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医工連携による機器・材料の開発

Development of Equipments and Materials through Collaboration between Medical and Engineering

★医療と工学の連携により開発される医療機器や材料を徹底解説!
★明らかにされた検査、診断、治療、介助、モニタリングに関し医療サイド・看護サイドから工学側へ求めるニーズ!
★明らかにされたIoT、AI、3Dプリンタ、AR、VR技術など工学から医療サイドへの新しいシーズ!

商品コード:
T1160
監修:
大浦イッセイ,西垣孝行
発行日:
2021年2月8日
体裁:
B5判・216頁
ISBNコード:
978-4-7813-1588-1
価格(税込):
74,800
ポイント: 680 Pt
関連カテゴリ:
バイオテクノロジー
エレクトロニクス > ウェアラブル・ヘルスケア
バイオテクノロジー > 診断技術・バイオセンサ
バイオテクノロジー > バイオマテリアル・バイオミメティクス

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キーワード:

デザインドリブン/医工デザイン融合/アカデミア発の医療機器開発/VRリハビリ機器/超聴診器/出口戦略/看工連携/BIA 体組成評価装置/心臓血管関連/飛散防止シールド/パワーアシストスーツ/低侵襲マイクロニードルデバイス/殺菌用・深紫外LED

刊行にあたって

 現在、医療・介護・ヘルスケア領域は、その根幹をなす社会保障制度の再構築が求められており、併せてデジタル化の波が変革のスピードを加速させています。さらにコロナ禍において、多くの医療や介護現場における問題が浮き彫りとなり、世界中が同時に変化への対応力を試されています。今後、あらゆる分野において、医学的な付加価値が期待されると予想されます。これまで分断されていた医療界と産業界は、壁を乗り越えてシームレスに繋がり、仮説検証の仕組みを高速化することが求められます。
 私たちはこの一年間、新型コロナウイルス感染症の猛威によって、感染対策の重要さを一気に思い知らされました。手指の消毒は歯磨きと同じくらい習慣になり、マスクは靴と同じく、外出時には欠かせないプロダクトとなって、感染対策が一部、文化となりつつあります。
 また、新型コロナウイルス感染症の猛威によって気づかされたこともたくさんあり、これら気づいた課題や違和感を、恐れることなく迅速に改善し、変革させてゆくことが、今この時代に生きる私たちの大仕事であり、急務となっています。
 そのためには、法の枠の中で行われるリーガルドリブンな医療機器開発では、法の再定義が早急且つ重要なタスクであり、一方で、誰ひとり取り残さない、命をまもることだけに特化したプロダクトの開発が行える構造づくりも、勇気を持って迅速に行わなければならないタスクとなっています。
本書籍でご紹介させていただくそれぞれの医療機器開発の例が、誰ひとり取り残さないための医療機器開発とはなにかに気づくきっかけとなり、啓蒙に繋がればと想っています。
西垣孝行、大浦イッセイ

著者一覧

大浦イッセイ 特定非営利活動法人 まもるをまもる
西垣孝行   森ノ宮医療大学;特定非営利活動法人 まもるをまもる
小栁智義   筑波大学;つくば臨床医学研究開発機構
野口裕史   筑波大学;附属病院
池野文昭   筑波大学;Stanford Byers Center for Biodesign
八木雅和   大阪大学
荒川義弘   筑波大学
原 正彦   ㈱mediVR;島根大学
小川晋平   AMI㈱
神尾 翼   AMI㈱
齊藤旬平   AMI㈱
髙木良輔   AMI㈱
加藤博史   神戸大学
吉田孝次   ルミノフ㈱
井上拓也   富士通㈱;一般社団法人産学連携推進センター
吉田哲也   経済産業省
西澤美幸   ㈱タニタ
笠原靖弘   ㈱タニタ
中村英治   ㈱タニタ
蔦谷孝夫   ㈱タニタ
Steven B Heymsfield  Pennington Biomedical Research Center
安齊崇王   テルモ㈱
樋口高志   オルバヘルスケアホールディングス㈱
本田佳範   オルバヘルスケアホールディングス㈱
前島洋平   オルバヘルスケアホールディングス㈱;兵庫県立大学
寺島誠人   ㈱東鋼
百瀬直樹   自治医科大学附属さいたま医療センター
宮嵜哲郎   東京大学
川瀬利弘   東京医科歯科大学
川嶋健嗣   東京大学
亀川哲志   岡山大学
松野隆幸   岡山大学
平木隆夫   岡山大学
吉田善一   東洋大学
高橋宗尊   ㈱島津製作所
竹岡裕子   上智大学
陸川政弘   上智大学
安部伸治   広島工業大学
南 和幸   山口大学
島田尚哉   東神戸病院
松島寛和   新和工業㈱
小林武治   大研医器㈱

目次 +   クリックで目次を表示

【総論】
第1章 デザインドリブンで行う医療機器開発
1 はじめに
2 医療機器開発の最初に行うデザイン作業
3 医療機器開発に最も重要なデザイン作業
4 デザインドリブンで行う医療機器開発
5 おわりに

第2章 医療機器開発における国の取り組みと医工デザイン融合
1 はじめに
2 医療機器開発における国の取り組み
 2.1 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)について
 2.2 医工連携における開発支援策
 2.3 日本の医療機器産業の課題
 2.4 ベンチャーエコシステムにおける課題
 2.5 J-Startupによる国主導のエコシステム
 2.6 2040年の医療(ビジョナリーとバックキャスト)
3 医工デザイン融合
 3.1 医工連携とデザイン
 3.2 医療者の知的資産をまもるWEBプラットフォーム「evaGraphy」

第3章 アカデミア発の医療機器開発支援
―マーケットニーズと基礎技術のギャップを意識した開発人材育成
1 はじめに
2 大学での医療機器開発に見られる特徴
3 日本のものづくりと医療機器開発体制の課題
4 デザイン思考とアカデミア発「シーズ」「ニーズ」の活用の可能性
5 筑波大学の医療関連製品事業化支援プラットフォーム
 5.1 Research Studio powered by SPARK
 5.2 クリニカルエクスポージャーと新たな取組
6 新型コロナウイルス対策プロジェクトで見えてきた課題
7 今後の展望

第4章 医療機器イノベーション人材育成プログラム「バイオデザイン」の国内動向について
1 はじめに
2 国内におけるバイオデザインの沿革
3 バイオデザインプロセスの実際
 3.1 医療機器開発プロセスを体系化し,製品化に至るまでのロードマップが示されていること
 3.2 医療現場に求められる開発に即したニーズを探求すること
 3.3 医療現場に求められる「ニーズ」の仕様を事前に定めた上で,その目標に従ってプロトタイプとして具現化すること
4 日本の医療機器産業の動向とバイオデザインが果たす役割
5 日本におけるバイオデザインのさらなる発展に向けて
6 今後の展望

第5章 VRリハビリ機器開発を通した医工連携による事業化の考え方と実際
1 はじめに
2 医工連携総論
3 各論1 mediVRカグラⓇ開発に至る背景
4 各論2 mediVRカグラⓇ開発の医学的理論根拠
5 各論3 mediVRカグラⓇガイド下治療の臨床効果
6 各論4 mediVR社の資金調達と出口戦略
7 各論5 mediVR社の知財戦略
8 おわりに

第6章 超聴診器
1 超聴診器とは
 1.1 開発の背景
 1.2 自動診断アシスト機能の開発
 1.3 今後のビジョン
2 遠隔聴診の実現
 2.1 遠隔医療の必要性
 2.2 遠隔聴診の問題点
 2.3 スペクトログラムの有用性
3 遠隔医療システムの構築に向けて
 3.1 予備健診の実施
 3.2 企業との連携
4 急激な医療革新を起こすために

第7章 医工連携の出口戦略について
1 出口戦略とタイミング
2 顧客はだれなのか?顧客のビジネスを理解せず製品は売れない
3 市場調査
4 忘れてはいけない経営者というステークホルダー
5 ビジネスモデル
6 エビデンス
7 おわりに

第8章 医工連携を成功させるためのポイントの解像度を上げる:グッドデザイン2019
を受賞した看工連携スキーム
1 はじめに
2 医療現場のニーズとデザイン思考を取り入れた開発
3 イノベーションの捉え方を共有する
4 PMF(プロダクト マーケティング フィット)
5 開発スケジュール短縮のコツ(OODAループ)
 5.1 開発手法
 5.2 医療機器開発におけるOODAループの活用
6 イノベーションを円滑に進める“中間組織”のあり方
7 おわりに

第9章 医療ヘルスケア産業における臨床工学技士の役割
1 日本の現状と医療機器市場
 1.1 日本の現状
 1.2 世界の医療機器市場
 1.3 国産医療機器の国際競争力
 1.4 医療機器開発と政策
2 医療機器開発における臨床工学技士の強み
 2.1 ニーズ発掘と臨床工学技士の特性
 2.2 医療機器市場と臨床工学技士の親和性
 2.3 トラブル事例からみるニーズ,ユーザビリティの定量化
 2.4 製品開発と臨床工学技士の役割 エビデンス構築
 2.5 医療従事者の安全を確保するという観点で製品化された「パラシールド」
 2.6 臨床工学技士によるシーズ由来の医療機器開発
3 医療ヘルスケア産業における臨床工学技士の役割
 3.1 Value Propositionと臨床工学技士
 3.2 医療ヘルスケア産業における臨床工学技士の役割
 3.3 最後に

【各論】
第1章 BIA体組成評価装置
1 メタボリックシンドローム診断における内臓脂肪型肥満スクリーニングの意義
2 健康情報としての「体組成評価」の有用性
3 体組成評価法の変遷と各方法の特徴,有効な利用法について
 3.1 古くから実施されている体組成評価法
 3.2 DXA:Dual energy X-ray Absorptiometryによる体組成分析
 3.3 4C(4-Compartment-model)法
 3.4 簡便で客観的な測定:BIAによる体組成評価
 3.5 BIAの問題点と精度について
 3.6 BIA体組成計の測定をできるだけ正確に実施するために
4 近年のBIA研究:加齢や鍛錬によって変化する筋肉の「質」を評価

第2章 心臓血管関連医療機器
1 医工連携のスピリッツ
2 心臓血管関連医療機器に価値を提供する高分子化学
3 人工心肺とコーティング
4 ポリ2メトキシエチルアクリレート(PMEA)
5 PMEAコーティング人工肺の有効性
6 他用途への展開
7 PMEAの抗血栓性メカニズム
8 血栓課題の克服に向けて
9 最後に

第3章 医療機器販売商社による医工連携の実践事例
1 はじめに
2 背景
 2.1 医療機器の商流と医療機器販売業の機能
 2.2 当社の目指す医工連携・医療機器開発
3 当社の開発事例より
 3.1 医師の手の代わりに器械器具を保持するカッツェⓇシリーズ
 3.2 心臓カテーテルの操作を安定化させるためのカテーテルホルダー
 3.3 女性医師の消化器内視鏡操作を補助するためのアタッチメント
4 これからの課題
5 まとめ

第4章 異業種から医療機器産業への参入
~骨を滑らずに穿孔出来る“オメガドリル”の開発~
1 医療機器産業へ参入の経緯
2 製品開発~パールリングの開発~
3 製品開発~オメガドリルの開発~
4 最後に

第5章 「新型コロナウイルス感染対策のための飛散防止シールドの開発」
1 はじめに
2 飛沫防護具の重要性
3 麻酔科医からの要望
4 発想からものづくり企業への相談
5 現場の反応と改良
6 他施設への納入
7 おわりに

第6章 医工連携による手術用デバイスおよびパワーアシストデバイスの開発
1 はじめに
2 手術用デバイス
 2.1 ハンドヘルド型ロボット鉗子
 2.2 接触状態判定が可能な心筋生検鉗子
3 パワーアシストデバイス
 3.1 空気圧ゴム人工筋を用いた歩行アシストスーツ
 3.2 ロボティック・トレーニングシステム
4 おわりに

第7章 CTガイド下針穿刺ロボットの開発
1 はじめに
2 針穿刺ロボットの開発
3 非臨床試験
4 臨床試験
5 おわりに

第8章 低侵襲マイクロニードルデバイスの開発
1 はじめに
2 μTASの作成方法
3 樹脂・金属フィルムハイブリッド型マイクロニードル
4 その他のμTAS
 4.1 血球整列機構と血球計数
 4.2 血球・血漿分離
 4.3 赤血球変形能検査のための疑似毛細血管
5 今後の展開

第9章 乳房専用PET装置の開発と今後の期待
1 乳がんの背景
2 国内外のPET装置開発の歴史
3 乳房専用PET装置の開発経緯
4 有用性と今後の期待
5 まとめ

第10章 人工骨材料への応用を目指した,バイオセラミックス中における生分解性高分子のIn-situ重合
1 はじめに
2 多孔性HAp(p-HAp)を用いたPLLA/HAp複合材料の作製と評価
3 多孔性二相性リン酸カルシウムセラミックスの構造制御
4 多孔質リン酸カルシウムセラミックスと生分解性高分子の複合化
5 結論

第11章 高齢化社会を支える情報技術
―最新の情報技術を利用した高齢者のための生活支援―
1 はじめに
2 スマクロプロジェクト
 2.1 システム概要
 2.2 課題点
3 プレサービス実証実験
 3.1 実証実験フォーメーション
 3.2 QoL評価手法について
 3.3 評価結果について
 3.4 アンケート結果からの考察
 3.5 サービス提供開始
4 次期基盤技術開発プロジェクト[Ⅰ]
 4.1 遠隔存在感伝達技術
 4.2 プロジェクションマッピングを用いた遠隔存在感伝達技術
5 次期基盤技術開発プロジェクト[Ⅱ]
 5.1 社会的背景
 5.2 高精細没入感メディアによる外出疑似体験システム
6 おわりに

第12章 生体吸収性スナップスルーステントとその微細加工技術開発
1 はじめに
2 スナップスルーステント構造の概要
3 ステントの試作
4 製作したスナップスルーステントの拡張力評価
5 ポリ乳酸チューブの微細加工技術開発
6 おわりに

第13章 中小規模病院の臨床工学技士が医工連携に関わった経験
―酸素ボンベ残時間計算タイマーの開発―
1 はじめに
2 開発のきっかけ
3 解決方法の整理と出口戦略
4 プロトタイプを臨床で使用,しかし使いにくい
5 敢えて機能を減らす勇気
6 臨床現場が求めるのはシンプルなデザイン
7 私達が目指したのは,安全行動を体験する機器
8 かんたんO2タイガー開発のきっかけ
9 ニーズからコンセプトへ
10 プロトタイプから製品化まで
11 量産スタートから販売まで

第14章 医工連携による咽頭冷却装置の開発
1 はじめに
2 低体温療法(体温管理療法)について
3 開発の経緯と臨床研究
4 治験
5 薬事承認
6 保険適用
7 臨床研究法について
8 まとめ