著者一覧
中山忠親 長岡技術科学大学
守谷研耶 長岡技術科学大学
藤原健志 阿南工業高等専門学校
真田和昭 富山県立大学
羽鳥仁人 (株)ベテル
楠瀬尚史 香川大学
小山潔 日本大学
松田健人 北海道大学
Arif Md. Rashedul Kabir 北海道大学
佐田和己 北海道大学
葛谷明紀 関西大学
角五彰 北海道大学
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【特集】無機系熱伝導材料と伝熱制御
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特集にあたって
Introduction to Special Issue
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ナノ秒パルス電場を用いた無機フィラー配向技術の最新動向
Recent Development of Ceramics Filler Orientation Technology Using Nanosecond Pulse Electric Field
有機無機ハイブリッド材料中のフィラーの配向を電場により制御する場合の長所と問題点について述べ,この問題点を解決するための一つのアイディアとしてのナノ秒パルス電場の利用を提案し,その実例を示した。ナノ秒パルス電場を用いることで,従来印加出来なかった高電場の印加が可能となり,誘電率によらず多様な材料系への展開を可能としている。
【目次】
1 背景と目的
2 電場によるフィラー配向手法とその展開
3 フィラー配向に適したナノ秒パルス電源の設計思想と回路構成
4 ナノ秒パルス回路の検証
5 ナノ秒パルス回路を用いたフィラー配向
6 マイクロ電極によるフィラー配列の三次元制御
7 まとめ
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粒子充てんポリマー系複合材料の高熱伝導化のための微視構造設計技術
Microstructural Design Technology for High Thermal Conductivity of Particle-Filled Polymer Composites
近年,電子機器等におけるサーマルマネージメント材料として,高分子材料(ポリマー)に高い熱伝導率の充てん材(フィラー)を分散した高熱伝導性ポリマー系複合材料が活用されている。本稿は,フィラーを用いた熱伝導性ポリマー系複合材料開発のための数値シミュレーションを活用した微視構造設計技術について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 熱伝導性フィラーの種類と形状
3 複合材料の粘度とフィラー粒度分布との関係
4 フィラーの最密充てん構造設計技術
5 フィラーのハイブリッド化による伝熱ネットワーク形成技術
6 おわりに
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熱伝導率配向分布計測評価技術
Technology to Evaluate Fiber Orientation Distribution by Measuring Thermal Diffusivity
近年,熱可塑性樹脂を母材とし,比較的短い炭素繊維を強化材として使用したCFRPの自動車への使用が拡大している。それらのCFRP内の炭素繊維配向には偏りがある場合が多く,強度低下の一因となり問題となっていたが,繊維配向を評価する有効な方法が存在しなかった。本稿で紹介する熱伝導率配向分布計測評価技術は,樹脂中の炭素繊維の配向を,熱伝導率測定技術を応用し,非破壊・短時間で測定可能とした画期的な技術である。
【目次】
1 はじめに
2 繊維配向の評価方法と原理
2.1 X線CT
2.2 電磁誘導加熱
2.3 レーザスポット周期加熱法
2.3.1 レーザスポット周期加熱法とその原理
2.3.2 レーザスポット周期加熱法の測定条件
2.3.3 レーザスポット周期加熱法の繊維配向同定への応用
2.4 楕円フィッティングによる繊維配向の定量化
2.5 ロックインサーモグラフィー
3 測定事例
3.1 等方性試料と異方性試料(熱硬化性樹脂と連続繊維)の測定結果比較
3.2 異方性試料(熱可塑性樹脂と不連続繊維)の測定結果比較
3.3 CFRTPのウェルドライン測定結果
3.4 ダンベル試験片の機械強度との相関性評価
3.5 射出成型樹脂板材のゲート幅違いによる繊維配向変化
4 まとめ
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高熱伝導窒化ホウ素フィラーの開発と複合化
Synthesis of High Thermally Conductive BN Fillers and Thermal Conductivity of Their Epoxy Hybrid Materials
高熱伝導樹脂に添加されるBNフィラーはグラファイトと同様の板状結晶であり,板の面内は400W/mKの高熱伝導を示すが,厚さ方向はわずか2W/mK程度である。そのため,樹脂中でBNフィラーが配向し,樹脂の厚さ方向の熱伝導が著しく低くなるという問題があった。本研究では,BNの形状異方性をなくすために,等軸状に成長したBNやc軸方向に成長したBNを合成し,熱伝導異方性のない高熱伝導樹脂の開発を行った。
【目次】
1 セラミックスフィラーについて
2 熱伝導に影響を与える因子
3 h-BNフィラー
4 等軸状BNフィラー
5 c軸方向成長BNフィラー
6 まとめ
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[ Material Report -R&D- ]
電磁誘導を用いた炭素繊維複合材料の非破壊試験
Nondestructive Inspection of Carbon Fiber Reinforced Composites Using Electromagnetic Induction
非破壊試験は,試験対象物を破壊することなくその表面及び表層部,または内部のきずや状態を計測し評価する技術である。電磁誘導を利用した渦電流探傷試験による炭素繊維複合材料であるCFRPにおける電磁界解析により求めた渦電流分布を示し,実損傷を模した衝撃きずの検出と評価の結果について述べる。
【目次】
1 はじめに
2 ΘプローブによるCFRPの渦電流探傷
3 CFRPの計算機シュミレーション
3.1 有限要素法による解析方法
3.1.1 基礎方程式と離散化
3.1.2 解析条件
3.2 有限要素法による解析結果
4 実験方法
4.1 CFRP試験体
4.2 Θプローブによる渦電流探傷
4.3 放射線透過試験による損傷断面観測
5 実験結果
5.1 渦電流探傷結果
5.1.1 平底穴の検出結果
5.1.2 衝撃きずの検出結果
5.2 X線透過試験結果
6 おわりに
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[ Material Report -R&D- ]
DNAオリガミ構造体による分子人工筋肉の開発とその展望
Development and Prospect of Molecular Artificial Smooth Muscle by DNA Origami Nanostructures
生体分子モータータンパク質は,化学エネルギーを力学的な仕事へと変換するナノメートルスケールの分子機械である。本研究では,バイオテクノロジーにより合成される生体分子モータータンパク質とDNAナノテクノロジーにより合成されるDNAナノ構造体(DNAオリガミ)を組み合わせ,自在にサイズを制御可能な分子人工筋肉を開発した。
【目次】
1 はじめに
2 DNAオリガミによる微小管の空間配置制御
3 キネシンを架橋点とする微小管ネットワークの形成
4 分子人工筋肉が示す収縮運動
5 応用に向けた取り組み
6 おわりに
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[ 機能材料マーケットデータ ]
印刷インキ工業の市場動向
Market Trend of Printing Ink Industry
2017年の印刷インキ生産量は前年比98.6%の約34.2万トン,出荷量は前年比93.7%の約38.4万トン,出荷額は前年比97.0%の2916億8400万円と微減した。グラビアインキと樹脂凸版インキは堅調に推移したが,平版インキと新聞インキは前年割れが続いている。2017年に入り,需要の持ちなおしの動きも見られるが,先行きの不透明感は強く,印刷インキメーカー各社は生産性向上や高付加価値製品の拡販を進めている。
【目次】
1 需要動向
2 製品別動向
3 輸出入動向
4 メーカー動向
4.1 DIC
4.2 東洋インキSCホールディングス
4.3 サカタインクス
4.4 T&K TOKA
5 環境対応製品開発動向
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[ 機能材料マーケットデータ ]
コンクリート用化学混和剤工業の市場動向
Market Trend of Chemical Admixture Industry for Concrete
全国生コンクリート工業組合連合会によると,2017年度の生コンクリート出荷量は,前年度比0.3%減の8370万m3となり,4年連続の前年度割れとなった。また一般社団法人セメント協会によると,2017年度のセメント国内需要は4187万6000トン,前年度比0.2%増となり,こちらは4年ぶりのプラスとなった。これら生コン・セメント需要の動きに連動して,コンクリート用化学混和剤の需要も微増しているとみられる。
【目次】
1 概要
2 種類と性能
3 需要動向
4 技術動向
4.1 高性能減水剤の動向
4.2 AE減水剤の動向
4.3 高性能AE減水剤の動向
5 おわりに
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