著者一覧
箕田雅彦 京都工芸繊維大学
望月秀人 東京大学
植村卓史 東京大学
道信剛志 東京工業大学
伊田翔平 滋賀県立大学
金岡鐘局 滋賀県立大学
野村琴広 首都大学東京
佐藤絵理子 大阪市立大学
髙坂泰弘 信州大学
相部紀夫 (元)武田薬品工業(株)
望月秀人 東京大学
植村卓史 東京大学
道信剛志 東京工業大学
伊田翔平 滋賀県立大学
金岡鐘局 滋賀県立大学
野村琴広 首都大学東京
佐藤絵理子 大阪市立大学
髙坂泰弘 信州大学
相部紀夫 (元)武田薬品工業(株)
目次 + クリックで目次を表示
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【特集】精密重合法によるポリマー材料の開発
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特集にあたって
A Preface
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錯体ナノ空間を用いたラジカル共重合の精密制御
Controlled Radical Copolymerization in Coordination Nanochannels
本論文では,MRAMの大容量化・高性能化を実現するために必要となる,極微細MTJ素子向け成膜プロセス,材料開発への取り組みについて紹介する。特に高MR比を維持した低抵抗MTJ素子の実現と,Irを用いた高性能SAF構造の開発について詳細を報告する。また,これらの開発によって30nmスケールのMTJ素子が問題なく動作することを示す。
【目次】
1. はじめに
2. MOFのナノ空間内でのフリーラジカル共重合
3. MOF細孔内にモノマーを固定した共重合
3.1 ルイス酸サイトを利用した制御ラジカル共重合
3.2 ルイス酸サイトを利用した制御ラジカル共重合
4. まとめ
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クリックケミストリーによる新高分子材料合成
Synthesis of New Polymeric Materials by Click Chemistry
本稿では,縮合型高分子の新しい合成法としてクリックケミストリーの概念を紹介する。クリックケミストリーは環境負荷が低い重合法として有用であり,直線型高分子から多分岐型高分子まで作り分けることができる。新しいクリックケミストリーの反応も報告され始めており,材料科学分野での重要性が増している。
【目次】
1. はじめに
2. クリックケミストリーの反応
3. アルキンとアジドの付加反応を用いた重付加
4. 金属触媒を使用しないクリックケミストリーの反応を用いた重付加
5. クリックケミストリーの反応を用いた多分岐型高分子の合成
6. 新しいクリックケミストリーの反応を用いた重付加
7. おわりに
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精密ラジカル重合法の活用による高分子ゲルの構造設計
Structure Design of Polymer Gel Networks by Precision Radical Polymerization
高分子ゲルの高機能化に向けて,網目構造の精密な設計が求められている。本稿では,精密ラジカル重合法を活用したゲルの構造設計について筆者らの研究を中心に概説する。特に,構造の制御された前駆体高分子の架橋による均一網目ゲルの設計と,モノマーおよび架橋剤の連鎖配列を意識したゲルの膨潤挙動制御に関する研究を中心に述べる。
【目次】
1. はじめに
2. 精密ラジカル重合を用いた均一網目ゲルの設計
3. モノマー配列の効果
4. まとめ
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定量的な末端官能基化を基盤とする集積型π共役ポリマーの精密合成と特異な光機能
Precise Synthesis of Integrated Conjugated Polymers with Unique Optical Properties by Exclusive End-Modification
π共役ポリマーの特性は,主鎖構造の緻密さに加え,末端構造の影響を強く受ける。遷移金属触媒によるジビニル芳香族化合物の非環式ジエンメタセシス重合では,構造欠陥や不純物の混在のない,高立体規則性で末端の揃った高分子量ポリマーを与える。この特徴を活かし,特に末端ビニル基との定量的な末端官能基変換により,別のポリマー鎖との結合や共役分子の導入による新規光機能材料の創製,共役が連結した末端官能基化ブロック共重合体や星型ポリマーの精密合成が可能となった。さらに触媒的な末端官能基化共役ポリマーの合成も可能となり,ポリマー末端に別々の官能基の導入も可能となった。
【目次】
1. はじめに
2. 遷移金属触媒による非環式ジエンメタセシス(ADMET)重合:末端の揃った高立体規則性π共役ポリマーの合成と精密集積化
2.1 Ru 触媒によるADMET 重合:Mo 触媒によるオレフィンメタセシスWittig 型の炭素-炭素結合形成による共役ポリマー末端の定量的な官能基化と集積型光機能材料への展開
2.2 Mo 触媒によるADMET 重合による触媒的な末端官能基化共役ポリマーの精密合成
3. まとめ
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構造制御された反応性高分子の合成と易解体性接着材料への応用
Synthesis of Well-Defined Reactive Polymers and their Application to Dismantlable Adhesives
外部刺激により任意のタイミングで剥がせる易解体性接着材料が注目を集めている。使用時の十分な接着強度と解体性は相反する性質であり,これらの両立は容易ではない。反応性高分子を利用する易解体性接着材料の設計について,制御重合法による構造制御された反応性高分子の合成と,それらの特殊構造に由来する特異的な機能発現について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 易解体性接着材料の設計
3. ポリペルオキシドを利用する易解体性接着材料
4. 架橋とガス生成を利用する易解体性接着材料
5. おわりに
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α- 機能化アクリル酸エステルの精密設計による機能高分子合成
Synthesis of High-Performance Polymer by Designed α-Functionalized Acrylates
アクリル酸エステルのα位を置換すると,重合性やポリマーの性質が大きく変化する。特に,カルボニル基,ビニリデン基とα- 置換基を協同的に用いる官能来シナジーの概念により,個々の官能基の性質だけでは実現し得ない新奇な機能を引き出すことができる。本稿では,α- 機能化アクリル酸エステルの設計指針と具体的な重合例について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. α- アリールアクリル酸エステル:共鳴効果と隣接基効果の利用
3. α-(アルコキシメチル)アクリル酸エステル:キレート効果の利用
4. α-(アミノメチル)アクリル酸エステル:分子内水素結合の利用
5. α-(ハロメチル)アクリル酸エステル:共役置換反応の利用
5.1 共役置換反応の機構と特徴
5.2 末端機能化立体規則性ポリメタクリル酸メチルの合成
5.3 単官能モノマーを用いたアンバランス重縮合
5.4 2 官能モノマーを用いた重縮合と主鎖分解
6. おわりに
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[ Material Report -R&D- ]
化学吸着に及ぼす活性炭表面硫黄化合物の効果
Effect of Carbon-Sulfur Surface Complexes on Chemical Adsorption by Activated Carbon
活性炭は,医薬品,食品,化学品工場などでの脱色・分離・精製・回収,プロセスガス処理(硫黄成分,水銀,アルシン,ホスフィンなどの除去),公害対策,悪臭対策,公共施設での水処理,また,フィルター,マスク,浄水器など,非常に広範囲の分野に使用されている。これら用途における活性炭の性能は,その形状,細孔などの物理的特性による物理吸着機能とその表面の化学的特性に基づく化学吸着機能に左右される。本報では,後者について活性炭の表面錯化合物の挙動を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 活性炭表面硫黄化合物の調製とその性状
3. 活性炭表面硫黄化合物による有害金属の化学吸着・除去
3.1 水銀の化学吸着・除去
3.1.1 気相での水銀の除去
3.1.2 液相での水銀の除去
3.2 水銀以外の有害金属の除去
4. 活性炭表面硫黄化合物による都市鉱山からのレアメタルの吸着・回収
5. 活性炭表面硫黄化合物の電極触媒特性
5.1 活性炭表面硫黄化合物の電極触媒特性
5.2 活性炭表面硫黄化合物による光触媒活性
6. おわりに
【特集】精密重合法によるポリマー材料の開発
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特集にあたって
A Preface
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錯体ナノ空間を用いたラジカル共重合の精密制御
Controlled Radical Copolymerization in Coordination Nanochannels
本論文では,MRAMの大容量化・高性能化を実現するために必要となる,極微細MTJ素子向け成膜プロセス,材料開発への取り組みについて紹介する。特に高MR比を維持した低抵抗MTJ素子の実現と,Irを用いた高性能SAF構造の開発について詳細を報告する。また,これらの開発によって30nmスケールのMTJ素子が問題なく動作することを示す。
【目次】
1. はじめに
2. MOFのナノ空間内でのフリーラジカル共重合
3. MOF細孔内にモノマーを固定した共重合
3.1 ルイス酸サイトを利用した制御ラジカル共重合
3.2 ルイス酸サイトを利用した制御ラジカル共重合
4. まとめ
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クリックケミストリーによる新高分子材料合成
Synthesis of New Polymeric Materials by Click Chemistry
本稿では,縮合型高分子の新しい合成法としてクリックケミストリーの概念を紹介する。クリックケミストリーは環境負荷が低い重合法として有用であり,直線型高分子から多分岐型高分子まで作り分けることができる。新しいクリックケミストリーの反応も報告され始めており,材料科学分野での重要性が増している。
【目次】
1. はじめに
2. クリックケミストリーの反応
3. アルキンとアジドの付加反応を用いた重付加
4. 金属触媒を使用しないクリックケミストリーの反応を用いた重付加
5. クリックケミストリーの反応を用いた多分岐型高分子の合成
6. 新しいクリックケミストリーの反応を用いた重付加
7. おわりに
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精密ラジカル重合法の活用による高分子ゲルの構造設計
Structure Design of Polymer Gel Networks by Precision Radical Polymerization
高分子ゲルの高機能化に向けて,網目構造の精密な設計が求められている。本稿では,精密ラジカル重合法を活用したゲルの構造設計について筆者らの研究を中心に概説する。特に,構造の制御された前駆体高分子の架橋による均一網目ゲルの設計と,モノマーおよび架橋剤の連鎖配列を意識したゲルの膨潤挙動制御に関する研究を中心に述べる。
【目次】
1. はじめに
2. 精密ラジカル重合を用いた均一網目ゲルの設計
3. モノマー配列の効果
4. まとめ
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定量的な末端官能基化を基盤とする集積型π共役ポリマーの精密合成と特異な光機能
Precise Synthesis of Integrated Conjugated Polymers with Unique Optical Properties by Exclusive End-Modification
π共役ポリマーの特性は,主鎖構造の緻密さに加え,末端構造の影響を強く受ける。遷移金属触媒によるジビニル芳香族化合物の非環式ジエンメタセシス重合では,構造欠陥や不純物の混在のない,高立体規則性で末端の揃った高分子量ポリマーを与える。この特徴を活かし,特に末端ビニル基との定量的な末端官能基変換により,別のポリマー鎖との結合や共役分子の導入による新規光機能材料の創製,共役が連結した末端官能基化ブロック共重合体や星型ポリマーの精密合成が可能となった。さらに触媒的な末端官能基化共役ポリマーの合成も可能となり,ポリマー末端に別々の官能基の導入も可能となった。
【目次】
1. はじめに
2. 遷移金属触媒による非環式ジエンメタセシス(ADMET)重合:末端の揃った高立体規則性π共役ポリマーの合成と精密集積化
2.1 Ru 触媒によるADMET 重合:Mo 触媒によるオレフィンメタセシスWittig 型の炭素-炭素結合形成による共役ポリマー末端の定量的な官能基化と集積型光機能材料への展開
2.2 Mo 触媒によるADMET 重合による触媒的な末端官能基化共役ポリマーの精密合成
3. まとめ
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構造制御された反応性高分子の合成と易解体性接着材料への応用
Synthesis of Well-Defined Reactive Polymers and their Application to Dismantlable Adhesives
外部刺激により任意のタイミングで剥がせる易解体性接着材料が注目を集めている。使用時の十分な接着強度と解体性は相反する性質であり,これらの両立は容易ではない。反応性高分子を利用する易解体性接着材料の設計について,制御重合法による構造制御された反応性高分子の合成と,それらの特殊構造に由来する特異的な機能発現について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 易解体性接着材料の設計
3. ポリペルオキシドを利用する易解体性接着材料
4. 架橋とガス生成を利用する易解体性接着材料
5. おわりに
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α- 機能化アクリル酸エステルの精密設計による機能高分子合成
Synthesis of High-Performance Polymer by Designed α-Functionalized Acrylates
アクリル酸エステルのα位を置換すると,重合性やポリマーの性質が大きく変化する。特に,カルボニル基,ビニリデン基とα- 置換基を協同的に用いる官能来シナジーの概念により,個々の官能基の性質だけでは実現し得ない新奇な機能を引き出すことができる。本稿では,α- 機能化アクリル酸エステルの設計指針と具体的な重合例について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. α- アリールアクリル酸エステル:共鳴効果と隣接基効果の利用
3. α-(アルコキシメチル)アクリル酸エステル:キレート効果の利用
4. α-(アミノメチル)アクリル酸エステル:分子内水素結合の利用
5. α-(ハロメチル)アクリル酸エステル:共役置換反応の利用
5.1 共役置換反応の機構と特徴
5.2 末端機能化立体規則性ポリメタクリル酸メチルの合成
5.3 単官能モノマーを用いたアンバランス重縮合
5.4 2 官能モノマーを用いた重縮合と主鎖分解
6. おわりに
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[ Material Report -R&D- ]
化学吸着に及ぼす活性炭表面硫黄化合物の効果
Effect of Carbon-Sulfur Surface Complexes on Chemical Adsorption by Activated Carbon
活性炭は,医薬品,食品,化学品工場などでの脱色・分離・精製・回収,プロセスガス処理(硫黄成分,水銀,アルシン,ホスフィンなどの除去),公害対策,悪臭対策,公共施設での水処理,また,フィルター,マスク,浄水器など,非常に広範囲の分野に使用されている。これら用途における活性炭の性能は,その形状,細孔などの物理的特性による物理吸着機能とその表面の化学的特性に基づく化学吸着機能に左右される。本報では,後者について活性炭の表面錯化合物の挙動を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 活性炭表面硫黄化合物の調製とその性状
3. 活性炭表面硫黄化合物による有害金属の化学吸着・除去
3.1 水銀の化学吸着・除去
3.1.1 気相での水銀の除去
3.1.2 液相での水銀の除去
3.2 水銀以外の有害金属の除去
4. 活性炭表面硫黄化合物による都市鉱山からのレアメタルの吸着・回収
5. 活性炭表面硫黄化合物の電極触媒特性
5.1 活性炭表面硫黄化合物の電極触媒特性
5.2 活性炭表面硫黄化合物による光触媒活性
6. おわりに
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