新展開―治癒活性相3Dネットワークによる機能設計―
Advanced Self-healing Ceramics : Design by 3D Networks of Healing Activator
人の骨は炎症・修復・改変期という複数の素過程を通し,損傷を自然に治している。この機能により,日々の活動や予期せぬ事故で損傷が発生したとしても,骨は本来の性能を保つことができる。この生態模倣技術において最も困難とされる「自己治癒」機能を人工材料に模倣する挑戦が世界中で活発化している。本稿では,特に高温構造用セラミックスにおける自己治癒機構の説明や,治癒活性相3D ネットワークという新規概念を用いた材料設計手法を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 酸化誘起型自己治癒セラミックス
3. 自己治癒メカニズムの解明
4. 治癒活性相の選定と配置―3Dネットワークの設計―
5. 高速でき裂を治癒する自己治癒セラミックス
6. おわりに
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ファインセラミック分野における第一原理計算を応用した材料研究
Secondary Battery Materials Study by Collaboration between Precise Experiments and Theoretical Calculations
近年,第一原理計算は大いに発展しており,多くの材料物性が実験値を用いることなく計算できるようになっている。著者らのグループではファインセラミック分野にこの第一原理計算を応用した材料研究を展開している。本稿ではこの第一原理計算を強誘電体材料研究,Liイオン電池材料研究に適用した著者らの研究例を解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 強誘電体材料
2.1 CdTiO3の強誘電体相転移
(フォノン計算によりソフトモードによる強誘電体相転移により解析できた例)
2.2 AgNbO3の強誘電体相転移
(フォノン計算によりソフトモードによる強誘電体相転移により解析できなかった例)
2.3 負の圧力による構造相転移と巨大c/a比の実現
3. Liイオン電池材料
3.1 正極材料中の粒界構造とその電池特性への影響
3.2 (La,Li)TiO3完全結晶の高Liイオン伝導のメカニズム
3.3 固体電解質材料のLiイオン伝導を支配するドメイン構造
3.4 負極材料
4. おわりに
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サスペンションプラズマ溶射法による耐環境セラミックコーティング成膜技術の開発
Development of Film Formation Technique for Environmental Barrier Ceramic Coatings by Suspension Plasma Spraying
本稿では,従来の溶射法ではレオロジー的観点から使用が困難であったシングルミクロンからナノオーダーという極めて細かな粒子の供給ができ,緻密な皮膜を形成可能なサスペンションプラズマ溶射(SPS)法を用いた耐環境コーティングの開発の可能性に関し,解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 耐環境コーティングの現状と課題
3. サスペンションプラズマ溶射によるEBC成膜
3.1 供試材
3.2 高温酸化試験
3.3 SEMおよびEDXによる皮膜断面組織観察
4. まとめ
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[ Material Report -R&D- ]
ゴムと樹脂の化学結合による直接接着技術
Method of Direct Bonding by Chemical Bonds between Elastomer and Polymer
近年,航空機や自動車,電気製品などの部品の軽量化や,機能・性能の向上,コスト削減のため異種材料の接着,接合技術の必要性が高まっている。本稿では,当社が製造技術を確立した,接着が難しいと言われているゴムとナイロン・PPEなどの樹脂を,化学結合により直接強固に接着させる技術『ラジカロックⓇ』について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ゴムは難接着
3. 接着剤が使いづらい時代
4. 接着剤を使わずにゴムと樹脂を結合
5. ゴムと樹脂の分子架橋反応のメカニズム
5.1 ラジカロックⓇとは
5.2 分子架橋反応の仕組み
6. ラジカロックの利点
6.1 品質上の利点
6.2 製造工程上の利点
7. 樹脂とゴムの種類
8. 応用例と今後の展望
9. 今後の課題
10. まとめ
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[ 機能材料マーケットデータ ]
塗料工業の市場動向
Market Trend of Paint Industry
2016年の塗料生産量は,前年比100.3%の165万406トンと前年とほぼ同様の結果となった。同じく販売数量も前年比100.3%となったが,販売金額は98.8%と,前年から微減となった。2008年の世界同時不況による国内需要の頭打ちから少しずつ回復していたものの,2011年は東日本大震災やタイの洪水,円高,原油高などのマイナス要素が総合し,全体的に伸び悩んだ。2016年は,増税前の駆け込み需要の反動から脱却できず,期待する回復基調には至っていない。加えてメーカーのグローバル化が顕著な年となった。
【目次】
1. 需要概要
2. 品目別生産概要
3. 需要分野の動向
4. 輸出入動向
5. メーカー動向
6. 環境,社会への対応
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[ 機能材料マーケットデータ ]
中・大型パワー用途のリチウムイオン電池の市場動向
Market Trend of Lithium-Ion Rechargeable Batteries for Electrically Powered Machines
リチウムイオン電池の用途として,前号までに紹介した小型モバイル用途のほかに,パワー用途やエネルギー用途が挙げられる。本号では電動自転車,工具,自動車といった中・大型パワー用途におけるリチウムイオン電池の市場動向を紹介する。これらの用途では動力の電動化によりリチウムイオン電池の需要が増加しており,今後の市場の拡大が見込まれている。
【目次】
1. 中型パワー用途
1.1 電動アシスト自転車
1.2 電動工具類
2. 大型パワー用途
2.1 ハイブリッド自動車(HV)
2.2 プラグインハイブリッド自動車(PHV)
【特集】ファイン・ナノセラミックス最前線
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AD法による機能性ナノ複合厚膜の作製
Fabrication Technique of Functional Thick Ceramic Nanocomposite Films by Use of Aerosol Deposition Method
AD(Aerosol Deposition)法は,原料粉末を基板に吹き付けるだけで室温下で緻密なセラミックス厚膜を作製することができる技術として注目を集めている。本稿では,独自に開発した複合粒子を原料に用いることでナノ物質がセラミックス厚膜に分散した各種の機能性厚膜を作製する手法を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. AD法の原理と原料粉末設計
2.1 AD法による成膜
2.2 AD法に用いる材料種
2.3 複合化のための原料粉末設計
3. 複合粒子を原料とした材料開発
4. 静電相互作用を用いた複合化技術(静電吸着複合法)
5. AD複合膜の作製
6. まとめ
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焼成雰囲気および使用雰囲気がセラミックスの性質に与える影響
Effect of Firing and Operating Atmosphere on the Properties of Ceramics
下水汚泥焼却灰とフライアッシュから作製したリサイクルセラミックスの見掛け密度,EuとDyを共添加したSrO-Al2O3系蛍光体の長残光特性,および,GdとMnを共添加したBaTiO3半導体のPTCR特性に及ぼす焼成雰囲気の影響,そして,窒化ケイ素セラミックスの酸化反応やムライトを主成分とする結晶質繊維の熱分解反応に与える使用雰囲気の影響を紹介した。
【目次】
1. はじめに
2. 下水汚泥焼却灰とフライアッシュの混合物の窒素雰囲気焼成による軽量セラミックスの作製
3. Eu-Dy共添加Sr4Al14O25蛍光体の長残光特性に及ぼす焼成雰囲気の影響
4. 還元雰囲気焼成-再酸化処理により作製したBaTiO3セラミックスのPTCR特性
5. 低酸素分圧下における窒化ケイ素焼結体の酸化挙動
6. 水素雰囲気中で加熱した多結晶質繊維の熱的安定性
7. まとめ
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自己治癒セラミックスの新展開―治癒活性相3Dネットワークによる機能設計―
Advanced Self-healing Ceramics : Design by 3D Networks of Healing Activator
人の骨は炎症・修復・改変期という複数の素過程を通し,損傷を自然に治している。この機能により,日々の活動や予期せぬ事故で損傷が発生したとしても,骨は本来の性能を保つことができる。この生態模倣技術において最も困難とされる「自己治癒」機能を人工材料に模倣する挑戦が世界中で活発化している。本稿では,特に高温構造用セラミックスにおける自己治癒機構の説明や,治癒活性相3D ネットワークという新規概念を用いた材料設計手法を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 酸化誘起型自己治癒セラミックス
3. 自己治癒メカニズムの解明
4. 治癒活性相の選定と配置―3Dネットワークの設計―
5. 高速でき裂を治癒する自己治癒セラミックス
6. おわりに
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ファインセラミック分野における第一原理計算を応用した材料研究
Secondary Battery Materials Study by Collaboration between Precise Experiments and Theoretical Calculations
近年,第一原理計算は大いに発展しており,多くの材料物性が実験値を用いることなく計算できるようになっている。著者らのグループではファインセラミック分野にこの第一原理計算を応用した材料研究を展開している。本稿ではこの第一原理計算を強誘電体材料研究,Liイオン電池材料研究に適用した著者らの研究例を解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 強誘電体材料
2.1 CdTiO3の強誘電体相転移
(フォノン計算によりソフトモードによる強誘電体相転移により解析できた例)
2.2 AgNbO3の強誘電体相転移
(フォノン計算によりソフトモードによる強誘電体相転移により解析できなかった例)
2.3 負の圧力による構造相転移と巨大c/a比の実現
3. Liイオン電池材料
3.1 正極材料中の粒界構造とその電池特性への影響
3.2 (La,Li)TiO3完全結晶の高Liイオン伝導のメカニズム
3.3 固体電解質材料のLiイオン伝導を支配するドメイン構造
3.4 負極材料
4. おわりに
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サスペンションプラズマ溶射法による耐環境セラミックコーティング成膜技術の開発
Development of Film Formation Technique for Environmental Barrier Ceramic Coatings by Suspension Plasma Spraying
本稿では,従来の溶射法ではレオロジー的観点から使用が困難であったシングルミクロンからナノオーダーという極めて細かな粒子の供給ができ,緻密な皮膜を形成可能なサスペンションプラズマ溶射(SPS)法を用いた耐環境コーティングの開発の可能性に関し,解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 耐環境コーティングの現状と課題
3. サスペンションプラズマ溶射によるEBC成膜
3.1 供試材
3.2 高温酸化試験
3.3 SEMおよびEDXによる皮膜断面組織観察
4. まとめ
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[ Material Report -R&D- ]
ゴムと樹脂の化学結合による直接接着技術
Method of Direct Bonding by Chemical Bonds between Elastomer and Polymer
近年,航空機や自動車,電気製品などの部品の軽量化や,機能・性能の向上,コスト削減のため異種材料の接着,接合技術の必要性が高まっている。本稿では,当社が製造技術を確立した,接着が難しいと言われているゴムとナイロン・PPEなどの樹脂を,化学結合により直接強固に接着させる技術『ラジカロックⓇ』について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ゴムは難接着
3. 接着剤が使いづらい時代
4. 接着剤を使わずにゴムと樹脂を結合
5. ゴムと樹脂の分子架橋反応のメカニズム
5.1 ラジカロックⓇとは
5.2 分子架橋反応の仕組み
6. ラジカロックの利点
6.1 品質上の利点
6.2 製造工程上の利点
7. 樹脂とゴムの種類
8. 応用例と今後の展望
9. 今後の課題
10. まとめ
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[ 機能材料マーケットデータ ]
塗料工業の市場動向
Market Trend of Paint Industry
2016年の塗料生産量は,前年比100.3%の165万406トンと前年とほぼ同様の結果となった。同じく販売数量も前年比100.3%となったが,販売金額は98.8%と,前年から微減となった。2008年の世界同時不況による国内需要の頭打ちから少しずつ回復していたものの,2011年は東日本大震災やタイの洪水,円高,原油高などのマイナス要素が総合し,全体的に伸び悩んだ。2016年は,増税前の駆け込み需要の反動から脱却できず,期待する回復基調には至っていない。加えてメーカーのグローバル化が顕著な年となった。
【目次】
1. 需要概要
2. 品目別生産概要
3. 需要分野の動向
4. 輸出入動向
5. メーカー動向
6. 環境,社会への対応
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[ 機能材料マーケットデータ ]
中・大型パワー用途のリチウムイオン電池の市場動向
Market Trend of Lithium-Ion Rechargeable Batteries for Electrically Powered Machines
リチウムイオン電池の用途として,前号までに紹介した小型モバイル用途のほかに,パワー用途やエネルギー用途が挙げられる。本号では電動自転車,工具,自動車といった中・大型パワー用途におけるリチウムイオン電池の市場動向を紹介する。これらの用途では動力の電動化によりリチウムイオン電池の需要が増加しており,今後の市場の拡大が見込まれている。
【目次】
1. 中型パワー用途
1.1 電動アシスト自転車
1.2 電動工具類
2. 大型パワー用途
2.1 ハイブリッド自動車(HV)
2.2 プラグインハイブリッド自動車(PHV)
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