キーワード:
防汚 / 防曇 / コーティング / 表面処理 / 撥水性 / 撥油性 / 親水性 / 超撥水性 / 超親水性 / ぬれ / 接触角 / 結露 / 光触媒 / 微小水滴 / フッ素化合物 / 脂肪酸エステル / 船舶 / UV硬化 / バイオミメティクス / ガラス / 抗菌 / タイル / 防曇フィルム / プラズマ照射 / 鏡 / 指紋付着防止 / 自動車部材 / 自動車用ウィンドウ / 透明ヒータフィルム / 性能評価 / 持続性 / ヘーズ(曇り度) / セルフクリーニング / 美観維持
刊行にあたって
材料の表面に汚れが付着して美観を損なったり,曇りを生じて透明性が悪くなることにより,使用上,不都合をきたす製品は様々な分野,場所,状況が想定され,その発生防止のための機能性コーティング加工方法や,要求される機能も多様である。
本来は防汚,防曇性を持つ新規材料の開発が求められるが,まずはその表面改質での曇り止め加工の検討が費用的にも,開発期間としても有効である。
防汚については超撥水,撥油での汚れ成分のハジキ,超親水での濡れと浸透と洗浄による脱落が必要であり,水滴での曇りに対しては疎水性の材料に対しては親水化表面処理が有効であり,加工後の防曇性,屈折率変化,形成皮膜の均一性,膜厚,硬度,水膨潤性,材料への密着性,温度依存性,汚れ付着性について詳細な評価が必要である。防汚性を発揮するには水滴,汚れ成分の付着による曇りを防止することが重要で,その防汚性,防曇性の維持には超親水化コーティングと防汚コーティング加工が必要である。この開発については通常の美観維持のための塗装分野から衛生加工,遺跡保存,情報通信分野での用途へと新規な市場展開が検討されてきている。
基礎理論的な内容としては第1章にて防汚・防曇のメカニズムについて解説し,各種材料の表面への汚れの付着や曇りの発生する要因と視認性への影響について説明する。
第2章ではコーティングによる汚れ防止と曇り対策としての加工方法について解説して,表面への超親水化加工技術について紹介する。超撥水,親水化での表面基板材料への濡れについて説明し,種々の防曇性発揮技術について紹介する。特に防汚加工として耐水性,撥水・撥油化,親水化加工方法についても合わせて紹介する。
第3章では表面処理にバイオミメティック(生体模倣)技術を用いた防汚・防曇技術を紹介して,ナノサイズでの機能性薄膜加工について紹介し,日常生活に寄与する各種材料への加工事例について説明する。合成樹脂,ガラス,セラミック,金属等の素材に防汚,防曇技術を付与し,耐指紋性についても合わせて紹介する。
第4章では急速な技術開発が進展している自動車関連分野への展開について紹介し,第5章ではその防曇性,防汚性の性能評価について記載し,具体的な評価方法について解説する。第6章では防曇加工の現状と課題について説明してその具体的な解決方法についても記載する。
(「はじめに」より抜粋)
南保技術研究所
南保幸男
著者一覧
酒井英樹 大阪市立大学
酒井宗寿 茨城大学
中島 章 東京工業大学
小栗和也 東海大学
伊藤隆彦 ㈱フロロテクノロジー
吉田絵里 豊橋技術科学大学
吉田育弘 三菱電機㈱
山口央基 ダイキン工業㈱
神谷宗一郎 理研ビタミン㈱
原田祥太郎 中国塗料㈱
岸本克巳 ㈱トレードサービス
池田順一 共栄社化学㈱
椛島真一郎 ライオン㈱
穂積 篤 (国研)産業技術総合研究所
井須紀文 ㈱LIXIL
富山宗一郎 日本ペイントマリン㈱
木下 理 東洋紡㈱
大久保雅章 大阪府立大学
藤間卓也 東京都市大学
伊藤 匠 東京都市大学
齋藤瑞輝 東京都市大学
野口大輔 都城工業高等専門学校
濱口滋生 セントラル硝子㈱
石井大佑 名古屋工業大学
高松 敦 セントラル硝子㈱
緒方四郎 サスティナブル・テクノロジー㈱
朝田泰広 大成ファインケミカル㈱
小川隼人 大成ファインケミカル㈱
中澤綾香 シライ電子工業㈱
平野大輔 協和界面科学㈱
福山紅陽 FIA
永江勇二 ビックケミー・ジャパン㈱
若原章博 ビックケミー・ジャパン㈱
田淵 穣 DIC㈱
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1 防汚技術の基となるぬれ・接触角・表面自由エネルギー
1.1 はじめに
1.2 表面の持つエネルギーとは
1.3 熱力学的定義
1.4 接触角とヤングの式とラプラスの式
1.5 ぬれの式
1.5.1 付着ぬれ
1.5.2 拡張ぬれ
1.5.3 浸漬ぬれ
1.6 界面張力の式
1.6.1 フォークス(Fowkes)の式
1.6.2 拡張フォークスの式
1.6.3 バナス(von Oss)らの酸・塩基の式
2 防曇技術の概論
2.1 「結露」と「防曇」
2.2 物理・機械的方法
2.3 機能性材料による方法
2.4 酸化チタン光触媒を用いた親水性の高度化による防曇性向上の一例
2.4.1 光誘起超親水性
2.4.2 酸化チタン光触媒と防曇性
2.5 超撥水性表面上に結露でもたらされた水滴の自発跳躍と帯電状態
2.5.1 微小な水滴の自発跳躍
2.5.2 電界を付与させた際の水滴除去
2.6 まとめ
3 各種材料への曇りの発生について
3.1 はじめに
3.2 結露による微小水滴の発生
3.3 微小水滴の成長過程
3.4 微小水滴の蒸発過程
3.5 固体表面における濡れ性について
3.6 まとめ
4 視認性への影響と設計への配慮〜曇りの発生メカニズムと結露防止コーティングによる解決技術〜
4.1 はじめに
4.2 曇りの起こる要因と視認性への影響
4.2.1 各種透明材料への曇り発生について
4.2.2 曇り発生の要因について
4.2.3 視認性への影響と設計への配慮
4.3 曇り発生を解決する超親水化加工の検討
4.3.1 超親水化技術による防曇性について
4.3.2 超親水化コーティング剤の開発について
4.3.3 防汚コーティング加工による防曇性の維持について
4.4 防曇性の試験方法
4.4.1 親水化コーティング剤による防曇性の評価
4.4.2 濡れ性と防汚効果
4.5 親水化コーティング剤による防曇性評価方法について
4.5.1 結露,霜付きとの比較について
4.5.2 防曇コーティングへの要求機能について
4.5.3 今後の課題について
4.6 防曇・結露防止コーティングについてその応用技術の確立
4.7 おわりに
第2章 コーティングによる防汚・防曇
1 防曇性を付与するコーティング技術とその応用〜イオン性液体による親水処理技術〜
1.1 はじめに
1.2 イオン性液体を用いたコーティング剤について
1.3 防汚コーティングとしてのイオン性液体について
1.4 イオン性液体での防汚コーティングによる今後の展開について
2 フッ素系コーティングによる防汚性技術,指紋付着低減と耐久性評価
2.1 はじめに
2.2 フッ素系コーティング剤の防汚メカニズム
2.3 防汚用フッ素系コーティング剤の種類と特徴
2.3.1 シランカップリング型防汚コーティング剤
2.3.2 金属用防汚コーティング剤
2.3.3 UV硬化型添加剤
2.4 フッ素コーティング剤の摩耗性評価
2.4.1 防汚性の評価
2.4.2 耐摩耗性の評価
3 機能性微粒子塗布による超撥水・超撥油化表面処理技術
3.1 はじめに
3.2 ラジカル分散重合で合成した球状微粒子を用いる超撥水・超撥油化表面処理
3.2.1 高分子球状微粒子の合成
3.2.2 球状微粒子の塗布による表面の超撥水・超撥油化処理
3.3 超臨界二酸化炭素を用いる球状ナノ粒子の製造と超撥水化処理への応用
3.3.1 超臨界二酸化炭素中での高分子の自己組織化
3.3.2 球状ナノ粒子による超撥水表面処理
3.4 おわりに
4 親水-疎水ハイブリッドコーティングによる防汚・防曇技術
4.1 はじめに
4.2 ハイブリッドナノコーティング
4.2.1 汚れと防汚コーティングの必要特性
4.2.2 ハイブリッドナノコーティングの構成
4.2.3 ハイブリッドナノコーティングの塵埃付着抑制効果
4.3 高透明性ハイブリッドナノコーティング
4.3.1 ガラスへのコーティング
4.3.2 建築物での効果
4.3.3 防曇効果
4.3.4 水滴抑制
4.4 おわりに
5 撥水・撥油性を示すフッ素化合物を用いた防水・防汚技術の紹介
5.1 はじめに
5.2 防水技術
5.2.1 フルオロアルキル(Rf)基を有する(メタ)アクリレートポリマーについて
5.2.2 Rf基を有するメタアクリレートを用いた防水技術
5.2.3 耐摩耗性を付与した防水・防湿コーティング剤の開発
5.2.4 防水技術における動的撥水性の意義
5.3 防汚技術
5.3.1 Rf基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーを用いた防汚技術
5.3.2 パーフルオロポリエーテル(PFPE)化合物について
5.3.3 PFPE化合物を用いた防汚技術
5.4 さいごに
6 脂肪酸エステル系添加剤による防曇性向上
6.1 脂肪酸エステル
6.2 添加剤による樹脂への防曇性付与
6.3 脂肪酸エステルによる防曇性の発現因子
6.4 食品包装用防曇剤
6.4.1 食品包装用練込型防曇剤
6.4.2 食品包装用塗布型防曇剤
6.5 農業用防曇剤
6.6 最後に
7 船舶向け防汚塗料用機能性顔料
7.1 緒言
7.2 船舶用防汚塗料・防汚の起源
7.3 船舶用防汚塗料の作用機構
7.4 無機系防汚顔料
7.5 有機系防汚顔料
7.6 その他の顔料
7.7 船舶向け防汚塗料用機能性顔料の今後の展望
8 水性完全無機コート剤の実施例より検証した効果
8.1 はじめに
8.2 水性完全無機コート剤の効果を活用した用途実施例
8.2.1 無機基材への使用例
8.2.2 有機基材への使用例
8.3 おわりに
9 UV硬化型防曇コーティング剤の耐久性,密着性
9.1 はじめに
9.2 UV硬化性樹脂の構成成分
9.2.1 ベースレジン
9.2.2 モノマー成分
9.2.3 光重合開始剤
9.2.4 ハードコート剤への防曇機能付与例
9.3 最近のトピックス
9.3.1 ポリグリセリンポリエーテルアクリレート
9.3.2 アクリルアミド系架橋剤を使った防曇コーティング剤
9.4 UV硬化型防曇コーティング剤;私たちの取り組み
9.4.1 吸水タイプの防曇コーティング剤KBC-1
9.4.2 無溶剤タイプUV硬化型防曇コーティング剤AFN-7500の特徴と性能
9.5 まとめ
第3章 表面処理・バイオミメティクスによる防汚・防曇
1 プラスチック・ガラス表面の親水化技術と防汚・防曇機能付与への応用
1.1 はじめに
1.2 表面の機能化
1.3 表面改質高分子
1.4 両性両親媒性高分子の機能
1.4.1 プラスチック表面の親水化
1.4.2 ガラス表面の親水化
1.4.3 今後の展望
1.5 二次元超分子フィルム
1.6 おわりに
2 ぬれの基礎と親水性/超親水性を利用した防曇・防汚処理への応用
2.1 はじめに
2.2 ぬれの基礎
2.2.1 Youngの式
2.2.2 Wenzelの式
2.3 親水/超親水処理技術の開発動向
2.4 親水/超親水性材料の防曇・防汚処理への応用
2.5 親水/超親水性を利用した自己修復型防曇・防汚材料
2.5.1 魚類体表の多機能性に学んだ自己修復型ナノコンポジット(NC)皮膜の開発
2.5.2 NC皮膜の多機能性
2.5.3 NC皮膜表面のzwitter化
2.5.4 ゲル化抑制とNC皮膜の簡易/大面積成膜技術の開発
2.6 まとめ
3 住宅用セラミックスの防汚・抗菌表面処理技術
3.1 はじめに
3.2 水使用量と防汚技術による環境負荷低減
3.3 タイルの防汚技術
3.4 トイレの防汚・抗菌技術
3.4.1 水アカの防汚技術
3.4.2 抗菌の概念と抗菌性能試験法
3.4.3 抗菌剤としての銀
3.4.4 銀を用いた抗菌釉薬
3.4.5 抗菌釉薬中の銀の存在状態
3.5 おわりに
4 海洋生物にヒントを得た超低燃費型船底防汚塗料の開発
4.1 はじめに
4.2 船体に付着する付着生物の影響
4.3 船底防汚塗料開発の歴史
4.4 高速遊泳能力を持つ海洋生物に学ぶ
4.5 摩擦抵抗を低減する船底防汚塗料の開発
4.6 低摩擦型塗料のCO2排出抑制への取り組みと普及
4.7 おわりに
5 防曇フィルムの開発動向と今後の展望
5.1 概要
5.2 はじめに
5.3 OPPフィルム概要と防曇OPPフィルム
5.3.1 OPPフィルム概要
5.3.2 防曇OPPフィルム
5.4 今後の防曇フィルムの開発・展開
5.4.1 市場環境変化への対応
5.4.2 環境への取り組み
5.4.3 当社の方向性
6 プラズマ照射/レーザ照射/電子線照射(表面親水性/撥水性コントロール)による防曇性向上
6.1 はじめに
6.2 電子線照射/プラズマ照射による表面親水性/撥水性コントロール
6.2.1 大気圧プラズマ処理による材料表面の撥水化
6.2.2 フルオロカーボンプラズマ処理による材料表面の撥水化
6.2.3 レーザ微細加工による表面撥水化
6.2.4 電子線照射による高分子の親水化
6.3 おわりに
7 階層性ナノ多孔層を用いたガラスの防汚・防曇機能
7.1 はじめに
7.2 階層性ナノ多孔層ガラスの概要
7.2.1 階層性ナノ多孔層ガラスの構造と超親⽔性
7.2.2 ガラスの種類と階層性ナノ多孔層の形成⽅法
7.2.3 階層性ナノ多孔層ガラスの耐久性
7.3 階層性ナノ多孔層ガラスの防汚特性
7.4 階層性ナノ多孔層ガラスの防曇特性
7.5 おわりに
8 火山噴出物シラスを原料とした新規シラス構造体の防曇特性
8.1 シラスとは
8.2 新規シラス構造体の作製と工学的応用
8.3 シラスガラス薄膜における防曇特性とそのメカニズム
8.4 防曇特性とその機能維持のための解決方法
8.5 親水/吸水ハイブリッド型薄膜の開発
8.6 まとめ
9 洗面化粧台や浴室用鏡向けの防曇技術
9.1 はじめに
9.2 防曇技術
9.2.1 結露しない構造(ガラスの温度を上げる)
9.2.2 親水膜の形成
9.2.3 吸水膜の形成
9.2.4 吸水性と親水性を併せ持った防曇膜の形成
9.3 防曇機能に加えて求められる付加機能
9.4 おわりに
10 指紋汚れ対策と指紋付着性・除去性の評価方法〜「防汚技術概論」防汚性・耐指紋性を付与する表面改質技術とその応用:汚れ成分の概要とその付着原理及び防汚方法〜
10.1 はじめに
10.2 汚れ成分としての皮膚代謝物,垢,腺分泌物の皮脂,汗成分について
10.2.1 垢(あか)
10.2.2 発汗,皮膚代謝物,粉塵汚れについて
10.2.3 汗の成分
10.2.4 汗のミネラル,微量元素の組成
10.3 指紋汚れとその付着メカニズムについて
10.3.1 指紋の構造とその表面の汚れについて
10.3.2 表皮の皮溝,皮丘での付着の仕組み
10.3.3 指紋汚れの付着するメカニズムについて
10.3.4 指紋付着防止機能とは
10.3.5 汚染事例:低反射のグレアコーティング
10.4 指紋付着防止コーティングによる機能性塗膜での防汚について
10.4.1 防汚コーティングへの要求機能
10.4.2 要求される機能の耐久・持続性での評価方法について
10.4.3 汚れ防止機能の持続性の評価
10.5 防汚,指紋防止を有する機能性コーティング剤について
10.6 耐指紋での防汚コーティングによる防汚性
10.6.1 防汚性について
10.6.2 防汚性の評価方法について
10.6.3 防汚性の基準化について
10.6.4 耐指紋性の評価について
10.6.5 各種汚染物によるスポット試験
10.6.6 耐久性,耐候性試験での評価
10.6.7 使用時想定での加速・促進試験とその試験装置について
10.7 長期性能維持のための保証について
10.7.1 顧客への保証期間の設定方法とその劣化する事実への説明方法について
10.7.2 通常の使用条件,使用環境によるモデル事例での紹介について
10.7.3 実験室データと現場の長期耐候性との相関性について
10.7.4 実使用条件との汚れ具合の相関性,まとめ
10.8 耐指紋,耐久性試験の実施について
10.8.1 耐油性試験
10.8.2 耐熱性試験
10.8.3 耐光性試験
10.8.4 耐候性試験(XeWOW)
第4章 自動車部材への展開
1 生体模倣技術を活用した防曇技術と自動車部材への応用
1.1 はじめに
1.2 生物の自発的な液体輸送
1.3 フナムシの自発的な液体輸送
1.4 フナムシ模倣流路の作製
1.5 輸送液膜の速度測定
1.6 様々な種類の液体輸送
1.7 まとめ
2 自動車用ウィンドウの要求特性と防曇技術を中心とした各種高機能化
2.1 はじめに
2.2 自動車用窓ガラスの基礎
2.2.1 自動車用窓ガラスの種類と製造方法
2.2.2 自動車用窓ガラスに求められる基本的特性
2.3 窓ガラスの防曇機能
2.3.1 窓ガラスが曇るメカニズム
2.3.2 古典的な防曇手法
2.3.3 新しい防曇手法と用途
2.4 窓ガラスの防汚機能
2.5 窓ガラスの高機能化
2.5.1 ヘッドアップディスプレイ用ガラス
2.5.2 遮熱ガラス
2.5.3 撥水ガラス
2.5.4 遮音ガラス
2.5.5 紫外線遮蔽(UVカット)ガラス
2.6 まとめ
3 無荷電化膜防汚技術の開発と各種基材への応用の可能性
3.1 はじめに
3.2 基体表面技術に用いる技術の機能化原理
3.2.1 正電荷・両性電荷(親水・撥水)膜の形成とその機能化原理
3.2.2 無荷電化膜の形成とその機能化原理
3.3 正・両性電荷膜および無荷電化膜による車載部材(基材)への基体保護機能付与
3.3.1 防汚機能評価例
3.3.2 高分子樹脂表面における劣化低減機能評価例
3.3.3 砂塵吸着防止(低減)機能評価例
3.4 車載部材(基材)への各種基体保護機能評価
3.4.1 「無荷電化」膜技術の防汚機能評価例
3.5 今後の技術開発について
4 UV硬化型親水樹脂の特徴と自動車部材への展開
4.1 はじめに
4.2 低分子型親水性添加剤
4.3 高分子型親水化剤
4.4 超親水性4級アンモニウム塩アクリルポリマー添加剤
4.4.1 熱硬化型
4.4.2 UV硬化型
4.5 塗膜物性について
4.5.1 熱硬化型
4.5.2 UV硬化型
4.6 おわりに
5 透明ヒータフィルムを用いた車載機器の防曇・融雪
5.1 はじめに
5.2 車載機器の防曇・融雪
5.2.1 透明フレキシブル基板“SPET”
5.2.2 透明ヒータフィルム
5.3 おわりに
第5章 性能評価
1 防曇性評価装置を用いた曇り度合い,及びコーティング持続性の評価
1.1 はじめに
1.2 防曇性の評価方法
1.3 測定原理と特長
1.3.1 測定原理
1.3.2 評価方法
1.3.3 特長
1.4 画像圧縮解析法を用いた防曇性評価例
1.5 測定事例
1.5.1 試料準備
1.5.2 測定条件
1.5.3 測定結果と考察
1.6 おわりに
2 防汚・防曇性評価法としての接触角測定技術
2.1 はじめに
2.2 ぬれ性
2.3 接触角
2.4 接触角測定
2.4.1 静的接触角と動的接触角
2.4.2 滑落角(転落角)
2.4.3 動的撥水性
2.4.4 接触角算出方法
2.4.5 測定上の注意点
2.4.6 固体の表面自由エネルギー(表面張力)測定法
2.5 おわりに
3 ヘーズ(曇り度)試験の進め方,その応用について
3.1 はじめに
3.2 ヘーズの定義
3.2.1 全光線透過率(Total luminous transmittance)
3.2.2 ヘーズ(haze)
3.2.3 透明度(クラリティ)(Clarity)
3.2.4 全光線透過率,ヘーズ,透明度(クラリティ)の実測例
3.3 規格や光源,測定構造の違いによる注意点
3.3.1 ASTMとISOの測定原理の相違
3.3.2 光源による相違
3.3.3 試験機の測定構造による相違
3.3.4 サンプルの調整方法による相違
3.4 ヘーズの種類
3.4.1 内部ヘーズとサンプル厚みの関係
3.4.2 内部ヘーズと外部ヘーズの測定方法
3.5 ヘーズの生成要因
3.5.1 キャストフィルム,ブロー及び押し出し成形
3.5.2 樹脂
3.6 ヘーズの改善方法
3.6.1 LDPE
3.6.2 LLDPE
3.7 ヘーズの測定例
3.7.1 テーバー摩耗試験
3.7.2 バイヤー摩耗試験(Bayer Abrasion Test)
3.7.3 フォギング試験(Fogging Test)
3.8 おわりに
4 撥水・超親水性をもたらす添加剤による易洗浄性・汚れ防止の性能評価
4.1 はじめに
4.2 撥水性・汚れ防止効果
4.2.1 有機変性ポリシロキサンの構造
4.2.2 有機変性ポリシロキサンによる撥水性・汚れ防止効果
4.3 超親水性の発現
4.3.1 表面調整剤へのマクロマー技術の応用
4.3.2 コーティング液の表面張力を下げるが,膜特性は変えない表面調整剤
4.3.3 膜の表面自由エネルギーを上げ,超親水性膜をもたらす表面調整剤
4.3.4 さらに表層への移行性を高め,超親水性効果を高めた表面調整剤
4.3.5 表面調整剤の機能まとめ
4.4 おわりに
5 汚れ除去効果について
5.1 はじめに
5.2 親水性膜,親油性膜と撥水撥油性膜
5.3 シリカナノ粒子
5.4 ゾルゲル法の基礎
5.5 シリカナノ粒子を用いた親水性膜の作製
5.6 おわりに
6 ウォータースポット防止性について〜防曇コーティングによるレンズの曇り止めについて〜
6.1 はじめに
6.2 親水コーティングの機能・メカニズムによる防汚効果
6.3 親水化機能による防汚効果
6.4 セルフクリーニングと持続性,外観の変化
6.5 ガラス汚れの防汚性評価
6.6 ウォータースポット防止性
6.7 外壁タイル表面への防汚コーティング加工
6.8 車アルミホイールへの親水化コーティング加工
6.9 車両塗装面への親水コーティングによる防汚保護加工
6.10 親水化コーティングによる防汚加工
6.11 防曇レンズによる防汚,防曇加工
6.12 防汚,防曇加工の設計への産業上の組み込みとその活用方法について
第6章 防曇加工の現状と課題
1 防曇機能の維持継続について〜疎水性コーティングによる建築物,遺跡,外壁の美観維持〜
1.1 はじめに
1.2 屋外建築物への防汚コーティング加工方法について
1.3 外壁汚染での浸出物の除去試験
1.3.1 目的:建築物表面での汚染物の分析
1.3.2 試験内容:浸出物の分析
1.3.3 浸漬物の溶解成分の除去コーティング剤
1.3.4 美観維持のための疎水性コーティング剤による防汚加工
1.4 アンコールワット(カンボジア国)での砂岩レリーフ遺跡の保存方法
1.4.1 目的:遺跡の劣化についての原因調査
1.4.2 遺跡の防藻,防カビ,抗菌による衛生コーティング加工について
1.5 無機質ガラスコーティング技術
1.5.1 ガラスコーティングによる表面コーティング加工
1.5.2 ウッドデッキへの防食,防水コーティング加工
1.5.3 硬質陶器(洗面台,トイレ)への防汚コーティング加工
1.6 疎水性コーティングによる防水,防汚加工について
2 超親水化加工技術の現状と課題について〜金属アルコキシド蒸着による防汚,汚れ成分分解,除去技術〜
2.1 はじめに
2.2 有機金属ガスを用いた蒸着による表面改質
2.3 ハイブリッドパルスプラズマ蒸着(HPPC)装置でのコーティング方法について
2.3.1 製造方法
2.3.2 製造装置
2.4 アモルファスの酸素欠損型酸化チタンTiOx膜の機能性について
2.4.1 光触媒機能
2.4.2 実施例について
2.4.3 光触媒機能の実験装置
2.4.4 測定方法
2.5 蒸着による表面改質技術としてのまとめ
3 防曇性とその機能維持のための課題と解決方法について〜窒化酸化インジウムInN1-xOx蒸着膜による光触媒コーティングでの防汚加工〜
3.1 はじめに
3.2 窒化酸化インジウムInN1-xOx蒸着膜の形成
3.2.1 膜形成装置及び形成方法
3.2.2 形成膜の評価
3.3 光触媒効果の評価
3.3.1 各種材料への蒸着加工
3.3.2 アンモニア及び硫化水素への脱臭効果
3.3.3 汚染物としての色素分解での評価
3.3.4 大腸菌への抗菌効果
3.4 光触媒による防汚加工のまとめと今後の課題
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