カテゴリ

  • 近日発売の新刊情報
  • CMCeBOOK

光合成微生物の機能と応用

Photosynthetic microorganisms:fundamentals and novel applications of their bio-functions

★広範な範囲で研究・利用される光合成微生物の基礎から応用までを詳述!
★食品・有用物質生産,農業・漁業への応用,環境浄化,水素生産,光電変換,宇宙開発を目指した最新技術を紹介!

商品コード:
T0529
監修:
上原赫
発行日:
2006年12月
体裁:
B5判・330頁
ISBNコード:
978-4-88231-596-4
価格(税込):
71,500
ポイント: 650 Pt
関連カテゴリ:
バイオテクノロジー
バイオテクノロジー > 微生物・酵素
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー
地球環境 > 未利用資源活用・リサイクル

Review

この商品に対するご感想をぜひお寄せください。

キーワード:

系統・多様性と反応系/色素/紅色細菌/緑色イオウ細菌とヘリオバクテリア/シアノバクテリア/藻類/ユーグレナ/高度好塩菌/農業・畜産・水産/食品・有用物質生産/環境浄化/水素エネルギー/光電変換への応用

刊行にあたって

 現在,人類は"トリレンマ"とよばれる3つの重大な危機に直面している。「化石燃料の枯渇によるエネルギー危機」,「地球温暖化による気候変動と災害危機」,「森林破壊による砂漠化と食糧危機」である。これらは人間の文明が引き起こした問題である。灌漑農業をベースにした農耕文明,化石燃料をベースにした物質文明,電気・通信・情報をベースにしたエレクトロニクス文明が,人口爆発,生態系の破壊と気候変動,エネルギー・食糧不足をもたらした。これらがグローバル化の名のもとに,地球規模で拡大し,問題を深刻化させていることは周知の通りである。これらの諸問題を総合的に解決するための鍵が光合成微生物にある。
 人類が出現するはるか前の,今から36億年前から光合成微生物が順次,地球上に誕生し,太陽エネルギーを利用して当時の地球大気の98%を占めていた二酸化炭素をバイオマスや化石燃料の形で固定し,地球の平均気温を15℃にまで低下させた。また有毒な硫化水素を酸化して安全な固体のイオウとし,水を酸化して地球大気に21%の酸素をもたらし,それによってオゾン層が形成された。このように,光合成微生物は人間が行ってきたプロセスとは逆に,太陽エネルギーを利用した光合成によって,莫大な二酸化炭素を化石燃料に変えて地中深くに貯蔵し,酸素を発生して人間にとって快適な気温の地球大気に整えると同時に,自らを食物連鎖の起点とする豊かな生態系をもつ海と森林で全地球を覆ったのである。このように,独立栄養生命体としての光合成微生物は地球環境を創成し,維持してきた。植物プランクトンや土壌微生物として,他の従属栄養生命体に栄養を提供し,地球生態系の底辺を支える重要な存在である。
 本書は,光合成微生物の光エネルギー変換の精巧な仕組みと生態系における働きに注目し,森林破壊と化学肥料・農薬へ過度に依存する現行の農業からの脱却,光合成微生物による地球環境再生,ならびに太陽光エネルギー変換による水素生産や新規発電システムの開発,さらにはシリコンに代わる電子デバイスへの応用や宇宙開発をめざした最新動向を紹介する。
 本書は光合成微生物の機能という視点から基礎にも力を入れ,はじめてこの分野に参入する方のガイダンス,データブック的な要素も加味した。応用研究者にとっては,しっかりした基礎に立って,新たな発想を得て開発を進めることができるであろう。また,基礎研究者にとっても,光合成微生物から学びそれを活用しようとする応用研究者の動向を知ることができ,今後の基礎研究の新たな展開のヒントが得られるものと確信する。本書は現時点における光合成微生物の機能と応用についての最新情報と技術の集大成である。光合成微生物の機能を活用した今後の研究開発と新ビジネスの開拓の一助となれば幸いである。
 本書の内容の深さ,幅広さ,先進性は良き執筆陣を得たことの賜物である。玉稿を寄せて頂いた執筆者の方々に謝意を表する。
「まえがき」より
2006年12月 上原赫

著者一覧

三室 守   京都大学 大学院地球環境学堂 教授
土屋 徹   京都大学 大学院地球環境学堂 助手
橋本秀樹   大阪市立大学 大学院理学研究科 物理学教室 教授
藤井律子   大阪市立大学 大学院理学研究科 物理学教室 博士研究員
小林正美   筑波大学 物質工学系 助教授
大橋俊介   筑波大学 物質工学系
高市真一   日本医科大学 生物学教室 助教授
平林博樹   京都大学 エネルギー理工学研究所 博士研究員
石井孝定   大垣バイオ・テクノロジー研究センター コンサルタント
上原 赫   京都大学 エネルギー理工学研究所 客員教授;大阪府立大学名誉教授
山本啓之   (独)海洋研究開発機構 極限環境生物圏研究センター 海洋生態環境研究プログラム チームリーダー
小川拓郎   神奈川大学 理学部 講師
井上和仁   神奈川大学 理学部 教授;東京大学大学院 理学系研究科 客員教授
原田二朗   立命館大学 理工学部 化学生物工学科 日本学術振興会特別研究員(PD)
川崎浩子   大阪大学 生物工学国際交流センター 助手
大岡宏造   大阪大学 大学院理学研究科 生物科学専攻 助教授
大城 香   福井県立大学 生物資源学部 海洋生物資源学科 教授
村上明男   神戸大学 内海域環境教育研究センター 助教授
石川孝博   島根大学 生物資源科学部 生命工学科 生命情報工学講座 助教授
重岡 成   近畿大学 農学部 バイオサイエンス学科 植物分子生理学研究室 教授
神山 勉   名古屋大学 大学院理学研究科 物質理学専攻 教授
吉村恵子   名古屋大学 大学院理学研究科 物質理学専攻
澤 嘉弘   島根大学 生物資源科学部 生命工学科 教授
牧 孝昭   (株)松本微生物研究所 代表取締役社長
佐伯和彦   奈良女子大学 理学部 生物科学科 教授
赤井 裕   日本不耕起栽培普及会会員
久間康弘   久間マルト販売(株) 代表取締役社長
大垣昌弘   大阪府立大学 産学官連携機構 生物資源開発センター 名誉教授
林 雅弘   宮崎大学 農学部 生物環境科学科 助教授
雪野継代   名寄市立大学 保健福祉学部 栄養学科 助手
中野長久   大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 教授
有賀 修   高知工科大学 物質・環境システム工学科 助教授
中本信忠   信州大学 繊維学部 応用生物科学科 教授
本多 了   東京大学 サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S) 地球持続戦略研究イニシアティブ(TIGS) 特任助手
澤山茂樹   (独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター エタノール・バイオ変換チーム 研究チーム長
佐々木健   広島国際学院大学 工学部 バイオ・リサイクル学科 教授;地域共同教育研究センター所長
山岡洋介   広島国際学院大学 工学部 バイオ・リサイクル学科
竹野健次   広島国際学院大学 工学部 バイオ・リサイクル学科 講師
宮武和孝   大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 教授
小西康裕   大阪府立大学大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 教授
野村俊之   大阪府立大学大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 講師
若山 樹   (株)KRI 環境・エネルギー技術コンサルティング部 コンサルタント;(独)産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門 客員研究員
三宅 淳   (独)産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門 副部門長
増川 一   神奈川大学 理学部 日本学術振興会特別研究員(PD)
倉根隆一郎   (株)クボタ バイオセンター 理事・所長
落合英夫   島根大学名誉教授
池田篤治   福井県立大学 生物資源学研究科 教授
加納健司   京都大学大学院 農学研究科 教授
原 正之   大阪府立大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 教授
飯田浩史   名古屋市工業研究所 材料技術部 有機材料研究室 研究員
三箇山毅   東北大学 多元物質科学研究所 助手
宮下徳治   東北大学 多元物質科学研究所 教授
南後 守   名古屋工業大学 大学院 つくり領域 教授
小山行一   桐蔭横浜大学 医用工学部 生命・環境システム工学科 教授
宮坂 力   桐蔭横浜大学 大学院工学研究科 教授
鳴海一成   (独)日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 バイオ応用技術研究ユニット 量子ビーム遺伝子資源研究グループ グループリーダー
林 浩孝   日機装(株)

目次 +   クリックで目次を表示

第1章 光合成の基礎

1 光合成微生物の系統・多様性とその反応系
1.1 光合成生物の系統・多様性
1.1.1 分子系統解析
1.1.2 原核光合成生物の系統・多様性
1.1.3 葉緑体の起源(一次共生)
1.1.4 真核光合成生物の系統・多様性と二次共生
1.1.5 日本で発見された光合成生物
1.1.6 光合成微生物の分譲
1.2 光合成反応系の特徴
1.2.1 光合成反応系の構成
1.2.2 色素
1.2.3 光合成色素系
1.2.4 光化学反応中心複合体(RC)
1.2.5 電子移動成分
1.2.6 光合成膜系
1.2.7 二酸化炭素固定回路
1.3 まとめ

2 光合成の初期過程の最新の描像
2.1 はじめに
2.2 光合成系の分子構築・機能
2.3 人工色素タンパク超分子複合体の創成
2.4 光合成膜内における色素タンパク複合体の二次元配列
2.5 アンテナ色素タンパク複合体におけるカロテノイドからバクテリオクロロフィルへの励起エネルギー移動とカロテノイドの中間励起状態
2.6 サブ20フェムト秒分光によるカロテノイドの中間励起状態の直接観測
2.7 光合成反応のコヒーレント制御
2.8 おわりに

3 光合成微生物の色素—クロロフィル
3.1 クロロフィル小史
3.2 酸素発生型光合成(藍藻・藻類)で機能するクロロフィル
3.2.1 クロロフィルaおよびb
3.2.2 クロロフィルcはポルフィリン
3.3 非酸素発生型光合成(光合成細菌)で機能するクロロフィル
3.3.1 紅色光合成細菌:バクテリオクロロフィルaおよびb
3.3.2 緑色糸状性細菌
3.3.3 緑色イオウ細菌
3.3.4 ヘリオバクテリア
3.4 マグネシウムが外れたクロロフィル:フェオフィチン
3.4.1 酸素発生PS II:Phe a
3.4.2 非酸素発生PS II型RC:BPhe a and b
3.5 数奇な運命を辿ったクロロフィル
3.5.1 クロロフィルd
3.5.2 クロロフィルの立体異性体(エピマー)
3.5.3 Zn-バクテリオクロロフィルa

4 光合成微生物の色素—カロテノイド(分布と生合成)
4.1 はじめに
4.2 フィトエン生合成と不飽和化
4.3 リコペン・シクラーゼの共通性と多様性
4.4 紅色細菌のスピリロキサンチン経路
4.4.1 標準型スピリロキサンチン経路
4.4.2 変化型スピリロキサンチン経路
4.4.3 スフェロイデン経路
4.4.4 カロテナール経路
4.4.5 紅色細菌のオケノン経路
4.5 緑色硫黄細菌のクロロバクテン経路とイソレニエラテン経路
4.6 緑色糸状細菌のγ-カロテン経路とβ-カロテン経路
4.7 ヘリオバクテリアのジアポカロテン経路
4.8 好気性光合成細菌
4.9 シアノバクテリア
4.10 微細藻類の生合成経路とその遺伝子

5 光合成細菌の色素調節による光適応
5.1 はじめに
5.2 緑色硫黄光合成細菌の集光器官クロロゾームの構造と機能
5.3 集光器官クロロゾームの色素による光適応
5.4 おわりに

6 地球生態系における光合成微生物群集の役割
6.1 はじめに
6.2 地球史における生態系の形成過程
6.3 地球環境に分布する光合成微生物群集
6.4 おわりに

第2章 光合成微生物の基礎

1 紅色細菌
1.1 はじめに
1.2 紅色細菌はプロテオバクテリアに属する
1.3 紅色細菌の光合成電子伝達系
1.4 紅色細菌の光合成関連遺伝子
1.5 好気性光合成細菌
1.6 おわりに

2 緑色イオウ細菌とヘリオバクテリア
2.1 はじめに
2.2 緑色イオウ細菌
2.2.1 分類
2.2.2 分子生物学的研究
2.2.3 バクテリオクロロフィル色素BChl cの生合成経路
2.2.4 イオウ代謝
2.3 ヘリオバクテリア
2.3.1 分類
2.3.2 窒素固定とその進化

3 シアノバクテリア
3.1 シアノバクテリアはバクテリア?
3.2 シアノバクテリアの生き方:独立栄養と従属栄養
3.3 シアノバクテリアは隙間生物:適応と順応
3.4 シアノバクテリアとウィルス
3.5 シアノバクテリアの利用

4 藻類
4.1 はじめに
4.2 酸素発生光合成システムの継承者
4.3 水中の光環境に適応した藻類
4.4 無脊椎動物との共生生活による繁栄
4.5 光シグナルとシグナル物質による調節
4.6 藻類研究の展望

5 原生動物ユーグレナ
5.1 はじめに
5.2 分類
5.3 培養法
5.4 変異株
5.5 細胞の構造
5.5.1 細胞外膜
5.5.2 鞭毛
5.5.3 核
5.5.4 葉緑体
5.5.5 ミトコンドリア
5.6 代謝系
5.6.1 糖代謝
5.6.2 TCAサイクル
5.6.3 光合成と活性酸素代謝
5.7 おわりに

6 高度好塩菌の光エネルギー変換系
6.1 はじめに
6.2 BR型プロトンポンプの2次構造
6.3 バクテリオロドプシンの立体構造
6.4 バクテリオロドプシンの光化学反応
6.5 プロトン輸送サイクルにおける水分子の役割
6.6 タンパク質内の空隙の形態変化

第3章 光合成微生物の農業・漁業への応用

1 有効土壌微生物・水生微生物としての光合成微生物
1.1 はじめに
1.2 土圏環境
1.2.1 淡水
1.2.2 水田
1.2.3 汽水域・干潟
1.2.4 養殖水域
1.3 特許に見る原核光合成微生物の農業・漁業への応用

2 光合成細菌の農業・畜産・水産への応用
2.1 農業生産への利用
2.1.1 栄養成分が作物の品質向上に貢献
2.1.2 菌体成分が拮抗微生物を増やし土壌病害抑制に貢献
2.1.3 根腐れ防止で安定多収穫の稲作
2.1.4 ペオン液肥製造システムへの光合成細菌Rhodobactor capsulatusの利用
2.2 畜産への利用
2.3 水産養殖への利用

3 光合成微生物による窒素固定と有機栄養細菌の共存効果
3.1 光合成微生物の窒素固定
3.2 光合成細菌の窒素固定遺伝子の情報と分子進化
3.3 Rhodobacter capsulatusの窒素固定遺伝子
3.4 光合成細菌のアンモニアによる窒素固定の調節
3.5 光合成細菌の窒素固定能と農業

4 根粒菌と光合成細菌による土壌の肥沃化
4.1 はじめに
4.2 緑肥における根粒菌の役割と土壌細菌としての光合成細菌
4.3 根粒菌と紅色非硫黄細菌(光合成細菌)との類似性と相違
4.4 根粒菌共生アイランドの水平伝搬による共生窒素固定能の伝搬
4.5 おわりに

5 新しい不耕起・冬季湛水型生物資源農法における光合成細菌の可能性
5.1 はじめに
5.2 有害物質の利用と吸収による土壌環境の改善効果
5.3 窒素源の供給効果
5.4 培養した光合成細菌の農地への添加
5.5 効果の好例
5.6 定量化の未来

6 光合成細菌の養鶏への利用
6.1 はじめに
6.2 光合成細菌による卵の高品質化と産卵量の増加
6.3 光合成細菌の投与方法
6.4 農場の概要
6.5 飼料の成分
6.6 堆肥化プラントと光合成細菌
6.7 鶏の健康管理・鶏病予防について
6.8 おわりに

第4章 光合成微生物の食品・有用物質生産への応用

1 栄養補助食品クロレラ

2 ユーグレナの食品への応用
2.1 はじめに
2.2 ユーグレナの栄養価
2.3 ユーグレナの機能性
2.4 DHA強化ユーグレナの機能性
2.5 今後の展望

3 光合成細菌による酢酸からの有用物質生産
3.1 はじめに
3.2 有用物質生産への光合成細菌の利用
3.3 光合成細菌による生分解性界面活性物質生産
3.4 光合成細菌による酢酸からの生分解性界面活性物質生産
3.5 おわりに

第5章 光合成微生物の環境浄化への応用

1 糸状藻類繁殖系利用による水質浄化
1.1 河川と湖沼の藻類繁殖の違い
1.2 緩速ろ過池での糸状藻類の連続繁殖系
1.3 藻類繁殖による栄養塩の取り込みの日変化
1.4 藻類繁殖系の利用による水質浄化

2 下廃水の浄化と光合成細菌
2.1 はじめに
2.2 微細藻類を利用した廃水処理
2.3 紅色非硫黄細菌による有機性廃水の処理
2.3.1 紅色非硫黄細菌による廃水処理の特徴
2.3.2 実廃水処理の研究例,適用例
2.4 紅色硫黄細菌・緑色硫黄細菌による硫化物処理
2.5 まとめ

3 光メタン発酵による廃水浄化と有用物質生産
3.1 はじめに
3.2 光メタン発酵による廃水浄化
3.3 光メタン発酵による生分解性プラスチック原料の生産
3.4 高温光メタン発酵
3.5 まとめ

4 光合成微生物による環境修復
4.1 はじめに
4.2 藻類による環境修復
4.3 光合成細菌による環境浄化
4.4 光合成細菌によるヘドロの浄化と重金属除去
4.5 ヘドロの嫌気消化
4.6 ヘドロ嫌気消化脱離液の光合成細菌による浄化
4.7 多孔質セラミック固定化光合成細菌によるヘドロの浄化
4.8 今後の課題

5 ユーグレナの生理と機能を利用した環境浄化への応用
5.1 はじめに
5.2 高濃度炭酸ガス固定能とバイオマス生産による環境浄化
5.3 環境浄化と機能性バイオマス生産
5.4 将来展望
5.5 おわりに

6 光合成硫黄細菌による硫化水素の酸化処理
6.1 はじめに
6.2 自然界における硫化水素の酸化
6.3 緑色硫黄細菌による硫化水素の酸化反応の速度論,量論
6.4 微生物脱硫プロセス

第6章 光合成微生物の水素エネルギーへの応用

1 光合成微生物による光水素製造技術
1.1 はじめに
1.2 光合成微生物・光合成細菌による光水素製造
1.2.1 光合成微生物・光合成細菌を用いた光水素製造
1.2.2 光合成微生物機能(無細胞系)による光水素製造
1.3 光水素製造のためのシステム
1.3.1 光源
1.3.2 光エネルギーの計測方法
1.3.3 フォトバイオリアクター(PBR)
1.4 国際的な取り組み
1.5 おわりに

2 シアノバクテリアによる光生物的水素生産
2.1 はじめに
2.2 光生物的水素生産の研究開発を必要とする社会的背景ならびに経済性確保の重要性
2.3 シアノバクテリアによる光生物的水素生産の特徴
2.4 シアノバクテリアのニトロゲナーゼを利用した光生物的水素生産系の概略
2.5 ヒドロゲナーゼを利用した光生物的水素生産の概略
2.6 ニトロゲナーゼに基づく水素生産性向上のための遺伝子工学的改良
2.7 シアノバクテリアによる光生物的水素生産の研究推進の提案

3 光合成細菌による水素生産の可能性をめざして
3.1 はじめに
3.2 微生物等生物による水素生産
3.3 水素生産を行うには光合成細菌が有利
3.4 光合成細菌による基本的水素生産の仕組みと応用
3.5 光合成細菌による水素生産の実用化を目指しての様々な取り組み
3.5.1 高温型光合成細菌の取得
3.5.2 水素生産能の遺伝的改変等
3.5.3 各種水素生産リアクターの開発
3.5.4 付加産物の同時生産

第7章 光合成微生物の光電変換への応用

1 ラン藻(シアノバクテリア)の太陽電池への応用
1.1 はじめに
1.2 葉緑体と葉緑体電極
1.3 生きている葉緑体:シアノバクテリア(ラン藻)
1.4 シアノバクテリア電極の作成
1.4.1 増殖する電極:living electrode
1.4.2 乾燥処理の効果:躍進的発見
1.4.3 電解液
1.4.4 Cyclic Voltammograms
1.4.5 Action Spectrum
1.4.6 電子運搬体,電子伝達阻害剤,熱処理の効果
1.5 ヒドロゲナーゼとのカップリングによる水素発生

2 光合成微生物を用いるバイオ太陽電池
2.1 はじめに
2.2 光合成-呼吸電池
2.3 シアノバクテリアを用いる光アノード反応
2.4 シアノバクテリアとビリルビンオキシダーゼ(BOD)を用いるバイオ太陽電池
2.5 おわりに

3 光合成微生物のつくるタンパク質を用いる受光素子
3.1 光合成反応中心とは
3.2 光合成反応中心蛋白質を用いた光電変換系
3.3 光合成反応中心蛋白質の配向固定化技法の研究
3.4 光電圧と光電流の増強
3.5 用途と実用化の可能性
3.6 光合成反応中心の利用の意味

4 光合成細菌の反応中心タンパク質色素複合体を用いた光電変換素子
4.1 はじめに
4.2 LH1のAFMによる観察
4.3 RCのC-AFMによる導電特性の測定
4.4 LH1-RCの光電流応答
4.5 おわりに

5 高度好塩菌紫膜の光電変換素子への応用
5.1 はじめに
5.2 bRの光駆動プロトンポンプ機能
5.3 紫膜の電極基板上への配向電着
5.4 紫膜素子の光電応答とセンサーへの応用
5.5 含水ポリビニルアルコールフィルム上への紫膜の配向泳動電着とデバイスへの応用
5.6 bRの光機能応用のさらなる展開

6 高度好塩菌紫膜の人工網膜への応用
6.1 はじめに
6.2 バクテリオロドプシン(BR)とは
6.3 生物素子としてのBR
6.4 BR二次元センサの視覚特性
6.4.1 視細胞の視覚特性
6.4.2 ピクセル化したBRセンサによる視覚機能の模倣

第8章 光合成微生物の宇宙・放射線への応用

1 バクテリアの放射線耐性
1.1 はじめに
1.2 Deinococcus属の放射線抵抗性細菌
1.3 その他の放射線抵抗性細菌
1.4 放射線耐性獲得の起源
1.5 おわりに

2 ユーグレナの放射線耐性と宇宙空間での活用の可能性
2.1 はじめに
2.2 E. gracilis Z株の各種LET放射線による照射効果
2.3 E. gracilisの放射線耐性に対する光の影響
2.4 ユーグレナの宇宙空間での活用の可能性

3 放射線障害へのクロレラの応用

この商品を買った人はこちらの商品も購入しています。