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藻類応用の技術と市場

Applied Technology and Market of Algae

★再生可能エネルギーとして重要な藻類バイオマス!
★EPA、DHA、β-カロテン、アスタキサンチンなど藻類由来の健康維持成分!
★大量培養、抽出効率化など藻類応用の技術と市場を詳述!

商品コード:
S0846
編集:
シーエムシー出版編集部
発行日:
2020年9月30日
体裁:
B5判・211頁
ISBNコード:
978-4-7813-1516-4
価格(税込):
88,000
ポイント: 800 Pt
関連カテゴリ:
バイオテクノロジー
バイオテクノロジー > 有用物質・エネルギー・食料生産
食品 > 保健機能食品
新材料・新素材 > バイオマス素材
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー

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キーワード:

油脂蓄積微細藻類/持続可能/油脂原料開発/クラミドモナス/ナンノクロロプシス/クロレラ/イカダモ/培養/分離/抽出/精製/実用プラント/藻類バイオ燃料/ユーグレナ/藻類産生プラスチック/ドナリエラ/スピルリナ/アスタキサンチン

刊行にあたって

 藻類の応用はバイオ燃料,バイオプラスチック,機能性食品および機能性化粧品などがある。藻類は単位面積・単位時間あたりの収穫量が穀物に比べて遥かに多く、産生するオイルなどの藻類バイオマスの重要性は高い。ユーグレナ,イカダモなどからのバイオ燃料は工学的培養が可能で再生可能エネルギーとして期待されている。またラン藻由来原料によるバイオプラスチックなど開発応用が活発である。さらに藻類はEPA,DHAなどの必須脂肪酸,β―カロテンやアスタキサンチン、フィコシアニン、など健康維持や向上に役立つ成分として利用されてきた。藻類由来原料は高付加価値素材としても有用である。
 本書は技術編において藻類の油脂蓄積のメカニズムや、高生産株のスクリーニング・作出など、生産性向上に向けた研究開発と大量培養技術や分離・抽出技術、燃料への修飾技術など、産業実用化に向けた技術開発について、各分野の第一線でご活躍中の方々にご執筆いただいた。
 次に市場編では藻類から分離・精製されるジェット燃料や軽油燃料など油脂原料の動向と関連企業の動向をまとめた。藻類産生物質の応用では、藻類産生プラスチックの開発動向をまとめた。さらに中鎖脂肪酸,アスタキサンチン、フィコシアニン、EPA、DHA、β-カロテンなどの有用物質について、応用動向と市場動向をまとめた。
 藻類由来のバイオ燃料や有用物質に興味をお持ちの方々に貴重な情報を提供できれば幸甚に存じます。

著者一覧

加藤美砂子  お茶の水女子大学
今村壮輔   東京工業大学
田中 寛   東京工業大学
宮下英明   京都大学
齋藤 猛   花王㈱
瀧村 靖   花王㈱
松本光史   電源開発㈱
前田義昌   東京農工大学
田中 剛   東京農工大学
増田篤稔   玉川大学
神田英輝   名古屋大学

目次 +   クリックで目次を表示

【技術編】
第1章 微細藻類におけるトリアシルグリセロール生合成
1 はじめに
2 トリアシルグリセロールの代謝
 2.1 脂肪酸の生合成
 2.2 TAGの生合成
 2.3 TAGの蓄積条件
 2.4 油滴の発達

第2章 オイル生産性が飛躍的に向上した藻類株の作出:オイル生合成のチェックポイントキナーゼTORの発見とその応用
1 はじめに
2 単細胞紅藻Cyanidioschyzon merolaeにおける窒素代謝制御
3 TAG生産のON/OFFを決定づけるTORキナーゼ
4 TOR不活性化によるトリアシルグリセロールの蓄積
5 TAG生合成制御におけるTORの作用点
6 考察
7 今後の展望

第3章 油脂蓄積微細藻類の分離・選抜戦略─好酸性緑藻株の分離を例に─
1 はじめに
2 藻類燃料生産に用いる藻類選抜の重要性
3 藻類の分離戦略
4 好酸性単細胞緑藻の分離と選抜の実際
 4.1 選抜条件の設定
 4.2 採取場所の選定
 4.3 微細類の採取と集積培養
 4.4 分離
 4.5 増殖速度による選抜
 4.6 油脂蓄積の確認
 4.7 増殖特性と油脂蓄積の詳細な評価
5 おわりに

第4章 微細藻類による持続可能な油脂原料開発の取り組み
1 背景2 オーストラリアにおける実規模培養の検証例
 2.1 評価試験実施場所
 2.2 培養株の選定およびオーストラリア国外株の利用
 2.3 スケールアップ培養と実規模培養の実際
3 セルフクローニング技術による藻体株の開発
 3.1 カルタヘナ法批准国における遺伝子改変株の位置づけ
 3.2 ナンノクロロプシスの相同組換え技術
 3.3 セルフクローニング株の開発の具体例:中鎖脂肪酸生産
 3.4 屋外開放培養を想定したセルフクローニング株の生物多様性影響にかかる情報収集
4 今後の展望

第5章 海洋微細藻類によるグリーンオイルの効率的生産技術の開発
1 はじめに
2 微細藻類を用いたグリーンオイル生産一貫プロセス設計
 2.1 脂質高蓄積微細藻類のスクリーニング
 2.2 通年グリーンオイル生産に向けた耐冷性脂質蓄積珪藻の獲得
 2.3 低エネルギーで駆動する大型培養装置によるグリーンオイルの通年生産
3 遺伝子組み換え微細藻類の創生による生産性の向上戦略
 3.1 グリセロール資化能の付与
 3.2 脂質合成に必要なNADPH生産能の強化
 3.3 効率的な細胞回収に向けた細胞凝集性の付与
 3.4 屋外培養における遺伝子組み換え生物の利用・制御
4 おわりに

第6章 微細藻類の大量培養システム開発における受光量の解析方法
1 はじめに
2 微細藻類培養装置開発に関する基礎的知見
 2.1 培養槽における環境制御項目
 2.2 光環境
 2.3 溶存ガス環境
3 設計における環境因子の定量方法
 3.1 培養槽外郭周辺の光環境設計計算
 3.2 培養槽内の光環境計測と培養器形状
 3.3 培養内におけるガス挙動
4 実用プラントにおける餌料用微細藻類培養システム開発
 4.1 培養槽条件と設計と性能
 4.2 実用プラントシステム
 4.3 屋外における培養槽設計に関する基礎的研究
5 屋外培養についての提言

第7章 液化ジメチルエーテルによる湿潤微細藻類からの油脂の直接抽出
1 微細藻類からバイオ燃料への変換の問題点
2 微細藻類からの油脂抽出
3 液化DMEを用いた油脂抽出プロセス
4 液化DMEによる油脂抽出の例
5 ダーバン工科大学との共同研究による取り組み
6 さいごに

【市場編】
第1章 藻類の研究開発動向
1 微細藻類の脂質代謝メカニズム
 1.1 トリアシルグリセロール
 1.2 炭化水素
 1.3 油分増大技術
2 油脂蓄積微細藻類の探索
3 藻類を利用した油脂原料
 3.1 クラミドモナス
 3.2 ナンノクロロプシス
 3.3 クロレラ
 3.4 イカダモ
4 企業動向
 4.1 ユーグレナ
 4.2 IHI
 4.3 デンソー
 4.4 J-POWER(電源開発)
 4.5 DIC
 4.6 神鋼環境ソリューション
 4.7 出光興産
 4.8 ヤンマー
 4.9 MOIL
 4.10 花王

第2章 藻類の培養・分離・抽出・精製
1 概要
2 微細藻類の培養・回収・精製法
 2.1 培養
 2.2 回収
 2.3 精製
 2.4 培養におけるAIの活用(ユーグレナ/日本ユニシス)
 2.5 マイクロバブル方式による一貫生産(兵庫県立大学/京都大学)
 2.6 微細藻類の大量培養(ちとせグループ)
 2.7 微細藻類の大量培養技術の確立による持続可能な熱帯水産資源生産システムの構築(創価大/東京大学/国立環境研究所/東京工業大学)
 2.8 海洋微細藻類によるグリーオイルの屋外大量培養プラント(J-POWER)
 2.9 マイクロ波を用いた油分抽出技術(マイクロ波化学)
 2.10 生活排水を用いたバイオマス培養(仙台市,筑波大学,東北大学)
 2.11 筑波大学の藻類バイオマス・エネルギーシステム開発研究センター
 2.12 単体機器からプラントエンジニアリングまで(独,GEA社/GEAジャパン)

第3章 藻類産生燃料
1 概要
2 水素化バイオ燃料
3 国内動向
 3.1 ユーグレナ
 3.2 IHI
 3.3 デンソー
 3.4 兵庫県洲本市
 3.5 佐賀市
4 海外動向
 4.1 概要
 4.2 Global Algae Innovations
 4.3 Cellana
 4.4 Algegol Biotech
 4.5 研究開発動向

第4章 藻類産生プラスチック
1 バイオプラスチック
 1.1 市場規模
 1.2 地域別動向
2 日本のバイオプラスチック
 2.1 市場規模
 2.2 国内市場の動向
3 藻類産生プラスチック
4 国内動向
 4.1 ユーグレナ(ユーグレナ・プロピレン複合体)
5 研究開発動向
 5.1 京都大学グループ(リシノール酸)
 5.2 明治大学(バイオコハク酸)
 5.3 東京工業大学/東北大学
 5.4 三菱マテリアル
6 海外動向
 6.1 Algix
 6.2 Checkerspot
 6.3 Algenesys
 6.4 Loliware
 6.5 NOTPLA
 6.6 Evo & Co.

第5章 藻類産生医薬品(研究開発の現状)
1 バイオ医薬品
 1.1 概要
 1.2 業界動向
2 藻類産生医薬品
 2.1 Medicargo Inc
 2.2 Scripps Research Institute
 2.3 Rosetta Green Ltd
 2.4 東京農工大学/福井県立大学/協和発酵バイオ
 2.5 北海道大学大学院
 2.6 ユーグレナ

第6章 藻類産生機能性素材(化粧品/食品)
1 化粧品工業
 1.1 需給動向
2 健康食品・機能性食品工業
 2.1 健康食品と機能性食品
 2.2 トクホ市場動向
 2.3 機能性表示食品市場動向
3 藻類由来の化粧品および食品
4 国内動向
 4.1 ユーグレナ
 4.2 デンソー
 4.3 富士化学工業
 4.4 DICライフテック
 4.5 東洋酵素化学
 4.6 パナック
 4.7 日健総本社
 4.8 アルビータ
 4.9 アルガルバイオ
 4.10 ガルデリア
 4.11 スピルリナ研究所
 4.12 サンライフ
 4.13 クロレラ工業
 4.14 サン・クロレラ
 4.15 オリザ油化
 4.16 ハイドロックス
 4.17 イービス藻類産業研究所
 4.18 横河電機
 4.19 サラヴィオ温泉微生物研究所
5 海外動向
 5.1 Triton
 5.2 New Wave Foods
 5.3 Noblegen
 5.4 Veramaris
 5.5 サイアノテック
 5.6 BGG
 5.7 MC Biotech
 5.8 パイコリルバイオテックコリア
6 研究開発
 6.1 ユーグレナなどの微細藻類からカイコ用の人工飼料を開発
 6.2 海洋性ラン藻Synechococcus sp.PCC 7002から,アスタキサンチンを高生産
 6.3 微細藻類の遺伝子改変におけるプロモーターの発見
7 藻類由来ゲル化剤
 7.1 カラギナン
 7.2 寒天