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泡の生成メカニズムと応用展開《普及版》

Formation Mechanism and Application of Foam(Popular Edition)

2017年刊「泡の生成メカニズムと応用展開」の普及版。
洗浄料・化粧品・食品・医薬品などさまざまな分野で利用されている泡について、その評価法、応用展開までをまとめた1冊!

※こちらの商品は弊社電子書籍専用販売サイト「CMCeBook」にて電子版(DL版)を販売しております。電子版(DL版)のご注文はコチラ(別サイトに移動します)

商品コード:
B1428
監修:
野々村美宗
発行日:
2024年3月7日
体裁:
B5判・227頁
ISBNコード:
978-4-7813-1719-9
価格(税込):
3,850
ポイント: 35 Pt
関連カテゴリ:
ファインケミカル
テクニカルライブラリシリーズ(普及版)
ファインケミカル > 界面活性剤・溶剤

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キーワード:

速泡性/泡安定性/ピッカリングフォーム/マイクロバブル/ナノバブル/界面活性剤/起泡性製剤/消泡剤/炭酸ガス/気泡性化粧品

刊行にあたって

 液体が空気を包んでできたものが「泡」であり、多くの場合、石けんなどの界面活性剤を添加することによって液体と空気が接する表面が安定化されている。いうまでもなく、泡は洗浄料・化粧品・食品・医薬品などさまざまな分野で、はるか昔から利用されているが、ひとつひとつの泡が生成するプロセスや、球状のバブルが集って構築するフォームの構造、レオロジーなどの物理的な特性には不明の部分が多かったこともあり、そのふるまいをコントロールすることは難しかった。ところが、この数十年の間に高速カメラなどを用いて泡ができては消えていく瞬間を観察することや物理的な解析を行うことが可能になったり、新しい起泡性界面活性剤や泡質コントロール剤が開発されたことで、起泡性製剤の処方設計の幅が広がり、商品開発上の新たな可能性が生まれてきた。そこで今回は、最新の泡関連の研究を集めた書籍を刊行することとなった。
 第Ⅰ編では、泡に関する最新の研究動向を紹介した。泡の生成・消滅プロセスや泡の安定化に関する物理的・化学的パラメータが明らかになっただけでなく、固体粒子で気液界面が安定化されたピッカリングフォームやミクロンオーダーの微細な泡「マイクロバブル」が見出され、界面活性剤で安定化されたミリメートルオーダーの泡にはない特異な特性が明らかにされている。第Ⅱ編ではアミノ酸系界面活性剤・ポリグリセリン系界面活性剤などの新しい原料に加えて、香料が泡に及ぼす影響や消泡剤に関する研究を紹介した。これらの界面活性剤や添加剤の登場により、泡量・泡質のコントロールが容易になっただけでなく、人体や環境への影響を低減することが可能になった。第Ⅲ編では泡の評価法を取り上げた。泡製剤を開発する時には、泡立ちの良さや泡安定性、さらにはこれに影響を及ぼす界面物性やレオロジーをどのように定量化するかが問題となるためである。動的表面張力・泡安定性・界面弾性・動的粘弾性に加えてシャンプーやボディーソープの使用感についても取り上げたので参考にされたい。第Ⅳ編では、化粧品、医薬品等における応用展開として一般的な気泡性化粧品の処方設計に加えて炭酸ガスを用いた製剤やマイクロバブル・ナノバブルの応用研究を取り上げた。
 このように、泡に関する研究は現在も進展の途上にあり、商品開発の現場でこれをコントロールすることは容易ではない。本書で取り上げた最先端の研究事例が参考になれば幸いである。

本書は2017年に『泡の生成メカニズムと応用展開』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり、加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

著者一覧


野々村美宗  山形大学
坂井隆也   花王㈱
村上 良   甲南大学
幕田寿典   山形大学
伊藤豊文   川研ファインケミカル㈱
小山匡子   太陽化学㈱
森垣篤典   ライオン㈱
吉村倫一   奈良女子大学
脇田和晃   日油㈱
兼井典子   曽田香料㈱

遠藤知佳   ライオン㈱
吉川貴士   三洋貿易㈱
柿澤恭史   ライオン㈱
角本次郎   日進化学㈱
鈴木 亮   帝京大学
小俣大樹   帝京大学
小田雄介   帝京大学
丸山一雄   帝京大学
土屋好司   東京理科大学

執筆者の所属表記は、2017年当時のものを使用しております。

目次 +   クリックで目次を表示

第Ⅰ編 泡に関する最新研究動向
第1章 泡の生成・消滅プロセス

第2章 起泡力と泡安定性
1 はじめに
2 起泡力と泡安定性
3 起泡力
 3.1 泡沫体積の時間変化という考え方
 3.2 少ない力で立つ泡という考え方(動的表面張力と起泡力)
 3.3 動的表面張力の考え方と取扱い
4 泡安定性
 4.1 排液に影響を与える因子
5 起泡力と泡安定性の測定
 5.1 Ross-Miles試験
 5.2 起泡力の測定
6 おわりに

第3章 微粒子で安定化された泡およびドライリキッド
1 はじめに
2 微粒子の流体界面吸着
3 微粒子の濡れ性と微粒子で安定化された分散系のタイプの関係
4 空気-水分散系の安定化と転相現象
5 空気-水分散系の安定化に対する界面活性剤の添加や水相のpHおよび塩濃度変化の効果
 5.1 親水的な微粒子の界面活性剤吸着に伴う疎水化
 5.2 疎水的な微粒子の界面活性剤吸着に伴う親水化
 5.3 水相のpHおよび塩濃度変化
6 カタストロフィック転相
7 空気-液体分散系の安定化:ドライオイルや油の泡
8 L/A分散系の応用例
 8.1 ドライリキッドを用いたエマルションの作製
 8.2 マルチプルドライリキッド
9 おわりに

第4章 泡による洗浄機能の革新
1 はじめに
2 泡と皮膚へのマイルド性
3 泡と皮脂の洗浄力
4 おわりに

第5章 マイクロバブル
1 はじめに
2 超音波を利用したマイクロバブルの生成メカニズム
 2.1 マイクロバブル生成現象
 2.2 界面の時間的挙動と気泡生成メカニズム
3 超音波ホーンを利用したマイクロバブル発生
4 超音波マイクロバブルを利用して作る中空マイクロカプセル
 4.1 シアノアクリレート中空マイクロカプセル製法の概要
 4.2 中空マイクロカプセル調製結果
5 おわりに

第Ⅱ編 起泡性製剤の原料
第6章 アミノ酸系界面活性剤
1 はじめに
2 主要なアシルアミノ酸塩
 2.1 アシルグルタミン酸塩
 2.2 アシルグリシン塩
 2.3 アシルサルコシン塩
 2.4 アシルメチル-β-アラニン塩
 2.5 アシルアスパラギン酸塩
 2.6 アシルシルクアミノ酸塩
 2.7 新規アニオン性界面活性剤
3 パーソナルケアへの応用
 3.1 泡立ちと泡質
 3.2 配合時の粘度
 3.3 コアセルベートの形成
4 その他の用途

第7章 アルキルリン酸塩
1 はじめに
2 アルキルリン酸塩の界面化学的性質
3 アルキルリン酸塩による液晶形成とエマルションの安定化
4 アルキルリン酸塩の洗浄・起泡力
5 おわりに

第8章 ポリグリセリン系界面活性剤
1 はじめに
2 ポリグリセリンの構造
3 ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)の特徴
 3.1 PGFEの曇点
 3.2 臨界ミセル濃度(CMC)
 3.3 PGFE-水2成分の相図
 3.4 PGFEの起泡性
4 起泡性ラウリン酸デカグリセリンの特長
5 テトラグリセリンラウリルエーテルの特長
6 まとめ

第9章 アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム
1 はじめに
2 α-SFEの基本物性と界面活性能
 2.1 α-SFEの製法
3 α-SFEの家庭用粉末洗剤への応用

第10章 ジェミニ型界面活性剤
1 はじめに
2 ジェミニ型界面活性剤
3 四級アンモニウム塩ジェミニ型カチオン界面活性剤
4 カルボン酸塩ジェミニ型アニオン界面活性剤
5 ベタイン系ジェミニ型両性界面活性剤
6 異種親水基を含むヘテロジェミニ型界面活性剤
7 異種疎水鎖を含むハイブリッドジェミニ型界面活性剤
8 糖含有ジェミニ型非イオン界面活性剤
9 おわりに

第11章 長鎖PEGを有する非イオン性活性剤の泡質改善
1 はじめに
2 ラウリン酸PEG-80ソルビタン(PSL)の泡質改善効果
3 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(PAE)を用いた泡物性評価
 3.1 使用したPAEとそれらの物性
 3.2 泡弾性のひずみ依存性測定
 3.3 泡の粘弾性測定
 3.4 IRによる泡膜測定
4 泡質改善メカニズム関する考察
5 おわりに

第12章 界面活性剤水溶液の起泡性に及ぼす香料の影響
1 はじめに
2 香料
 2.1 香料とは
 2.2 界面活性剤水溶液への香料の可溶化
3 SDS水溶液の起泡性に及ぼす香料化合物の影響
 3.1 SDS水溶液の泡立ちに及ぼす香料化合物の影響
 3.2 SDS水溶液の泡の安定性に及ぼす香料化合物の影響
4 SDS水溶液の起泡性に及ぼす調合香料の影響
5 シャンプーの起泡性に及ぼす香料の影響
6 おわりに

第13章 消泡剤
1 はじめに
2 泡の消えるプロセスとそのコントロール
3 物理的な消泡技術
4 化学的な消泡技術
5 新しい消泡剤とそのメカニズム
6 おわりに

第Ⅲ編 泡の評価法
第14章 動的表面張力
1 はじめに
2 起泡に関わる物理的因子
3 動的表面張力の測定方法
 3.1 振動ジェット法(振動液柱法)
 3.2 最大泡圧法(バブルプレッシャー法)
4 表面吸着速度の解析理論
5 界面活性剤水溶液の起泡性の評価

第15章 泡安定性の測定
1 はじめに
2 泡安定性の注意点
3 測定法
 3.1 泡体積の目視測定
 3.2 ロス=マイルス試験法
 3.3 泡の大きさの評価
 3.4 泡からの液の排出の評価
4 泡安定性の自動評価
5 おわりに

第16章 表面粘弾性の測定
1 はじめに
2 Gibbs弾性とMarangoni効果
3 表面粘弾性の測定方法
4 おわりに

第17章 レオロジー
1 はじめに
2 レオロジーの基本
 2.1 レオロジーとは
 2.2 弾性・粘性,粘弾性
3 定常流測定
 3.1 実際の測定
 3.2 泡の測定例
4 動的粘弾性測定
 4.1 実際の測定
 4.2 泡の測定例
5 時間とともに消える泡の動的粘弾性測定
 5.1 泡の寿命の数値化
 5.2 泡の寿命測定と感触
6 時間とともに消える泡の定常流測定
 6.1 泡の特徴時間の測定
 6.2 泡の特徴時間と感触
7 まとめ

第18章 シャンプー・ボディソープ等身体洗浄剤の使用感に関わる泡の評価法
1 はじめに
2 身体洗浄剤の種類と泡の特徴
 2.1 ボディソープ
 2.2 ヘアシャンプー
3 身体洗浄剤の使用感に関わる泡の評価法
 3.1 官能評価
 3.2 起泡力の評価
 3.3 泡沫安定性の評価
 3.4 泡沫のレオロジー
4 おわりに

第Ⅳ編 化粧品、医薬品等における応用展開
第19章 エアゾール製品の泡と化粧品への応用
1 エアゾール製品とは
2 エアゾール製品に使用する噴射剤
3 エアゾール製品の泡
4 クラッキングフォーム
5 炭酸ガスを用いた泡状エアゾール製品の開発
6 炭酸ガスの作用
7 炭酸ガスを泡の中に閉じ込める技術
8 炭酸ガスによる肌質改善効果
9 おわりに

第20章 マイクロバブル・ナノバブルの医療への応用
1 はじめに
2 超音波イメージング
3 超音波造影剤(マイクロバブル)
4 標的指向型超音波造影剤の開発
5 ナノバブルの開発
6 微小気泡を利用した超音波抗がん剤デリバリー
7 脳への薬物デリバリー
8 おわりに

第21章 マイクロバブル
1 はじめに
2 超音波診断
3 超音波診断用造影剤
4 抗体標識微小気泡を用いた超音波分子イメージング
 4.1 超音波診断用造影バブルの微小化
 4.2 抗体標識微小気泡の肝癌細胞への集積性
5 おわりに

第22章 起泡性化粧品の処方設計
1 処方設計の考え方
2 起泡剤
 2.1 アニオン界面活性剤
 2.2 両性界面活性剤
 2.3 ノニオン界面活性剤
3 増泡剤

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