キーワード:
オンデマンド捺染/産業用マーキング/半導体製造/バイオプリンティング/UV硬化インク/マーキングインク/環境対応インク/出力媒体/インクの飛翔特性/ヘッド技術/インクの3次元流動解析
刊行にあたって
<普及版の刊行にあたって>
本書は2007年に『インクジェットプリンターの応用と材料』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
シーエムシー出版 編集部
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【基礎編】
<総論>
第1章 インクジェットプリント技術の最新動向
1 印刷技術の栄枯盛衰から学ぶ
1.1 奈良~平安時代
1.2 鎌倉~室町時代―寺院版木版印刷の全盛期
1.3 古活字版と木版共存時代(桃山末期~江戸初期)
1.4 江戸出版文化の隆盛(寛永~明治初期)
1.5 明治(1868年)~平成の技術導入とその栄枯盛衰
2 インクジェット技術のポテンシャル
<インクジェットの基礎物理>
第2章 インクジェットインク・微小液滴の基礎物性
1 はじめに
2 微小液滴の表面エネルギーとサイズ効果
3 液滴の濡れ性を表す基本式
3.1 接触角の定義式(Youngの式とDupreの式)
3.2 粗い表面での接触角(Wenzelの式)
3.3 異種材質の基板上での接触角(Cassieの式)
3.4 時間経過による接触角変化(Neumannの式)
4 液滴はどこまで小さくできるか(ナノ液滴)
4.1 接触角のサイズ依存性(AFM観察)
4.2 液滴成長の2つのモード(アイランド型と凝集型)
5 インクジェットにおける液滴コントロール
5.1 拡張係数Sで液滴の広がりを評価する
5.2 版内への液滴の浸透性
5.3 液滴の乾燥性(ウォーターマーク)
5.4 ピンニングによる液滴広がりの抑制(液滴形状の歪み)
5.5 濡れ不良(ピンホール)
6 おわりに
第3章 インクジェットインクの飛翔特性と制御
1 はじめに
2 インクジェット飛翔
3 インクジェット飛翔の観測方法
3.1 He-Neレーザ光を光源としたインクジェット飛翔の振る舞いの観測
3.2 パルスレーザ光を光源としたインクジェット飛翔の振る舞いの観測
4 インクジェット飛翔のジグザグ走査方式
5 おわりに
第4章 インクジェットインクのレオロジーと界面化学
1 はじめに
2 インクのレオロジー
2.1 振動流動と動的粘弾性
2.2 インクの動的粘弾性
2.3 伸長流動
3 インクの表面張力と新表面の生成
3.1 界面活性剤の拡散と動的表面張力
3.2 インクの動的表面張力
4 インクのぬれ性
4.1 接触角とぬれ性
4.2 ジェットインクのぬれ性
5 おわりに
第5章 インクジェットインク乾燥の計測と解析
1 はじめに
2 液滴の乾燥過程の計測の基礎
2.1 静滴(sessile drop)法
2.2 3段階の乾燥過程の概要
2.3 液滴の乾燥過程を特徴づける無次元数
3 試料と溶液物性の測定法
3.1 試料
3.2 動的粘弾性測定
4 液滴の乾燥過程と蒸発速度の測定法
4.1 溶媒のみの乾燥過程の測定
4.2 高分子液滴の乾燥初期濃度Фi・初期 体積Vi依存性の測定
5 液滴の乾燥後の形状の測定法と解析法
5.1 乾燥後のステイン形状の測定
5.2 乾燥後のステイン形状を決める因子の解析と考察
5.2.1 蒸発速度の液滴サイズ依存性
5.2.2 スキン形成およびバックリング条件とペクレ数の関係
6 液滴の乾燥後の硬化度の測定法と解析法
6.1 原子間力顕微鏡(AFM)による表面弾性率測定
6.2 高分子液滴の表面弾性率の分子量Mw依存性の測定
7 おわりに
第6章 インクジェットの流動解析
1 はじめに
2 要求されるCFD機能の要点
3 FLOW-3Dについて
3.1 歴史
3.2 概要
3.3 機能特徴
3.3.1 基礎式
3.3.2 FAVOR法
3.3.3 VOF法およびTruVOF法
3.3.4 人工知能的エキスパートシステム
4 インクジェットの適用例
4.1 連続方式によるインクジェット滴の吐出
4.2 オンデマンド方式によるインクジェット滴の吐出(ピエゾ方式)
4.3 オンデマンド方式によるインクジェット滴の吐出(バブルジェット方式)
4.4 液滴の吸着
5 インクジェット解析のユーザ事例
5.1 Océ Technologies社の適用事例
5.2 Eastman Kodak社の適用事例
5.2.1 熱的偏向連続方式によるインクジェット
5.2.2 熱毛管力駆動による液滴の形成
6 おわりに
第7章 インクジェットヘッドの技術動向―ヘッドの種類及び応用用途別動向―
1 はじめに
2 各種インクジェットヘッドの吐出原理と特徴
3 用途別プリントヘッドの現状と技術動向
3.1 オフィス・ホーム用デスクトッププリンター用プリントヘッド
3.2 産業用プリンター用プリントヘッド
4 おわりに
【材料・ケミカルス編】
<インクジェット用インク>
第8章 UV硬化型インクの最新動向
1 はじめに
2 UVIJ印刷応用の現在
3 製品インク技術
3.1 光開始剤の改良
3.2 新規なモノマーの開発
3.3 白色インク
3.4 顔料分散の安定性
3.5 UVインクとプリンタ
4 アクリル系UVIJインクの開発動向
5 カチオン系UVIJインクの開発動向
6 水性UVIJインクの開発動向
7 UVIJ用ランプの開発動向
8 UVIJインクと印刷物の環境対応
第9章 マーキングインク
1 はじめに
2 マーキングインクのあゆみ
2.1 概要
2.2 インク開発の推移
2.3 化学物質規制との関わり
3 マーキングインクの印字方法とマーキングインク
3.1 Continuous Ink Jet Printer(CIJ)のインク印字例
3.2 Drop On Demand方式(DOD)インクジェットプリンタの印字例
4 マーキングインクの開発要因
4.1 インク開発のセグメンテーションの概要
4.2 インクの機能とユーザーアプリケーション
5 インク開発の変化とその実例
5.1 印字要求とマーケット・ニーズの変化
5.2 開発インクの実例紹介
5.3 2次元コード
6 マーキングインクと今後の化学物質規制の関わり
6.1 化学物質規制の概要
6.2 各種化学物質規制との関わり
6.3 安全・危険情報
7 まとめ
第10章 環境対応型インク
1 はじめに
2 インク配合と印刷時の特性
3 油性環境対応インク
3.1 基本的なインク物性と配合
3.2 顔料と顔料分散
3.3 溶剤と添加剤
4 性能評価
5 今後の課題
6 まとめ
<インクジェット用メディア>
第11章 インクジェットメディア用ポリビニルアルコール
1 はじめに
2 PVOHの概要
3 インクジェット用ポリビニルアルコール
4 おわりに
第12章 インクジェット受容層の最適設計
1 はじめに
2 インクジェット印刷方式による分類
3 インクジェット印刷の特徴と問題点および要求性能
3.1 インクジェット印刷の特徴と問題点
3.2 要求性能
4 インクジェット受容層の設計
4.1 設計する上での留意点
4.2 評価方法
5 印刷による受容層形成の実用例
5.1 情報用紙と印刷による薄膜受容層の設計
5.1.1 印刷によるインクジェット受容層の創造
5.1.2 受容層形成オフセットインキの設計
5.1.3 まとめ
6 新しい受容層形成技術
7 おわりに
【応用編】
<メディア応用>
第13章 産業用インクジェット印刷最新動向
1 はじめに
2 産業用IJPの種類
2.1 連続式IJP
2.2 オンデマンド式IJP
3 産業用IJPの原理・用途
3.1 連続式IJP
3.2 オンデマンド式IJP
3.2.1 ピエゾ式
3.2.2 サーマル・インクジェット式
3.2.3 バルブ式
4 おわりに
第14章 印刷用カラープルーフインクジェット最新動向
1 はじめに
2 印刷用カラープルーフ(色校正)の動向
2.1 色校正の目的
2.2 色校正に求められる性能
2.3 主な色校正技術と問題点
3 インクジェットプリンターの色校正の応用
3.1 6色インクジェットプリンターの登場
3.2 広い色域(Adobe RGB)と印刷再現域(Japan Color)のカバー
3.3 カラーマネージメントRIPの登場
3.4 安価な機械コスト
3.5 安価な材料コスト
3.6 環境対応
4 ターゲット印刷物の定義
4.1 基準印刷物作り
4.2 ICCプロファイル作成
5 カラーマネージメントRIP
5.1 ICCプロファイル利用による色あわせの理論
5.2 プリンターリニアリゼーションの決定
5.3 プリンターICCプロファイルの作成
5.4 ターゲットプロファイルの反映
5.5 プロファイルの最適化
6 インクジェットプルーフの品質
7 カラーマネージメントRIP紹介
8 今後期待される技術
8.1 インクジェットプリンターのキャリブレーション
8.2 出力スピード
8.3 両面印刷機能
第15章 屋外用ラージフォーマットインクジェットプリンタ
1 はじめに
2 ソルベントインクの高精細屋外ラージフォーマットプリンタへの適用
3 ソルベントインクによる高精細プリントに対する技術課題
4 インクジェットインクの定着プロセス
5 低粘度インクの性質とソルベントプリンタでの解決策
6 屋外使用ラージフォーマットプリンタへのソルベントインクの適用
7 屋外用ソルベントインクプリンタの開発課題と開発した技術
7.1 インクの開発
7.2 プリンタシステムの開発
7.2.1 プリントヒーターの設置と役割
7.2.2 ヒーター制御
8 最近のソルベントインクを使うラージフォーマットプリンタと今後の展開
第16章 インクジェット捺染の最新動向
1 繊維捺染業界を取り巻く環境と課題
2 捺染業界におけるインクジェット技術の浸透
3 インクジェット捺染機の処理能力
4 ピエゾヘッド
5 前処理
6 出力素材(メディア)とインク
6.1 インクジェット捺染の素材適応
6.2 脱気
6.3 色域表現
7 カラーコントロール
8 デジタル技術を活用した新しいビジネスモデル
9 コモ地区の繊維製品輸出入
10 国内のベターゾーン
11 環境対応
12 インクジェット捺染の将来
<デジタルファブリケーション応用>
第17章 インクジェット技術による金属ナノ粒子インク配線
1 インクジェット印刷とPrinted Electronics
2 金属ナノ粒子インクのインクジェット印刷技術
3 インクジェット用金属ナノ粒子インク
4 インクジェット印刷技術による微細配線のこれから
第18章 インクジェット法を用いた単層カーボンナノチューブ薄膜トランジスタ
1 はじめに
2 単層カーボンナノチューブトランジスタ
3 単層カーボンナノチューブ薄膜トランジスタの作製
4 インクジェット法を用いたデバイス作製
5 単層カーボンナノチューブへのキャリアドーピング
6 まとめ
第19章 インクジェット技術の配向膜への応用
1 はじめに
2 IJP・PI-Coaterに期待される能力を備えた当社装置
2.1 版が不要でオンデマンド生産が可能
2.2 コーティングパターンデータを顧客にて作成可能
2.3 レシピ管理で品種切り替えが速く,PI液の切り替え手順を確立
2.4 PI液使用効率の向上を実現
2.5 ITO基板での試しコーティングが低減
2.6 1パスコーティングで高スループットを実現
2.7 PI膜厚コーティング性能
2.8 長期安定稼動
2.9 コンパクトで軽量な装置
2.10 操作性の良い装置
2.11 パーティクルの発生しない装置
2.12 メンテナンス性の良い装置
3 総合的なアドバイスの提供
3.1 プリベークに期待される内容
3.2 ITO,TFT,CF基板に求められるもの
3.3 PI液に求められるもの
4 おわりに―IJP・PI-Coater,プリベークの展望
第20章 インクジェット技術のディスプレイ部材加工への応用
1 はじめに
2 レンズアレーへの応用
3 カラーフィルタ(CF)への応用
4 スペーサ・隔壁への応用
5 おわりに
第21章 インクジェット技術による有機EL
1 はじめに
2 IJP法を用いた自己整合IJP有機EL素子
2.1 自己整合IJPプロセスの概略
2.2 自己整合IJP有機EL素子
2.3 自己整合IJP有機EL素子のマルチカラー化
3 ラミネートプロセスによる自己整合IJP有機EL素子
4 まとめ
<バイオテクノロジー技術応用>
第22章 インクジェット微量分注機によるDNAマイクロアレイの作製
1 はじめに
2 DNAチップ
3 アレイヤー
4 その他のチップなど
5 スポットのクオリティ
6 まとめ
第23章 バイオプリンティング―インクジェット技術の再生医療への応用―
1 緒言
2 インクジェットの応用:3次元バイオプリンティングへのあゆみ
3 3D Bio-Printer装置の研究開発
3.1 インクジェットノズルヘッド
3.2 高速度カメラによる液滴観察
4 多色3次元ゲル構造およびその構築法:実験および結果
4.1 材料
4.2 3次元ゲル構造の構築方法
4.3 装置の改良
4.4 3次元チューブ構造
4.5 3次元積層構造
5 結言