刊行にあたって
1ナノメーター(nm)とは10-7cm(1cmの1000万分の1)という非常に短い長さを表す単位で,身近な例を挙げると人間の毛髪の直径のほぼ6万分の1に相当する長さである。原子や分子の大きさを取り扱うときにはこの単位がしばしば用いられる。
微粒子のうち直径100mm以下のものをナノ粒子と呼ぶが,このように粒径が小さくなると,粒子の体積に対する表面積の比は急激に増大し,予期できない特性が出現するため,ナノ粒子単独あるいはその集合体,さらにはポリマー,セラミックス,金属などとの複合体を総称したナノマテリアルに21世紀の材料としての大きな期待が寄せられている。
本書はこのようなナノ粒子を含むナノマテリアルがどのようにして製造されるのか,それらはどのような構造と特性を持っているのか,また材料としてどのような応用分野があるのかの現状と将来展望をまとめたものである。
最近,ナノテクノロジー(Nano-technology)ということばが新聞・雑誌上にしばしば登場するので,今回出版されたこの本を手にされた方のほとんどは,本書の序章に紹介されている2000年1月のクリントンショックによって我が国に巻き起こされたナノテクノロジーフィーバーが本書出版の動機となったのではと思われるかもしれないが,事実はさにあらず,それに先立つ約1年半前の平成11年(1999)8月,社団法人未踏科学技術協会内に産声を上げたナノ粒子研究会の発足に源を発していることにまず触れておかねばならない。その詳細は序章における佐々木正氏(同協会理事,同研究会顧問)の記述に譲るが,それはまさにこの会の設立を強く主張された同氏の卓見によるものであった。
顧みると,ナノテクノロジーの世界で重要な分野を占めるナノマテリアルのうちのナノ粒子に関しては,今を去る約20年前に発足した科学技術庁の創造科学技術推進制度による課題第1号として,林主税氏(当時・日本真空技術?且ミ長,現・相談役,最高顧問,ナノ粒子研究会顧問)を代表者として昭和56年~61年(1981~1986)に実施された超微粒子プロジェクトが世界をリードするすぐれた成果を生んだことは国内外の専門家の何人も認めるところである。しかし,残念ながらその成果の実用化への門は開かれるに至らなかった。当時の日本にはそれを事業化する環境が未だ整っていなかったのである。
そのあとを受けて,ナノ粒子の製造,販売を推進したのは米国のベンチャー企業で,残念なことにナノ粒子の入手についてはこれらの企業に依存しなければならないのが我が国の現状である。一方,ナノ粒子に関する最近の成果として,その量子サイズ効果による超高機能や新物性の発現あるいは新物質の創製が相次ぎ,また溶融温度・焼成温度の大幅な低下,新合金の合成,光触媒の高効率化などの可能性といった新しい応用面も報告されて,単に学界のみにとどまらず産業界からも21世紀の材料としての熱い視線が注がれ,その応用展開は原料→材料→デバイスといった在来の産業構造が,それらの技術を融合した新しい産業分野の創成を含む21世紀に向けての産業構造に大きく転換していく可能性すら指摘されるに至った。
このような情勢のもとで,ナノ粒子・ナノマテリアルとその応用に関する研究開発の方向を探り,それを事業化に結びつけることを目的とした産官学交流の場として発足したのがナノ粒子研究会であった。筆者は非力を顧みず会長の重責を担うこととなったが,研究会発足後間もないある日,本書の出版計画について筆者を訪ねてこられたのが,?潟Vーエムシーの北村巌氏であった。
研究会が中心となってこの種の啓蒙書をゆくゆく出版したいという声は会の役員会にもあったものの,なにぶん発足間もなくのことで未だその余裕はなかったので,今回は有志で対応させていただくこととし,ナノマテリアルの異なる領域の代表的な学識経験者である目義雄・中條澄・新原皓一の3氏とともに下記の方針で編集作業を行い,各分野で実績を積んでおられる74名に及ぶ研究者・技術者に執筆をお願いするところまでこぎつけたのは平成12年(2000)6月であった。
何しろ本書に盛るべき内容は未完成の要素が高くて,かつ日進月歩の分野であり,しかも対象物質はポリマーからセラミックス・金属まで広範囲にわたるので,その構成には慎重な配慮を必要としたが,まず,全体を大きく3編に分けてナノ粒子,コンポジットおよび新しい応用展開とし,第1編ではナノ粒子作製のプロセシング・物性・機能を記述したあと製品の応用展開に関する各論を紹介することにした。続く第2編ではナノコンポジットにポリマー・セラミックス・半導体・金属といった物質系による差異がかなりあることを考慮して,各系別に分けて構造と機能,材料としての応用を記述するようにした。最後の第3編では近未来に新しい応用の展開が期待されるナノマテリアルに焦点を絞って,それぞれの分野の権威に現状と展望を執筆願うこととした。
クリントンショックによるナノテクノロジーフィーバーが急速な勢いで我が国に広がったのは上記の作業が終わるか終わらぬかの頃であった。フィーバーのきっかけは,平成12年(2000)7月,経済団体連合会から政府に出された「21世紀を拓くナノテクノロジー-ナノテクノロジーに関する経団連の考え方」と題する提言であった。それは,米国政府に劣らず,我が国もナノテクノロジーの振興に研究資金を投入せよと強く訴えるものであった。
これに応えて旧・科学技術庁(現・文部科学省)は現在の金属材料技術研究所と無機材質研究所を統合して平成13年(2001)4月に新たに独立行政法人として発足する物質・材料研究機構に設置される3研究所の1つをナノマテリアル研究所とする構想を固めていると報道されている。また,旧・通商産業省(現・経済産業省)も,同じく平成13年度から超微細構造制御機能創製技術体系の構築を図るため材料ナノテクノロジープログラムを発足させる計画とうかがっている。なおこのプログラムにはナノ粒子の合成と機能化やナノコーティング技術の開発が含まれている由である。
このような計画が産官学相呼応して着々と進行していけば,むこう5~10年後には,今手にしていただいている本書に記述されたナノマテリアルの内容は質・量ともに飛躍的に充実されることになろうし,またそうあってほしいと願う次第であるが,この時機に当たり本書が近未来における材料の技術革新の担い手となる産官学各界の科学技術者の入門書としての役を果たすことになれば編集者一同の喜びこれに過ぎるものはない。
終わりに本書の出版にあたって終始ご尽力をいただいた?潟Vーエムシー社出版部北村巌氏に対し,編集者一同に代わって厚く感謝する次第である。
平成13年3月 編集社を代表して 小泉 光惠
著者一覧
佐々木正 (株)国際基盤材料研究所 代表取締役社長
目 義雄 文部科学省 金属材料技術研究所 プロセス制御研究部 第三研究室 室長
北條純一 九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門 教授
奥山喜久夫 広島大学 工学部 教授
今野紀二郎 東京理科大学 工学部 工業化学科 教授
前田泰昭 大阪府立大学大学院 工学研究科 教授
水越克彰 大阪府立大学 工学部 機能物質科学科 共同研究員
増井敏行 大阪大学大学院 工学研究科 物質化学専攻 助手
足立吟也 大阪大学大学院 工学研究科 物質化学専攻 教授
田中正夫 大日本インキ化学工業?? IJプロジェクト プロジェクトリーダー
小田正明 真空冶金(株) NPD部長
土肥俊郎 埼玉大学 教育学部 教授
川又 肇 (社)電子情報技術産業協会 関西支部 事務局長
藤嶋 昭 東京大学大学院 工学系研究科 応用化学専攻 教授
春田正毅 経済産業省 産業技術研究所 大阪工業技術研究所 エネルギー・環境材料部 部長
芝崎靖雄 経済産業省 産業技術研究所 名古屋工業技術研究所 統括研究調査官
三浦則雄 九州大学 先端科学技術共同研究センター 教授
酒井 剛 九州大学大学院 総合理工学研究院 助手
関 建司 大阪ガス(株) 開発研究部 天然ガス吸着貯蔵プロジェクト プロジェクトリーダー
徳満勝久 大阪ガス(株) 開発研究部 エネルギー技術研究センター エネルギー変換・貯蔵輸送グループリーダー 副課長
藤田大介 文部科学省 金属材料技術研究所 極高真空場ステーション 清浄表面機能発現ユニット ユニットリーダー
田島右副 理化学研究所 レーザー反応工学研究室 研究員
武内一夫 理化学研究所 レーザー反応工学研究室 主任研究員
中條澄 K・C・リサーチ 代表
八百隆文 東北大学 金属材料研究所 教授
新原晧一 大阪大学 産業科学研究所 教授
井上明久 東北大学 金属材料研究所 教授
加藤 誠 (株)豊田中央研究所 機能高分子合成研究室
臼杵有光 (株)豊田中央研究所 機能高分子合成研究室 室長
安江健治 ユニチカ?? 中央研究所 所長
武田邦彦 芝浦工業大学 k工学部 材料工学科 教授
出口隆一 宇部興産(株) 化樹開発部 開発戦略グループ グループリーダー
宇加地孝志 JSR(株) 筑波研究所 次長
長谷川直樹 (株)豊田中央研究所 機能高分子合成研究室
岡 泰夫 東北大学 科学計測研究所 教授
長濱慎一 日亜化学工業(株) 第2部門 窒化物半導体研究所 係長
関野 徹 大阪大学 産業科学研究所 助教授
後藤 孝 東北大学 金属材料研究所 教授
山本孝夫 大阪大学大学院 工学研究科 原子力工学専攻 助教授
田中勝久 京都工芸繊維大学 工芸学部 物質工学科 助教授
春日敏宏 名古屋工業大学 工学部 材料工学科 助教授
若井史博 東京工業大学 応用セラミックス研究所 構造デザイン研究センター 教授
中山忠親 大阪大学 産業科学研究所 助手
山中昭司 広島大学 工学部 教授
古川博康 早稲田大学 理工学部 応用化学科 助手
黒田一幸 早稲田大学 理工学部 応用化学科 教授
松田厚範 大阪府立大学大学院 工学研究科 講師
忠永清治 大阪府立大学大学院 工学研究科 助教授
南 努 大阪府立大学大学院 工学研究科 教授
杉本 諭 東北大学大学院 工学研究科 材料物性学専攻 助教授
杉原 淳 湘南工科大学 工学部 マテリアル工学科 教授
木村 博 防衛大学校 システム工学群 機械工学科長 教授
新宮秀夫 京都大学大学院 エネルギー科学研究科 教授
河村能人 熊本大学 工学部 知能生産システム工学科 助教授
中嶋英雄 大阪大学 産業科学研究所 教授
東 健司 大阪府立大学大学院 工学研究科 物質系専攻 材料工学分野 材料プロセス学 担当教授
馬淵 守 経済産業省 産業技術研究所 名古屋工業技術研究所 材料プロセス部
機械材料研究室 室長
鴇田正雄 住友石炭鉱業(株) 新素材事業本部 焼結事業部 部長
齋藤弥八 三重大学 工学部 電子工学科 教授
柳田祥三 大阪大学大学院 工学研究科 物質・生命工学専攻 教授
北村隆之 大阪大学大学院 工学研究科 物質・生命工学専攻 助手
高梨弘毅 東北大学 金属材料研究所 教授
猪俣浩一郎 東北大学大学院 工学研究科 教授
松永 是 東京農工大学 工学部 生命工学科 教授
新垣篤史 東京農工大学大学院 工学研究科 生命工学専攻
横山士吉 総務省 通信総合研究所 関西先端研究センター 主任研究員
平尾一之 京都大学大学院 工学研究科 教授
淡野正信 経済産業省 産業技術研究所 シナジーマテリアル研究センター 環境浄化材料開発チーム チームリーダー
田中順三 文部科学省 無機材質技術研究所 総合研究官
佐藤公泰 文部科学省 無機材質技術研究所 CREST研究員
目次 + クリックで目次を表示
1.はじめに
2.ナノテクノロジーとは何か
3.ナノマテリアルの製造法について
4.ナノマテリアルの限りない応用
5.今後の問題
第1編 ナノ粒子編
第1章 ナノ粒子の製造・物性・機能
1.ナノ粒子の特徴と研究開発状況
1.1 はじめに
1.2 ナノ粒子の特徴
1.3 ナノ粒子の研究状況と課題
2.ナノ粒子の製造
2.1 はじめに
2.2 気相からの微粒子生成
2.3 液相からの微粒子生成
2.4 粒子のナノ複合化
2.5 まとめ
3.トピックス
3.1 ナノ粒子の粒径制御
3.1.1 はじめに
3.1.2 気相反応法によるナノ粒子の製造
3.1.3 液相反応法によるナノ粒子の生成
3.1.4 噴霧法によるナノ粒子の製造
3.2 逆ミセル反応場を利用する単分散性ナノ粒子の合成
3.2.1 はじめに
3.2.2 水反応場のサイズと状態
3.2.3 粒子の生成プロセス
3.2.4 粒子特性の制御
(1) 粒子サイズ制御
(2) 粒子形態および結晶形制御
3.3 超音波法によるナノ粒子の合成
3.3.1 はじめに
3.3.2 金属カルボニルを出発物質とする金属アモルファス粒子の調製
3.3.3 超音波還元法による金属ナノ材料の調製
3.3.4 その他
3.3.5 おわりに
第2章 ナノ粒子の応用展開
1.分散、コーティングのためのナノ粒子
1.1 光バリア
1.1.1. はじめに
1.1.2 可視光バリア
1.1.3 紫外光バリア
1.2 インクジェット材料
1.2.1 はじめに
1.2.2 顔料インクの課題と微粒子顔料の必要性
1.2.3 有機顔料の微粒子化
1.2.4 微粒子顔料の課題
1.2.5 顔料表面修飾技術としてのマイクロカプセル化
1.2.6 おわりに
1.3 ナノ粒子ペースト
1.3.1 はじめに
1.3.2 ナノ粒子による膜の性質
(1) 膜の概要
(2) 密着性と電気抵抗
1.3.3 ナノ粒子膜の応用
(1) フラットパネルディスプレー(FDP)リペア
(2) 低温硬化型導電性ナノ粒子ペースト
(3) 半導体の埋込み銅配線への応用
?@ 半導体配線形成法の概要
?A 成膜法
1.4 研磨用スラリー
1.4.1 はじめに -スラリーの進歩-
1.4.2 研磨のメカニズム
1.4.3 CMPスラリーの分類と方法
(1) シリカ(SiO2)スラリー
?@ ケイ酸ナトリウムNaSiO2(水ガラス)を原料とするシリカ粒子
?A 有機シリケートを原料とするシリカ粒子
?B 四塩化ケイ素SiCl4を原料とするシリカ粒子
(2) セリア(酸化セリウム)系スラリー(CeO2)
(3) アルミナ系スラリー(Al2O3)
1.4.4 研磨用スラリーの留意点
1.4.5 おわりに
1.5 情報・記録材料
1.5.1 磁気記録の進歩
1.5.2 磁気記録媒体の高性能化
(1) 高密度記録化
(2) 高S/N化
(3) 高走行信頼性と高耐久性
1.5.3 塗布型磁気記録媒体の構成と製造法
1.5.4 磁性粉の種類
(1) 磁性酸化鉄粉
(2) Co含有磁性酸化鉄粉
(3) メタル磁性粉
1.5.5 超微粒子磁性粉の課題と求められる特性
1.5.6 高密度記録媒体の動向
1.6 光触媒特性
1.6.1酸化チタン光触媒が活躍する
1.6.2 光触媒には2つの特性がある
1.6.3酸化チタン光触媒層の材料表面への固定
1.6.4 酸化チタンの一次原料をつくるには
1.6.5 光触媒の表面形状を工夫する
1.6.6 光触媒の機能を一段と発揮させるためのハイブリッド工夫
1.6.7 新しい光触媒の作り方
1.6.8 光触媒のこれから
2.高比表面積材料
2.1 触媒
2.1.1 はじめに
2.1.2 金属ナノ粒子触媒の調整法
2.1.3 粒子径の効果
2.1.4 担体の効果
2.1.5 接合構造の効果
2.1.6 おわりに
2.2 吸脱着材料
2.2.1 はじめに
2.2.2 セラミック建材の1970年代の問題点
2.2.3 アロフェンの同定作業
2.2.4 自律型調湿壁の開発と提案
2.2.5 調湿材料の開発指針の設定と現状
2.3 ガスセンサ
2.4 天然ガス貯蔵材料
2.4.1 はじめに
2.4.2 メタン吸着材としての必要条件
2.4.3 新規メタン吸着材である金属錯体
(1) はじめに
(2) 金属錯体の合成法と構造、特長
(3) 各種物性とメタン吸着性能
2.4.4 おわりに
2.5 リチウムイオン電池用負極材
2.5.1 はじめに
2.5.2 炭素の構造
2.5.3 リチウムイオン電池用炭素材料
3.量子効果の利用
3.1 金ナノドット(単電子素子)
3.1.1 はじめに
3.1.2 極微SETの原理
3.1.3 ナノ構造創製評価プロセス
(1) 創製・評価装置
(2) 清浄基板の準備
(3) マクロ電極の超精密蒸着
(4) STMナノ構造創製
3.1.4 おわりに
3.2 レジスト材料
3.2.1 はじめに
3.2.2 フラーレンを使ったレジスト材料
(1) 化学修飾したフラーレンを用いた電子線リソグラフィー用レジスト
(2) フラーレンとアジド化合物によるネガ型フォトレジスト
(3) フラーレン添加型フォトレジスト
(4) フラーレンを増感剤にしたフォトレジスト
3.2.3 おわりに
第2編 ナノコンポジット編
第1章 ナノコンポッジト材料の構造・機能
1.ポリマー系ナノコンポジット
1.1 ポリマー系ナノコンポジットの構造
1.2. ポリマー系ナノコンポジットの機能
2.半導体系ナノコンポジット
2.1 はじめに
2.2 自己組織化による量子ドットの形成
2.3 量子ドットによる新光物性
2.4 量子ドットレーザーへの応用
2.5 将来展望
3.セラミック系ナノコンポジット
3.1 はじめに
3.2 ナノ複合化コンセプト
4.金属系ナノコンポジット
第2章 ポリマー系ナノコンポジット材料の技術
1.ポリマー系ナノコンポジット材料の製造法、物性、応用、企業化状況
1.1 製造法
1.1.1 基本的原理
1.1.2 製造法の種類
1.1.3 層間挿入法の具体的方法
1.1.4 層間挿入法の改良
1.2 物性
1.3 応用
1.4 企業化状況
2.ポリマー系ナノコンポジット材料の物性・機能の向上
2.1 力学的機能の向上
2.2 熱的機能の向上
2.3 難燃機能の向上
2.3.1 はじめに
2.3.2 ナノコンポジット系難燃材料の調整
2.3.3 ナノコンポジット系難燃材料の特徴
2.3.4 おわりに
(補足) 凝集擬分相とそのナノコンポジットへの応用
(1) 凝集擬分相法の概要
(2) 凝集擬分相法による孔径制御
(3) 凝集擬分相法の応用
2.4 ガスバリアー性の向上
2.4.1 はじめに
2.4.2 粘土鉱物と有機材料のナノ複合化
2.4.3 ガスバリアー材料としての用途展開
(1) 食品包装用フィルム用途
(2) ガソリン透過防止用途
2.4.4 おわりに
2.5 コーティング膜機能の向上
2.5.1 はじめに
2.5.2 ナノコンポジット化の試み
2.5.3 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材の主な特徴
2.6 その他の機能の向上
2.6.1 はじめに
2.6.2 液晶クレイナノコンポジット
(1) 合成
(2) クレイの分散性
(3) 光散乱効果
(4) メモリ効果
(5) 電場でのメモリ性光スイッチング
(6) 液晶/クレイのぬれ性と電気光学特性の関係
2.6.3 クレイによるポリマーのモルフォロジー制御
2.6.4 おわりに
第3章 半導体系ナノコンポジット材料と技術
1.半導体系ナノコンポジット材料の製造法、物性、応用、企業化状況
1.1 はじめに
1.2 量子構造の形成
1.2.1 量子井戸構造の形成法
1.2.2 量子細線構造の形成法
(1) 微傾斜基板上での量子細線構造形成
(2) パターニングした基板上での選択成長による量子細線構造の作製
1.2.3 量子細線構造の形成法
1.3 量子ドット形成法
1.4 量子ドットの物性とデバイス応用
2.ナノコンポジットによる新機能付与
2.1スピンエレクトロニクス(半導体と磁性体の複合薄膜・希薄磁性半導体)
2.1.1 エレクトロニクスと電子スピン
2.1.2 スピントランジスター
2.1.3 スピン注入・輸送
2.1.4 半導体におけるスピン操作
2.1.5 希薄磁性半導体ナノ構造の作製
2.1.6 まとめ
2.2 短波長発光特性
2.2.1 はじめに
2.2.2 MOCVDによるGaN系材料のエピタキシー
2.2.3 InGaN-LED
2.2.4 InGan-LD
2.2.5 今後の展望
第4章 セラミックス系ナノコンポジット材料と技術
1.セラミックス系ナノコンポジット材料の製造法、物性、応用、企業化状況
1.1 セラミックス系ナノコンポジットの開発動向
(1) Si3N4/SiCナノ/ナノ複合材料
(2) 長繊維強化Sialon/Sicナノ複合材料
(3) ZrO2/Mo, Ce-TGP/Al2O3系双方向ナノ複合材料
(4) Si3N4/BNナノ複合材料
(5) Al2O3/Ni, MgO/Fe, ZrO2/Ni系ナノ複合材料
(6) MgO/BaTiO3, MgO/PZT系ナノ複合材料
1.2ナノから分子レベルの材料設計へ
(1) 界面組成傾斜ナノ複合材料
(2) モレキュラー/クラスタ-複合材料
1.3 セラミック系ナノコンポジット材料の将来展望
2.ナノコンポジットによる機能改善
2.1 力学的機能
2.2 熱電変換機能
2.3 磁気的機能
2.4 光学的機能
2.4.1 光機能材料としてのナノコンポジットの優位性
2.4.2 蛍光材料
2.4.3 非線形光学材料
2.4.4 その他の光機能ナノコンポジット
2.5 生体機能
2.5.1 はじめに
2.5.2 セラミック系生体活性複合材料の設計
2.5.3 生体活性セラミックスの機械的性質の改善策
3.ナノコンポジットによる新機能付与
3.1 ナノ/ナノ複合化による新機能
3.1.1 はじめに
3.1.2 ナノ/ナノ複合材料の組織安定性
3.1.3 微細結晶粒超塑性
3.2 IGC技術による新機能
3.2.1 はじめに
3.2.2 IGC技術によるナノ微粒子の作製法
3.3.3 IGC技術による新規な物理的・化学的特性の付与
3.3 インターカレーション技術による新機能
3.3.1 はじめに
3.3.2 層間無限膨潤
3.3.3 層間架橋ミクロポア多孔体
3.3.4 二次電池電極材料
3.3.5 超伝導材料
3.4 テンプレート技術による新機能
3.4.1 テンプレートと多孔体
3.4.2 メソ構造体の種類
3.4.3 形態制御
3.4.4 機能
3.5 ゾル-ゲル技術による新機能
3.5.1 はじめに
3.5.2 アルミナ系ナノ微結晶複合体薄膜の超親水性および超撥水性
3.5.3 チタニア系ナノ微結晶複合体薄膜の低温合成と光触媒作用
第5章 金属系ナノコンポジット材料と技術
1.金属系ナノコンポジット材料の製造、物性、応用、企業化状況
1.1 高比強度Al基合金
1.2 軟磁性Fe基合金
1.3 硬磁性Fe基合金
1.4 高強度・高弾性限・低ヤング率Zr基合金
2.ナノコンポジットによる機能改善
2.1 力学的機能
2.2 磁気的機能
2.2.1 はじめに
2.2.2金属-非金属ナノグラニュラーソフト磁性材料
2.2.3 ナノコンポジット磁石(交換スプリング磁石)
2.3熱電的機能
3.ナノコンポジットによる新機能付与
3.1 MA技術による新機能
3.1.1 MAナノ技術
3.1.2 バルクナノ結晶の超機能
3.2 くり返し圧延ナノ材料の新機能
3.3アモルファス合金結晶化による新機能
3.4ポーラス金属の製法と新機能
3.4.1 はじめに
3.4.2 ポーラス金属の作製方法
3.4.3 ロータス金属の機械的性質
3.4.4 ポーラス金属の機能的性質
3.5 燃焼合成による新機能
3.5.1 燃焼合成法の概要
3.5.2 今後の研究展開
3.6 放電プラズマ焼結(SPS)法による新機能
3.6.1 はじめに
3.6.2 SPS法の加工原理と特徴
3.6.3 SPS法によるナノアルミナ粉体の固化成形実験
3.6.4 SPS法による新機能
(1) Al-高Si系合金材料の超塑性と比強度向上
(2) 複合酸化物BaTiO3(チタン酸バリウム)系材料の高機能化
(3) ニッケルナノ材料の高比強度化
3.6.5 おわりに
第3編 ナノマテリアルの新しい応用
第1章 カーボンナノチューブ
1.はじめに
2.ナノチューブ電子デバイス
3.走査ブローブ顕微鏡用探針
4.カーボンナノチューブ電界放出電子源
5.水素貯蔵
第2章 新しい有機-無機センサー材料
1.有機-無機センサーの基本構想
2.導電原理および試料の調整
2.1 導電原理
2.2 試料の作製
2.3 電気的特性
2.4 機械的特性
3.課題と展望
第3章 次世代太陽光発電材料
1.色素増感太陽電池
1.1 色素増感太陽電池の発電原理
2.ナノマテリアルとしての多孔質nano-TiO2薄膜の作成と構造制御
2.1 nano-TiO2多孔質膜電極の作製法
2.2 nano-TiO2の結晶構造と電極特性
2.3 多孔質電極構造の制御
2.4 nano-TiO2多孔質電極の電子輸送特性
3.今後の展開
第4章 磁性グラニュラー構造薄膜
1.はじめに
2.巨大磁気抵抗効果
3.硬磁性
4.軟磁性
第5章 スピンエレクトロニクス
1.スピンエレクトロニクスとは
2.スピンエレクトロニクスを支える物理現象
3.新しい不揮発性メモリMRAM
4.夢を拓くスピンエレクトロニクス
第6章 バイオマグネット
1.はじめに
2.バクテリアの作るナノサイズ磁性粒子
3.磁性細菌粒子生成機構の解析
4.遺伝子組み換え機能性磁性細菌粒子の作製
5.磁性細菌粒子を利用した自動測定装置
6.磁気ビーズマイクロアレイ
7.おわりに
第7章 デンドリマー
第8章 フォトニクス材料
1.フォトニクス材料としてのナノマテリアル
2.ナノガラスとは
2.1 原子・分子レベルでの構造制御技術(1nm以下)
2.2 1~数10nmレベルでの超微粒子制御技術
(1) 完全アサーマルガラス
(2) 超高輝度発光ガラス
(3) 高機能フィルター用ガラス
2.3 数10nmレベル以上での高次構造制御技術
(1) 光波制御用ガラス
(2) 超高強度ガラス
2.4 三次元光回路材料技術
(1) 3次元光導波路
(2) 広域帯・高効率光増幅素子
(3) 高速光スイッチ・アイソレーター・サーキュレーター
(4) 大容量光メモリー用材料(超解像膜)
第9章 リモートセンシング
1.構造-機能融合セラミックへの期待
2.磁性ナノコンポジットによるリモートセンシング
3.合成プロセスと構造-機能特性
4.応力のリモートセンシング機能
5.磁性ナノコンポジットの将来応用
第10章 バイオミネラリゼーション
1.はじめに
2.バイオミネラリゼーションの特徴
3.バイオミティクスによる人工骨合成
4.自己組織化のメカニズム
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