刊行にあたって
有史以来,人類は身の安全を守るために天然素材を加工してきた。まず石,動物,植物の加工から始まり,金属,ガラス,セラミックスの加工,そして合成高分子の創出と加工に至った。石,土で住居を作り,外敵から身を守り,獣の皮,植物から作られた布で気候変動等の外部刺激から身を守ってきた。最近では,天然素材より加工性やデザインの自由度の高い合成高分子が人類の身の安全を守るために貢献してきた。しかし,天然素材に比較して,合成高分子は,このような長所を持つ一方で,耐久性が十分でないために如何に安定した特性が維持できるかという長寿命化の課題が新たに発生した。
一方では,人口の爆発的増大,化石燃料の枯渇,合成高分子による環境への影響により合成高分子の未来は必ずしも順風満帆ではなく,そのために如何に少量の資源で少量の素材を作り,繰り返し使用(リサイクル使用)するかが,「地球号」で生活する人類の宿命と言える。
また身のまわりの安全のために発明された合成高分子が,環境に悪影響を及ぼす場合が指摘され,今ほど安全性と環境保持の両立が求められている時代はなく,長期間使用可能で,かつリサイクル使用可能な,環境に配慮した合成高分子の研究開発が研究者の急務の課題となっている。
合成高分子の長寿命化特性として,構造材料としては光・熱等の外部環境変化に影響されない強度,外観,表面特性の維持,またはリサイクル使用に重要な加工時の安定性が必要である。
従来より,合成高分子の安定化に関する書籍が数多く出版されているが,本書は以下の点に留意してまとめ,特長を出した。
1)化学的安定性と物理的安定性
従来,高分子の安定性は化学的安定性についてのみ注目されてきた。しかし,安定性は化学的安定性と物理的安定性があり,前者は高分子の崩壊につながり不可逆な劣化であるのに対して,後者は化学的劣化でなく高分子の配列または分散状態の変化により特性が低下する可逆変化である。特にリサイクル性については,化学的安定性だけでなく,物理的安定性も非常に重要である。
2)安定剤の開発と高分子の化学構造の修飾
安定化手法も安定剤の開発だけでなく,高分子の化学構造の修飾による安定化も含め総合的に論じる必要がある。
3)各産業分野別の安定化技術
各産業分野での動向及び安定化の必要性,その実際を詳細に論じた,エンドユーザーに立脚した内容をめざした。
4)実際の配合での安定剤の作用効果
従来単純化された系での安定化理論が多いが,特に合成高分子ではそれ単独では存在し得なく,安定剤以外の多くの添加剤が存在している。そのためにたとえ素晴らしい安定剤が開発されたとしても,存在する他の添加剤または高分子の置換基の影響により,安定化効果がなくなったり,あるいは,逆に拮抗作用を示す場合がある。このような観点から,実際の配合での安定化が論じられるように工夫した。
5)安定剤の安全性とリサイクル性
以上の観点から,ただ単なる安定剤の紹介ではなく,合成高分子の長寿命化技術の集大成として,各分野でご研究の方々にご執筆いただいた。
本書が今日の合成高分子の難局を乗り切るために多少でもお役に立てばご幸甚である。
2000年12月12日 西原一
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普及版の刊行にあたって
本書は2001年に『高分子の長寿命化技術』として刊行されました。普及版の刊行にあたり,内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので,ご了承ください。
2006年4月 シーエムシー出版 編集部
著者一覧
(現)旭化成ケミカルズ(株) 技術戦略・新事業開発センター 技術部長
大澤善次郎 群馬大学 名誉教授;足利工業大学 総合研究センター 客員研究員
白井正充 大阪府立大学 大学院 工学研究科 応用化学分野 教授
児島史利 住友化学工業(株) 精密化学品研究所 化成品チーム 主席研究員
大手良之 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) プラスチック添加剤セグメント ビジネスライン ベースポリマー マネジャー
車田知之 マテリアルライフ学会 常任理事
春名徹 旭電化工業(株) 樹脂添加剤開発研究所 所長
斎藤拓 東京農工大学 工学部 有機材料化学科 助教授
市原祥次 東京農工大学 工学部 有機材料化学科 教授
(現)東京農工大学 大学院 ナノ未来材料研究拠点 高度人材育成部門 特任教授
堀家尚文 三洋化成工業(株) 機能樹脂研究部 部長
(現)三洋化成工業(株) 事業研究本部 本部長
秋山三郎 東京農工大学 工学部 有機材料化学科 教授
(現)東京農工大学 名誉教授;NPOナノ構造ポリマー研究協会 理事
大村博 日本油脂(株) 化成事業部 化成品第1営業部 グループリーダー
(現)日本油脂(株) 化成品研究所 所長
岩切常昭 三菱エンジニアリングプラスチックス(株) 技術センター 主任研究員
(現)三菱エンジニアリングプラスチックス(株) 経営企画室 部長
久保田和久 工学院大学 機械工学科 非常勤講師
押田孝博 エー・アンド・エム スチレン(株) 研究開発部 R&D部長
(現)リスパック(株) 生産本部 チームリーダー
稲田仁志 (株)トクヤマ 徳山総合研究所 樹脂グループリーダー
(現)丸菱油化工業(株) 研究部 主席研究員
松本良文 (株)トクヤマ 徳山総合研究所 主席
(現)(株)トクヤマ 開発推進本部 部長
藤山光美 (株)トクヤマ 徳山総合研究所 主席
(現)藤山ポリマーリサーチ 所長
岩崎和男 岩崎技術士事務所 所長
佐々木慎介 大洋塩ビ(株) 品質保証室長
(現)大洋塩ビ(株) 管理部 管理部長付部長
榎本真久 大洋塩ビ(株) 四日市研究所
(現)大洋塩ビ(株) 四日市工場 技術サービスグループ 主任研究員
栗山卓 山形大学 大学院 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー 教授
西沢仁 西沢技術研究所 代表;芝浦工業大学 客員研究員
石川弘昭 旭化成工業(株) 川崎支社 家電OA材料技術部
(現)岡山ブタジエン(株) 常務取締役
大西章義 三菱化学(株) 四日市事業所 技術開発センター 大西特別研究室 室長 リサーチフェロー
大石不二夫 神奈川大学 理学部 化学科;大学院 理学研究科 教授
松岡康子 (株)住化分析センター 大阪事業所 サブリーダー
中内秀雄 技術コンサルタント;東京工業大学 非常勤講師
村田則夫 NTTアドバンステクノロジ(株) 技術アドバイザ
濱野信之 日野自動車(株) 製品開発部 主査
田中誠 フクビ化学工業(株) 常務取締役 生産本部 本部長 本社工場長
田中丈之 (有)かきとう
(現)(株)エー・アンド・デイ 営業本部販売促進部 担当部長;(有)かきとう 専務
草川紀久 高分子環境情報研究所 代表
伊澤槇一 工学院大学 機械工学科 講師;上海交通大学 客員教授
(現)東京工業大学 大学院 特任教授
(執筆者の所属は,注記以外は2001年当時のものです。)
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1. はじめに
2. 高分子の構造と化学的安定性
2.1 熱分解パターン
2.1.1 ランダム分解
2.1.2 解重合
2.1.3 側鎖の反応と橋かけ・炭化
2.2 熱安定性
3. 高分子の構造修飾による化学的安定化技術
4. 高分子の安定剤による化学的安定化技術
4.1 高分子安定剤
4.2 安定剤の添加効率の向上
5. 高分子の物理的安定性
5.1 PC系アロイ
5.2 オレフィン系アロイ
6. 高分子材料の長寿命化と成形加工技術
6.1 高粘度高分子の加工法
6.2 炭酸ガスを利用した加工法
6.3 加工時の粘度制御による傾斜構造材料
6.3.1 PPEとポリエチレン(PE)アロイの射出成型品中における相反転特殊傾斜構造による高強度化,良流動化:PPEとPEの粘度差の制御
6.3.2 PC/ABSの各成分の粘度制御における相構造制御による高強度化
6.3.3 PC/ABSの各成分の粘度制御における傾斜構造形成
7. 高分子材料の長寿命化とリサイクル
7.1 PCのリサイクル性の向上
7.2 相溶化剤のリサイクルへの応用
第2章 化学的安定化の理論と実際
1. 高分子の化学的劣化と安定化機構
1.1 はじめに
1.2 劣化機構
1.2.1 高分子反応における劣化反応の位置付け
1.2.2 高分子の劣化反応の特徴
1.3 主な要因による劣化
1.3.1 熱劣化
1.3.2 光劣化
1.3.3 金属化合物の影響
1.3.4 放射線劣化
1.3.5 微生物劣化
1.4 安定化機構
2. 高分子構造修飾(不飽和結合・末端修飾・配列)
2.1 はじめに
2.2 不飽和基・末端基修飾
2.3 配列・立体配置制御
2.3.1 ポリメタクリル酸エステルとその誘導体
2.3.2 ポリプロピレン
2.4 おわりに
3. 酸化防止剤
3.1 はじめに
3.2 高分子の劣化と酸化防止剤
3.3 耐熱加工安定剤
3.3.1 熱劣化
3.3.2 作用機構
3.4 一次酸化防止剤
3.4.1 作用機構
3.4.2 フェノール系酸化防止剤
3.4.3 耐黄変性
3.4.4 アミン系酸化防止剤
3.5 二次酸化防止剤
3.5.1 作用機構
3.5.2 イオウ系酸化防止剤
3.5.3 リン系酸化防止剤
3.6 おわりに
4. 紫外線吸収剤(UVA)
4.1 はじめに
4.2 添加剤の歴史とその中のUVA
4.3 樹脂の熱劣化と光劣化
4.4 紫外線と熱可塑性樹脂
4.5 UVAの種類
4.6 UVAの作用機構
4.7 UVAのUV吸収spectra
4.8 UVAのUV吸収能力と厚みの関係
4.9 UVAの使用例
4.10 UVAの使用上の注意
4.11 UVAの今後と新しい用途展開について
5. 光安定剤
5.1 はじめに
5.2 HALSの歴史
5.3 HALSメカニズム
5.4 HALSの特性と使い方
5.4.1 HALSの特性
5.4.2 HALSの評価法
5.4.3 HALSの相乗作用
5.4.4 HALSの拮抗作用
5.5 市販品HALS
5.6 最近の動向
5.7 おわりに
6. 安定剤の相乗作用と拮抗作用
6.1 はじめに
6.2 相乗作用と拮抗作用
6.3 加工時の安定化における相乗作用,拮抗作用
6.3.1 加工時における安定剤の効果
6.3.2 リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の相乗効果
6.3.3 酸化防止剤の消費挙動
6.4 熱酸化劣化における相乗作用,拮抗作用
6.5 耐熱性における安定剤とフィラーとの相互作用
6.6 耐候性における相乗作用,拮抗作用
6.6.1 紫外線吸収剤とHALSの効果と相互作用
6.6.2 HALSとフェノール系酸化防止剤の相互作用
6.6.3 HALSとリン系酸化防止剤の相乗効果
6.6.4 HALSとS系酸化防止剤の拮抗作用
6.6.5 フィラー・顔料配合系でのHALSの効果
6.6.6 顔料とHALSの相互作用
6.6.7 HALS/フィラー/顔料の相互作用
6.7 おわりに
第3章 物理的安定化の理論と実際
1. 高分子の物理的劣化と安定化機構
1.1 はじめに
1.2 非晶性高分子の物理的劣化
1.2.1 高分子ガラスのphysical aging
1.2.2 physical agingの速度論
1.2.3 physical agingの抑制
1.3 ポリマーブレンドの物理的劣化
1.3.1 ポリマーブレンドの相挙動
1.3.2 スピノーダル分解による相互連結構造の形成
1.3.3 結晶化と熱硬化による相構造の安定化
2. 分散剤(堀家尚文)
2.1 はじめに
2.2 樹脂用分散剤の作用機構
2.3 樹脂用分散剤の化学構造
2.4 分散剤の役割と種類
2.4.1 ポリマー変性によるフィラー複合材料
2.4.2 マトリックス樹脂の改質によるフィラー複合材料
2.4.3 フィラーの改質による複合材料
2.4.4 変性オリゴマーによるフィラー複合材料
2.4.5 高分子型帯電防止剤の分散
3. 相溶化剤~定義と役割~
3.1 はじめに
3.2 コンパティビライザーの由来と定義
4. 補強剤
4.1 はじめに
4.2 グラフト,ブロックポリマーによる相溶化の概念
4.3 市販の相溶化および改質剤
4.4 プラスチックリサイクルにおける相溶化
4.4.1 相溶化剤の構造と相溶化
4.4.2 相溶化剤の反応性と相溶化
4.5 おわりに
5. 傾斜構造
5.1 はじめに
5.2 成形加工による相反転特殊傾斜構造
5.3 結晶性傾斜構造
5.4 ポリマーブレンド傾斜構造
5.5 モノマーの重合・拡散による傾斜構造
5.6 空洞含有傾斜構造
5.7 コンポジット傾斜構造
5.8 おわりに
第4章 高分子材料の長寿命化と成形加工
1. はじめに
2. 成形加工と圧力および温度との関係
3. CAE,成形加工に関するシミュレーションおよび可視化などの研究
第5章 高分子材料の長寿命化事例
1. スチレン系樹脂
1.1 ポリスチレンの分解機構
1.2 ポリスチレンの熱安定化と構造変化
1.3 熱酸化に及ぼすポリスチレン構造の影響
1.3.1 結晶化度の影響
1.3.2 タクティシティーの影響
1.3.3 分子量と分子量分布の影響
1.3.4 分岐構造の影響
1.4 配合剤によるポリスチレンの耐久性改良(長寿命化)
1.4.1 熱劣化防止用配合剤
1.4.2 耐候性改良用配合剤
2. ポリオレフィン
2.1 はじめに
2.2 耐熱安定性
2.2.1 酸化防止剤の種類
2.2.2 成形時での対応
2.2.3 製品としての対応
2.2.4 銅害防止性
2.2.5 寿命予測
2.3 耐候性
2.3.1 紫外線劣化機構
2.3.2 耐候剤
2.3.3 難燃剤との併用
2.3.4 耐候性と難燃性の両立(解決法)
2.4 耐放射線性
2.5 力学的耐久性
2.5.1 耐クリープ性
2.5.2 耐疲労性
2.5.3 耐折り曲げ性
2.6 おわりに
3. ポリウレタン
3.1 はじめに
3.2 ポリウレタンの長寿命化の考え方
3.2.1 基本的な考え方
3.2.2 ポリマーの改質
3.2.3 気泡構造の改質
3.3 硬質ポリウレタンフォームの長寿命化
3.3.1 ポリイソシアヌレート化による耐熱性,耐炎性の改善
3.3.2 ポリイソシアヌレート化による機械的強度の保持性改善
3.3.3 気泡構造の改質による断熱性の改善
3.4 軟質ポリウレタンフォームの長寿命化
3.4.1 酸化防止剤の活用
3.4.2 ポリオールの種類の影響
3.4.3 後処理含浸方による難燃性の付与
3.4.4 自動車クッション材の耐久性改善例
3.5 ポリウレタンエラストマーの長寿命化
3.6 おわりに
4. PVC
4.1 はじめに
4.2 塩ビ樹脂の製造と加工
4.3 PVCの特長及び用途・製品
4.4 塩ビの耐用年数
4.5 新規用途開発-住宅用外装材(サイディング)
4.6 リサイクルへの取り組み
5. 硬質ポリ塩化ビニル管
5.1 はじめに
5.2 長期耐久性保証に関する評価技術の動向
5.3 塩ビ管の長期耐久性事例
5.3.1 残存粒子構造によるKicへの影響
5.3.2 材料設計からの塩ビ管の高K1c化技術の事例
6. ゴム・エラストマー
6.1 まえがき
6.2 ゴム・エラストマー製品の長寿命化に要求される性能とゴム・エラストマー材料の対応策
6.2.1 ゴム・エラストマー製品の長寿命化に要求される性能
6.2.2 長寿命化のための劣化対策
7. ポリカーボネート
7.1 はじめに
7.2 耐候性
7.2.1 劣化挙動
7.2.2 耐候性の長寿命安定化
7.3 熱安定性
7.3.1 劣化挙動
7.3.2 熱安定性の長寿命安定化
7.4 おわりに
8. 変性ポリフェニレンエーテル
8.1 はじめに
8.2 m-PPEの構成成分
8.3 PPE成分の安定化
8.4 PS成分の安定化
8.5 難燃剤成分の安定化
8.5.1 m-PPEの難燃化
8.5.2 m-PPE長寿命化のためのリン系難燃剤の高性能化
8.6 おわりに
第6章 高分子材料の長寿命化評価技術
1. 耐熱性評価法
1.1 序
1.1.1 高分子を長寿命化する意義
1.1.2 高分子の寿命は酸化が支配
1.1.3 耐熱性という言葉の意味
1.2 耐熱性評価
1.2.1 必要基礎知識
1.2.2 耐熱性評価の実務
1.3 おわりに
2. 耐候性評価法
2.1 耐候性評価とは
2.1.1 劣化解析-耐久性評価-寿命予測の定義
2.1.2 高分子材料の耐候性評価の原点
2.1.3 耐候性の研究の進めかた
2.2 耐候性評価法のポイント
2.2.1 劣化解析-ウェザリングの解明-の急所
2.2.2 耐候性評価の急所
2.2.3 寿命予測の急所
2.2.4 耐候性に関する寿命予測法の研究例
2.2.5 高分子材料の劣化解析-耐久性評価-寿命予測の研究のステップ
2.3 プラスチックの耐候性試験方法の規格
2.4 耐候性の評価方法
2.5 当研究室における高分子劣化の新解析手法の試み
2.5.1 サーモメカノケミルミネッセンス(TMCL)(TMOL)
2.5.2 相関法光音響分析法(PAS)
2.5.3 劣化断面解析法(SAICAS)
2.5.4 深度化熱分析(ATA)
2.5.5 剪断強度特性評価法(超音波モーター式ねじり装置)
2.5.6 急速促進劣化法(プラズマ照射法)
3. 安定剤分析法(松岡康子)
3.1 はじめに
3.2 高分子材料中の安定剤の定性・定量
3.2.1 高分子材料からの安定剤の分離法(前処理法)
3.2.2 安定剤の定性法
3.2.3 安定剤の定量法
3.2.4 分取精製-構造解析
3.2.5 その他の定性法
4. 高分子劣化の物理化学的評価法
4.1 まえがき
4.2 ゴム/樹脂/金属の特徴の違い
4.3 劣化現象の基本的考え方
4.4 ミクロなアプローチ手法について
4.5 モデル老化品の解析
4.5.1 熱老化品の解析
4.5.2 自然老化品の解析
4.6 実使用製品の解析
4.6.1 自動車用ダンパーの解析
4.6.2 100年使用鉄道用防振パットの解析
4.7 まとめ
第7章 各産業分野での高分子長寿命化
1. 電線,ケーブル
1.1 まえがき
1.2 電線,ケーブル用高分子材料の劣化形態と長寿命化のための対策
1.2.1 熱酸化劣化からみた長寿命化
1.2.2 電気絶縁性能からみた長寿命化
2. 光通信
2.1 はじめに
2.2 光デバイス組立用接着剤
2.2.1 UV接着剤の耐久接着性向上
2.2.2 光学的接着結合部の耐久信頼性
2.2.3 高耐久性UV接着剤の適用
2.3 光ファイバ接続部用接着剤
2.3.1 光ファイバ接続部の補強と防湿
2.3.2 熱溶融接着剤の耐湿性向上と保存安定性
2.4 おわりに
3. 自動車
3.1 はじめに
3.2 自動車への高分子材料の応用
3.2.1 樹脂材料
3.2.2 ゴム材料
3.2.3 塗料
3.3 車両用高分子材料の要求特性
3.4 自動車部品の長寿命化
3.5 まとめ
4. 建築材料
4.1 はじめに
4.2 内装建材
4.3 外装用建材
5. 塗料
5.1 はじめに
5.2 塗膜の構造と機能
5.3 塗膜の使用環境と劣化の発生
5.4 各種塗膜の耐候性
5.5 おわりに
第8章 安定剤の環境への影響
1. はじめに
2. 添加剤の種類と機能
2.1 安定剤の種類と機能
2.2 改質剤の種類と機能
2.3 加工助剤の種類と機能
3. 添加剤の環境への影響
3.1 酸化防止剤
3.2 塩ビ用安定剤
3.3 可塑剤
3.4 難燃剤
3.5 充填剤
3.6 静電防止剤
3.7 着色剤
3.8 発泡剤
3.9 滑剤
4. おわりに
第9章 高分子材料の長寿命化とリサイクル
1. はじめに
2. 長寿命化で省資源に寄与する5つのR
3. 高分子ABC技術で材料の高性能化・高機能化を図る(第二次省資源)
3.1 スチレン系ポリマーの改質
3.2 オレフィン系ポリマーのポリマーアロイ化
4. 高機能化と成形加工活用による材料の減量と長寿命化
4.1 安定性の向上
4.2 成形加工技術
5. 1度プラスチックとして使用した後でエネルギーとして使用
5.1 ゴミ発電の充実
5.2 セメントキルンへの投入
5.3 鉄鋼業界での廃プラスチック再資源化への取り組み
6. 実際にリサイクルする場合の注意事項
7. 今後の展望
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