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オンサイトエネルギー ―エネルギーハーベスティングの要素技術と新展開―

On-site Energy ―Element Technologies and New Developments for Energy Harvesting―

★ IoT社会における分散型電源システムの確立に向けて注目されるオンサイト(その場)エネルギー供給技術!
★ 熱、振動、音響、光、生体作用などの微小エネルギーを利用した発電技術を徹底解説!
★ エネルギーハーベスティングを組み込んだデバイス開発や実用化に向けた応用事例を詳述!

商品コード:
T1206
監修:
桑野博喜
発行日:
2022年4月28日
体裁:
B5判・287頁
ISBNコード:
978-4-7813-1664-2
価格(税込):
63,800
ポイント: 580 Pt
関連カテゴリ:
エレクトロニクス
地球環境
エレクトロニクス > 発電機器・燃料電池
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー

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キーワード:

オンサイトエネルギー/エネルギーハーベスティング/IoT/ICT/熱電発電デバイス/導電性高分子/機械学習/カーボンナノチューブ/圧電薄膜/振動発電/MEMS/シリコン薄膜/微小熱電発電デバイス/エレクトレット発電/環境電波/フレキシブル熱電変換素子/ジャイロ発電/無線信号/色素増感太陽電池/バイオ発電/自立電源

刊行にあたって

 エネルギーハーベスティングは、広い意味で太陽から放射されるエネルギーを有効に使い尽くす技術の一種である。一方でオンサイト(その場)エネルギーとは、オンサイト特有の熱や力学的条件、化学的条件、生物的条件などを活用し、それらをエネルギー源として電気エネルギーに変換するエネルギー生成技術を言う。筆者はオンサイト(その場)エネルギーの一種としてエネルギーハーベスティングを位置づけ、あらゆる場所、場面、スケールを想定し、エネルギーサイクル・循環、廃棄物も含む資源サイクル・循環の中で徹底的にエネルギーハーベスティングを研究開発すべき課題であると考えている。エネルギーハーベスティングの最終的な目的は省エネルギーと利便性の両立である。

 本書は、このような考えのもと現在、研究開発が進められている我々の周辺の熱、振動、音響、光、生体作用などのエネルギーを電気エネルギーに変換する各種技術について基礎研究からデバイス研究開発、システム研究開発さらには商品化を行っている気鋭の技術者、研究者による最先端技術を集積・網羅したものである。読者にとって今後の研究開発、商品化を実施するにあたり、重要なヒントを得ることができる書となることを願うものである。

桑野博喜
(本書「刊行にあたって」より抜粋)

著者一覧

桑野博喜  東北大学
竹内敬治  ㈱NTTデータ経営研究所
高浦則克  ㈱日立製作所
苗蕾    桂林電子科技大学
高杰    桂林電子科技大学
河本邦仁  名古屋産業科学研究所
森 孝雄  物質・材料研究機構;筑波大学連携大学院
石田敬雄  産業技術総合研究所
高際良樹  物質・材料研究機構
野々口斐之 京都工芸繊維大学
神野伊策  神戸大学
吉村 武  大阪府立大学
橋口 原  静岡大学
浅沼春彦  金沢大学
藤井隆満  藤井技術士事務所
鈴木孝明  群馬大学
野村政宏  東京大学
柳澤亮人  東京大学
渡邉孝信  早稲田大学
河口研一  富士通㈱
須原理彦  東京都立大学
末森浩司  産業技術総合研究所
鈴木雄二  東京大学
上野敏幸  金沢大学
保坂 寛  東京大学
琵琶哲志  東北大学
長南安紀  秋田県立大学
山口博之  秋田県立大学
柴田 努  ㈱ロイヤルパーツ
布田 潔  秋田大学
金谷晴一  九州大学
福井 篤  シャープ㈱
京田祐樹  シャープ㈱
辻本昌洋  シャープ㈱
吉江智寿  シャープ㈱
西澤松彦  東北大学
村瀬隆浩  ㈱KELK
工藤高裕  富士電機㈱
古市卓也  富士電機㈱
三屋裕幸  ㈱鷺宮製作所
芦澤久幸  ㈱鷺宮製作所

目次 +   クリックで目次を表示

【第1編:総論】
第1章 エネルギーを有効に使い尽くす―オンサイトエナジーとしてのエナジーハーベスティングとその意義―

第2章 エネルギーハーベスタ開発・実用化の歩みと最新動向
1 2005年~2010年の動き
2 2011年以降の動き
3 2020年代の展望

第3章 IoTプラットフォームとスマート社会の動向
1 はじめに
2 環境発電を用いたIoTシステム
 2.1 IoTシステムの構成
 2.2 環境発電の課題と無線センサノードの設計と運用
 2.3 データ解析のアルゴリズム
 2.4 新しい環境発電モジュール
3 5G・エッジコンピューティング
4 まとめ

【第2編:熱電材料の開発】
第4章 ナノ構造無機薄膜によるフレキシブル熱電発電素子
1 はじめに
2 ナノ構造無機熱電薄膜の作製
 2.1 マグネトロンスパッタリング法による熱電薄膜形成
 2.2 印刷法による熱電薄膜形成
 2.3 溶液析出法による熱電薄膜形成
3 まとめと今後の展望

第5章 新規な高性能熱電材料を用いた熱電発電デバイスの研究開発と応用
1 はじめに
2 発電出力を増大させるゼーベック係数(パワーファクター)の増強原理
3 発電変換効率を高める熱伝導率の選択的な低減原理
 3.1 種々のナノ構造による熱伝導率の選択的な低減
 3.2 結晶構造に起因した本質的な低熱伝導率の機構
4 新規な高性能材料を用いた熱電発電モジュールの変換高効率の実証

第6章 導電性高分子の熱電変換研究・素子化研究の現状
1 はじめに
2 導電性高分子の熱電材料研究の歴史
3 導電性高分子による熱電モジュール作製
4 おわりに

第7章 機械学習を用いたFe-Al-Si系新規材料(FAST材®)の材料研究
1 背景
2 機械学習を用いたノンドープFAST材の出力特性向上
3 機械学習を用いたCoドープFAST材の出力特性向上
4 今後の展望

第8章 カーボンナノチューブを用いた熱電変換材料設計
1 はじめに
2 カーボンナノチューブ
3 基礎研究のはじまりと材料研究への変遷
4 化学ドーピング
5 さいごに

【第3編:薄膜・表面技術】
第9章 圧電薄膜を用いた振動発電技術
1 環境発電技術における振動発電
2 圧電振動発電のしくみとその特徴
3 振動発電に用いられる圧電材料
4 薄膜材料の圧電特性評価
5 圧電材料を用いたウェアラブル発電技術
6 PZT圧電バイモルフ振動発電素子を用いたバッテリーフリー・スマートシューズ
7 PZT圧電薄膜を用いたウェアラブル発電素子
8 まとめ

第10章 非鉛圧電体薄膜を用いた高効率MEMS振動発電素子
1 はじめに
2 振動発電における圧電薄膜材料
3 BiFeO3薄膜の正圧電特性
4 圧電MEMS振動発電素子の試作とその特性
5 おわりに

第11章 カリウムイオンエレクトレット技術と振動発電素子への応用
1 はじめに
2 エレクトレット化した静電アクチュエータの特性
3 カリウムイオンエレクトレットの形成
4 カリウムイオンエレクトレットの起源
5 カリウムイオンエレクトレットの劣化特性
6 カリウムイオンエレクトレットの振動発電素子への応用
 6.1 振動発電素子としての等価回路
 6.2 面外振動型発電素子
 6.3 面内振動型発電素子
 6.4 非線形振動発電素子
7 おわりに

第12章 Ferroelectric Dipole Electret(FDE)を用いた振動発電
1 はじめに
2 強誘電双極子エレクトレット(FDE)
 2.1 エレクトレット化の方法
 2.2 FDEの作製方法
 2.3 FDEの振動発電の簡易評価
 2.4 帯電性能の経時変化
3 微細加工振動子と構造設計
 3.1 振動発電素子の構造
 3.2 発電特性
4 更なる発展に向けて

第13章 PNZT薄膜作製技術
1 はじめに
2 スパッタリング法によるNb添加PZT(PNZT)の形成
 2.1 NbドープPZT薄膜の特性
 2.2 SUS基板上のPNZT膜の特性
3 PNZT膜のエネルギーハーベストへの適用
4 まとめ

【第4編:デバイス開発と要素技術】
第14章 低周波数・広帯域対応を指向したポリマーMEMS振動発電デバイス
1 はじめに
2 振動発電の原理
 2.1 振動発電の原理
 2.2 環境振動の特徴とデバイス設計
 2.3 カンチレバ型圧電発電の原理
3 ポリマー材料
 3.1 圧電ポリマー材料
 3.2 ポリマー弾性体
4 ポリマーMEMS振動発電デバイス
 4.1 デバイス構成
 4.2 デバイス製作
 4.3 デバイス評価

第15章 フォノンエンジニアリングによるシリコン薄膜熱電発電デバイス開発
1 はじめに
2 ナノ構造と熱電材料の高性能化
3 熱フォノンエンジニアリングによるシリコン熱電変換材料開発
4 平面型シリコン熱電発電デバイス開発
5 おわりに

第16章 シリコンCMOSプロセスで製造可能な微小熱電発電デバイス
1 はじめに
2 キャビティ・フリー水平配向熱電発電デバイスの概要
3 キャビティ・フリー水平配向熱電発電デバイスの試作例
4 キャビティ・フリー集積熱電デバイスの設計
5 まとめ

第17章 微小バックワードダイオードを用いた環境電波発電デバイスの研究開発
1 はじめに
2 メサ型BWDを用いた環境電波発電デバイスの研究開発
 2.1 メサ型BWDとチャージポンプ回路
 2.2 アンテナ設計
3 ナノワイヤBWDを用いた環境電波発電デバイスの研究開発
 3.1 ナノワイヤ化の狙いと結晶成長技術
 3.2 ナノワイヤバックワードダイオードデバイス技術
 3.3 ナノワイヤBWDを搭載したレクテナによるマイクロ波発電

第18章 CNT系材料を用いたフレキシブル熱電変換素子
1 緒言
2 熱電変換層の厚膜化の重要性
3 薄膜積層型熱電変換素子
4 縦型熱電変換素子
5 無溶剤印刷法を用いた厚膜熱電変換素子
6 まとめ

第19章 ウエアラブルデバイスのための高出力回転型エレクトレット発電機の開発
1 ウエアラブルデバイスのための回転振動発電
2 PCB基板を用いた回転型エレクトレット発電機
3 バイオメカニクス規範の回転型発電機の評価
4 まとめ

【第5編:実用化に向けた動向と展望】
第20章 磁歪材料を用いた振動発電技術の実用化展開
1 はじめに
2 Fe-Ga合金と逆磁歪効果
3 発電デバイスの構造と動作原理
4 発電デバイスの特性
 4.1 出力特性とスケール効果
 4.2 コイン電池を代替する超小型デバイス
5 磁歪式で実現するIoTとその発展
6 従来技術に対する優位性と課題
7 おわりに

第21章 ジャイロ発電
1 ジャイロ効果と発電機の基本構成
2 従来の振動発電とジャイロ発電の比較
3 自転および歳差の方式
4 モータ自転振動歳差型発電機
5 歯車自転振動歳差型発電機
6 結言

第22章 液体ピストンスターリングエンジン
1 はじめに
2 液体ピストンスターリングエンジンの概略
3 エネルギー変換の仕組み
4 フルイダインの固有モード
5 複シリンダ型フルイダインの具体例
6 課題および今後の展望について
 6.1 出力取り出し方法
 6.2 低動作温度差化へ向けて
7 おわりに

第23章 エネルギーハーべスティング技術による熱電発電システムの実用化の研究
1 はじめに
2 秋田熱電材料研究会とゆざわ熱電プロジェクト
 2.1 秋田熱電材料研究会の設立と活動開始
 2.2 材料研究の低温領域への展開と実用化の準備
 2.3 ゆざわ熱電プロジェクトの設立と実用化活動の展開
3 熱電変換モジュールの作製・実地試験
 3.1 低温度域向け熱電発電
 3.2 設計の概要と性能評価
 3.3 実証実験と耐久性確認
4 秋田県立大学自主研究制度を用いた熱電発電を自立型電源とした地域課題解決の試み
 4.1 秋田県立大学自主研究制度
 4.2 水冷式熱電発電システムの制作と小安峡温泉足湯での実証実験
 4.3 皆瀬村活性化センターにおける熱電発電システムによるLED補光の実証実験
5 まとめ

第24章 無線信号を用いたセンサ用エネルギーハーベスタ
1 はじめに
2 回路設計
3 試作及び評価
4 データ通信実験
5 おわりに

第25章 色素増感太陽電池によるビーコンのバッテリーレス化の実現
1 はじめに
2 IoTと色素増感太陽電池
3 バッテリーレス化ビーコンの開発
4 さらなる応用展開
5 おわりに

第26章 酵素によるバイオ発電
1 はじめに
2 酵素によるバイオ発電
3 刺入型のバイオ電池
4 ウェアラブル型のバイオ電池
5 バイオ発電パッチ
6 おわりに

第27章 熱電発電によるエネルギーハーベスタ開発と設備モニタリング事例
1 はじめに
2 熱電発電のしくみ
3 KELGEN SDの発電部
4 モータの排熱とKELGEN SDの発電性能
5 熱電EH振動センサデバイス
6 KSGD-SVの測定性能
7 熱電対センサデバイスとアナログ入力デバイス
8 熱電EHデバイスのデータ収集とデータ活用の支援
9 おわりに

第28章 振動発電を利用したセンサの自立電源化とそのプラント適用事例
1 はじめに
2 振動発電型回転機振動監視システム
 2.1 開発の狙いと特徴
 2.2 無線式回転機振動監視システム
 2.3 振動発電機の構成と原理
 2.4 電源・蓄電回路の構成
 2.5 組合せ動作検証
3 実証試験結果
 3.1 システム設置
 3.2 設置場所の振動特性
 3.3 実証試験条件
 3.4 実証試験結果
 3.5 実証試験結果のまとめ
4 おわりに

第29章 MEMSエレクトレット振動発電デバイスの産業化
1 はじめに
2 イオンエレクトレット
 2.1 製作方法
 2.2 帯電電圧測定
 2.3 帯電電圧信頼性
3 振動発電デバイス
 3.1 設計指針
 3.2 デバイス製作
 3.3 発電特性
4 応用
 4.1 電動機を振動源とした実証試験
 4.2 周波数帯域の広帯域化
5 おわりに

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