著者一覧
小迫雅裕 九州工業大学
高明天 太陽インキ製造(株)
高橋泰典 住友ベークライト(株)
伊藤隆彦 (株)フロロテクノロジー
三村研史 三菱電機(株)
佐藤崇紀 (株)伊藤園
鈴木宗泰 (国研)産業技術総合研究所
銘苅春隆 (国研)産業技術総合研究所
牛島洋史 (国研)産業技術総合研究所
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【特集】高分子絶縁材料の開発動向
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有機高分子絶縁材料の絶縁破壊・劣化メカニズム
Mechanisms of Dielectric Breakdown and Degradation of Polymeric Insulating Materials
高電圧電力機器のみならず,パワーエレクトロニクスを利用して出力制御を行う電気機器に使われている有機高分子絶縁体において重要な絶縁破壊および部分放電劣化,トラッキング,エレクトロケミカルマイグレーションといった絶縁劣化の機構や特性を概観したのち,それらの発生を防止する対策の具体例をいくつか示した。
【目次】
1 はじめに
2 絶縁破壊
3 絶縁劣化
3.1 電圧印加による絶縁劣化
3.2 部分放電劣化
3.3 エレクトロケミカルマイグレーション(イオンマイグレーション)
3.4 トラッキング
3.5 トリーイング(電気トリーと水トリー)
4 絶縁破壊および絶縁劣化の防止
5 まとめ
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ナノコンポジット絶縁材料の高機能化
Innovative Functional Electrical Insulating Nanocomposite Materials
近年,有機/無機ナノコンポジット技術の導入により,ポリマー母材,およびマイクロサイズのフィラーが充填された複合材料の電気絶縁性を大幅に向上させることが可能となってきた。本稿では,その研究開発事例を紹介する。現時点ではまだ開発途上の技術であるが,将来的にはテーラーメイドな材料開発に繋がるナノコンポジット技術であると確信している。
【目次】
1 はじめに
2 ナノ・マイクロコンポジットの作製方法
3 ナノ・マイクロコンポジットの熱伝導率
4 ナノ・マイクロコンポジットの電気絶縁性
4.1 絶縁破壊強度
4.2 耐部分放電性
4.3 耐電気トリー性
5 フィラー配向とナノコンポジットのハイブリッド
5.1 フィラー電界配向制御
5.2 フィラー配向におけるナノコンポジットの効果
6 複合材料バリスタの開発
7 ナノアルミナコーティングによる機能性絶縁材料の開発
8 フラーレン添加による機能性絶縁材料の開発
9 おわりに
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熱硬化型層間絶縁フィルム
Thermosetting Interlayer Insulation Film
熱硬化型層間絶縁フィルムはフリップチップ技術を用いた半導体パッケージ基板のビルドアップ層として主に用いられる。エポキシ樹脂を用いた層間絶縁フィルムは当該用途に必要な諸特性を備えることで広く普及している。一方,5Gによる高周波向けには,エポキシ樹脂より低誘電損失である新規樹脂を用いた層間絶縁フィルムが開発されている。
【目次】
1 はじめに
2 エポキシ樹脂を用いた熱硬化型層間絶縁フィルム
3 低Dk/Dfを特徴とする新規樹脂を用いた熱硬化型層間絶縁フィルム
4 まとめ
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高透明・高耐光の感光性絶縁材料の開発
Development of High Transparent and High Light Resistance Photosensitive Dielectric Material
COVID-19の影響によるリモートワークの広がり,5G技術の広がりによるAR/VR技術の拡大によりディスプレイへの注目が集まる中,フレキシブルディスプレイなどの次世代ディスプレイに適用が期待されるミニ/マイクロLEDの研究開発が活発に行われている。それに伴いミニ/マイクロLED製造に向けたプロセス,材料開発も進んでいる。
本稿では,ミニ/マイクロLEDへの適用が期待される高透明・高耐光性を有する感光性絶縁材料を紹介する。
【目次】
1 緒言
2 高透明・高耐光性の設計
3 実験
3.1 サンプル作製
3.2 透過率,耐光性評価
3.3 耐熱性評価
3.4 加工性評価
3.5 膜物性評価
3.6 密着性評価
3.7 絶縁信頼性評価
4 評価結果と考察
4.1 透可率,耐光構成表価
4.2 耐熱性評価
4.3 加工性評価
4.4 膜物性評価
4.5 密着性評価
4.6 絶縁信頼性評価
4.7 平坦塗布性評価
5 まとめ
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常温型フッ素系コーティング剤による電子部品・実装基板の絶縁性・防水性付与
Insulation and Waterproofing of Electronic Components and Mounting Substrates with Room Temperature Fluoridepolymer Coating Agents
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を代表とするフッ素樹脂は,基本機能として,高絶縁性,低表面エネルギー,耐酸,耐薬品性,耐熱性,低摩擦性などの特異的な機能を発揮し,工業的に非常に有用であることが知られている。しかし,この樹脂は結晶性が高いために透明性がなく白濁樹脂であり,また,各種溶媒には溶解せず,皮膜を形成するには粉体で塗装した後,300℃以上の高熱で溶解させる工程が必要であった。このことより電子部品や実装基板などエレクトロニクス関連部材に使用するには難しかった。
このフッ素樹脂のメリットを生かしながらも,常温にて透明な皮膜を形成することのできるフッ素系撥水撥油処理剤が40年以上前から何種類か上市されている。これらの製品のコーティング膜は撥水撥油性や電気特性に優れているが,皮膜の機械的強度が低く脆弱という欠点があり,膜厚を5μm以上にて皮膜形成した場合に冷熱サイクルによってクラックが入ってしまうことが多々発生した。膜厚と絶縁性・防水性能は比例するため,高い絶縁性や防水性を求めるには不向きであった。
弊社では,2003年に業界で初めて,この問題を解決し実装基板や電子部品の防湿や防水コーティング専用に設計されたフッ素系絶縁防湿コーティング剤「フロロサーフ®FG3000シリーズ」を発売開始し,以来着実に市場での実績を築いてきた。本稿ではこのフッ素系防湿コーティング剤について述べたい。
【目次】
1 概要
2 皮膜特性面での優位点
2.1 他樹脂の防湿コーティング剤に比較して電気特性(防湿性・絶縁性)が高性能
2.2 皮膜不燃性
2.3 高信頼性
3 現場での使用メリット
4 使用例
4.1 防湿・イオンマイグレーション防止・リーク防止
4.2 リチウムイオン電池電解液対策
4.3 LED の劣化防止(硫化防止性)
5 今後の方向性と環境への配慮
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樹脂絶縁材料の高熱伝導化
Improvement of the Thermal Conductivity of the Resin Composite Materials
近年,電気機器において高性能化,コンパクト化が進展し,内部から発生する熱が増大している。そのため機器に用いられる絶縁材料には,絶縁性とともに放熱性が求められるようになり,電気絶縁性で高熱伝導性を有する無機の粒子(フィラー)を配合した樹脂複合材料の開発が進められている。本稿では,エポキシ樹脂に熱伝導フィラーとして窒化ホウ素や窒化アルミニウムを用いて高熱伝導化を検討した結果,さらには熱伝導率に異方性を持つ窒化ホウ素粒子の配向を制御したときの熱伝導率に及ぼす影響について検討した結果を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 樹脂複合材料の放熱性の付与
3 鱗片形状 BN フィラー配合による高熱伝導化
4 窒化アルミニウム(AlN)フィラー配合による高熱伝導化
5 凝集 BN フィラー配合による BN粒子の配向制御での高熱伝導化
6 おわりに
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[Material Report-R&Dー]
茶粕(廃棄物)を茶殻 (有価物 )へ アップサイクルの取り組み
Shift Someone’s Perception from “Wasted Tea Leaves” to “Used Tea Leaves Valuable”,
Efforts of “UPCYCLING” to Add Value to Waste
茶系飲料の生産工程で排出される茶殻は,ほとんどが元の製品よりも価値が下がる肥料や飼料等に有効利用されている(ダウンサイクル)。しかし,茶殻にはカテキン等の有用成分が残存しているため,伊藤園では茶殻を茶粕(廃棄物)ではなく有価物(未利用資源)と捉えて,建材・紙・樹脂製品等にアップサイクルする取り組みを行っている。
【目次】
1 はじめに
2 食品廃棄物等の再生利用の実態
3 茶殻ならびに茶成分の機能性
3.1 茶殻に残存するカテキン量
3.2 茶殻の消臭試験
3.3 カテキンの抗菌試験
3.4 期待できる茶殻の機能性
4 茶殻のアップサイクル方法の検討
4.1 茶殻の問題点
4.2 含水茶殻を使用する利点
4.3 茶殻混抄紙の製造方法の検討
4.4 茶殻混抄紙の機能性(抗菌効果)
4.5 木材自給率と茶殻活用の利点
5 まとめ
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高密度化した電極によるフレキシブル全固体電池
Flexible All-Solid-State Battery With High-Density Electrode Mixture Layer
我々は「人に蓄電池があることを感じさせない」新たな技術の創出を目指して,可撓性を備えた全固体電池の実現に向けた研究開発を推進している。ここでは,脆性材料を破砕や塑性変形させずに高密度プレス成型体が得られる新たな室温プロセス「メガプレスフォーミング(MF)法」を開発したので参考にされたい。
【目次】
1 はじめに
2 MF法の基本原理
3 アルミナ粒子によるMF法の原理確認
4 PZTのMF膜の微細構造と強誘電性
5 MF膜を活用した折れた形状の全固体電池
6 まとめ
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[Market Data]
合成染料工業の動向
合成染料の2020年の国内生産量は1万2,626トンで,前年比77.4%と減少し,輸出量も6,335トンで前年比84.9%と減少した。国内向け販売量,国内出荷量,国内投入量も軒並み減少となった。メーカーの海外生産へのシフトや長引く需要低迷を背景に,合成染料の国内生産は,ここ数年時折回復傾向を見せる年もあるが減少傾向にあり,2020年はほぼすべての分野で減少した。国内外とも新型コロナ感染症の影響が多くみられる。高級衣料分野を中心に付加価値の高い染料が求められていることを背景に,先端分野の機能性色素で新たな市場の開拓が期待される。
1 生産概要
2 輸出入の概要
3 メーカー動向
4 開発動向
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[Material Profile]
ジクロロシラン
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次世代パワー半導体実装の要素技術と信頼性
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