キーワード:
バイオ燃料の最新動向/セルロース系/植物バイオマス増産/環境ストレス耐性植物/バイオリファイナリー適応型植物/バイオエタノール/バイオプロパノール/バイオブタノール/バイオガス/バイオディーゼル/バイオプラスチック
刊行にあたって
地球温暖化の急速化に伴い,排出CO2の循環によるカーボンニュートラルを唱えた京都議定書の重みが増す現況の中,バイオマスから変換生産されるバイオ燃料への期待は大きい。食糧と競合しない再生可能な資源としての植物由来のセルロースから酵母などの微生物を利用して作られる,旧来のガソリンとも融和できる第二世代のバイオ燃料の現代社会への普及は,地球環境の保全化のみならず,世界の政治戦略や農業政策の大きな改革にもつながり,バイオ燃料を基にした新しい未来世界圏や未来社会像を創造していくことになる。
人類が化石燃料を基に発展してきたこの世界を,食糧生産と共存し,しかも競合しない環境と調和した新しいバイオエネルギーの循環型の世界へのギアチェンジは,人口問題もからんで,人類を含む地球上すべての生物の種の絶滅を防ぐことにつながっていくであろう。
2008年(平成20年)5月9日,神戸で開催された日本農芸化学会の藪田セミナーは,まさに,グリーンバイオとホワイトバイオがクロスオーバーする画期的な会議であったが,このセミナーを主催された本書の名誉監修者吉田和哉先生(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科)は,この会の講演を最後に,同年5月30日に急逝された。本書では,吉田先生の企画であるその最新の基本戦略と開発動向をまとめて紹介する。
(「はじめに」より抜粋)
2009年4月
植田充美 (京都大学 大学院農学研究科 教授)
福﨑英一郎 (大阪大学 大学院工学研究科 教授)
本書は2009年に『第二世代バイオ燃料の開発と応用展開』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
著者一覧
植田充美 京都大学
福崎英一郎 大阪大学
近藤昭彦 神戸大学
福田秀樹 神戸大学
荻野千秋 神戸大学
田中勉 神戸大学
冷牟田修一 出光興産(株)
鮫島正浩 東京大学
新名惇彦 奈良先端科学技術大学院大学
石川峻士 京都大学
黒田浩一 京都大学
鈴木秀幸 (財)かずさDNA研究所
柴田大輔 (財)かずさDNA研究所
横田明穂 奈良先端科学技術大学院大学
西澤直子 石川県立大学
板井玲子 東京大学
田中真幸 東京大学
藤原徹 東京大学
仲山英樹 奈良先端科学技術大学院大学
溝井順哉 (独)国際農林水産業研究センター
篠崎和子 東京大学;(独)国際農林水産業研究センター
梅澤俊明 京都大学
出村拓 奈良先端科学技術大学院大学;(独)理化学研究所
蓮沼誠久 神戸大学
原田和生 大阪大学
遠藤貴士 (独)産業技術総合研究所
澤山茂樹 (独)産業技術総合研究所
原亨和 東京工業大学
喜多英敏 山口大学
日高亮太 新日鉄エンジニアリング(株)
浦野直人 東京海洋大学
小川剛 東京海洋大学
片岡道彦 京都大学
浦野信行 京都大学
清水昌 京都大学
花井泰三 九州大学
渥美正太 University of California
James C.Lao University of California
三宅英雄 三重大学;生命科学研究支援センター
田丸浩 三重大学;生命科学研究支援センター
坪田潤 大阪ガス(株)
渡辺隆司 京都大学
濵真司 Bio-energy(株) R&D研究所 主任研究員
野田秀夫 Bio-energy(株);関西化学機械製作(株)
寺田貴彦 バイオベース(株)
宇山浩 大阪大学
執筆者の所属表記は、2009年当時のものを使用しております。
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バイオ燃料を取り巻く状況
バイオマス植物の開発動向
バイオリファイナリーセンター設立の意義
<植物バイオマスデザイン編>
植物バイオマス増産
環境ストレス耐性
バイオリファイナリー適応型植物バイオマス
<第二世代バイオ燃料とバイオリファイナリー編>
バイオエタノール
バイオアルコールとガス
酵素法によるバイオディーゼル生産技術の開発動向
植物バイオマスから化成品への変換?乳酸、油脂を基盤としたバイオプラスチックの開発
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