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月刊機能材料 2024年2月号

【特集】フレキシブルデバイスおよび構成部材の研究開発動向

★フレキシブルデバイスは,ディスプレイやバッテリー,生体応答のモニタリングなどに応用されています。名前の通り柔軟性を有することを特徴としており,そこに用いられる部材は可撓性や伸縮性に優れていることが求められています。本特集では,フレキシブルデバイスの構成部品(素材)およびデバイスの開発に関する動向について紹介しております。

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商品コード:
M2402
発行日:
2024年2月7日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
エレクトロニクス > ウェアラブル・ヘルスケア

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著者一覧

野本淳一  (国研)産業技術総合研究所 
西川博昭  近畿大学  
松田貴文  富士化学(株)
太田裕貴  横浜国立大学  
荒木徹平  大阪大学 
植村隆文  大阪大学
関谷毅  大阪大学
熊谷翔平  東京工業大学
渡邉峻一郎  東京大学
竹谷純一  東京大学
竹下覚  (国研) 産業技術総合研究所
小野巧  (国研) 産業技術総合研究所

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【特集】フレキシブルデバイスおよび構成部材の研究開発動向

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近赤外帯域で高透明なフレキシブル高伝導フィルムの開発
Development of Flexible Transparent Conductive Films with High-Conductivity and High-Transparency in the Near-Infrared Range

 高温熱処理により結晶化することで高電子移動度の特徴が発現する酸化インジウムを耐熱性の低いフレキシブル樹脂シート上に形成できる技術を開発した。得られたキャリア移動度は 133 cm2/Vsであり,フレキシブルシート上では世界最高値である。高移動度のため,電子密度を制御することで従来品よりも高い導電性を維持した状態で,可視域から近赤外域へと透明領域を拡張することが出来た。その優れた特性から,近赤外線を利用する電子デバイスの高性能化,軽量化,フレキシブル化,に大きく貢献できる。

【目次】
1 はじめに
2 前駆体薄膜および結晶化薄膜の特性に対する気相成膜技術の影響
3 光照射によるフレキシブルシート上透明導電膜の固相結晶化
4 おわりに
 
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機能性酸化物の単結晶薄膜をポリマー基板上に形成したフレキシブル複合材料の開発
Development of Flexible Composite Materials by Fabricating Single Crystalline Thin Films of Functional Oxides on Polymer Substrates
 
 強誘電体・圧電体や強磁性体など,優れた機能性を示す酸化物材料とフレキシブルなポリマー基板を組み合わせたフレキシブル複合材料の開発を進めている。機能性酸化物は異方性が顕著なために単結晶薄膜での応用が望ましい。そこで,MgO基板上に作製した機能性酸化物の単結晶薄膜をポリマー基板に転写するプロセスの確立を検討した。

【目次】
1 はじめに
2 機能性酸化物の単結晶薄膜
3 機能性酸化物の単結晶薄膜を基板から「剥がす」プロセス
4 転写した薄膜の損傷を抑制するPt保護層の形成
5 おわりに

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カーボンナノチューブ(CNT)の分散技術開発とフレキシブル電極への応用
Development of Carbon Nanotube Dispersion Technology and Its Applications for Flexible Electrode

 カーボンナノチューブ(CNT)は高い導電性を有しており次世代の電極材料として期待されている。均一で低抵抗のCNT電極を実現するため,無機材料による CNT分散技術を開発してきた。この無機系CNT分散液を用いて作製したCNT膜の電気・機械特性とフレキシブルデバイス用の電極への適用の可能性を紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 CNT分散技術の開発
3 CNT導電膜の特性
4 CNT電極のフレキシブルデバイスへの応用
5 おわりに

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液体金属による伸縮ガス・湿度バリアフィルムを用いた伸縮リチウムイオンバッテリーの実現
Stretchable Lithium Ion Battery Using Stretchable Gas/Humidity Barrier Film with Liquid Metal

 近年,低融点金属に注目が集まっている。特に,ガリウム系の液体金属は,水銀などと異なり生体適合性が高いことから,この材料を用いた様々なアプリケーションが提案されている。本論では,それら応用の中でも,今後の超柔軟デバイスへの適応が期待されているストレッチャブルバッテリーのガスバリアフィルムに関する加工と特徴に関して論ずる。

【目次】
1 液体金属概要
2 液体金属を用いたガス・湿度バリアフィルムの概要
3 液体金属を用いたガス・湿度バリアフィルムの特性
 3.1 材料特性
 3.2 ガス透過測定
 3.3 高変形性電池の特徴

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柔軟・透明な導電性材料の開発と生体信号計測センサシートへの応用
Development of Stretchable and Transparent Conductors and Their Applications toward Biometric Sensor Sheets

 近年,生体信号用のウェアラブルデバイスが開発されつつある。しかし,身体の個体差による電極の浮きや装着圧による痛みなどの課題があった。著者らは,ゴムのように伸縮する生体電極や超柔軟な薄膜トランジスタを開発し,しっかり皮膚に密着して生体安全性の高いパッチ式電位計測システムを創出した。肌に貼るだけで医療機器と同様な信号の質で,長期にワイヤレス計測できる。さらに,目に見えない透明性を備えるセンサシートを開発し,日常生活で自然な生体信号計測を捉えるための活用を検討している。

【目次】
1 はじめに
2 生体電極プローブ
3 金属ナノワイヤを用いた透明配線
4 透明トランジスタ
5 脳波計測
6 まとめ

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塗布型半導体を用いた相補型発振回路の開発
Complementary Ring Oscillators Based on Solution-Based Semiconductors

 本研究では,高キャリア移動度を示す塗布型半導体として,単結晶有機半導体とアモルファス酸化物半導体とを合理的に組み合わせるための集積化プロセスを開発した。実例として5段相補型リングオシレータを作製したところ,大気下で77 kHzの発振周波数を示し,塗布型半導体による最高クラスの高周波応答性を実証することに成功した。

【目次】
1 はじめに
2 塗布型半導体相補型発振回路の作製
3 塗布型半導体相補型発振回路の特性評価
4 おわりに

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[Material Report-R&Dー]

ポリシロキサン-バイオポリマー複合エアロゲルの開発
Development of Polysiloxane-Biopolymer Composite Aerogels

 ポリシロキサンの多孔体と,バイオポリマーの架橋体を,同じ空間内に逐次的に形成させることで,均質な複合エアロゲルを作製する手法を開発した。撥水性と曲げ変形の両立など,単体の素材では実現できなかった機能を,ひとつの材料で実現できる。エアロゲル材料の新しいカテゴリーとして,幅広い組合せと機能の開拓が期待される。

【目次】
1 エアロゲルとは
2 さまざまな素材のエアロゲル
3 バイオポリマーエアロゲルのむずかしさ
4 ポリシロキサン-バイオポリマー複合エアロゲル
5 課題と展望

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[Market Data]

フラットパネルディスプレイ用ケミカルスの市場動向

 フラットパネルの世界市場は,2021年はピークを迎え約19.9兆と推定される。そのうち約74%を液晶ディスプレイが占めるが,有機ELディスプレイとの競合は大型パネルのみならず中小型市場においても激しさを増し,液晶のシェアは下がり続けると考えられる。液晶は中国メーカーが完全に主導権を握り,有機ELディスプレイにおいても同様の傾向が顕著に見られるようになってきている。

【目次】
1 フラットパネルディスプレイ市場
2 液晶ディスプレイ市場
3 有機EL市場
4 電子ペーパー市場
5 液晶ディスプレイ構成材料
 5.1 概要
 5.2 光学フィルム
 5.3 バックライトユニット
6 有機EL構成材料

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[Material Profile]

ビニルエステル樹脂
モノクロロ酢酸ビニル