著者一覧
菅原司 東京応化工業㈱
佐藤勇希 三菱ガス化学㈱
森川敦司 茨城大学
杉山仁志 明治大学
佐藤修一 東京電機大学
永井一清 明治大学
石田弘樹 岡山理科大学
加藤悠人 (国研)産業技術総合研究所
真田篤志 大阪大学
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【特集】高機能化が進むポリイミドの研究開発動向
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ポリイミドの低誘電率化,低吸水率化の分子設計と特性制御
Development of Low Dielectric Constant and Low Water Absorption Polyimides
ポリイミドは耐熱性,電気特性や機械特性に優れた高機能樹脂として,電気・電子材料分野を中心に幅広く使用され重要な工業材料となっている。また近年,5G,6G 高速通信用材料の開発が盛んに行なわれ,誘電損失の小さな絶縁材料として高機能ポリイミドが注目されている。ここでは,高速通信用途に適したポリイミドの低誘電率化,低吸水率化の分子設計と特性制御について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 PIの低誘電率化
2.1 低誘電率化の分子設計
2.2 低誘電率PIの合成と特性制御
2.3 多孔性PIによる低誘電率化と特性制御
2.3.1 多孔性PIの合成(空孔形成方法)
2.3.2 ナノポア構造を制御した多孔性PI
3 ポリイミドの低吸水率化
3.1 低吸水率化の分子設計
3.2 低吸水率PIの合成と特性制御
4 おわりに
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多孔質ポリイミドフィルム
Porous Polyimide Film
本稿では,多孔質ポリイミドフィルムの,製法と特性について論述する。世界的な高速通信の拡大に伴い,フレキシブルプリント基板に求められる電気的性能はますます向上している。我々は逆オパール法により,フレキシブルプリント基板に適用可能な新規多孔質ポリイミドフィルムを作製した。その膜物性を確認するとともに,電気特性を明らかにした。
【目次】
1 はじめに
2 多孔質ポリイミド膜の作製プロセス
2.1 スラリー調製
2.2 製膜工程
3 多孔質ポリイミド膜の特性
3.1 空隙率の影響
3.2 粒径の影響
3.3 耐溶剤性と耐熱性
3.4 電気化学による膜の構造解析
3.5 膜の電気特性
4 総括
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熱可塑性ポリイミド樹脂「サープリム」
Thermoplastic Polyimide Resin “Therplim”
市場における各種製品の高機能化に伴って,使用される樹脂についても高い特性が要求されるようになっている。これらの需要に応えるため,当社にて新規の熱可塑性ポリイミド「サープリム」を開発した。本稿では,サープリムのユニークな特性を紹介すると共に,各種応用検討例についても述べる。
【目次】
1 はじめに
2 熱可塑性ポリイミド「サープリム」について
3 サープリムの応用例
3.1 繊維強化コンパウンド用途
3.2 CFRP用途
3.3 粉末としての応用,他スーパーエンプラとのアロイ
4 サープリムの5G関連用途への適用可能性
4.1 吸水時特性
4.2 周波数依存性
4.3 温度依存性
4.4 低誘電に関連する用途例
5 おわりに
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ゾル-ゲル法によるシリカ含有絶縁エナメル線の作製とその絶縁特性
Preparation and the Insulation Properties of the Silica-Containing Enamel Wire by the Sol-Gel Method
ポリアミド酸溶液中でテトラエトキシシラン(TEOS)のゾル-ゲル反応を行いナノレベルの無機(シリカ)充填ワニスを銅線上にコートし焼き付けて作製したポリイミド-シリカ絶縁エナメル線と,それと同じように作製しようとしたポリ(アミド-イミド)-シリカ絶縁エナメル線を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 ゾル-ゲル法によるポリイミド-シリカ複合材料
2.1 ポリイミド
2.2 ゾル-ゲル法
2.3 ゾル-ゲル法によるポリイミド-シリカの複合材料の作製
3 ゾル-ゲル法によるポリイミド-シリカ絶縁エナメル線
3.1 ポリイミド絶縁エナメル線
3.2 ポリイミド-シリカ絶縁エナメル線の作製
3.3 エナメル線の耐熱-絶縁特性
3.4 シリカ層の形成メカニズム
3.5 ポリイミド-シリカ絶縁エナメル線とポリイミド絶縁エナメルの性質
4 ゾル-ゲル法を用いたポリ(アミド-イミド)-シリカ絶縁エナメル線の作製検討
4.1 ポリ(アミド-イミド)
4.2 ポリ(アミド-イミド)-シリカ絶縁エナメル線用ワニスの作製
4.3 カルボキシル基を有するポリ(アミド-イミド)前駆体の合成
4.4 ポリ(アミド-イミド)絶縁エナメル線の作製
4.5 オルガノシリカゾルを用いるポリ(アミド-イミド)-シリカ絶縁エナメル線の作製
4.6 ポリ(アミド-イミド)-シリカ絶縁エナメル線の特性
5 おわりに
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電荷移動錯体を形成するポリイミド系液晶光配向膜の材料設計
Material Design for Charge Transfer Complex Type Liquid Crystal Photoalignment Polyimide Film
液晶ディスプレイの核となる液晶分子を一方向に配向させるためには,液晶配向膜が必要であり,近年の高精細ディスプレイにおいて,物理的接触ではなく光による配向処理が可能な光配向膜が注目を集めている。本稿では,当研究グループの電荷移動錯体を利用した新しいタイプの光配向ポリイミド膜について概説する。
【目次】
1 はじめに
2 CTCを形成する含フッ素ポリイミド光配向膜
3 化学構造によるCTCの形成のしやすさが光配向性に与える影響
4 製膜条件によるCTCの形成のしやすさが光配向性に与える影響
5 電子状態によるCTCの形成のしやすさが光配向性に与える影響
6 他の研究報告と今後の光配向膜について
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[Material Report-R&D-]
空間・時間反転対称性をもつワイヤレス給電システム
The Wireless Power Transfer System with Parity-Time Symmetric
電磁場の強い相互作用は,空間・時間反転対称性(PT対称性)をもつことが知られている。PT対称性をもつワイヤレス給電(PTS-WPT)は,理論上,電力と効率が伝送距離に影響されない。よって,ワイヤレス給電の課題である「ロバスト性」を解決できる可能性がある。先行研究では,PT対称性を保存させるために,数MHzの高周波が用いられてきた。著者は,数十kHzの低周波においてPT対称性を保存した実用的なシステムを開発した。本稿では,PTS-WPTの概念を平易に解説し,低周波PTS-WPTシステムの概要を説明した後,ロバスト性の改善についての実験結果を示す。
【目次】
1 はじめに
2 PTS-WPTの概念と理論
3 低周波PTS-WPTの概要
4 低周波PTS-WPTの電力伝送特性
5 まとめ
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電磁波を特定方向に高効率で反射する140 GHz 帯メタサーフェス反射板
Metasurface Reflector for Highly Efficient Reflection Control of Electromagnetic Waves in the 140 GHz Band
100 GHz超のミリ波を利用する次世代無線通信のポスト5G/6Gでは,反射方向を自在に設定できるメタサーフェス反射板による通信エリア拡大が有望視されている。しかし,設計に必須となる高精度のミリ波帯材料計測が困難であったため,これまでに開発・実証例はなかった。本稿では,ポスト5G/6Gで利用予定の140 GHz帯において,独自の高精度材料計測技術を活用した設計を行い,高効率のメタサーフェス反射板を開発・実証した取り組みを紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 平衡型円板共振器法によるミリ波帯材料計測
3 開発したメタサーフェス反射板
3.1 設計
3.2 数値シミュレーションによる性能評価
3.3 実験による性能評価
4 まとめ
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[Market Data]
接着剤工業の市場動向
2020年の接着剤の生産量は前年比91.0%の85万1,911トンとなり,出荷金額は前年比85.7%の2,365億円となった。2011年の東日本大震災後,2012年以降は生産量,出荷金額はともに微増してきた。2015年以降も合板など建築用途で需要が増加していることから,全体的な生産量は増加の傾向にあったが,新型コロナウイルス感染症による景気の停滞により,2020年の生産量,出荷金額は減少した。
【目次】
1 需給概要
2 品目別概要
3 需要動向
4 輸出入の概要
5 業界動向
6 環境問題への対応
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[Material Profile]
ネオペンチルグリコール
Neopentylglycol
1,6-ヘキサンジオール
1,6-Hexanediol
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