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燃料電池自動車の開発と材料・部品《普及版》

Materials and Components of Fuel Cell Vehicles(Popular Edition)

2016年刊「燃料電池自動車の開発と材料・部品」の普及版。
燃料電池を構成する、触媒・電解質膜・ガス拡散層などの材料・部品を詳述し、燃料電池自動車に不可欠な駆動システム、高圧容器、軽量化素材および、環境負荷をかけない水素エネルギーシステムも解説した一冊!

商品コード:
B1388
監修:
宮田清藏
発行日:
2022年9月8日
体裁:
B5判・297頁
ISBNコード:
978-4-7813-1642-0
価格(税込):
5,830
ポイント: 53 Pt
関連カテゴリ:
地球環境
テクニカルライブラリシリーズ(普及版)
エレクトロニクス > 発電機器・燃料電池
地球環境 > 低環境負荷製品・製造プロセス

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キーワード:

FCV/ZEV/水素ステーション/水素・燃料電池戦略/MIRAI/水素社会/新「エネルギー基本計画」/再生可能エネルギー/電気化学的ORR/燃料電池触媒/フッ素系電解質膜/膜電極接合体/ゾル・ゲル法/無機系プロトン伝導膜/イオン液体/駆動システム/パワーエレクトロニクス/高圧ガス容器/金属セパレータ/CCM/PEFC/超臨界ナノプレイティング

刊行にあたって

 自動車業界は、自動車から排出されるCO2をいかに減らせるかの競争にしのぎを削ってきた。燃費向上のための軽量化、ハイブリッド車、電気自動車など電動化によるエネルギー効率向上などである。そして今では燃料電池自動車(FCV)がCO2排出ゼロのエコカーとして多くの期待を担っている。今後はFCVに使われる水素も環境負荷のないシステムで作られることが求められている。21世紀は石油代替燃料への転換が進み、水素は多様な一次エネルギーから製造が可能な二次エネルギーとして期待され、将来は水素社会への転換が予想されている。

 本書はFCVおよびFCの発展を支える材料や部品に着目し、開発動向や技術課題を各分野の第一線でご活躍中の方々にご執筆いただいた。更に水素ステーションや水素製造・貯蔵に関わる材料や部品についても解説いただいた。
 燃料電池および水素エネルギーに興味をお持ちの方々に本書をお勧めします。

本書は2016年に『燃料電池自動車の開発と材料・部品』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

著者一覧


宮田清藏   電気通信大学
小川幸裕   ㈱野村総合研究所
草川紀久   高分子環境情報研究所
佐藤正人   ゼネラルモーターズ(GM)
Gyu-Wan,Im  CMC International KOREA
岩澤康裕   電気通信大学
鈴木健之   日本ゴア㈱
野上正行   (公財)豊田理化学研究所
相馬憲一   長岡技術科学大学
堤 泰行   エフシー開発㈱;茨城大学
臼井博明   東京農工大学
坂本俊之   東海大学
内藤治夫   岐阜大学
高野俊夫   JFEコンテイナー㈱
西村 伸   九州大学
東條千太   サムテック㈱

荒島裕信   ㈱日本製鋼所
伊藤秀明   ㈱日本製鋼所
影山裕史   金沢工業大学
柏木孝夫   東京工業大学
橘川武郎   東京理科大学
八隅定夫   岩谷産業㈱
内田正之   東洋エンジニアリング㈱
松本俊一   川崎重工業
藤本和之   ㈱エア・ウォーター総合開発研究所
山崎明良   三菱化工機㈱
竹口竜弥   岩手大学
伊藤直次   宇都宮大学
秋葉悦男   九州大学
山辺純一郎  九州大学
松永久生   九州大学
松岡三郎   九州大学

執筆者の所属表記は、2016年当時のものを使用しております。

目次 +   クリックで目次を表示

【総論編】
第1章 燃料電池自動車の開発と材料・部品の進歩
1 はじめに
2 燃料自動車とは
 2.1 燃料電池の種類と発電メカニズム
3 固体高分子形燃料電池
 3.1 アノード触媒
 3.2 電解質
 3.3 カソード触媒
 3.4 MEA
 3.5 ロールによるMEA
 3.6 新しい触媒
4 NEDOの成果発表会
 4.1 山梨大学グループの研究成果発表
 4.2 同志社大学グループの研究成果発表
 4.3 東工大グループの研究成果発表
 4.4 横浜国大グループの研究成果発表
 4.5 技術研究組合FC-Cubic長谷川博士の研究成果発表

第2章 燃料電池自動車市場の将来展望
1 燃料電池自動車の実用化の現状
2 燃料電池自動車の市場予測
3 燃料電池自動車・水素ステーションの普及目標
4 トヨタ自動車による特許公開のインパクト
5 結語

第3章 燃料電池の研究開発状況と自動車への応用
1 燃料電池自動車の市販開始と[水素社会]の幕開け
2 燃料電池注目の背景~地球環境問題・エネルギー問題と自動車業界の大きな環境変化~
3 政府の「次世代自動車戦略2010」と「エネルギー基本計画」(2010年)
4 2014年4月11日に閣議決定された新「エネルギー基本計画」
 4.1 考えられているエネルギー源
  4.1.1 非化石エネルギー
  4.1.2 化石燃料
  4.1.3 水素エネルギー
 4.2 今後のエネルギー源のベストミックスのあり方
 4.3 次世代自動車等の環境性能に特に優れた自動車の普及
5 政府の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(2014年6月)
 5.1 わが国の置かれている状況
 5.2 水素の果たし得る役割
6 燃料電池の特徴と動作原理
 6.1 燃料電池の特徴
 6.2 燃料電池の動作原理
 6.3 燃料としての水素
7 主な燃料電池の開発現況と用途
 7.1 固体高分子形燃料電池(PEFC)
 7.2 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
8 燃料電池自動車とは
9 燃料電池自動車の主要部品
 9.1 燃料電池システム
 9.2 FCスタックと昇圧コンバーター
 9.3 高圧水素タンク
10 燃料電池自動車の世界の技術開発競争
11 わが国の燃料電池自動車の市場投入に向けた取り組み
12 燃料電池(FC)と燃料電池自動車
 12.1 PEFCの実用化・普及に向けての課題
13 まとめ

第4章 GMの燃料電池自動車
1 はじめに
2 水素燃料電池自動車について
 2.1 パワートレーンとしての位置づけ
3 これまでのGMの水素燃料電池車の取り組み
 3.1 水素燃料電池自動車の意義
4 商用化に向けての挑戦
 4.1 死の谷 Valley of death
 4.2 ホンダとの共同開発
 4.3 サプライヤーへの期待
5 最後に

第5章 韓国における燃料電池自動車の開発状況

【燃料電池と材料・部品編】
第6章 燃料電池触媒のメカニズム解明
1 はじめに
2 実走行下の燃料電池Pt/Cカソード触媒の反応機構
3 Pt/Cカソード触媒のPtナノ粒子表面の電位依存変化
4 PEFC Pt/Cカソード触媒の電位変化過程の構造速度論とORR活性因子
5 おわりに

第7章 フッ素系プロトン伝導膜(電解質膜)
1 はじめに
 1.1 燃料電池自動車とスタックの課題
 1.2 電解質膜に求められる特性と課題
2 フッ素系電解質膜の構造・特性・課題
 2.1 イオンクラスター構造とプロトン伝導度
 2.2 膨潤性と物理的耐久性
 2.3 化学構造と化学耐久性
 2.4 電解質膜構造とガス透過性
3 トレードオフ解消への取り組み―Goreにおける開発状況―
 3.1 含水率管理による出力と物理的耐久性の向上
 3.2 出力と物理耐久性の確保
 3.3 出力と化学耐久の確保
 3.4 出力とガス透過のトレードオフ解消
4 おわりに

第8章 無機系プロトン伝導膜
1 はじめに
2 電解質を作製するためのゾル・ゲル法
3 細孔特性とプロトン伝導
4 イオン液体を媒体にしたプロトン伝導体
5 まとめ

第9章 燃料電池自動車の開発と材料―金属セパレータ―
1 はじめに
2 本研究の背景と目的
3 Niを含まないフェライト系ステンレスの窒素中熱処理
 3.1 耐食性評価
 3.2 導電性評価
 3.3 表面硬度評価
 3.4 格子構造評価
4 窒素中熱処理による耐食性発現のメカニズム
 4.1 表面元素分析(蛍光X線、XPS)
 4.2 断面観察(SEM)
5 JARIセルによる連続発電試験
6 まとめ

第10章 MEA(膜電極接合体)
1 MEAの定義と種類
2 CCM(Catalyst Coated Membrane)vs.GDE(Gas Diffusion Electrode)
3 三相界面の概念
4 MEA作成プロセス

第11章 新規めっき法による腐食耐性の改善
1 はじめに
2 超臨界二酸化炭素を用いためっき法(SNP法)
 2.1 SNP法の概念と方法
 2.2 SNP法による高品質皮膜形成
3 フォーム状電解質を用いためっき法
 3.1 フォームめっきの概念と方法
 3.2 フォームめっきによるピンホール除去および耐腐食性改善
 3.3 フォームめっきによる結晶成長の制御
4 おわりに

【燃料電池自動車と材料・部品編】
第12章 FCV用駆動システムとFCスタックシステム制御技術
1 FCV用駆動システムとFCスタックシステム制御技術

第13章 FCVドライブ用パワーエレクトロニクス技術
1 はじめに
2 電力変換
3 電力変換の基本:スイッチング
4 チョッパ
 4.1 降圧チョッパ:抵抗負荷
 4.2 降圧チョッパ:誘導性負荷
 4.3 チョッパの出力電圧制御:PWM制御
 4.4 昇圧チョッパ
 4.5 FCV用PAM制御昇圧チョッパ
 4.6 2/4象限チョッパ
5 インバータ
 5.1 回路構成と動作の基本
 5.2 過変調PWM制御と1パルスモード

第14章 高圧ガス容器の種類
1 はじめに
2 水素の供給プロセス
3 各種の高圧水素容器
 3.1 各種の高圧ガス容器の要求仕様
 3.2 FCV搭載用の高圧ガス複合容器の構造・構成材料
 3.3 水素ステーション用の高圧ガス容器の構造・構成材料
4 各種の高圧容器の製造プロセス
 4.1 FCV搭載用Type 3およびType 4容器の構造及び製造プロセス
 4.2 水素ステーション用Type 1およびType 2容器の構造及び製造プロセス

第15章 FCV搭載用および水素ステーション用の高圧容器の要求仕様
1 はじめに
2 FCV搭載用Type 3およびType 4 CFPP複合容器への要求仕様
 2.1 FCVの燃料システム
 2.2 各種の試験項目とその目的・概念
 2.3 70MPa圧縮水素自動車燃料装置用容器の技術基準(KHK S0128)
3 FCV搭載用Type 3及びType 4 CFRP複合容器の設計上の留意点
 3.1 CFRP層の設計
 3.2 Type 3ライナ用アルミニュウム合金(A6061-T6)
 3.3 Type 4ライナ用プラスティックの性能と課題
4 本格普及に向けて水素ステーションの低コスト化へのNEDOの取組
 4.1 ガイドライン案の策定
 4.2 技術開発への取組
 4.3 Type 4複合容器の開発
 4.4 アルミ合金ライナType 3複合容器の開発
 4.5 スチールライナ複合容器(Type 2容器)の開発
5 海外の技術基準の動向
6 まとめ

第16章 高圧水素ガスシール用ゴム材料
1 緒言
2 ゴム材料の高圧水素曝露時の挙動
3 ブリスタ破壊と水素侵入量および材料強度との関係
4 高圧水素加減圧によるOリングの耐久性評価
5 結言

第17章 CFRP複合容器
1 はじめに
2 タイプ3複合容器の安全性
 2.1 容器の破裂を未然に防ぐ
 2.2 水素ガスを外に漏らさない
3 タイプ3複合容器の製造方法
 3.1 ライナー製造
  3.1.1 スピニング加工
  3.1.2 熱処理
  3.1.3 ねじ切り加工
 3.2 容器製造
  3.2.1 ワインディング
  3.2.2 樹脂硬化
  3.2.3 自緊処理
4 水素ステーションコストの低減に向けて
 4.1 ステーション関連
  4.1.1 CFRP蓄圧器による基礎工事および保持部材の簡素化
  4.1.2 CFRP蓄圧器による設置スペースの低減
  4.1.3 CFRP蓄圧器を用いてのモジュール化による設計費および現地工事費の低減
 4.2 蓄圧器関連
  4.2.1 高強度アルミライナーによるCFRP材料の削減
5 水素社会におけるCFRP複合容器の可能性

第18章 水素ステーション用高圧鋼製蓄圧器
1 はじめに
2 鋼製水素蓄圧器に用いる素材
 2.1 使用可能な高強度低合金鋼
 2.2 高強度低合金鋼の安全性評価
3 鋼製水素蓄圧器の設計
4 製造および保安検査における安全性の確保
5 ストレート型鋼製蓄圧器の特徴
6 おわりに

第19章 水素吸蔵合金を用いたタンク
1 はじめに
2 燃料電池自動車用水素吸蔵合金タンク
3 燃料電池潜水艇
4 燃料電池小型移動体
5 その他の水素貯蔵タンク
6 おわりに

第20章 自動車におけるCFRPの現状と動向
1 CFRPへの期待
 1.1 エコカーへの取り組み
 1.2 エコカーと軽量化
 1.3 軽量材料CFRPの特徴と期待
2 自動車用CFRPの現状
3 自動車用CFRPの今後
 3.1 CFの需要と供給
 3.2 技術開発
  3.2.1 熱硬化性CFRP
  3.2.2 熱可塑性CFRP
 3.3 ポピュラー化
  3.3.1 リサイクル
  3.3.2 カーボンニュートラル(植物由来材料化)
  3.3.3 CFRPならではの設計
4 まとめ

【水素エネルギーシステム編】
第21章 スマートコミュニティの創造と水素社会の実現
1 ベストミックスの実現とスマートコミュニティ
2 6つの改革
3 分散型エネルギーと自動車の電化
4 水素社会の実現

第22章 水素活用社会の展望
1 水素活用への高い位置づけ
2 水素活用の意義と課題
3 欧州で盛んな「パワー・トゥ・ガス」とは何か
4 エネルギー構造全体を変えるポテンシャル

第23章 水素ステーション
1 岩谷の水素に関する取組の歴史
2 日本における水素需要
3 岩谷の液水への取り組み
4 我が国の水素ステーション整備計画
5 岩谷の水素ステーションへの取り組み状況
6 今後の課題

第24章 石油精製と水素
1 はじめに
2 製油所の装置構成
3 製油所からの水素製造
 3.1 接触改質装置
 3.2 水素製造装置
4 製油所の水素製造余力
5 オフガス水素の回収
6 製油所における水素の貯蔵
7 国内製油所がエネルギー水素供給に貢献する可能性

第25章 褐炭からのCO2フリー水素サプライチェーン
1 はじめに
2 水素チェーンの概念
3 商用規模水素チェーンの実現可能性検討
4 商用チェーンの水素コスト試算
5 水素インフラ設備の開発

第26章 PSA法
1 水素PSAの歴史
2 吸着分離プロセスの特徴
 2.1 吸着を利用した気体分離方法の比較
 2.2 PSAに用いられる吸着剤の種類と性質
 2.3 吸着剤の選定
 2.4 PSA装置の構成
3 水素PSA装置の概要
 3.1 主な水素源
 3.2 代表的な水素精製方法
 3.3 水素PSAの運転パターン
4 当社の水素PSA紹介
 4.1 納入実績
 4.2 特徴
  4.2.1 吸着剤
  4.2.2 運転プロセス
  4.2.3 運転レート
 4.3 装置性能
5 おわりに

第27章 水素製造技術と水素ステーションへの展開
1 はじめに
2 スチームリフォーミングについて
3 小型水素製造装置の開発
4 水素ステーション用水素製造装置(HyGeia-A)の開発
5 下水バイオガス利用水素ステーションの実証
6 あとがき

第28章 高濃度CO耐性アノード触媒
1 燃料電池システムとCO2の排出削減効果
2 現在の都市ガス改質系
3 次世代の高濃度CO耐性アノード触媒に求められる性能
4 COの電気化学酸化除去
5 リガンド効果について
6 リガンド効果と電気化学の組み合わせ
7 PtとRuの分散性の制御と触媒反応設計
8 おわりに

第29章 純水素製造用水素透過膜
1 はじめに
2 水素分離膜素材
3 パラジウム系膜
 3.1 合金組成と水素透過性
 3.2 水素透過機構と速度式
4 複合膜化
 4.1 作製方法
 4.2 水素透過速度
5 高純度水素製造用の膜改質反応器
 5.1 実用化レベルの膜反応器
 5.2 膜反応器の優位性
6 おわりに

第30章 水素貯蔵材料開発動向
1 はじめに
2 水素貯蔵技術の物質の三態による分類
3 気体による水素貯蔵輸送
4 液体による水素貯蔵
5 水素貯蔵材料による水素貯蔵輸送
6 水素貯蔵材料を用いた水素の車上搭載
7 燃料電池自動車用水素貯蔵材料の開発の現状
8 結び

第31章 鉄鋼材料の水素脆化と高圧水素機器の強度設計法
1 はじめに
2 引張特性に及ぼす水素の影響
3 疲労き裂進展特性に及ぼす水素の影響
4 水素助長疲労き裂継続前進機構
5 高圧水素機器に使用可能な鋼種の変遷
6 水素の影響のある材料の強度設計法
7 高圧水素機器に関する海外規格

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