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実学 脱炭素エネルギー基礎講座 -巨象との出会い-

★主要国の電源構成と再生可能エネルギーへの取り組みを解説!
★CCS/CCUS,バイオリファイナリー,カーボンリサイクルの最新動向!
★原油・天然ガス・石炭発電の環境対策,石炭ガス化複合発電なども解説!

商品コード:
B1429
著者:
岡部寛史
発行日:
2023年4月28日
体裁:
A5判・200頁
ISBNコード:
978-4-7813-1736-6
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
地球環境
エレクトロニクス > 二次電池・キャパシタ
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー

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キーワード:

風力発電/太陽光発電/LCA/LNG/Wh/石炭火力発電/脱硫/脱硝/Syngas/メタンガスストリーム/副生ガス/GHG/CCS/CCUS/DAC/バイオリファイナリー/糖化/発酵/熱分解/カーボンリサイクル

刊行にあたって

 筆者は液化天然ガス事業を行うエルエヌジージャパンで、何度か同社の若手・中堅社員向けにエネルギーの講習会を持った。その後、2022年にはその時の資料を基に近畿大学理工学部・エネルギー物質学科の新入生に講義を行った。新入生には、エネルギーを一から説明する必要があり、大幅に資料を増やしたが、後から後から話すことが出てきて、肝心なところを飛ばさざるを得なくなったりもした。翌年も近畿大学より講義の継続を要望され、それならいっそ、講義の補完用に一冊書き下ろしたのが本書である。
 『群盲象を評す』という言葉がある。足に触ってこれは柱だと言い、腹に触ってこれは壁だと言う。一向に群盲の見解が定まらない。エネルギーとは、実にその故事に当てはまる。再生可能エネルギーが叫ばれる昨今だが、それだけでは、必要電力・動力の確保が難しいのは自明である。これから発展の道を歩もうとする国々にとっては、技術が確立され、効率化の極められた炭化水素エネルギーは必要不可欠だろう。
 これからエネルギーを学ぶ方々に本書が幾らかのお役に立ってくれることを期待している。

著者一覧

近畿大学理工学部・エネルギー物質学科 客員講師 岡部寛史

目次 +   クリックで目次を表示

第一章 主要国の電源構成と再生可能エネルギーへの取り組み
1 主要国の電源構成の現状と背景
2 各国電源構成の推移
3 各国エネルギー事情と日本の取り組み
4 風力発電について
 ① 構造的制約
 ② 建設・整備上の制約
 ③ 抵抗による風力の損失
 ④ 風況(風の向き,強さ,落雷)
 ⑤ 土地の確保
5 洋上風力発電とその立地条件
 ① 建設・メンテナンスについて
 ② 風況(気象・海象)について
 ③ 日本の適地(地形・風況)
6 太陽光発電について
 ① シリコン系太陽電池
 ② 化合物系太陽電池
 ③ 太陽光発電における日本の位置(健気にも不憫過ぎる日本)
7 再エネ転換の障碍に立ち向かう取り組み
 ① 蓄電について
 ② Life Cycle Assessment(LCA)
 ③ 再エネ転換のよき相棒,化石エネルギー

第二章 化石エネルギーと電力
1 現在のエネルギー事情の大まかな把握
2 まず知っておきたいこと
 ① 原油・天然ガスが出来るまで
 ② 上流の石油・ガス・石炭の開発
 ③ 気体の体積・重さと発熱量
 ④ 発電:WとWh,熱の仕事等量,稼働率と設備利用率について
3 天然ガス(LNG,液化技術,エネルギー移動とロス)について
 ① LNG理解のKey Point
 ② LNG製造プロセス
 ③ LNGの気化と,液化から気化までのエネルギー移動とロス
4 演習
5 石油(原油価格と電源構成)
6 石炭(石炭火力,燃焼先端技術)
 ① 日本の石炭火力発電
 ② 分類と用途
 ③ 超々臨界圧発電について
 ④ 石炭ガス化複合発電について
7 大気汚染(NOx,SOx排出と,排煙脱硫・脱硝技術)

第三章 石油・ガス化学の視点から合成ガス(Syngas)製造に至るまで
1 戦後日本の石油化学産業
2 メタンガスストリーム(メタンガスからの化学展開)
3 水素エコノミーへの一里塚 メタノールについて
4 Syngas(合成ガス)の製造
5 石炭,石油からの都市ガス製造

第四章 脱炭素に向けて水素製造とその周辺
1 副生ガスからの水素製造
2 炭化水素からの水素製造
3 水の電気分解からの水素製造
4 熱化学法による水素製造
 ① 太陽熱への期待
 ② 高温ガス炉への期待
 ③ 熱化学法による水素製造のいろいろ
5 水素の特性と水素キャリア
 ① 燃焼
 ② 価格
 ③ 乗用車走行距離比較
 ④ 水素の比重
 ⑤ 水素脆化
 ⑥ 水素浸食
 ⑦ 水素の貯蔵・輸送
6 水素の色(エネルギーの色)

第五章 ジュール・ヴェルヌ『気球に乗って5週間』
【演習】水素気球Victoria号に関する検証
1 ジュール・ヴェルヌと『気球に乗って五週間』
 ① 『気球に乗って五週間』 序盤のあらすじ
 ② Ferguson博士の考案した水素気球の仕組み
 ③ 昇降装置の機能
2 演習課題
 [Ⅰ] 気球は浮くのか? 浮くとしたら何キログラムまで積載可能か
 [Ⅱ] 加熱することで上昇能力はどの程度期待できるか
 [Ⅲ] 電解用の水の量は十分か
 [Ⅳ] 電解装置を働かせるのに十分な電気を製造出来るか
 [Ⅴ] 電池の容量は想定通りの日数持ち堪えるか,重量やサイズはどうか
 [Ⅵ] 電解で製造した水素は加熱した方が良いか,そのまま気球に封入した方が効率的か
 [Ⅶ] 水素の特性から判断してこのシステムに無理はないか
 [Ⅷ] 総括

第六章 GHG,CCS/CCUS,DACバイオリファイナリー,カーボンリサイクルについて
1 CO2の排出量
2 CO2の分離・固定コストとICP(Internal Carbon Pricing)
3 GHG(Green House Gas)
 ① エネルギーからのGHG
 ② エネルギー以外からのGHG
4 日本で検討しうるCO2の削減手段
5 CO2の分離・捕集
 ① 化学吸収法
 ② 物理吸収法
 ③ 物理吸着法
 ④ CO2膜分離法
 ⑤ その他
6 Carbon Capture and Storage(CCS)とCarbon Capture Utilization and Storage(CCUS)
 ① CCS/CCUSが求められる訳
 ② CCS/CCUSの類型
7 DAC(Direct Air Capture)
 ① Carbon Engineering
 ② Climateworks
8 カーボンリサイクル
9 バイオリファイナリー
 ① 糖化・発酵
 ② 熱分解・部分酸化
 ③ 水熱分解
 ④ 脱酸素
 ⑤ エステル交換
 ⑥ 電気化学合成
 ⑦ 嫌気性バクテリア分解
10 脱炭素エネルギー 近未来の肖像

まとめ 筆者あとがき

巻末添付資料
1 各種電源の系譜
2 各種電池の比較
3 アンモニア・水素を取り巻くエネルギー系統樹とCCS/CCUS

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