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セルロース利用技術の最先端

Advanced Technologies of Cellulose Utilization

★衣・食・住のあらゆる場面で活躍する超高機能セルロース誘導体の開発研究を網羅的に紹介!!
★期待されるセルロースバイオマスとナノファイバー研究の最新動向も徹底解説!!
★国内最強の執筆陣による現代セルロース研究書の決定版!!

商品コード:
T0619
監修:
磯貝明
発行日:
2008年3月
体裁:
B5判・405頁
ISBNコード:
978-4-7813-0010-8
価格(税込):
77,000
ポイント: 700 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
新材料・新素材 > バイオマス素材
地球環境 > 未利用資源活用・リサイクル

Review

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キーワード:

<開発編>フィルター/振動板/洗剤用添加剤/化粧品/薬剤放出担体/食品/逆浸透膜/LCD/断熱材<展望編(ナノファイバー)>新素材/透明ゲル/バイオ医療計測/酵素フィブリル化/製紙用添加剤<バイオマス>微生物前処理/イオン液体溶解/糖化酵素

刊行にあたって

セルロースは、材料としてもエネルギーとしても石油代替となりうる非可食性のバイオマスであり、その量と質の観点から重要性は最近になって再認識されるようになった。関連して、これまで基礎科学の領域が主体であったセルロースに関連する幅広い研究の蓄積が、新しい産業や文化の創生につながる実用化技術として更に展開されることを予感させる動向が見えつつある。

セルロースは植物の光合成により二酸化炭素を固定化して生産されており、特に森林資源として地球上で最も多量に蓄積されている。元々植物自らの生命を維持するために結晶性の構造多糖として、ヘミセルロース、リグニンとともに植物細胞壁の主成分を構成している。したがって、セルロースは一部では分子レベル~ナノレベルで複合化されており、安定な高分子である。単離-精製プロセスも含めて、石油系合成高分子のように自由な分子設計や分子量制御、材料特性制御は容易ではない。セルロース科学の最先端を知ると同時に、改めてセルロースの特徴と課題を認識し、その特徴を生かす形で利用することが望まれ、そうでなければ基礎研究の領域を超えることはできず実用化は不可能である。

そこで本著書では、第I編を概論・基礎編とし、第II編で単離・評価・分解・合成技術の最前線の知見の執筆をお願いした。第III編では異分野異業種融合や新しい文化・産業の創生につながる、あるいは既にそれを達成しつつある新技術を紹介し、第IV編では、セルロースの応用展開分野として特に最近注目されているナノファイバー素材と、バイオエタノールに関する最前線の研究成果の紹介をお願いした。

今はセルロースの夢を語る時期ではなく、基礎研究の更なる発展とともに、夢であった個々の発見・発明を実際に社会還元するための技術、実用化を目指した取り組みを検討する時期にきている。それだからこそ、本書ではセルロースの近未来の応用展開の可能性を紹介するだけではなく、セルロースを扱う上での課題や特性を十分に紹介することが重要であると考えた。現在のように、これだけ科学や技術が細分化されてくると、ひとつの研究室やグループで基礎から応用にいたる研究や技術開発を進めることは不可能である。本書で紹介されたシーズや応用につながる技術が、産学あるいは産官学連携のきっかけになり、持続的で循環型社会基盤の構築にセルロースの科学技術が効率的に生かされることを願うとともに、それが可能となる時期にきていると考える。

(「はじめに」より抜粋)
2008年2月 東京大学 磯貝明

著者一覧

磯貝 明  東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 教授
鮫島正浩  東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 教授
西尾嘉之  京都大学 大学院農学研究科 森林科学専攻 教授
青木 弾  京都大学 大学院農学研究科 森林科学専攻 博士過程
山根千弘  神戸女子大学 家政学部 准教授
岩崎 誠  王子製紙(株) 製紙技術研究所 専門役
和田昌久  東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 准教授
坂 志朗  京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授
柳澤正弘  住友化学(株) 石油化学品研究所 研究員
上高原浩  京都大学 大学院農学研究科 森林科学専攻 助教
正田晋一郎 東北大学 大学院工学研究科 バイオ工学専攻 教授
小林厚志  東北大学 大学院工学研究科 バイオ工学専攻 助教
野口真人   東北大学 大学院工学研究科 バイオ工学専攻 助教
濱 義紹   阿波製紙(株) 取締役常務執行役員
戸川英二   (独)森林総合研究所 バイオマス化学研究領域 主任研究員
宮前喜隆   ライオン(株) 研究開発本部 機能素材研究所 副主席研究員
掬川正純   ライオン(株) ハウスホールド事業本部 ファブリックケア事業部長
吉田尚之   チッソ石油化学(株) 五井研究所 研究第2センター 第22グループ グループリーダー
戸所正美   チッソ(株) 化学品事業部 ファインケミカル部 主幹
斎藤秀直   レンゴー(株) 中央研究所 研究企画グループ 部長代理
大生和博   旭化成ケミカルズ(株) 添加剤・セオラス技術開発部 主幹研究員
山脇幸男   旭化成ケミカルズ(株) 添加剤・セオラス技術開発部 グループ長
恩田吉朗   信越化学工業(株) 有機合成事業部 セルロース部 顧問
早川和久   信越化学工業(株) 合成技術研究所 研究部 開発室長
熊野淳夫   東洋紡績(株) アクア膜事業総括部 主幹
森 裕行   富士フイルム(株) フラットパネルディスプレイ材料研究所 研究担当部長
大段光司   江崎グリコ(株) 生物化学研究所 研究員
高原純一   三和澱粉工業(株) 研究開発部 主任
砂子道弘   三和澱粉工業(株) 研究開発部 主任
深澤美由紀  信越化学工業(株) 有機合成事業部 セルロース部
空閑重則   東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 教授
小泉昭雄   (株)デコス 断熱事業部 取締役副社長
大島直久   東海染工(株) 開発技術部 主任
北岡卓也   九州大学 大学院農学研究院 森林資源科学部門 准教授
荒西義高   東レ(株) 繊維研究所 主任研究員
黒田 久   三菱レイヨン(株) アセテート工場 技術開発課
熊本吉晃   花王(株) 加工・プロセス開発研究所 主任研究員
矢野浩之   京都大学 生存圏研究所 教授
近藤哲男   九州大学 バイオアーキテクチャーセンター、大学院生物資源環境科学府
齋藤継之   東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻
小野博文   旭化成(株) 研究開発センター 主幹研究員
遠藤貴士   (独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター 水熱・成分分離チーム 研究チーム長
田渕眞理   立教大学 理学部化学科 極限生命情報研究センター 准教授
林 徳子   (独)森林総合研究所 きのこ・微生物領域 微生物工学研究室 主任研究員
松田裕司   特種製紙(株) 営業本部 執行役員 本部長
渡辺隆司   京都大学 生存圏研究所 生存圏診断統御研究系 バイオマス変換分野 教授
大野弘幸   東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 教授
深谷幸信   東京農工大学 大学院工学府生命工学専攻 博士研究員
森川 康   長岡技術科学大学 生物系 教授
五十嵐圭日子 東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 助教
徳安 健   (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品素材科学研究領域 糖質素材ユニット ユニット長
沖野祥平   (財)地球環境産業技術研究機構 微生物研究グループ 研究員
湯川英明   (財)地球環境産業技術研究機構 理事、微生物研究グループ グループリーダー

目次 +   クリックで目次を表示

<概論・基礎編>
第1章 セルロースの化学構造と基本特性
1. はじめに
2. セルロースの化学構造
3. セルロースの基本特性

第2章 セルロースの生分解機構
1. はじめに
2. セルラーゼの分類と特性
3. セルラーゼによるセルロース分子鎖の加水分解反応機序
4. トリコデルマ菌由来Cel7Aの構造と機能
5. セルロースの酵素分解
第3章 セルロースの化学反応の種類と特徴ナノ加工・計測装置市場
1. はじめに
2. 置換反応
3. 酸化還元反応
4. グラフト重合反応
4.1 開環重合法によるグラフト化
4.2 原子移動ラジカル重合(ATRP)法による精密グラフト化
5. 最近の進展研究例

第4章 セルロース溶剤の種類と特徴
1. はじめに
2. 水素結合と溶解性
2.1 分子内水素結合の影響
2.2 分子間水素結合の影響
3. 溶解状態
3.1 相互作用―錯体形成
3.2 相互作用―誘導体化
3.3 相互作用―溶媒和
4. セルロース溶剤の種類と特徴

<単離・評価・分解・合成技術編>
第1章 脱リグニンによるセルロースの分離
1. はじめに
2. 木材の構造
2.1 非木材と木材との比較
3. 木材からの脱リグニンの方法
3.1 製紙用パルプの製造方法
3.2 溶解パルプの製造方法

第2章 各種セルロース試料の調製方法と特徴
1. はじめに
2. セルロースの基本特性評価方法
3. 各種セルロースの入手あるいは調製

第3章 セルロース結晶多形の調製法と構造
1. セルロースの結晶多形
2. セルロースI型
2.1 セルロースIαとIIβ
2.2 セルロースIIII
2.3 セルロースIVI
3. セルロースII型
3.1 セルロースII
3.2 セルロースIIIIIとIVII

第4章 各種亜臨界及び超臨界流体でのセルロースの分解
1. 各種亜臨界及び超臨界流体について
2. 亜臨界及び超臨界水技術によるセルロース及びヘミセルロースの化学変換
3. 亜臨界及び超臨界アルコール技術によるセルロース及びヘミセルロースの化学変換
4. 非プロトン性溶媒によるバイオマスの超臨界分解

第5章 セルロースの分子量および分子量分布の評価方法
1. はじめに
2. セルロースの分子量および分子量分布の評価方法
2.1 粘度法によるセルロースの分子量測定
2.2 SECによるセルロースの分子量および分子量分布測定
2.3 LiCl/アミド溶剤を用いたセルロースのSEC分析

第6章 セルロースの化学合成と特徴
1. はじめに
2. セルロース化学合成法の一般的特徴
2.1 グリコシル化によるセロオリゴ糖、セルロースの化学合成
2.2 重合法によるセルロースの化学合成
3. 化学合成法の特徴を生かしたセルロース誘導体の合成例
3.1 位置選択的メチル化セルロース
3.2 ブロック的メチル化セロオリゴ糖
4. おわりに

第7章 セルロースの酵素合成と特徴
1. はじめに
2. 糖加水分解酵素によるセルロース合成
2.1 フッ化糖の重縮合反応
2.1.1 重縮合の立体と位置の制御
2.1.2 重縮合反応における高次構造の制御
2.2 脂質被覆セルラーゼ酵素によるセロビオースの脱水重縮合
2.3 トリアジン系脱水縮合剤による一段階活性化とセルラーゼによる重縮合反応
3. グライコシンターゼによるセルロース合成
4. ホスホリラーゼによるセルロース合成
5. おわりに

<開発編>
第1章 フィルター
1. エアフィルターとオイルフィルター
2. 自動車エンジン用フィルターの素材による棲み分け
3. 自動車用濾紙の種類
4. エアフィルター
4.1 エレメントの構造
4.2 フィルターの性能
4.3 濾過の原理
4.4 設計時の目安となるパラメーター
4.5 使用できる繊維
4.6 繊維の変遷
4.7 フィルターメディアの動向
4.8 究極のエアフィルター
5. オイルフィルター
5.1 オイルフィルターの基本的役割
5.2 構造
5.3 性能
5.4 濾過の原理
5.5 耐熱性
5.6 設計時の目安となるパラメーター
5.7 使用できる繊維
5.8 フィルターメディアの動向
5.9 究極のオイルフィルター
6. 濾紙の性能評価
7. 循環型社会に向けての今後のフィルターメディア

第2章 スピーカ用振動板
1. はじめに
2. スピーカの原理・構造
3. スピーカ振動板に求められる性質
4. セルロースを使用した振動板の開発動向
5. おわりに

第3章 衣料用洗剤用添加剤としてのセルロース
1. はじめに
2. 再汚染防止剤
3. タブレット型洗剤への応用
4. 衣料用洗剤に対するセルロース誘導体による新機能付与
4.1 製品開発の背景
4.2 セルロース誘導体を用いた洗濯浴中における衣類の摩擦低減技術
4.3 セルロース誘導体による綿繊維の風合いの改善
5. おわりに

第4章 化粧品原料
1. はじめに
2. 結晶性セルロース
3. 添加剤的セルロース
4. カチオン性セルロース
5. セルロース誘導体
6.SS-セルロース
7.SS-セルフロー
8. まとめ

第5章 バイオ医薬製造用クロマトグラフィー用充填剤(セルファイン)
1. バイオ医薬とクロマトグラフィー
2. クロマトグラフィーの歴史
3. クロマトグラフィー材料の高機能化
4. セルファイン
5. バイオ医薬製造例
6. まとめ

第6章 薬剤放出担体
1. はじめに
2. 薬剤放出担体としての多孔質体
2.1 構造
2.2 材質
3. 多孔質セルロース粒子「ビスコパール(R)」
3.1 ビスコパール(R)の種類
3.2 ビスコパール(R)の特性
4. ビスコパール(R)の薬剤放出担体としての応用
5. 徐放技術
5.1 揮散性薬剤の徐放
5.2 水溶性物質の徐放
6. おわりに

第7章 高成形性結晶セルロース
1. はじめに
2.MCC各種グレードの物性
3. 高成形性グレードの一般的性質
3.1 MCCグレードの粒子形状
3.2 成形性に及ぼす粒子L/Dの影響
3.3 粒子L/Dと粒子の凝集構造
3.4 高成形性グレードの塑性変形性
3.5 MCCの圧縮成形機構
4. 高主薬含有錠剤への応用
4.1 VC含量50%
4.2 VC含量60%、75%
5. おわりに

第8章 食品添加物用微小繊維状セルロース
1. はじめに
2. 微小繊維状セルロース製剤「セラージュ(R)」とは
2.1 構造と組成
2.2 特性
2.2.1 粘性挙動
2.2.3 多糖類との相互作用
2.3 大きな粒子の懸濁安定性
3. 「セラージュ(R)」の応用例
3.1 ヨーグルト製品への応用
3.2 レトルト食品および加熱ゲル食品への応用
3.3 ドレッシング類への応用
4. おわりに

第9章 セルロース系の医薬用製剤のコーティング剤
1. はじめに
2. 胃溶性のコーティング用セルロース誘導体
2.1 メチルセルロース(MC)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)
2.2 ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)
2.3 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
2.4 エチルセルロース
3. 腸溶性のコーティング用セルロース誘導体
4. おわりに

第10章 海水淡水化装置用逆浸透膜(酢酸セルロース)
1. はじめに
2. 逆浸透膜の原理と特徴
3. 逆浸透膜の素材・構造・形状
4. 逆浸透膜の製法
5. 逆浸透膜モジュール
6. 応用と最新の動向
7. おわりに

第11章 TACのLCD構成材料としての応用
1. はじめに
2.TACフィルムの製造方法
3. 偏光板保護フィルムとしてのTAC
4.TACフィルムを利用したLCDの視野角拡大フィルム
4.1 光学特性を制御したTACフィルム
4.2 視野角拡大フィルム「WVフィルム」
5. 表面フィルム
6. おわりに

第12章 セルロースを用いたパン
1. はじめに
2. セルロース粒子を利用したセルロースパン
3. セルロース成形体を利用したセルロースパン
4. セルロースパンの特徴
5. おわりに

第13章 アミロースの合成
1. はじめに
2. セルロースとアミロース
3. 酵素合成アミロース
4. セロビオースのアミロースへの変換
5. アミロース用途開発
6. おわりに

第14章 熱でゲル化するセルロース誘導体
1. はじめに
2. 熱可逆ゲル性の食品用途への応用
2.1 加工ポテトへの応用
2.2 フィリングへの応用
2.3 ソース製品への応用
3. 工業用途への応用
3.1 芳香剤への応用
3.2 点眼剤への応用
3.3 セラミックの押出成形への応用
3.4 カプセル用途への応用

第15章 透明セルロースゲル
1. はじめに
2. セルロースゲルの透明化
3. セルロースエアロゲル
4. おわりに

第16章 住宅用断熱材セルロースファイバー
1. はじめに
2. 製品の概要
3. セルロースファイバーの製造
4. 製品性能の基準値・許認可の動向
5. おわりに

第17章 セルロース繊維の光触媒加工
1. はじめに
2. セルロース繊維の機能加工
3. 可視光応答型光触媒加工Catlight(R)の開発
3.1 有機汚れの分解
3.2 抗菌性能
3.3 消臭性能(汗臭)
3.4 紫外線カット性能
4. 広がるCatlight(R)
4.1 Catlight(R)+抗菌
4.2 Catlight(R)+pHコントロール
4.3 Catlight(R)+吸汗速乾
4.4 Catlight(R) typeL(工業洗濯対応加工)
5. 多機能型光触媒加工
6. おわりに

第18章 水素をつくるペーパー触媒
1. はじめに
2. 抄紙成型によるペーパー触媒の調製
3. ペーパー触媒によるメタノール水蒸気改質
4. オートサーマル改質性能と触媒耐久性
5. 改質反応のシミュレーション解析
6. まとめ

第19章 溶融紡糸法によるセルロースの繊維化
1. はじめに
2. 既存のセルロース系繊維
3. セルロースの熱可塑化に関する研究
3.1 水酸基の反応性を利用したセルロースの誘導体化
3.2 セルロース誘導体へのグラフト重合
4. 熱可塑性セルロース繊維“フォレッセ”
5.“フォレッセ”の特徴
6. おわりに

第20章 通気性制御素材の開発
1. はじめに
2. 通気性制御素材の概要
3.“動く繊維”の原糸設計
4. 可逆捲縮特性の実用化
5. おわりに

第21章 抄紙法を用いたセルロース発熱シート
1. はじめに
2. 発熱シートの構造と発熱原理
3. 発熱シートの調製
3.1 セルロース繊維への鉄粉及び活性炭の捕捉性能
3.2 フロック形成方法と抄造歩留まり
4. 発熱シートの温熱・蒸気発生性能
5. おわりに

<展望編 セルロースナノファイバー>
第1章 セルロースナノファイバー複合材料
1. 緒言
2. セルロースミクロフィブリルの構造と特性
3. セルロースナノファイバーおよびウィスカーの製造
4. セルロースナノウィスカー複合材料
5. 高強度セルロースナノファイバー複合材料
6. ナノファイバー繊維強化透明材料
7. おわりに

第2章 水中カウンターコリジョンによるセルロースのナノファイバー化
1. はじめに
2. ナノファイバーとは?
2.1 ナノサイズファイバー
2.2 ナノ構造ファイバー
2.3 ナノファイバーテクノロジー
3. 水中カウンターコリジョン法によるセルロースナノファイバーの創製
4. 微生物産生セルロースナノファイバー・ネットワークへのACC法の応用
4.1 マイクロバイアルセルロース・ネットワーク(ペリクル)
4.2 マイクロバイアルセルロース・ネットワーク(ペリクル)からナノセルロースの創製
5. おわりに

第3章 セルロースナノファイバー新素材
1. はじめに
2. セルロースのTEMPO触媒酸化
3. 天然セルロースのTEMPO触媒酸化
4. セルロースシングルナノファイバーの調製
5. おわりに

第4章 セルロース透明ゲル
1. セルロースのナノファイバー性について
2.Transparent Cellulose HydroGel(TCG)について
3.TCGの調製
4.TCGのキャラクタリゼーション
5.TCGの物性

第5章 微粉砕化セルロースとプラスチックの複合化
1. はじめに
2. ボールミル粉砕の特徴
3. セルロースの粉砕
4. 粉砕によるセルロースの物性変化
5. 微粒子化するために
6. 扁平粒子の生成
7. 粉砕による分子の混合
8. 汎用樹脂との複合化
9. 粉砕技術の発展

第6章 バクテリアセルロースのバイオ医療計測と化粧品への応用
1. はじめに
2. 既存のナノテク化粧品の特性と課題
2.1 ナノテク化粧品の光散乱特性
2.2 ナノテク化粧品のその他の特性と課題
3. バクテリアセルロースの光散乱特性とバイオ医療計測への応用の試み
4. バクテリアセルロースの化粧品応用への試み
4.1 紫外部の光散乱効果
4.2 保湿性、吸湿性、薬剤透過・浸透性
4.3 安全性
5. おわりに

第7章 酵素によるセルロースのフィブリル化
1. 酵素でセルロースを「割る」
2. セルロースの酵素分解
3. セルロースミクロフィブリルの酵素分解
4.Trichoderma CBHIおよびそのCBDの微結晶セルロースへの応用
5. エンドグルカナーゼと物理的処理の組合せによるナノファイバー生成の可能性

第8章 微細フィブリル化セルロースの製紙用添加剤としての利用
1. はじめに
2.MFCの評価法
3. 填料含有紙へのMFC添加の影響
4.MFCの染料吸着特性
5. 製紙用添加剤としてのMFCの利用

<展望編 セルロースバイオマス>
第9章 微生物機能を用いたバイオマスの前処理技術開発
1. バイオマスの糖化・発酵前処理
2. バイオマス前処理に適した木材腐朽様式
3. 木材腐朽菌による飼料化前処理
4. 木材腐朽菌を用いた糖化・発酵前処理
5. 白色腐朽菌のリグニン分解の選択性の制御
6. 微生物コンソーシアムを用いたバイオマス分解
7. 微生物を用いたバイオマス前処理の展望

第10章 イオン液体を用いたセルロース類の省エネ溶解
1. はじめに~イオン液体とは~
2. イオン液体のセルロースの溶媒としての評価
3. カルボン酸アニオンを用いた新規高極性イオン液体
4. リン酸誘導体アニオンを有する高極性イオン液体
5. イオン液体中でのセルロースの分解
6. 将来展望

第11章 セルロース系バイオマスの糖化に用いられる酵素
1. はじめに
2. セルロース系バイオマスの糖化に用いられる酵素群
2.1 セルラーゼ
2.1.1 セルラーゼの機能と構造
2.1.2 セルラーゼ生産微生物
2.1.3 糸状菌のセルラーゼ
2.2 ヘミセルラーゼ
2.2.1 キシラナーゼ
2.2.2 その他のヘミセルラーゼ
3. 酵素糖化に用いられるセルラーゼ
3.1 酵素糖化
3.2 セルラーゼ生産
4. 酵素糖化に関する課題
4.1 最適なセルラーゼ成分の量比の解明
4.2 最適量比を持つセルラーゼ標品の生産
4.3 重要なセルラーゼの改変
4.4 他の微生物由来のセルラーゼ
4.5 糖化に関わるタンパク質
4.6 セルラーゼの回収・再利用(バイオマスへの吸着制御)
4.7 糖化反応の課題
4.8 セルロース系バイオマスの酵素糖化の将来性

第12章 セルロースの結晶構造改変に基づく酵素糖化の高効率化
1. はじめに
2. 結晶性セルロースの酵素分解機序
3. 最大吸着量によるセルロースの比表面積の評価と表面密度という概念
4. 高結晶性セルロースとセロビオヒドロラーゼを用いた実験例
5. セルロースIIIIのセロビオヒドロラーゼによる分解
6. セルロース系バイオマスの酵素糖化を高効率化するためには

第13章 草本系バイオマスの特性と前処理・糖化技術
1. はじめに
2. 背景
3. 草本系バイオマス原料の特徴
3.1 単子葉原料の特徴
3.2 双子葉原料の特徴
4. 草本系バイオマスの変換技術
4.1 単子葉原料の前処理・糖化技術
4.2 双子葉原料の前処理・糖化技術
5. おわりに

第14章 セルロース系バイオマスからのバイオ燃料製造技術
1. はじめに
2. セルロース系バイオマスからのバイオエタノール生産における必要な技術要素
3. 糖類からエタノールへのバイオ変換工程技術開発動向
3.1 酵母(Saccharomyces cerevisiae)を用いたエタノール生産技術
3.2 Zymomonas mobilisを用いたエタノール生産技術
3.3 大腸菌(Escherichia coli)を用いたエタノール生産技術
3.4 コリネ型細菌(Corynebacterium glutamicum)を用いた新規バイオプロセスによるエタノール生産技術
4. 次世代バイオ燃料:バイオブタノール
4.1 バイオブタノールの動向
4.2 バイオブタノール生産に関する研究動向
5. おわりに