刊行にあたって
本書は、まず第一に、各種加工に用いられるそれぞれのレーザ発振器の概要とレーザ加工の実際を中心にまとめた。第二に、できるだけ多くの分野におけるレーザ利用の現状を浮き彫りにするため、応用中心に掘り下げた。第三に、レーザを用いた材料創製を行う際に、重要と考えられるメンテナンス技術および計測技術をも取り上げた。
著者一覧
永井治彦 三菱電機(株) 中央研究所 ビーム物理研究部 (現・先端技術総合研究所 生産システム本部)
末永直行 (株)東芝 電子応用装置部
橋浦雅義 (株)日立製作所 国分工場 (現・電気システム事業部 環境管理センター)
川崎昌博 北海道大学 応用電気研究所 (現・京都大学大学院 工学部 分子工学科)
平本誠剛 三菱電機(株) 生産技術研究所 加工技術部 (現・技術研究所 企画グループ)
松縄 朗 大阪大学 溶接工学研究所 (現・接合科学研究所)
奥富 衛 電子技術総合研究所 光技術部 光機能研究室
田畑 仁 川崎重工業(株) 技術研究所(現・大阪大学 産業科学研究所)
川合知二 大阪大学 産業科学研究所
林 成行 東北大学 金属材料研究所(現・山形大学 工学部 共通講座)
矢部 明 化学技術研究所 精密化学部 反応場設計課(現・物質工学技術研究所 COE特別研究室)
末永徳博 日本赤外線工業(株) 代表取締役
金岡 優 三菱電機(株) 名古屋製作所 レーザ製造部
数藤和義 宮地レーザシステム(株) 技術部 開発課
鈴木正根 富士写真光機(株) 工学研究室
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1 はじめに
2 レーザ光の発生方法
3 レーザ光の種類
4 レーザ発振器の構造
4.1 CO2レーザ発振器
4.2 YAGレーザ発振器
5 レーザ加工の種類
6 レーザ熱加工の原理および特長
7 レーザ光化学加工
8 レーザ加工用光学系
9 モードパターンおよびスポットサイズ
10 レーザ関連の基本測定
11 レーザ加工の使われている分野
第2章 加工用レーザ発振器
1 CO2レーザ
1.1 はじめに
1.2 エネルギー準位
1.3 発振器の形式
1.3.1 基本構造
1.3.2 高速ガス循環方式
1.4 放電励起
1.4.1 放電方式
1.4.2 混合ガス
1.4.3 電源回路
1.5 共振器とモード
1.5.1 安定形共振器
1.5.2 不安定形共振器
1.5.3 偏光
1.6 出力形態
2 固体レーザ(YAGレーザ,アレキサンドライトレーザ)
2.1 はじめに
2.2 固体レーザの種類
2.3 固体レーザの構造と特性
2.3.1 YAGレーザの構造と特性
2.3.2 アレキサンドライトレーザの構造と特性
2.3.3 大出力YAGレーザの構造と特性
第3章 高エネルギービーム加工
1 レーザによる材料の表面改質技術
1.1 レーザによる表面改質技術の特徴
1.2 レーザによる表面改質の分類
1.3 レーザ加工の基礎現象
1.4 レーザ照射条件
1.5 表面改質用レーザビーム照射法
1.6 表面反射防止法
1.7 付加加工材の供給方法
1.8 加工事例
1.8.1 表面焼入れ
1.8.2 付加加工
1.8.3 その他事例
1.9 おわりに
2 有機金属化合物のレーザ光分解
2.1 有機金属化合物とCVD
2.2 有機金属化合物の光分解
2.3 有機金属化合物の多光子分解
2.4 有機金属化合物の基板上でのレーザ光分解
3 溶接 平本誠剛
3.1 溶接機構の特徴
3.2 溶け込みに及ぼす溶接パラメータの影響
3.3 プラズマの抑制
3.4 継手条件
3.5 ルートポロシティー
3.6 応用例
4 レーザ加熱蒸発による超微粒子の製造
4.1 はじめに
4.2 熱源としてのレーザビームの特徴
4.3 レーザ照射時の蒸発現象
4.4 レーザ加熱蒸発法における超微粒子生成過程
4.5 レーザ加熱蒸発法による超微粒子生成の特徴
4.6 おわりに
5 レーザによるセラミックスの合成
5.1 はじめに
5.2 レーザ焼結法による高強度,高靱性,耐熱性セラミックスの合成
5.2.1 PSZ‐HfO2系
5.2.2 非熱平衡状態下におけるAl2O3-WO3系の合成
5.2.3 球状セラミック粒子の作製
5.3 超電導性酸化物セラミックスの表面改質と超電導特性
5.3.1 酸化物超電導体における通電電流分布
5.3.2 酸化物超電導体の表面再結晶化
5.3.3 特性評価
5.3.4 特異現象
5.4 おわりに
6 レーザデポジション法による酸化物高温超伝導薄膜の形成
6.1 はじめに
6.2 レーザ法による薄膜形成の原理,方法,装置
6.3 他の成膜法との比較
6.4 膜形成プロセスによる分類と実例
6.4.1 ポストアニール法(Post-annealing method)
6.4.2 アスデポジション法(As-deposition method)
6.4.3 積み上げ法(Successive deposition method)
6.5 今後の展望
7 レーザによる単結晶の育成
7.1 はじめに
7.2 結晶育成装置・育成法
7.3 試料径,溶融帯の長さ・形状
7.4 種々の単結晶
7.4.1 揮発性物質
7.4.2 分解溶融する物質
7.4.3 ファセットをもつ物質
7.4.4 金属性物質(CoとFe)
7.4.5 その他の物質
7.5 おわりに
第4章 レーザ化学加工・生物加工
1 レーザ光化学反応による有機合成
1.1 はじめに
1.2 レーザ光化学反応の基礎
1.3 赤外レーザによる有機合成
1.3.1 パルス熱分解反応
1.3.2 選択的熱反応
1.4 紫外レーザによる有機合成
1.4.1 光誘起連鎖反応
1.4.2 光触媒反応
1.4.3 光重合反応(ポリマー合成)
1.4.4 波長依存性光反応
1.4.5 低温光反応
1.4.6 レーザ特異的反応
1.4.7 新たなレーザ化学の手法
1.5 今後の課題
2 レーザの医療応用の概要
2.1 はじめに
2.2 レーザメスのしくみ
2.2.1 CO2レーザメス
2.2.2 CO2レーザ光と生体作用
2.2.3 CO2レーザメスの応用
2.3 Nd-YAGレーザコアギュレーター
2.3.1 Nd-YAGレーザ光の生体作用
2.3.2 Nd-YAGレーザコアギュレーターの応用
2.3.3 レーザによる光線力学的治療
2.4 その他のレーザ治療器
2.4.1 フラッシュダイレーザによる赤アザの治療
2.4.2 レーザ血管形成術
2.5 ソフトレーザによる疼痛の治療
2.5.1 ソフトレーザの種類
2.5.2 ソフトレーザの禁忌事項
2.5.3 レーザサーミア
第5章 レーザ加工周辺技術
1 CO2レーザのメンテナンス技術
1.1 はじめに
1.2 切断品質に影響を及ぼす要因
1.2.1 機械精度
1.2.2 ビーム品質
1.2.3 出力安定度
1.2.4 光学部品
1.2.5 加工条件
1.3 おわりに
2 YAGレーザのメンテナンス技術
2.1 YAG(イットリウム,アルミニウム,ガーネット)レーザ
2.2 ユーザーメンテナンスとメーカーメンテナンスの区分けとその方法
2.2.1 ユーザメンテナンス
2.2.2 メーカーメンテナンス
2.3 加工ソフトとメンテナンス
2.4 おわりに
3 ホログラフィーによる三次元変形測定
3.1 はじめに
3.2 ホログラフィーの原理および測定手法
3.2.1 原理
3.2.2 測定手法
3.3 ホログラフィー千渉計測装置
3.4 測定事例
3.4.1 形状測定例
3.4.2 変位測定例
3.4.3 振動測定例
3.5 おわりに
第6章 レーザ加工の将来
1 はじめに
2 レーザ発振器の発展
3 レーザ加工技術の進歩
4 加工装置の性能向上
5 新しい加工分野への進出
6 おわりに
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