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放熱材料・部材技術の開発動向

Development Trends in Technology of Thermally Conductive Materials and Components

★CO2削減に資するパワーデバイスの普及拡大に伴い、さらなる高性能化が求められる放熱材料!
★各種放熱材料・部材の設計、製法、物性、適用事例などを詳述!
★セラミック・炭素・金属・樹脂等の放熱素材、基板・ヒートシンク・シート・テープ・封止材・接着剤・グリス等の放熱部材を網羅!

商品コード:
T1220
監修:
上利泰幸
発行日:
2022年11月30日
体裁:
B5判・283頁
ISBNコード:
978-4-7813-1682-6
価格(税込):
58,300
ポイント: 530 Pt
関連カテゴリ:
エレクトロニクス
新材料・新素材
エレクトロニクス > 半導体・電子材料
新材料・新素材 > 複合材料・ハイブリッド材料
新材料・新素材 > 製造・加工プロセス

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キーワード:

放熱対策 / ヒートマネジメント / 放熱材料 / 高熱伝導性材料 / パワー半導体 / パワーデバイス / パワーエレクトロニクス / 電気自動車 / 発電装置 / 定置用蓄電池 / 家電 / 産業用ロボット / 地球温暖化対策 / CO2排出削減

刊行にあたって

 今世紀に入り,エレクトロニクス分野を中心に放熱性を向上させるため,高分子材料の高熱伝導化など各種の放熱材料の高度化が望まれるようになった。また最近,地球温暖化の原因である二酸化炭素削減をめざし,COP26まで採択された。そこで次世代自動車の普及などを進め,再生可能エネルギーの利用を拡大し,家電・産業機器の効率で,2050年には全世界の二酸化排出量の実質0%が目指されている。そのため,二酸化炭素の削減を目指す分野の約50%で,パワーデバイスの活躍が期待されている。さらに,自動車は電動化(E)だけでなく,自動車のIoT活用(C),自動運転(A),共有化利用(S)への移行が大きく進もうとしている。それらを合わせてCASEと呼ばれ,これの問題を解決するために,ハード部品の格段の高性能化が求められ,更なる放熱技術の進歩が必要となっている。
(本書「はじめに」より一部抜粋)

著者一覧

上利泰幸   (一社)大阪工研協会
真田和昭   富山県立大学
藤井 進   大阪大学
森川淳子   東京工業大学
山本広志   DIC㈱
吉原正道   DIC㈱
藤田 明   DIC㈱
糸谷一男   DIC㈱
松浦圭介   DIC㈱
大崎善久   タテホ化学工業㈱
末田 学   堺化学工業㈱
岩井沢 順  堺化学工業㈱
嶋村彰紘   (国研)産業技術総合研究所
永冶 仁   ㈱U-MAP
渡邉将太   ㈱U-MAP
古川博樹   信濃電気製錬㈱
内田哲也   岡山大学
阪本浩規   大阪ガス㈱
原田美由紀  関西大学
正鋳夕哉   ユニチカ㈱
江口 裕   名古屋工業大学
永田謙二   名古屋工業大学
横井敦史   豊橋技術科学大学
Tan Wai Kian 豊橋技術科学大学
武藤浩行   豊橋技術科学大学
今井祐介   (国研)産業技術総合研究所
伯田幸也   (国研)産業技術総合研究所
多々見純一  横浜国立大学
竹馬克洋   ㈱サーモグラフィティクス
井手拓哉   ㈱ロータス・サーマル・ソリューション
向井 剛   ㈱村田製作所
向 史博   バンドー化学㈱
嶋田 彰   東レ㈱
小柳津康史  ㈱寺岡製作所
石井利昭   日立Astemo㈱
高橋昭雄   横浜国立大学
浅井良介   セメダイン㈱
磯崎丈志   セメダイン㈱
阿部寛生   セメダイン㈱
大滝晋平   セメダイン㈱
辻 謙一   信越化学工業㈱

目次 +   クリックで目次を表示

【第Ⅰ編 総論】
第1章 熱伝導率向上に向けた高分子材料中への充填材の複合配置や密接技術のポイント
1 高熱伝導高分子材料へのニーズとその発展
2 複合高分子材料の熱伝導率に与える影響因子や従来の熱伝導モデル
3 高熱伝導化に向けた種々の工夫
 3.1 高分子の熱伝導率の増大
  3.1.1 熱伝導性液晶性高分子の利用
 3.2 充填材の選択や高熱伝導化,充填量増大化の工夫
  3.2.1 充填材の種類や粒度分布の工夫による高充填化
  3.2.2 ファイバー状及び板状の充填材の使用と配向制御
  3.2.3 ナノ粒子の活用
 3.3 複合構造の工夫
  3.3.1 複合配置の工夫による熱伝導率の向上
  3.3.2 フィラーの連続体をしっかりと繋ぐことで充填材間の界面抵抗を低減
  3.3.3 充填材の接触面を増大し,完全な連続相に
  3.3.4 SPS成形を活用し,Al粒子を融着
  3.3.5 充填材の表面への長鎖の反応性分子修飾による高性能化
4 まとめ

第2章 数値シミュレーションを活用したフィラー充填ポリマー系複合材料の微視構造設計と熱伝導率予測
1 はじめに
2 熱伝導性フィラーの種類と形状
3 複合材料の粘度とフィラー粒度分布との関係
4 フィラーの最密充填構造設計技術
5 フィラーのハイブリッド化による伝熱ネットワーク形成技術
6 まとめ

第3章 機械学習による結晶粒界の熱伝導度の高精度予測
1 はじめに
2 粒界熱伝導度の網羅的計算
3 熱伝導度の予測モデルと物理的解釈
4 おわりに

第4章 放熱材料の熱物性測定法
1 はじめに
 1.1 熱物性の定義
 1.2 熱伝達と熱抵抗
 1.3 輻射における熱抵抗と熱コンダクタンス
2 熱物性測定法総覧
 2.1 概観
 2.2 定常法と非定常法
  2.2.1 熱伝導率・熱拡散率測定
  2.2.2 定常法と非定常法
3 熱物性測定法の進展
 3.1 最新測定法の進捗
  3.1.1 高熱伝導フィラー単一の熱物性測定
  3.1.2 ポンププローブ法の応用
  3.1.3 熱的界面の検出
4 まとめ

【第Ⅱ編 放熱材料・部材技術】
〈放熱フィラー〉
第1章 酸化アルミニウム(アルミナ):特殊形状
1 はじめに
2 特殊形状アルミナの製造方法
3 セラネクスの各グレードの特徴
 3.1 セラネクス APシリーズ
 3.2 セラネクス ACシリーズ
 3.3 セラネクス AHシリーズ
4 セラネクスの用途開発の取り組み
 4.1 2成分系の粘度挙動
 4.2 最密充填設計したブレンドフィラー
 4.3 熱伝導シートへの応用
5 おわりに

第2章 酸化マグネシウム
1 はじめに
2 酸化マグネシウムフィラーへの期待
3 酸化マグネシウムの特長と課題
4 酸化マグネシウムの耐湿性と充填性を改善するための従来技術
 4.1 耐湿性を改善する方法
 4.2 充填性を改善する方法
5 タテホ化学工業株式会社が開発した酸化マグネシウム熱伝導性フィラー
6 COOLMAG®の粉体物性
7 COOLMAG®の放熱特性
8 COOLMAG®の耐湿性
9 COOLMAG®の充填性
10 今後,求められる改良について
 10.1 表面処理について
 10.2 小粒子径フィラーについて
11 おわりに

第3章 放熱フィラーとしての酸化亜鉛
1 はじめに
2 当社の酸化亜鉛製品と粉体プロセッシング技術の紹介
 2.1 一般製品
 2.2 微粒子酸化亜鉛
 2.3 特殊形状品
3 製法と粒子径
4 大粒子酸化亜鉛LPZINC
 4.1 製法とラインナップ紹介
 4.2 放熱性能・アルミナとの比較
 4.3 単独/混合配合系の比較
 4.4 フィラー充填率と各種性能
 4.5 LPZINCの各種機能性探索
5 保有特許

第4章 樹脂複合材料用窒化ケイ素フィラーの展開
1 はじめに
2 結晶構造が異なる窒化ケイ素を複合化した複合材料の熱伝導特性
3 相窒化ケイ素フィラーを用いた高熱伝導性複合基板の開発
4 まとめ

第5章 窒化アルミニウム:単結晶ファイバー
1 はじめに
2 樹脂部材の熱伝導率向上を可能にするAlN単結晶ファイバーの特徴
3 樹脂部材の性能と製造性を両立するAlN単結晶ファイバーの充填方法
4 複合樹脂中でのフィラー構造の解析技術
5 おわりに

第6章 放熱材料向けSiCフィラーの開発
1 はじめに
2 開発課題
3 高充填化
 3.1 粒度調整
 3.2 球状化
 3.3 小粒径化
 3.4 機能性高充填フィラー(長野県工業技術総合センター共同研究)
4 おわりに

第7章 剛直高分子PBOナノファイバーおよび単層カーボンナノチューブナノフィラーの放熱フィラーとしての応用
1 はじめに
2 剛直高分子Poly(p‒phenylene benzobisoxazole)(PBO)ナノファイバーの作製と複合体への応用
 2.1 PBOナノファイバーの作製
 2.2 構造と物性の特徴
  2.2.1 PBOナノファイバー
  2.2.2 PBOナノファイバーシート
  2.2.3 溶液キャスト法で作製したポリカーボネート(PC)/PBOナノファイバー複合体フィルム
  2.2.4 溶融混錬法で作製したポリカーボネート(PC)/PBOナノファイバー複合体フィルム
3 SWNTナノフィラーの作製と複合体への応用
 3.1 SWNTナノフィラーの作製と構造の特徴
 3.2 SWNTナノフィラーを用いたPVAとの複合体フィルムの作製とその構造評価
 3.3 PVA/SWNTナノフィラー複合体を延伸したフィルムの構造と物性評価
 3.4 ナイロン6(Ny6)/SWNTナノフィラーとの複合体フィルム
4 おわりに

第8章 多層グラフェンの熱伝導・放熱特性と活用方法
1 はじめに
2 グラフェンの製法と熱伝導性
 2.1 製法とその特徴
 2.2 熱伝導特性
3 多層グラフェンの製法の課題と大阪ガスの製法
 3.1 製法の課題
 3.2 大阪ガスの製法
4 多層グラフェンの熱伝導性
5 多層グラフェンの塗料への複合
6 多層グラフェンの他の熱伝導材料との相乗効果
 6.1 アルミナとの複合
 6.2 複合方法の改良による熱伝導率の向上
7 まとめ

〈高熱伝導樹脂〉
第9章 液晶配向によるエポキシ樹脂の高熱伝導化
1 はじめに
2 剛直メソゲン構造の特徴と硬化剤配合の影響
3 無機フィラーによるコンポジット化
4 多官能型メソゲン骨格エポキシ樹脂
5 液晶エポキシ変性による高耐熱樹脂の熱伝導化
6 おわりに

第10章 高熱伝導性ナイロン樹脂
1 はじめに
2 高熱伝導フィラー
3 高熱伝導性ナイロン6樹脂の概要
 3.1 高熱伝導性ナイロン6樹脂
 3.2 高熱伝導性ナイロン6樹脂の成形加工性
4 絶縁高熱伝導率かつ低コストグレードの開発
5 高耐熱性 高熱伝導性ナイロン樹脂の概要
 5.1 高耐熱性 高熱伝導性ナイロン樹脂
 5.2 高耐熱性 高熱伝導性ナイロン樹脂の成形加工性
6 高熱伝導性ナイロン樹脂の放熱性
 6.1 ヒートシンクでの放熱性評価
 6.2 金属との一体成形
7 採用事例
8 おわりに

第11章 相分離構造制御を利用した熱伝導性高分子複合材料
1 はじめに
2 高分子の熱伝導性
3 複合材料の熱伝導性
4 複合材料の高熱伝導化技術
 4.1 BN充填ポリプロピレン/ナイロン複合材料の調製と測定評価
 4.2 BN充填ポリプロピレン/ナイロン複合材料のモルホロジー観察
 4.3 BN充填ポリプロピレン/ナイロン複合材料の熱重量損失測定
 4.4 BN充填ポリプロピレン/ナイロン複合材料の熱伝導率
 4.5 BN充填ポリプロピレン/ナイロン複合材料の体積抵抗率
5 おわりに

第12章 静電集積化技術による粒子設計と熱伝導性複合材料の微構造制御
1 はじめに
2 複合粒子作製と微構造設計
 2.1 複合粒子作製
 2.2 微構造設計
3 複合材料の開発
 3.1 h‒BN‒PMMA複合粒子設計と微構造制御
 3.2 パーコレーション構造および配向構造
4 おわりに

第13章 高周波用誘電コンポジット材料における低誘電特性と放熱特性の両立
1 はじめに
2 高周波誘電材料
3 コンポジットの誘電特性に対する無機フィラー粒径の影響
4 柱状MgO微粒子による熱特性の改善
5 六方晶窒化ホウ素粒子の誘電フィラーとしての活用
6 まとめ

第14章 繊維状カーボン配向熱伝導性ゴム材料
1 はじめに
2 カーボンファイバー配向高熱伝導性コンポジット
3 タフコンポジット材料と水中プラズマ改質
4 2種類の繊維状カーボンからなる高熱伝導性複合ゴム材料
5 まとめ

〈放熱基板・ヒートシンク〉
第15章 セラミック基板材料
1 はじめに
2 セラミックスプロセッシング
 2.1 原料粉体調製
 2.2 成形
 2.3 焼成
3 セラミック基板材料の特性
 3.1 熱的特性
 3.2 電気的特性
 3.3 機械的特性
4 おわりに

第16章 高熱伝導性を有するヒートスプレッダー及び絶縁基板などの開発
1 はじめに
2 高熱伝導グラファイトの特徴や構造
3 高熱伝導グラファイトの複合化技術
 3.1 従来の複合化技術
 3.2 グラファイトの表面構造の制御
 3.3 異種材料との複合化
 3.4 グラファイトによる伝熱方向のコントロール
 3.5 熱伝導と応力緩和
4 ヒートスプレッダー及び絶縁基板などの開発について
 4.1 ヒートスプレッダーとして
  4.1.1 金属材の複合化
  4.1.2 金属材のコーティングによる複合化
 4.2 絶縁基板として
  4.2.1 セラミックスの複合化
  4.2.2 セラミックス系のコーティングによる複合化
  4.2.3 樹脂による複合化
 4.3 回路形成・パターニング
5 評価
 5.1 熱特性
 5.2 熱サイクル試験
6 まとめ

第17章 ロータス金属とロータス金属を用いた冷却器
1 はじめに
2 ロータス型ポーラス金属の特徴と製法
3 ロータスヒートシンクの種類とその特性
 3.1 水冷ヒートシンク
 3.2 空冷ヒートシンク
 3.3 ヒートシンクの特性
4 ロータス金属を利用した沸騰冷却とその応用

第18章 薄型ベイパーチャンバー
1 はじめに
2 ベイパーチャンバーの原理
 2.1 ベイパーチャンバーの構造と熱輸送サイクル
 2.2 ベイパーチャンバーの設計
  2.2.1 熱設計
 2.3 構成部材の選定
3 ベイパーチャンバーの薄型化
4 まとめ

〈放熱シート〉
第19章 窒化ホウ素を垂直配向した熱伝導性シート
1 はじめに
2 TIMの必要特性と放熱シートの特徴
 2.1 TIMの命題
 2.2 各製品の特徴
3 高熱伝導率化処方と背反事象
4 h-BN垂直配向シート(HEATEX® TS107)
 4.1 狙いとするフィラー充填構造と用いた伝熱フィラー
 4.2 放熱シートへの適用効果
 4.3 h-BN配向度の熱伝導率への影響
 4.4 定常法による熱伝導率の算出
5 導電フィラー垂直配向シート(HEATEX® TS211)
6 おわりに

第20章 ポリイミド樹脂をベースとした放熱シート
1 はじめに
2 ポリイミド樹脂の高熱伝導率化
3 粘着シート
4 熱硬化型接着シート
5 おわりに

〈放熱テープ〉
第21章 熱伝導性粘着テープ
1 はじめに
2 熱伝導の原理
3 熱伝導性粘着テープ
4 まとめ

〈放熱封止材〉
第22章 封止材料
1 はじめに
2 パッケージングの役割と機能
3 封止材料およびパッケージの製造工程
4 封止材料の組成
5 パワーモジュールの課題
6 封止材料の高熱伝導化
7 おわりに

〈放熱接着剤・グリース〉
第23章 放熱接着剤
1 はじめに
2 TIM(Thermal Interface Materials)
3 放熱接着剤
 3.1 変成シリコーン系弾性放熱接着剤
  3.1.1 1液湿気硬化型
  3.1.2 2液湿気硬化型
  3.1.3 リペアラブル放熱接着剤
4 おわりに

第24章 シリコーン放熱グリース
1 はじめに
2 シリコーンの性質
3 シリコーン放熱グリースの構成と特徴
4 シリコーン放熱グリースの分類と特性
 4.1 シリコーン放熱グリースの分類
 4.2 シリコーン放熱グリースの特性
  (1) 非硬化型放熱グリース
  (2) 1液ギャップフィラーCLGシリーズ
  (3) 2液ギャップフィラーSDPシリーズ
  (4) 1液増粘型グリース
  (5) 超高性能タイプ
5 おわりに

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