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シクロデキストリンの科学と技術《普及版》

Science and Technology of Cyclodextrin (Popular Edition)

2013年刊「シクロデキストリンの科学と技術」の普及版!
超分子や分子認識能などの学術的な研究成果から医薬・食品・化粧品、繊維や農業、環境への応用まで、地球環境と健康に寄与するシクロデキストリンの研究成果を解説している。

商品コード:
B1333
監修:
寺尾啓二,池田 宰
発行日:
2020年6月8日
体裁:
B5判・314頁
ISBNコード:
978-4-7813-1463-1
価格(税込):
6,270
ポイント: 57 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
テクニカルライブラリシリーズ(普及版)
ファインケミカル > 添加剤・高分子素材
食品 > 保健機能食品

Review

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キーワード:

シクロデキストリン/オリゴ糖/グルコシド結合/包接/徐放/超分子/ゲル/環状構造/分子認識/安定化/可溶化/吸収性向上/界面活性剤/DDS/αリポ酸/機能性食品/食物繊維/農薬/肥料/土壌浄化

刊行にあたって

 シクロデキストリン(以下CD)はブドウ糖分子がα-1、4グルコシド結合で環状に連なったオリゴ糖であり、ブドウ糖分子6個、7個、8個の環状のオリゴ糖がそれぞれαCD、βCD、γCDと命名されています。CDのユニークな環状構造に興味を持った研究者たちは、その疎水性空洞内にさまざまな有機分子を取り込む性質に目を向け、包接安定化や徐放化など幅広い機能性を次々と見いだしていきました。天然型3種のCDが経済的に利用できるようになった2000年以降、CDを用いた研究はさらに加速し、新たに多くのCDの科学と技術が解明されてきています。そこで、この書籍『シクロデキストリンの科学と技術』では、超分子や分子認識能といった学術的な研究から、医薬、機能性食品、化粧品などの応用分野、そして、繊維、農業、環境といった産業分野に至るまで最新の研究成果を厳選して、その専門の方々に執筆をお願いしました。従来からCDを研究対象にされていた方々にも、興味深くお読み頂けるものと考えております。
(「はじめに」より抜粋)

本書は2013年に『シクロデキストリンの科学と技術』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

著者一覧


寺尾啓二   ㈱シクロケム;神戸大学
池田 宰   宇都宮大学
伊藤耕三   東京大学
寺尾 潤   京都大学
打田 聖   東京工業大学
高田十志和  東京工業大学
髙島義徳   大阪大学
原田 明   大阪大学
高橋圭子   東京工芸大学
藤原章司   東京工芸大学
北岸宏亮   同志社大学
加納航治   同志社大学
谷本敏子   武庫川女子大学
増井有希   武庫川女子大学
木村円香   武庫川女子大学
木田敏之   大阪大学
明石 満   大阪大学
橋本 剛   上智大学
早下隆士   上智大学
加藤紀弘   宇都宮大学
諸星知広   宇都宮大学
伊藤智志   宇都宮大学
奈須野恵理  宇都宮大学
濱田文男   秋田大学
近藤良彦   秋田大学
池田 博   東京工業大学
上釜兼人   崇城大学
平山文俊   崇城大学
安楽 誠   崇城大学
庵原大輔   崇城大学
東 顕二郎  千葉大学
山本恵司   千葉大学
本山敬一   熊本大学

東 大志   熊本大学
有馬英俊   熊本大学
服部憲治郎  ナノデックス㈱
山本達之   島根大学
川向 誠   島根大学
濵口宏夫   台湾国立交通大学
生田直子   金沢大学;神戸大学
松郷誠一   金沢大学
上梶友記子  香川大学;㈱シクロケムバイオ
吉井英文   香川大学
古根隆広   ㈱シクロケムバイオ;神戸大学
石田善行   ㈱シクロケムバイオ
中田大介   ㈱シクロケムバイオ
坂本憲広   神戸大学
岡本陽菜子  ㈱シクロケムバイオ
上野千裕   ㈱シクロケムバイオ
板垣美由紀  コーデックケミカル㈱
工藤利彦   コーデックケミカル㈱
宇田 靖   宇都宮大学
四日洋和   香川大学
佐藤慶太   ㈱シクロケムバイオ
竹中克明   ㈱SKYWARD
吉田佳珠   ㈱シクロケムバイオ
服部信明   ㈱シクロケム
舘 巌    ㈱シクロケム
石井孝昭   京都府立大学
大西麻由   ㈱シクロケムバイオ
島田 順   東京農工大学
高畠伸晃   ㈱シクロケム
寺尾邦弘   キョクトウ㈲
戸田 進   キョクトウ㈲
鈴木健司   ㈱シクロケム

執筆者の所属表記は、2013年当時のものを使用しております。

目次 +   クリックで目次を表示

【第1編:シクロデキストリンを用いた超分子の科学と技術】
第1章 環動高分子材料の科学と応用
1 はじめに
2 環動高分子材料の調製
3 滑車効果と環のエントロピー
4 環動ゲルの物性
5 環動高分子材料の応用
6 おわりに

第2章 シクロデキストリン被覆型π共役ポリマーの合成と分子エレクトロニクスへの応用
1 はじめに
2 高い溶解性、剛直性、電荷移動特性を有する被覆型π共役ポリマーの合成
 2.1 π共役ポリマーとシクロデキストリンの撹拌による被覆型π共役ポリマー合成
 2.2 ロタキサンモノマーの重合による被覆型π共役ポリマーの合成
 2.3 [1]ロタキサン型π共役分子の重合による被覆型π共役ポリマーの合成
3 溶液プロセスによるナノ光スイッチングデバイスの作製
4 おわりに

第3章 シクロデキストリンを含むロタキサン型超分子架橋剤の合成と応用
1 はじめに
2 α-CDを用いたロタキサン型超分子架橋剤によるビニル系ネットワークポリマーの合成
3 γ-CDを用いたロタキサン型超分子架橋剤によるビニル系ネットワークポリマーの合成
4 おわりに

第4章 修飾シクロデキストリンを用いた超分子錯体の構造制御と機能創製
1 修飾シクロデキストリンの合成
2 修飾シクロデキストリンを用いた超分子錯体の形成
 2.1 分子内自己包接錯体
  2.1.1 骨格の柔軟性を利用した自己包接錯体形成
  2.1.2 グルコース環の回転を利用して自己包接錯体形成
  2.1.3 共有結合性形成による自己包接錯体
 2.2 結晶構造から見た修飾シクロデキストリン超分子ポリマー
  2.2.1 2回対称軸を有するCDの結晶構造
  2.2.2 4回対称軸を有するCDの結晶構造
  2.2.3 ダイマーを形成する超分子錯体の結晶構造
3 修飾シクロデキストリンを構成単位とする超分子ポリマー
 3.1 ポリ[2]ロタキサン
 3.2 らせん超分子ポリマー
 3.3 α-、βCD交互共重合体
 3.4 [2]ロタキサンポリマー
 3.5 超分子環状オリゴマー
 3.6 超分子ポリマーの転位反応と配列制御
 3.7 シクロデキストリンダイマーを用いた超分子ポリマー形成
 3.8 挿し違い型ロタキサンダイマーを用いた超分子構造体の制御
4 シクロデキストリン修飾ポリマーを用いた刺激応答性超分子材料
 4.1 CD-SWNT複合体とゲストポリマーからなるSWNTヒドロゲルの形成
 4.2 Azo修飾ポリマーのAzo部位の構造の違いによるゲル形成の変化
 4.3 CD-CURとpAC12Azoからなるヒドロゲルの形成と光刺激応答性
 4.4 シクロデキストリン修飾ポリマーを用いた自己修復性超分子材料
 4.5 CDモノマーとゲストモノマーからなる包接錯体の重合による自己修復性超分子ヒドロゲルの作製
 4.6 CDポリマーとゲストポリマーとの部分架橋による光応答性人工筋肉の構築
5 まとめ

【第2編:機能性を付与した修飾シクロデキストリンの合成と評価】
第5章 トレチノイン療法にみるヒドロキシプロピルシクロデキストリンの特質―親水性と疎水性のバランス―
1 はじめに
2 トレチノイン-HP-CD処方
 2.1 トレチノインの生理作用と化学的性質
 2.2 トレチノイン-シクロデキストリン包接化合物
 2.3 HP-β-CDの包接効果
3 ヒドロキシプロピルシクロデキストリンの構造
4 おわりに

第6章 シクロデキストリン-ポルフィリン超分子錯体によるヘムタンパク質機能モデルの開発
1 はじめに
2 ヘムタンパク質の構造と機能
3 ヘムタンパク質モデル研究の背景
4 超分子ヘムタンパク質モデルhemoCD1
5 さまざまなhemoCD誘導体
6 モデル錯体の医薬学分野への応用
7 完全合成物による酸素運搬体の実現をめざして
8 酸化酵素モデルとしてのhemoCD
9 おわりに

第7章 糖修飾分岐シクロデキストリン類の合成と機能評価
1 はじめに
2 糖修飾2分岐γCD類を合成するための有効な6位保護基の検討
3 分岐CD類の化学合成
 3.1 61、6n-Di-O-(D-galactosyl)-γCD(n=2-5)類の合成
 3.2 β-ガラクトースを末端に有する2分岐βCD類の合成
 3.3 61、6n-Di-O-(4-O-β-D-galactosyl-β-maltosyl)-γCD(n=2-5、24-27)類の合成
 3.4 マンノオリゴ糖修飾2分岐γCD類の合成
4 分岐CD類とレクチンの特異的相互作用の解析
 4.1 側鎖糖鎖の長さの検討
 4.2 分岐位置の検討
 4.3 マンノオリゴ糖修飾分岐γCD類とConAとの相互作用
5 フコース修飾βCD類の化学合成とそれらの機能に関する検討
 5.1 フコース修飾βCD類の合成
 5.2 フコース修飾βCD類とレクチン(AAL)の特異的相互作用の解析
 5.3 細胞(HepG2)の形態変化に及ぼす影響
 5.4 フコシル化欠損大腸がん細胞HCT116へのβCD関連化合物の添加実験

第8章 シクロデキストリンマイクロ構造体の形態制御と機能評価
1 はじめに
2 さまざまな形態をもつシクロデキストリン(CD)構造体(結晶)の形成
3 水溶液中でのシクロデキストリン(CD)集合体の形成
4 シクロデキストリン(CD)集合体の機能―チャンネル型CD集合体を用いた油中のポリ塩化ビフェニル(PCB)除去―
5 シクロデキストリン集合体の機能―チャンネル型CD集合体のオイルゲル化能―
6 おわりに

【第3編:シクロデキストリンの分子認識能に関する研究と応用】
第9章 シクロデキストリン複合体を用いる糖認識センサーの開発
1 はじめに
2 フェニルボロン酸を用いる糖センシングおよび蛍光センサー
3 包接機能を使ったセンサー
 3.1 CyD複合体を用いる糖センシング
 3.2 修飾CyDを用いる糖センシング
4 おわりに

第10章 微生物コミュニケーション(Quorum Sensing)制御への応用
1 はじめに
2 微生物コミュニケーション
3 CDによる微生物コミュニケーション制御
4 微生物コミュニケーション制御のための修飾CDの合成
5 CDを用いた微生物コミュニケーション制御素材の開発
6 おわりに

第11章 修飾シクロデキストリンの工業的展開
1 はじめに
2 修飾シクロデキストリンのDNA認識能
3 不溶性修飾シクロデキストリンポリマーのガス吸蔵能
4 不溶性シクロデキストリンポリマーの環境ホルモン吸着能
5 多孔質シクロデキストリンポリマーの金属吸着能
6 おわりに

第12章 分子フラスコとしてのシクロデキストリンの利用
1 はじめに
2 溶液中における複数分子の会合体形成の促進・制御
 2.1 γ-シクロデキストリンによるエキシマー蛍光の増大作用およびその応用
 2.2 アントラセン光二量化反応の選択性制御
 2.3 異なる2分子の会合体形成の促進・安定化
 2.4 異分子間反応の活性化・不斉制御
  2.4.1 Reimer-Tiemann反応
  2.4.2 異分子不斉縮合反応
3 固相反応
 3.1 不斉付加反応
 3.2 三成分縮合反応の活性化
4 おわりに

【第4編:医薬分野におけるシクロデキストリンの科学と技術】
第13章 各種薬物の製剤特性改善におけるシクロデキストリンの有用性
1 はじめに
2 CyDによる薬物の製剤特性の改善
 2.1 ヒドロキシアルキル化CyDs
 2.2 スルホブチルエーテル-β-CyD
 2.3 γ-CyDとその誘導体Sugammadex
3 CyDの新たな利用展開
 3.1 CyDと機能性高分子Sangeloseを併用した嚥下性に優れるODTの構築
 3.2 CyD/Sangelose系の温度感受性sol-gel変換現象の徐放性点眼剤への応用
4 おわりに

第14章 固相における医薬品分子とシクロデキストリンとの分子間相互作用
1 はじめに
2 CyD同士で形成される分子間空間
3 薬物/CyD-ポリ擬ロタキサン複合体結晶
4 2種類の異なる薬物を封入した3成分CyD複合体結晶
5 おわりに

第15章 シクロデキストリン研究のパラダイムシフト:医薬品原薬としてのシクロデキストリンの有効利用
1 はじめに
2 筋弛緩回復剤としてのシクロデキストリン(スガマデクス)
3 ニーマンピック病C型に対するシクロデキストリン療法
4 抗がん剤としてのシクロデキストリン
 4.1 抗がん剤としての葉酸修飾メチル-β-シクロデキストリン
 4.2 白血病治療薬としてのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
5 エンドトキシンショック抑制剤としてのジメチルアセチル-β-シクロデキストリン
6 家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬としてのグルクロニルグルコシル-β-シクロデキストリン
7 受精促進化合物としてのメチル-β-シクロデキストリン
8 おわりに

第16章 がん細胞に直接ターゲットするシクロデキストリンDDSキャリアの開発
1 がんという病気
2 これまでのDDSターゲティングがん治療のアプローチ
3 葉酸修飾シクロデキストリンのDDSキャリアへの研究開始の経緯
4 抗がん剤DDSキャリアとしての葉酸修飾シクロデキストリンの基本骨格
5 抗がん剤との強力な包接―イソギンチャク効果―
6 がん細胞への強力な集積―ナノクラスター効果―
7 葉酸修飾シクロデキストリンの抗がん剤キャリアとしての評価(in vitro)
8 葉酸修飾シクロデキストリンの各種抗がん剤への適用
9 担がんマウスによるin vivoでの抗腫瘍効果
10 生体内安全性
11 DOXを内包した葉酸修飾シクロデキストリンの抗腫瘍メカニズム
12 体内動態の推測および今後の課題

【第5編:機能性食品・化粧品分野におけるシクロデキストリンの科学と技術】
第17章 機能性食品成分-シクロデキストリン包接体が分裂酵母の生育に及ぼす効果
1 はじめに
2 分裂酵母の代謝へのシクロデキストリン包接体添加の影響
3 分裂酵母代謝のラマン分光法による評価
4 おわりに

第18章 機能性素材のシクロデキストリンによる安定化と吸収性向上
1 はじめに
2 シクロデキストリンを用いた安定化
3 R-α-リポ酸の安定化技術
 3.1 R-α-リポ酸-CD包接複合体の作製
 3.2 R-α-リポ酸-CD包接複合体のSEM解析
 3.3 R-α-リポ酸-CD包接複合体のXRD解析
 3.4 R-α-リポ酸-CD包接複合体の熱安定性試験
 3.5 R-α-リポ酸-CD包接複合体の酸安定性試験
 3.6 R-α-リポ酸-γCD包接複合体の吸収性と溶解性試験
 3.7 R-α-リポ酸-γCD包接複合体のヘルシーエイジング効果
4 おわりに

第19章 脂溶性生理活性物質のシクロデキストリンによる可溶化と吸収性向上
1 はじめに
2 生物学的利用能向上のためのアプローチ
3 CoQ10の可溶化と吸収性向上
 3.1 NaTCA添加によるCoQ10の可溶化
 3.2 健康機能食品として;CoQ10の経口吸収性の向上
 3.3 GZK2添加によるCoQ10の可溶化
 3.4 ヒト3次元培養表皮モデル
 3.5 化粧品として;CoQ10の皮膚吸収性の向上
  3.5.1 操作手順
  3.5.2 分析条件
  3.5.3 被験物質の調製
  3.5.4 表皮組織への吸収性
4 クルクミンの可溶化と吸収性向上
5 おわりに

第20章 α-シクロデキストリンの食物繊維としての機能性と加工特性
1 はじめに
2 糖代謝に対するαCDの改善効果
3 脂質代謝に対するαCDの改善効果
 3.1 体重、体脂肪率および血中脂質低減作用
 3.2 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の選択的排泄作用
4 抗アレルギー作用
5 加工特性
 5.1 基本的物性
 5.2 安定性
  5.2.1 熱安定性
  5.2.2 pH安定性
  5.2.3 メイラード反応性
 5.3 乳化作用
6 おわりに

第21章 デスメチルトコトリエノールのγシクロデキストリン包接化による特性改善
1 はじめに
2 γCD包接によるα-TPおよびγ-T3の安定性の改善
 2.1 T3-γCD包接複合体の作製
 2.2 T3-γCD包接複合体の熱安定性の検討
3 γCD包接によるT3の生体利用能の向上
 3.1 γCD包接化によるT3の吸収性への影響
 3.2 γCD包接化によるT3の生理活性への影響
4 おわりに

第22章 フィトケミカルのシクロデキストリンによる効率的抽出法の確立
1 はじめに
2 シクロデキストリンポリマーを用いた柑橘ジュースからの苦味成分の選択的抽出
3 シクロデキストリンを用いたブドウ果皮からのポリフェノール類の抽出
4 シクロデキストリンを用いたウコンからのクルクミンの抽出
5 おわりに

第23章 大根の辛味成分MTBIのシクロデキストリンによる安定化とその利用
1 はじめに
2 MTBI精製物に対するCDの包接性
3 MTBI精製物の安定性に対するCDの影響
4 CDを用いた大根おろし懸濁液中のMTBIの安定化検討
5 凍結乾燥処理を併用したMTBI安定化検討
6 GDPの味覚評価
7 おわりに

【第6編:産業分野におけるシクロデキストリンの科学と技術】
第24章 シクロデキストリンによる香料の徐放とその応用
1 はじめに
2 香料包接CD複合体粉末の作成
3 香料包接CD粉末および溶液からの香料徐放特性
 3.1 香料包接CD複合体粉末からの香料徐放性
 3.2 天然型CDの香料包接複合体からの香料徐放性
 3.3 水溶液中での香料徐放性
4 香料包接複合体の応用
 4.1 l-メントール/CD包接複合体含有チューイングガムからの香料徐放性
 4.2 MCT-β-CD固定化和紙からのヒノキチオール徐放性
 4.3 Avrami式による徐放速度の相関
 4.4 徐放速度定数vs.水蒸気濃度の関係

第25章 シクロデキストリンの繊維分野への応用
1 はじめに
2 CDの繊維への固定化
 2.1 共有結合形成によるCDの天然繊維への固定化
  2.1.1 ポリカルボン酸架橋剤とCDを用いるグラフト重合化による固定化
 2.2 ポリマー被覆によるCDの合成繊維への固定化
  2.2.1 メタクリル酸CDプレポリマー(MAA-CD)を用いる光重合化被覆法
  2.2.2 ポリカルボン酸とCDによるポリエステル化被覆法
  2.2.3 ポリイソシアネートとCDによるポリウレタン化被覆法の3つのポリマー被覆法
 2.3 反応基CD誘導体であるMCT-CDによる天然繊維と合成繊維への固定化
3 MCT-CDによる消臭作用について

第26章 シクロデキストリン包接のカンキツオイルによる植物病害虫防除
1 はじめに
2 材料および方法
3 結果
4 考察

第27章 揮発性忌避剤のシクロデキストリン包接安定化とその応用
1 はじめに
2 サリチルアルデヒドの徐放特性と害虫忌避効果(マルチフィルムへの応用)
 2.1 SA-CD包接粉末の作製方法とSA徐放速度
 2.2 CDフィルム作製方法
 2.3 SA-CDフィルムのSA徐放速度
 2.4 SA-CDフィルムの害虫への忌避効果
3 アリルイソチオシアネートの徐放特性と貝類忌避効果
 3.1 AITC-TAAによる貝類忌避効果の検討
 3.2 AITC-TAAの貝類忌避剤としての実用化の検討(コンクリートへの応用)
4 モノテルペン類の徐放特性と鳥獣忌避効果
 4.1 モノテルペン類のCD包接体による安定化と徐放特性(壁塗料への応用)
 4.2 モノテルペン類のCD包接体による鳥獣類の忌避効果
5 おわりに

第28章 シクロデキストリンと有機質肥料による植物生長作用
1 はじめに
2 背景と目的
3 原料と方法
4 各種植物の生長に対するシクロデキストリンの影響
 4.1 二十日大根の発芽と生長
 4.2 豆類植物の生長
 4.3 葱の生長におけるシクロデキストリンと重炭酸カリウムの相乗効果
 4.4 メチル化シクロデキストリンを保水剤として用いる観葉植物の延命効果
5 今後の検討と展望

第29章 シクロデキストリンによる土壌および焼却灰からの汚染物質除去技術
1 はじめに
2 汚染土壌からの有機汚染物質の抽出除去方法
 2.1 高水溶性CD誘導体の水溶液を用いる方法
  2.1.1 使用したCD誘導体(D.S.はグルコース単位あたりの置換度)
  2.1.2 土壌からのアントラセン抽出
  2.1.3 土壌からのピレン抽出
  2.1.4 土壌からの多環芳香族炭化水素(PAH)混合物の抽出
 2.2 CD固定化吸着剤を用いる方法
  2.2.1 CD固定化吸着剤の調製
  2.2.2 CD固定化吸着剤を用いるダイオキシン除去検討方法とその結果
3 CDを用いる焼却灰の有害物質除去、固定安定化処理
 3.1 CDによる重金属含有廃棄物の安定化処理
  3.1.1 重金属含有廃棄物の安定化処理に関する従来の技術と問題点
  3.1.2 CDを用いた重金属含有焼却灰の安定化処理検討結果
 3.2 焼却灰からのダイオキシン除去技術
  3.2.1 焼却灰からのダイオキシン除去に関する従来の技術と問題点
  3.2.2 CDによる焼却灰からのダイオキシン類除去技術
4 おわりに

第30章 シクロデキストリンによる微生物と植物を利用した環境修復技術
1 概要
2 はじめに
3 微生物による土壌浄化へのCDの利用
 3.1 可溶化効果
 3.2 土壌汚染物質の抽出能の向上
 3.3 CDによる毒性変化
 3.4 CDによるバイオアベイラビリティーの変化
 3.5 安定化効果と触媒促進効果
 3.6 バイオレメディエーションの向上
4 難生分解性エーテル化CDによる有機性廃棄物のメタン発酵技術
 4.1 嫌気性消化におけるCDの難生分解性
 4.2 嫌気性消化におけるRAMEB濃度の影響
 4.3 消化ガス中のメタン量
5 CDによる微生物叢の増殖作用を用いた排水浄化
 5.1 従来の技術の問題点
 5.2 難生分解性CD化学修飾体を用いる水質浄化
 5.3 検討方法と結果
6 CDを用いたファイトレメディエーション
 6.1 βCDによる土壌中汚染物質の植物抽出の向上
 6.2 ファイトレメディエーションに対するRAMEBの効果
 6.3 CD生産植物の作成とファイトレメディエーション
7 おわりに

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