キーワード:
<保湿剤・バリアー改善剤>/<シワ予防・改善剤>/<ニキビ予防・改善剤>/<美白剤>/<育毛剤のスクリーニング開発評価技術>/メカニズム/採取と培養/調製/測定/評価法<動物代替法安全性評価>基本的な考え方/利用/開発状況/評価法/結果の評価
刊行にあたって
近年,アンチエイジング志向や美容皮膚科への人気の高まりと共に機能性化粧品への注目が高まって来ています。先年上半期の化粧品総売り上げのうち伸びているのが,基礎化粧品104%と日焼け止め化粧品の142%であることからも,その傾向が読み取れます。食品化粧品関連企業や大学などの機関による新規機能性原料の発掘も活発に行われ,それらをくみ上げて機能性化粧品として利用する動きも活発です。
一方で,機能性化粧品の有効性立証のための試験法は徐々に確立しつつはあるものの,有効性の種類によってはまだ定まったものがない現状もあります。化粧品の中でも,サンスクリーン剤や安全性,また保湿・シミ・シワに関連する医薬部外品認定に関する試験法やそのプロセスに関しては,すでに日本香粧品学会内の委員会でも検討がなされていますが,ここで検討される安全性や機能は医薬部外品としての申請を基礎とした内容になっており,開発の最終段階にかかる試験の内容(in vivo試験)が主となっています。したがって基礎スクリーニング開発や素材開発に関しての方法はまだ多くの点で定まったものがなく,in vitroでの有効性の立証には各社各様の工夫をしているのが現状です。
そこで今回の書籍では,開発の初期段階,すなわち材料(原料)のスクリーニングなど比較的初期段階の試験法(自由度が高く,いろいろな方法が応用可能。おもにin vitro試験)を中心に,これらの評価方法と参考文献,試薬・機器などを1冊にまとめ,現場で開発に携わる方にとって使いやすい,辞書的役割も兼ねた実験書を作りたいと考え企画しました。
化粧品の機能性に関する書籍は多くありますが,(1)皮膚のin vivo試験法に偏ったものが多い(基礎研究や素材のスクリーニングには向かない)(2)現場に向けて初めてその実験にたずさわるヒトにも利用がってがよい詳細な書き方になっていない(必要な技術情報・手法が落ちていて使い勝手が悪い)(3)データが更新されていないなどの問題があり,特にこの点を改良したものとしたいと考えています。
執筆は,各章ごとにそれぞれの実験の実情に精通された方に分担していただく形式ですが,事前に執筆例を参照していただくことにより,内容・体裁の統一を損なわないものとしました。章だては性能別とし,各章は,現状やトレンド,試験の組み方などに関する総論と,具体的な試験法に関する各論で構成しています。
自社で開発を行っている化粧品メーカーや,原料メーカー,大学の研究室などでの多くの方に利用していただけるものと期待しています。
(「刊行にあたって」より)
2007年5月 東京工科大 教授 芋川玄爾
著者一覧
矢作彰一 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 薬剤開発部
落合康宣 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 薬剤開発部
平尾哲二 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 生体計測研究所 所長
太田裕紀子 (株)カネボウ化粧品 基盤技術研究所 皮膚科学研究グループ 研究員
波多野豊 大分大学医学部 生体分子構造機能制御講座(皮膚科学) 助教
樋口和彦 花王(株) ビューティーケア研究センター ケアビューティー研究所 主任研究員;グループリーダー
岡野由利 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 薬剤開発部
山田涼子 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 薬剤開発部
大林 恵 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 薬剤開発部
京谷大毅 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 素材開発部
猪股慎二 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 薬剤開発研究所 所長
小倉有紀 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 生体計測研究所 研究員
天野 聡 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 薬剤開発研究所 副主幹研究員
圷 信子 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 生理科学研究所 研究員
佐用哲也 (株)カネボウ化粧品 基盤技術研究所 皮膚科学研究グループ 主任研究員
安部正敏 群馬大学大学院医学系研究科 皮膚病態学 講師
石川 治 群馬大学医学部附属病院 院長;群馬大学大学院医学系研究科 皮膚病態学 教授
笠 明美 (株)コーセー 研究所 開発研究室
林 伸和 東京女子医科大学 皮膚科 准教授
清水健司 ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター 薬剤開発部
神原敏光 丸善製薬(株) 品質保証部
赤松浩彦 藤田保健衛生大学 医学部 皮膚科 准教授
矢田幸博 花王(株) パーソナルヘルスケア研究所 グループリーダー
八谷 輝 花王(株) 生物科学研究所
船坂陽子 神戸大学医学部附属病院 皮膚科 講師
久間將義 東洋ビューティ(株) 中央研究所 主任
板見 智 大阪大学大学院医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学(アデランス)寄附講座 教授
乾 重樹 大阪大学大学院医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学(アデランス)寄附講座 准教授
堀田光行 花王(株) 生物科学研究所 第2研究室 副主席グループリーダー
岩渕徳郎 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 毛髪研究所 主任研究員
相馬 勤 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 毛髪研究所 研究員
飯野雅人 (株)資生堂 ライフサイエンス研究センター 毛髪研究所 研究員
鈴木尋之 花王(株) 品質保証本部 品質保証センター 安全管理室 室長
小島肇夫 国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部 新規試験法評価室 室長
髙橋 豊 花王(株) 安全性評価研究所 主任研究員
楠原寛子 (株)カネボウ化粧品 製品保証研究所 安全性グループ
桑原裕史 (株)カネボウ化粧品 製品保証研究所 安全性グループ グループ長
宮澤正明 花王(株) 安全性評価研究所
坂口 斉 花王(株) 安全性評価研究所 副主席研究員;グループリーダー
杉林堅次 城西大学 薬学部薬粧品動態制御学 薬学科主任・教授
目次 + クリックで目次を表示
第0章 保湿バリアのメカニズムと全般技術背景
1 角層保湿バリア機構
2 保湿バリア機能の障害を引き起こす因子
3 保湿バリア剤開発のための評価法フローシート
第1章 3D表皮培養組織でのセラミド代謝評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 薄層板クロマトグラフィー(TLC)
例 セラミド産生促進剤の測定データ
第2章 ラメラ構造安定性の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 人工細胞間脂質のラメラ構造形成に対する促進作用評価
2.2 リポソームからの蛍光物質漏出を指標としたラメラ構造安定性評価
2.3 In vivo評価
例1 人工細胞間脂質のラメラ構造形成に対する測定データ
例2 リポソームからの蛍光物質漏出を指標としたラメラ構造安定性に対する評価
例3 In vivo評価 20
第3章 角層細胞のコーニファイドエンベロープ成熟促進評価法
1 はじめに
2 バリア機能におけるCEの役割
3 CE成熟度評価法
4 保湿剤によるCE成熟促進
4.1 Ex vivo CE成熟反応
4.2 保湿剤のCE成熟促進効果
5 おわりに 27
第4章 培養ヒトケラチノサイトを用いたセラミド合成能評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 14C-酢酸を用いた脂質合成能評価法
2.2 セリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性測定法
2.3 β-グルコセレブロシダーゼ活性測定法
例1 ナイアシンアミドによるセラミド,コレステロール,脂肪酸の合成促進効果
例2 ガラクトシルセラミドによるβ-GlcCer'ase活性増強効果
第5章 バリアー機能の検討に3D組織培養皮膚を用いることの意義
1 はじめに
2 3D組織培養皮膚
3 TEWLの測定方法
4 皮膚バリアー機能破壊モデル
5 サイトカインの影響の検討
6 問題点
第6章 セラミダーゼ阻害剤の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
【第II編 シワ予防・改善剤のスクリーニング開発評価技術】
第0章 シワのメカニズムと全般技術背景
1 シワの概念とその原因
2 真皮細胞外マトリックス成分の変化
3 基底膜の変化
4 シワの原因としての活性酸素
5 シワ予防・改善剤の作用点
第1章 コラーゲン合成促進の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 放射性標識プロリンの取り込み量によるコラーゲン合成量の評価
2.2 ELISA法によるコラーゲン合成量の評価
2.3 RT-PCR法
2.4 ノーザンブロット法によるα1プロコラーゲンmRNA解析
例1 ELISA法によるアスコルビン酸誘導体のコラーゲン合成促進作用の評価
例2 RT-PCRによるα1プロコラーゲンmRNA発現量の評価
例3 ノーザンブロット法によるα1プロコラーゲンmRNA解析
第2章 コラゲナーゼ活性抑制の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 サイトカインによるコラゲナーゼ合成誘導
2.2 UVA曝露によるMMP-1合成誘導
2.3 コラゲナーゼ活性抑制作用の測定方法
例 エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)のコラゲナーゼ活性阻害
第3章 エラスターゼ活性抑制の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 好中球エラスターゼ活性抑制作用の測定方法
2.2 線維芽細胞由来エラスターゼ活性抑制作用の測定方法
例1 好中球エラスターゼ活性抑制の測定データ
例2 線維芽細胞由来エラスターゼ活性抑制の測定データ
第4章 ゼラチナーゼ活性阻害の評価法
1 はじめに
2 ゼラチンザイモグラフィーを用いた方法
3 合成基質を用いた評価法
例1 ゼラチンザイモグラフィーを用いた評価例
例2 合成基質を用いた評価例
第5章 三次元培養皮膚モデルを用いた評価法
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 はじめに
1.2 三次元培養皮膚モデルの真皮の特徴
1.3 三次元培養皮膚モデルの表皮の特徴
1.4 三次元培養皮膚モデルの基底膜の特徴
1.5 市販の培養皮膚モデル
1.6 三次元培養皮膚モデルの薬剤評価への応用
2 実験方法
2.1 真皮モデルの作製方法
2.1.1 線維芽細胞の培養方法
2.1.2 収縮コラーゲンゲル(真皮モデル)の作製方法
2.2 表皮作製方法
2.2.1 表皮角化細胞の培養方法
2.2.2 表皮角化細胞の播種(表皮層の形成)
例 三次元培養皮膚モデルを用いた評価
第6章 コラーゲンゲル収縮活性を指標とした薬剤評価法
1 技術背景
1.1 はじめに
1.2 皮膚真皮
1.3 線維芽細胞とコラーゲンの相互作用
1.4 細胞加齢がコラーゲンゲル収縮活性へ及ぼす影響
1.5 コラーゲンの老化がコラーゲンゲル収縮活性へ及ぼす影響
2 コラーゲンゲル収縮活性測定法
2.1 細胞懸濁液調製法
2.2 コラーゲンゲルの作製とゲル収縮活性測定法
例 コラーゲンゲル収縮促進薬剤の測定
3 おわりに
第7章 IV型コラーゲン産生促進評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 IV型コラーゲン測定法
2.1 IV型コラーゲンのサンドイッチELISA法による測定
2.2 IV型コラーゲン遺伝子発現の測定法
3 細胞を用いたIV型コラーゲン産生促進の評価法
3.1 線維芽細胞を用いた評価法
3.2 表皮角化細胞を用いた評価法
第8章 ヒアルロン酸産生促進活性評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 HABPコーティングプレートの作成
2.2 アッセイ法
3 付随するHA評価法 —de novo HA合成能評価—
例1 N-メチル-L-セリン(NMS)の高分子HA産生促進作用
例2 HA絶対量評価とde novo HA合成能評価の比較
第9章 三次元培養による真結合組織代謝の研究手技
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 アスコルビン酸を利用した三次元培養
1.2 短期間での作成が可能なコラーゲンゲル
2 実験方法
2.1 線維芽細胞初代培養
2.2 線維芽細胞の継代培養
2.3 アスコルビン酸2リン酸を用いた三次元培養
2.4 コラーゲンゲルを用いた三次元培養
例1 アスコルビン酸2リン酸による三次元培養を用いた創傷治癒モデル実験
例2 コラーゲンゲルを用いた三次元培養系を用いた実験
3 おわりに
第10章 化粧品における活性酸素消去剤の開発
1 皮膚と活性酸素
2 各種活性酸素消去剤の開発
第11章 一重項酸素消去剤評価法
1 はじめに
2 一重項酸素発生法
3 一重項酸素消去剤評価法
3.1 一重項酸素由来の近赤外領域の発光を検出する方法
3.2 一重項酸素との反応生成物を測定する方法
例1 コプロポルフィリンによる一重項酸素の発生とスクワレンと一重項酸素の反応
例2 一重項酸素消去能の比較
例3 一重項酸素によるスクワレン過酸化物の生成とその抑制
第12章 スーパーオキサイド消去剤評価法
1 はじめに
2 スーパーオキサイド消去剤評価法
2.1 チトクロームc法
2.2 NBT法
2.3 NBT法を用いた活性染色
2.4 植物抽出物のスーパーオキサイド消去能の測定
3 スーパーオキサイド依存脂質過酸化反応を利用した評価法
例1 チトクロームc法によりSOD活性を求めた例
例2 キレート剤によるSODの失活
例3 スーパーオキサイド消去作用—測定方法の比較—
例4 キサンチン-キサンチンオキシダーゼ系で発生させたスーパーオキサイドによるリポソーム膜の過酸化とその抑制
第13章 過酸化水素消去剤評価法
1 はじめに
2 過酸化水素消去剤評価法
2.1 過酸化水素の検出
2.2 カタラーゼ活性阻害剤アミノトリアゾールを用いる方法
2.3 吸光度の変化によるカタラーゼ活性の測定
例1 UVB照射時の線維芽細胞における過酸化水素の発生
例2 線維芽細胞にUVBを照射したときの過酸化水素の発生と細胞障害
例3 過酸化水素によるメラニン産生増強
例4 UVAによる細胞内カタラーゼ活性の変化
第14章 フリーラジカル除去剤評価法
1 はじめに
2 ラジカル除去剤評価法
2.1 安定なラジカルDPPH・を用いた方法
2.2 ラジカルによる過酸化脂質の誘導とその抑制による評価
例1 ヘスペリジン誘導体のDPPHラジカル除去能測定
例2 ヒドロキシラジカルによるリポソーム膜の過酸化とその抑制
例3 ラジカル発生試薬を用いた脂質過酸化とアスコルビン酸のラジカル除去能
【第III編 ニキビ予防・改善剤のスクリーニング開発評価技術】
第0章 ニキビのメカニズムと全般技術背景
1 ニキビとは
2 ニキビの発症メカニズム
2.1 皮脂分泌亢進のメカニズム
2.2 毛漏斗閉塞のメカニズム
2.3 炎症を生じるメカニズム
3 ニキビ予防・改善剤のターゲット
4 ニキビ予防・改善剤のスクリーニング法
5 ニキビ治療の戦略の中での機能性化粧品の臨床試験での課題
第1章 トランスグルタミナーゼ活性化剤の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 ニキビにおける角化異常
1.2 角化とトランスグルタミナーゼ
2 実験方法
2.1 細胞培養
2.2 粗酵素液の調製
2.3 トランスグルタミナーゼの活性測定法
第2章 P.acnesへの抗菌活性評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 阻止円法
2.2 最小発育阻止濃度(MIC)測定法
2.3 濁度法
例 P.acnes生育阻害剤の評価データ
第3章 P.acnes由来リパーゼ活性阻害評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 蛍光擬似基質を用いたP.acnes由来リパーゼ活性阻害作用評価法
例 P.acnes由来リパーゼ活性阻害剤の評価データ
第4章 皮脂腺に関連した5alpha-reductase阻害作用評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 検量線の作成
2.2 操作方法
2.3 分析方法
2.4 変換率の算出
第5章 マウスSC-3細胞株をもちいた抗アンドロゲン作用の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 試薬の調製
2.2 操作方法
2.3 Androgen受容体結合阻害作用の算出方法
第6章 培養脂腺細胞を用いた皮脂腺機能抑制評価法
1 はじめに
2 ニキビの発症機序における皮脂腺の役割
3 皮脂腺の組織片培養法と培養脂腺細胞の性状
3.1 ヒト皮脂腺由来培養脂腺細胞
3.1.1 ヒト皮脂腺の組織片培養
3.1.2 5α-ダイハイドロテストステロンのヒトの顔面および下肢より分離した皮脂腺の組織片培養により得られた培養ヒト脂腺細胞の細胞増殖および脂質合成に及ぼす影響
3.1.3 男性ホルモンのヒトの顔面より分離した皮脂腺の組織片培養により得られた培養ヒト脂腺細胞に対する細胞増殖促進作用に及ぼす抗男性ホルモン剤の影響
3.2 ハムスター皮脂腺由来培養脂腺細胞
3.2.1 ハムスター皮脂腺の組織片培養
3.2.2 5α-ダイハイドロテストステロンおよび抗男性ホルモン剤の培養ハムスター脂腺細胞の細胞増殖に及ぼす影響
3.2.3 ハムスター由来皮脂腺の組織片培養法の利点
4 おわりに
【第IV編 美白剤のスクリーニング開発評価技術】
第0章 美白剤開発のための評価法
1 シミのメカニズムと全般技術背景
1.1 表皮メラニン機構
1.2 パラクリンサイトカインメカニズム
1.3 表皮色素異常症のサイトカイン・受容体系メカニズム
1.4 メラニン合成代謝機構と美白剤の作用点
1.5 美白剤とそれらの美白作用点
1.6 美白剤開発のための評価法フローシート
第1章 正常ヒトメラノサイトを用いたメラニン抑制評価法
1 はじめに
2 ヒトメラノサイトの使用にあたって
3 ヒトメラノサイトの培養方法
4 ヒトメラノサイトの細胞内情報伝達系と細胞応答
5 レセプターアッセイ
6 イノシトール3リン酸産生量の測定
7 細胞内カルシウム濃度の測定
8 ヒトメラノサイトのDNA合成能の評価
9 ヒトメラノサイトのメラニン合成能の評価
10 まとめ
第2章 正常ヒトケラチノサイトを用いたメラニン抑制剤評価法
1 はじめに
2 ヒト培養ケラチノサイトにおけるエンドセリン変換酵素(ECE)の測定法
3 ジユ・エキスのECE阻害効果
4 ジユ・エキスのヒト培養ケラチノサイトにおけるUVB照射後のET-1産生抑制効果
5 ヒト培養ケラチノサイトのECE発現へのジユ・エキスの作用
6 まとめ
第3章 メラノーマ細胞を用いたメラニン抑制剤の評価法(1)
1 はじめに
2 メラニン生成抑制試験
2.1 用いる細胞
2.2 試験の進め方
2.3 メラニン生成抑制
2.4 Tyrosinase(tyrosine hydroxylase)活性抑制
2.5 DOPAchrome tautomerase(TRP-2)活性抑制
2.6 Western blotting
2.7 Pulse chase
2.8 Confocal microscopy
2.9 RT-PCR, Northern blotting, Gel shift assay
3 おわりに
第4章 メラノーマ細胞を用いたメラニン抑制剤の評価法(2) 色素再生モデル
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 糖合成阻害剤によるメラノーマ細胞の色素脱失
2 白色細胞内チロシナーゼ酵素のアイソザイム解析
3 白色細胞の回復過程観察
4 方法と試験データ
4.1 使用細胞
4.2 細胞ペレットの色調によるメラニン産生抑制測定法
4.3 チロシナーゼアイソザイムの解析
4.4 電子顕微鏡解析
第5章 皮膚組織培養を用いた評価法
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 組織の維持時間が長くメラニン合成能も高いメラニン合成促進系
1.2 血清が抑制的に働くため,血清を省いた無血清培地を用いることにより種々の促進もしくは抑制因子の解析が容易となる
1.3 UVB照射で色素沈着が増加する唯一の皮膚組織培養系
1.4 PUVA処理でも色素沈着が増加する唯一の皮膚組織培養系
2 実験方法
2.1 付随する種々の測定法
2.2 メラノサイトやメラニンの染色法
例1 種々メラニン合成促進もしくは阻害物質の測定データ
例2 特異的阻害剤および促進剤の皮膚器官培養での効果の検証
例3 代表的美白剤の皮膚器官培養での効果の検証
例4 PUVA処理皮膚エキスの皮膚器官培養でのメラニン合成への促進効果
例5 フェニルアゾナフトール(PAN)アレルギー反応を誘導した皮膚エキスの皮膚器官培養でのメラニン合成への促進効果
第6章 毛胞器官培養を用いたメラニン抑制剤評価法
1 はじめに
2 毛胞組織培養を用いた試験法
2.1 技術背景と評価法の特徴
2.2 方法と試験データ
例1 試験データ
第7章 チロシナーゼ酵素抑制剤の評価法
1 技術背景と評価法の特徴
2 実験方法
2.1 細胞培養
2.2 粗酵素液の調整
第8章 3次元培養皮膚モデルを用いたメラニン産生抑制剤評価法
1 技術背景
2 評価法の特徴
3 実験方法
3.1 ケラチノサイトとメラノサイトの共培養系における3次元培養皮膚モデルの作製
3.2 培養方法
3.3 試験サンプル塗布方法
3.4 観察方法
3.5 メラニン定量
3.6 MTT試験
3.7 チロシナーゼ阻害活性
例1 メラニン合成促進の測定データ
例2 美白剤の3次元培養皮膚モデルにおけるメラニン産生抑制効果
例3 美白剤の3次元培養皮膚モデルにおけるチロシナーゼ阻害活性
【第V編 育毛剤のスクリーニング開発評価技術】
第0章 毛周期の調節メカニズムと全般技術背景
1 毛包の発生
2 毛包の再生
3 毛包幹細胞
4 男性型脱毛症の発症メカニズム
第1章 毛乳頭細胞に関連する男性ホルモン作用発現阻害試験
1 はじめに
2 毛乳頭細胞における男性ホルモン受容体発現
3 毛乳頭細胞における男性ホルモン受容体トランス活性測定
4 毛乳頭細胞とケラチノサイトとの共培養実験
第2章 マグヌス法による血管拡張試験
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 KClによる血管収縮
1.2 Caチャンネル拮抗薬の血管収縮の抑制作用
1.3 ノルエピネフリン(NE)による血管収縮に対するアセチルコリン(ACh)の血管弛緩作用
2 実験方法
2.1 血管リング標本の作成
2.2 KCl収縮に対する弛緩率
2.3 Caチャンネル拮抗薬の血管収縮の抑制作用
2.4 ノルエピネフリン(NE)による血管収縮に対するアセチルコリン(ACh)の血管弛緩作用
第3章 アンドロゲン受容体阻害試験
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 ラット毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体結合試験
1.2 飽和曲線による受容体の親和性解析
1.3 アンドロゲン受容体阻害剤の効果
2 実験方法
2.1 ラット前背部体毛の毛乳頭の採取と培養
2.2 受容体結合アッセイ
第4章 毛包上皮細胞増殖促進試験(1)
1 背景
2 方法と結果
2.1 ヒト毛包上皮系細胞(hORS)の採取と培養
2.2 植物抽出物の調製
2.3 ヒト外毛根鞘細胞(hORS)増殖に与えるコンフリー抽出物の影響の簡便法による測定
2.4 不死化ヒト外毛根鞘細胞(iORS)の作成
2.5 不死化ヒト外毛根鞘細胞(iORS)の細胞倍加時間
2.6 不死化ヒト外毛根鞘細胞(iORS)と不死化前細胞との増殖性比較
2.7 不死化外毛根鞘細胞の増殖を指標にした育毛剤評価
3 おわりに
第5章 毛包上皮細胞増殖促進試験(2)
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 毛包上皮組織培養
1.2 毛包上皮組織と真皮間質細胞の混合培養法
1.3 混合培養法を用いた育毛素材の探索
1.4 ラット前背部体毛の毛乳頭細胞と毛包上皮細胞の共存培養
2 実験方法
2.1 毛包上皮組織,真皮間質細胞の調製
2.2 コラーゲンゲル包埋培養
2.3 細胞増殖能の測定
2.4 毛乳頭細胞と毛包上皮細胞の培養
2.5 細胞増殖能の測定
第6章 毛乳頭細胞増殖促進試験
1 背景
2 方法および結果
2.1 ヒト毛乳頭細胞の単離と培養
2.2 植物抽出物の調製
2.3 ヒト毛乳頭細胞増殖に与えるクマノギク抽出物の影響の簡便法による測定
2.4 不死化ヒト毛乳頭細胞(iDP)の作成
2.5 不死化ヒト毛乳頭細胞(iDP)と不死化前細胞の増殖性比較
2.6 不死化ヒト毛乳頭細胞増殖(iDP)に与えるボタンピ抽出物の影響の簡便法による測定
3 まとめ
第7章 毛包器官培養伸長促進試験
1 技術背景と評価法の特徴
1.1 毛伸長を維持・促進する因子と抑制する因子の両方を評価可能な試験法
1.2 血清を含まない無血清培地を使用するため種々の因子の解析が容易
1.3 毛球部の組織観察をすることで退行期への移行に関与する因子の評価が可能
1.4 細胞増殖やアポトーシスを確認することが可能
2 実験方法
2.1 ヘマトキシリン-エオジン染色
2.2 TUNEL法染色
2.3 BrdUの取り込みによるDNA合成部位の測定
2.4 トリチウムチミジンの取り込みによるDNA合成の測定
例1 各種増殖因子の影響
例2 毛伸長を抑制する因子TGF-βとTNF-αの作用の違い
例3 TGF-βアンタゴニストの影響
例4 TGF-β作用抑制活性を示すアマチャエキスの影響
例5 シクロスポリンAの影響
例6 植物抽出エキスの効果
第8章 毛成長関連因子発現促進試験
1 背景
2 RT-PCR法の利点
3 従来法の問題点
4 PCR法の改良
5 自動核酸抽出装置の登場
例1 ヒト毛乳頭細胞におけるFGF-7発現亢進薬剤の評価法
6 おわりに
【第VI編 動物代替法安全性評価試験技術】
第0章 化粧品素材の安全性評価における基本的な考え方と全般技術背景
1 安全性評価の基本的な考え方
2 動物実験代替法の利用
3 動物実験代替法の開発状況
4 動物実験代替法を用いた評価における留意点
第1章 皮膚一次刺激性試験
1 皮膚一次刺激性評価の歴史
2 動物実験代替法評価の現状
3 代替試験法の使い方
3.1 定量的構造活性相関QSAR
3.2 培養皮膚モデル
3.3 摘出皮膚を用いる方法
第2章 眼刺激性評価法
1 はじめに
2 眼刺激性代替法の開発
3 細胞毒性試験
3.1 SIRC-NRU試験
3.2 STE試験
4 3次元モデル
4.1 MATREX試験
5 摘出器官:漿尿膜法
5.1 HET-CAMの試験
6 摘出器官
6.1 BCOP試験
7 まとめ
第3章 光毒性試験評価法
1 はじめに
2 光毒性試験法に関する背景
2.1 背景
2.2 試験法の適用性
2.3 3T3 NRU PT以外の光毒性試験法
3 使用する機材等
3.1 使用する機材
3.2 使用細胞と培養条件
3.3 被験物質
3.4 照射条件
4 実験方法
5 結果の評価
第4章 皮膚アレルギー性評価法
1 技術背景
2 構造活性相関による皮膚アレルギー性評価
3 感作誘導過程のメカニズムに基づいた評価
4 タンパク結合性評価
5 細胞を用いた評価
6 THP-1細胞を用いたh-CLAT
7 おわりに
第5章 経皮吸収測定法
1 はじめに
2 皮膚浸透・経皮吸収ルート
3 In vitro経皮吸収性測定法
4 データ解析法
5 In vivo経皮吸収性測定法
6 透過係数を用いた経皮吸収評価
7 皮膚分配性測定法
8 皮膚透過性と活量
9 化学的吸収促進剤
10 おわりに
第6章 3次元培養皮膚モデルを用いた経皮吸収測定法
1 はじめに
2 三次元培養ヒト皮膚モデル
3 物質の皮膚透過性評価材料としての三次元培養ヒト皮膚モデルの有用性
4 吸収促進剤の評価材料としての三次元培養ヒト皮膚モデルの有用性
5 物質の皮膚透過—代謝挙動の評価材料としての三次元培養ヒト皮膚モデルの有用性
6 おわりに
この商品を買った人はこちらの商品も購入しています。
バイオマス発電の技術動向と事業性評価
価格(税込): 68,200 円
藻類由来バイオ燃料と有用物質
価格(税込): 81,400 円
2020年版 医薬品における連続生産の現状と将来展望(書籍のみ)
価格(税込): 198,000 円
電波吸収体・電磁波シールド材の開発最前線
価格(税込): 73,700 円
シランカップリング剤の最新技術動向
価格(税込): 58,300 円
デジタル治療(Digital therapeutics:DTx)の受容性と将来展望2020
価格(税込): 198,000 円
水素エネルギーの開発と応用
価格(税込): 68,200 円
おいしさの科学とビジネス展開の最前線
価格(税込): 94,600 円