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ワイヤレス電力伝送と5G通信の連携・融合に向けた干渉対策と今後の展望

Interference Countermeasures and Future Prospects for Cooperation/Fusion of Wireless Power Transmission and 5G Communication

★近年利用ニーズが高まるワイヤレス電力伝送は、その普及に向け5G通信との同帯域での電波干渉や電波伝搬ロスが課題!
★給電システム開発や室内外の電波伝搬解析、建材の電波特性,電波吸収体・シールド材料の開発など多岐に渡る技術を網羅!
★電波干渉・漏洩対策や伝搬シミュレーションに携わる方々へお薦めの1冊!

商品コード:
T1232
監修:
橋本 修
発行日:
2023年3月20日
体裁:
B5判・289頁
ISBNコード:
978-4-7813-1731-1
価格(税込):
69,300
ポイント: 630 Pt
関連カテゴリ:
エレクトロニクス
エレクトロニクス > 半導体・電子材料
エレクトロニクス > 情報通信技術(ICT)・IoT
エレクトロニクス > その他の電子機器・材料

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キーワード:

ワイヤレス電力伝送 / 5G / 干渉対策 / 透明アンテナ / 電気・磁気損失 / マイクロ波 / 分散協調型WPT / 電波漏洩 / ミリ波 / スプリアス(不要発射) / ビームフォーミング / 雑音端子電圧 / ドローン / 漏洩電磁波 / ITU-R規格 / HAPS / 6G / 建築部材 / 透過・反射特性 / 誘電特性 / ビーズスラグモルタル / 電波吸収体 / フェノール発泡体 / 藻類由来マイクロコイル / スペクトラム拡散シールド / カーボンナノチューブ複合布

刊行にあたって

 本書は,ワイヤレス電力伝送と5G 通信などの連携・融合に向けた干渉対策についてまとめたものである。最近の電波の利用は情報通信分野のみならず,電力伝送分野などにもおよびそれらの干渉問題などを含む電波洪水と呼んでも過言ではない状況と思われる。
 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム(WPT)は,電池や電力配線が不要で,小型デバイスなどの設置場所を自由にかえることの出来る環境で行え,5G などで利用されているビームフォーミング技術などにより同時多数送電が可能となることから利用ニーズが高く,5.7 GHz帯を含む多数のバンドに置いて制度化されている。一方で,最近では,5G を活用した有人環境で使用する携帯端末などのモバイル機器や,他のシステムとの連携した医療や介護施設の見守サービスやインフラ設備の劣化診断など,様々な使用環境で多数のセンサなども使用され始めている。そのような背景から,相互の干渉抑制技術について,共存性評価や共存検討を行うための基盤データの精緻化などの整備を進めるべく研究開発が実施されている。
(中略)
 このように,ワイヤレス電力伝送と5G 通信などの連携・融合に向けた干渉対策分野には,システム開発や建材の電波特性,室内外の電波伝搬解析,電波吸収体やシールド技術と多肢にわたる技術が含まれており,今後の技術開発は急速に進んで行くと思われる。本書が,この分野に携わる企業や大学等の技術者・研究者の皆様に対して少しでもお役にたてて頂ければ幸いである。

橋本 修
(本書「刊行にあたって」より抜粋)

著者一覧

橋本 修  青山学院大学名誉教授
新井宏之  横浜国立大学
黄 晋二  青山学院大学
柴田幸司  八戸工業大学
菅間秀晃  (地独)神奈川県立産業技術総合研究所
谷口健太郎 ㈱東芝
田中勇気  ㈱パナソニックシステムネットワークス開発研究所
伊藤盛通  (地独)大阪産業技術研究所
藤井秀彦  キーコム㈱
鈴木洋介  キーコム㈱
篠原真毅  京都大学
宇野 皓  ㈱東芝
永田 真  神戸大学
草間裕介  東洋大学
藤本博志  東京大学
永井栄寿  東京大学
花澤理宏  ㈱UL Japan
表 英毅  ソフトバンク㈱
北 直樹  日本電信電話㈱
チャカロタイ ジェドヴィスノプ (国研)情報通信研究機構
猪又 稔  日本電信電話㈱
須賀良介  青山学院大学
川瀬隆治  東急建設㈱
田口 実  キーコム㈱
山本尚武  パナソニック㈱
伊藤洋介  名古屋工業大学
林 達郎  奈良県産業振興総合センター
髙井伸一郎 村本建設㈱
國田麻衣子 スーパーレジン工業㈱
田山紘介  スーパーレジン工業㈱
小堀裕司  パナック㈱
佐藤剛毅  パナック㈱
古谷航一  三菱電機㈱
小林 剛  三菱電機㈱
大矢剛嗣  横浜国立大学

目次 +   クリックで目次を表示

【第1編:WPTシステムと5Gシステム-現状と課題-】
第1章 ワイヤレス電力伝送と5G通信の連携・融合に向けたアンテナの干渉対策と今後の展望
1 まえがき
2 アンテナの評価量とWPT用アレーアンテナ
3 5Gシステムでのアンテナ構成
4 アレーアンテナによる指向性合成
5 まとめ

第2章 グラフェンを用いた5G用透明アンテナ
1 はじめに
2 透明アンテナ材料としてのグラフェン
3 グラフェンの低抵抗化技術
 3.1 積層とキャリアドーピング
 3.2 ドーピングした3層積層グラフェンの特性
4 グラフェン透明モノポールアンテナ
 4.1 モノポールアンテナの作製
 4.2 反射特性と放射パターン
 4.3 利得と放射効率
5 今後の展開

第3章 ワイヤレス電力伝送での損失要因と材料定数測定
1 電磁方程式への電気電子材料の作用
2 ワイヤレス電力伝送システムに用いる電気電子材料の分類
3 高周波・マイクロ波帯における材料定数の測定法
4 kHz-MHz帯での材料定数の測定法
5 Sパラメータ法による固体と液体の材料定数の測定
6 UHF-マイクロ波帯における材料定数の測定法
7 共振器法
8 TDR法

第4章 KISTECのローカル5G(Sub6帯)実証スペースにおける実験的検討
1 はじめに
2 オープンソースを利用した電波計測システム
 2.1 PlutoSDRとGNU Radioによるスペクトラムアナライザ
 2.2 台車ロボットと制御プログラム
 2.3 測定アンテナ特性
 2.4 SDR機器の電磁干渉対策
 2.5 VNCによる遠隔操作システム
3 ローカル5Gの電波強度測定
4 まとめと今後の展望

第5章 他システム共存機能を有する5 GHz帯マイクロ波給電システム
1 5 GHz帯マイクロ波給電システム
2 5 GHz帯の周波数使用状況
3 5 GHz帯WPTシステムとWLANとの共用検討(離隔距離)
4 5 GHz帯WPTシステムとWLANとの共用検討(キャリアセンス)
5 5 GHz帯WPTシステムとWLANとの共用検討(給電時間)

第6章 IoTデバイスに向けた分散協調型ワイヤレス給電技術
1 背景
2 従来のワイヤレス給電技術
3 分散協調型WPTシステム
4 受電電力の計算
5 ビームフォーミングとの比較
6 位相最適化手法
7 送電システムの構成
8 バックスキャッタ受信システム
9 送電システム
10 送電実験
11 結論

【第2編:電波干渉・漏洩対策】
第7章 電波吸収体を用いたWPTや5Gにおける干渉改善について
1 はじめに
2 評価法と測定例
3 各種の電波吸収体
 3.1 曲率形状適合型吸収体(金属柱等への応用)
 3.2 透明電波吸収体(窓ガラス等への応用)
 3.3 導電紙吸収体(室内環境改善への応用)
 3.4 しきり型吸収体(隣接建物との干渉改善等への応用)
 3.5 超薄型吸収体(窓ガラス等への応用)
 3.6 シート型電波吸収体(天井等への応用)
 3.7 塗布型電波吸収体(壁面等への応用)
4 むすび

第8章 ミリ波帯用電波吸収体-メタルバックを用いない構造-
1 電磁波反射・透過・吸収制御材料の必要性
2 開発する電波吸収体の機能
3 メタルバックを用いない電波吸収体
 3.1 構造の概要
 3.2 性能目標
4 メタルバックを用いない薄型電波吸収体の設計
 4.1 導電材層の設計
 4.2 誘電体層の設計
5 電波吸収体の試作と性能検証
 5.1 試作
 5.2 性能評価系
 5.3 測定結果
6 まとめ

第9章 電力放射パターンおよびスプリアス(不要発射)の測定法
1 概要
2 電力放射パターンの測定法
 2.1 空間伝送型WPTシステムにおける電力放射パターンの測定法
 2.2 5G通信システムにおける電力放射パターンの測定法
3 スプリアスの測定方法
 3.1 WPTシステムにおけるスプリアス測定の測定法
 3.2 5Gシステムにおけるスプリアス測定の測定法
4 おわりに

第10章 ビームフォーミング等を用いた空間伝送型ワイヤレス給電の干渉回避技術
1 はじめに
2 小型ドローンへのナロービーム型ワイヤレス給電の実証モデル
3 小型ドローンへのナロービーム型ワイヤレス給電の干渉評価と低減手法
 3.1 評価シナリオ
 3.2 評価方法
4 まとめ

第11章 大電力ワイヤレス電力伝送システムにおける雑音端子電圧測定
1 はじめに
2 雑音端子電圧測定の必要性と目標となる雑音端子電圧の基準値
3 測定した大電力ワイヤレス電力伝送システム
4 測定結果
5 まとめ

第12章 ドローンの電磁ノイズと電磁環境
1 はじめに
2 ドローンと電磁ノイズ
 2.1 電磁ノイズの測定
 2.2 無線通信システムシミュレーション
3 電磁ノイズと無線通信システムの干渉
 3.1 電磁ノイズの広帯域測定
 3.2 電磁ノイズの分析
 3.3 電磁ノイズの干渉解析
4 ドローン機体による無線信号の遮蔽
5 まとめ

第13章 隙間の漏洩電波低減に関係するシミュレーション
1 はじめに
2 チョークによる漏洩防止に関する理論
 2.1 広帯域化の原理
 2.2 小型化の原理
 2.3 広帯域化の原理確認
 2.4 伝送線路等価回路計算の妥当性
 2.5 小型化の原理確認
3 開口からの放射抑制の原則
4 まとめ

第14章 高速スイッチング技術を利用した磁界共振型非接触給電の低次高調波における漏洩磁界低減
1 はじめに
2 SS型非接触給電回路による漏洩磁界
3 位相シフト制御およびLCフィルタによる漏洩磁界低減技術
4 高速スイッチングを利用した漏洩磁界低減
5 おわりに

【第3編:伝搬シミュレーションとITU-R規格】
第15章 無線電力伝送に関する規制・規格の動向
1 背景
2 近接結合型WPT
 2.1 規制・規格
 2.2 日本国内における近接結合型WPTの制度化
 2.3 モバイル機器用WPT
3 空間伝送型WPT
 3.1 海外の動向
 3.2 日本国内の動向
 3.3 運用調整協議会の設置
4 課題および今後の展望

第16章 HAPS対応電波伝搬モデルの国際標準化状況
1 はじめに
2 ITU-R SG3
3 HAPSに必要な電波伝搬モデル
 3.1 HAPSで想定される電波伝搬環境
 3.2 干渉検討用電波伝搬モデルとシステムデザイン用電波伝搬モデル
4 HAPS対応電波伝搬モデルの国際標準化の経緯
 4.1 2018年以前のHAPS対応電波伝搬モデル
 4.2 2019年~2021年のHAPS対応電波伝搬モデルの国際標準化活動
 4.3 干渉検討用電波伝搬モデルの国際標準化達成(2021年)
  4.3.1 HAPS-宇宙間のパス,HAPS-上空間のパス
  4.3.2 HAPS-地上間のパスに対する全体構成(争点⑴の整理)
 4.4 ITU-R勧告P.1409-2の構成に関するまとめ
5 まとめ

第17章 異システム間干渉評価のための高周波数帯電波伝搬モデル
1 はじめに
2 周波数の共用
3 干渉検討
4 ITU-Rにおける伝搬損失推定式
 4.1 ITU-R SG3 Site-general伝搬損失推定式
 4.2 ITU-R SG3 Site-specific伝搬損失推定式
 4.3 ITU-R SG5システム評価用伝搬損失推定式
5 5Gシステムによる与干渉エリアの計算例
6 あとがき

第18章 GPUクラスタを用いたミリ波帯屋内大規模電波伝搬シミュレーション
1 はじめに
2 GPUクラスタ上での並列化FDTD法の実装
3 大規模屋内電波伝搬の解析モデル
4 解析結果および考察
5 まとめ

第19章 6Gにおけるテラヘルツ波帯利用に向けた電波伝搬特性
1 まえがき
2 電波伝搬の課題
3 実環境におけるサブテラヘルツ波帯伝搬実験結果
 3.1 実験概要
 3.2 測定結果
4 あとがき

【第4編:建材の電波反射・透過特性】
第20章 建築材料の透過・反射特性の測定評価
1 まえがき
2 建材に適した複素比誘電率の測定法
3 自由空間法による建材の複素比誘電率測定
4 建材の複素比誘電率
5 まとめ

第21章 WPTや5Gにおける建築部材の反射・透過特性と測定法
1 背景
2 技術解説
 2.1 建築部材の電磁波反射・透過特性の実測技術1~電波半無響室での計測
 2.2 建築部材の持つ電磁波反射・透過特性の実測技術2~一般環境での計測
 2.3 WPTや5Gにおける建築部材の透過損失特性の数値解析事例
3 課題と展望

第22章 WPTや5Gにおける建築建材の誘電特性測定例と実施例
1 はじめに
2 誘電率と材料
 2.1 電波
 2.2 減衰量
 2.3 誘電率
 2.4 誘電体材料
 2.5 測定機器
 2.6 校正操作
3 比誘電率測定方法
 3.1 自由空間法
 3.2 導波管Sパラメータ透過法
4 おわりに

第23章 コンクリート製天井近傍における伝搬特性の検討
1 はじめに
2 FDTD法による伝搬シミュレーション
 2.1 対象とするシミュレーションモデル
 2.2 シミュレーション諸元
 2.3 FDTD法によるシミュレーション結果
 2.4 伝搬損失推定式の導出
3 導出した伝搬損失推定式の有効性検証
 3.1 測定環境・条件
 3.2 測定結果と伝搬推定式の比較
4 まとめ

第24章 電気炉酸化スラグと発泡スチロールビーズを骨材としたモルタルによる広帯域電波吸収体
1 はじめに
2 供試体
3 測定方法
 3.1 スラグ分布の測定
 3.2 反射減衰量の測定
4 スラグ分布の測定結果と考察
 4.1 水セメント比がスラグ分布に及ぼす影響
 4.2 加振時間がスラグ分布に及ぼす影響
5 反射減衰量の測定結果と考察
 5.1 水セメント比が電波吸収性能に及ぼす影響
 5.2 加振時間が電波吸収性能に及ぼす影響
6 まとめ

第25章 モルタルを用いた電波吸収材の開発
1 はじめに
2 モルタルによる電波吸収材
3 電波吸収材の設計
4 測定と結果
 4.1 反射係数
 4.2 複素比誘電率
5 ロバスト性の向上
6 おわりに

【第5編:電波吸収体・シールド材料による電磁波環境改善】
第26章 フェノールフォームを用いた電波吸収体の開発とその可能性
1 はじめに
2 開発経緯とフェノールフォームの特徴
3 電波吸収体の可能性(1層型)
 3.1 カーボンブラック添加前後の複素比誘電率
 3.2 カーボンブラック濃度と複素比誘電率
 3.3 フェノールフォームの発泡倍率による複素比誘電率
4 まとめ

第27章 藻類由来マイクロコイルを利用したギガヘルツ・テラヘルツ帯電波吸収体
1 はじめに
2 マイクロコイルとその製法
3 マイクロコイルの電波吸収特性
4 マイクロコイルの電波吸収原理
5 おわりに

第28章 電磁セキュリティ向けスペクトラム拡散シールド
1 はじめに
2 理論
 2.1 定式化
 2.2 数値例
3 構造
4 試作および測定
 4.1 試作
 4.2 測定系
 4.3 測定結果
5 まとめ

第29章 カーボンナノチューブ複合布の開発と「電磁波シールド布」への応用展開
1 はじめに
2 カーボンナノチューブ複合布
3 電磁波シールド性能評価の手法
4 カーボンナノチューブ複合布による「電磁波シールド布」の作製と性能評価
5 おわりに