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月刊機能材料 2024年4月号

【特集】電池電極スラリーの研究開発動向

★電池電極の製造において,活物質や導電助剤,バインダーを分散させたスラリーは性能に大きな影響を及ぼすことから,スラリーの分散性の向上や粘度制御,評価技術が注目されております。本特集では,電極スラリーの特長や性質,評価・解析等に関する動向を紹介いたします。

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商品コード:
M2404
発行日:
2024年4月7日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,950
ポイント: 45 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
エレクトロニクス > 二次電池・キャパシタ
新材料・新素材 > 分析・評価技術

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著者一覧

立花和宏  山形大学
鈴木崇弘  大阪大学
津島将司  大阪大学
四反田功  東京理科大学
山縣義文  (株)アントンパール・ジャパン
宮本圭介  (株)アントンパール・ジャパン
滝本大裕  琉球大学
宇都甲一郎  (国研)物質・材料研究機構
荏原充宏  (国研)物質・材料研究機構
秋根茂久  金沢大学
尾松孝茂  千葉大学
柚山健一  大阪公立大学

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【特集】電池電極スラリーの研究開発動向

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電池電極スラリーの調整,分散,塗工技術が電池性能に及ぼす影響
Effects of Battery Electrode Slurry Preparation, Dispersion, and Coating Technology on Battery Performance

 内部抵抗を減らし,発熱を抑え,寿命を延ばし,エネルギー密度を上げ,品質を管理し,コストを抑え,環境負荷も抑える。これらの電池性能要求に対する最適解をLIBの電極スラリーの調整,分散,塗工に見出すには,それらの工程と電池性能がどのように紐づいているのかを把握する必要がある。

【目次】
1 はじめに
2 電池性能
 2.1 電池のエネルギー変換効率と電池の内部抵抗
 2.2 電池の容量とエネルギー密度
 2.3 電池の寿命
 2.4 製造コストと環境負荷
3 電池電極の動作
 3.1 活物質の酸化還元反応
 3.2 電子伝導パス
 3.3 イオン電導パス
 3.4 三相界面とコンタクトライン
4 電極スラリーの調整,分散,塗工
 4.1 合材電極と合材スラリー
 4.2 パーコレーション理論と電極スラリーの組成
 4.3 活物質の比表面積と電極スラリーの組成
 4.4 活物質と導電助剤の分散
 4.5 電極厚みと塗工と乾燥
 4.6 電極スラリーの不純物
5 おわりに

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電極スラリー乾燥過程のその場計測と物質移動解析
In-situ Measurements and Mass Transport Analysis of Electrode Slurries during Drying
 
 多孔質電極は電極材料を液中に分散させた電極スラリーを塗布・乾燥することにより作製される。この乾燥過程においては,分散媒の蒸発に伴い,材料の移動現象によって多孔質構造が形成されるが,濃厚・多分散な電極スラリーの非定常過程における構造形成のメカニズムは明らかになっていない。本稿では,固体高分子形燃料電池用の電極スラリーにおける乾燥過程のその場計測と物質移動解析による現象解明と電極構造制御に向けた取り組みを紹介する。

【目次】
1 固体高分子形燃料電池用電極スラリーの特徴と乾燥過程の電極材料移動現象
2 乾燥速度の評価と表面イメージング
3 乾燥過程その場インピーダンス計測
4 物質移動解析
5 乾燥と構造形成
6 まとめ

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レオ・インピーダンス法によるカーボンスラリーの分散性評価
Dispersibility Evaluation of Carbon Slurry by Rheo-impedance Method

 リチウムイオンや燃料電池に用いられるカーボン分散液(スラリー)の分散性は,電極特性に大きく影響する。このため,電極スラリーの分散性の評価は重要である。我々は最近,レオメーターでせん断応力を与えながら,電気化学インピーダンスを測定することでスラリーの分散性を評価する新たな手法を開発した。本稿では,インピーダンスの基礎からレオ・インピーダンス法を用いたスラリー分散評価法について概説する。

【目次】
1 はじめに
2 電気化学インピーダンス法
3 レオ・インピーダンス法
4 カーボンスラリーの分散性評価
5 まとめ

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ナノ空間にレドックス活性分子を束縛させたスラリー電極の開発
Development of Slurry Electrodes with Redox-Active Molecules Confined in Nanospace

 本稿では,レドックスフローバッテリーの電極反応場として,1nm未満という極めて狭いナノ空間反応場について概説する。ナノ空間に束縛させたキノン誘導体分子の電極反応速度は,物質拡散律速から電荷移動律速に変化するため,見かけの電極反応速度が速くなることがわかった。本稿の最後には,バッテリー性能の更なる向上に向け,取組むべき技術開発について説明する。

【目次】
1 はじめに
2 キノン誘導体の電極反応特性
3 ナノ空間の特異的な現象
4 ナノ空間に起因する特異的な電極応答の検討
5 マイクロポア中におけるBQDSの吸着状態
6 高速充放電型レドックスフロー流動電極
7 優れたパワー・エネルギー密度を達成しうるスラリー電極の設計指針
8 まとめ

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[Material Report-R&Dー]

湿度に応答して形状記憶効果を発動するポリマーコンポジット材料の開発とヘアスタイリング剤への応用
Development and Application of Polymer Composite Materials with Humidity-Responsive Shape Memory Effects in Hair Styling Product

 天然由来のセルロース微結晶(CM)の強固な「分子内・分子間水素結合」ネットワーク形成能と,ポリビニルアルコール(PVA)が有する湿度に応答し発現する「形状記憶効果」をうまく融合することで,湿度応答性形状記憶コンポジットを作製し,形状記憶効果を有する新奇スタイリング用材料としての応用について検討した。

【目次】
1 はじめに
2 ポリビニルアルコール(PVA)とセルロース材料
3 ポリビニルアルコール(PVA)/セルロース微結晶(CM)コンポジット材料の開発
4 PVA/CMコンポジット材料の吸湿性と力学特性の評価
5 PVA/CMコンポジット材料の湿度応答性形状記憶効果
6 PVA/CMコンポジット材料の髪の毛への応用
7 おわりに

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三重らせん型メタロクリプタンドにおけるキラリティー反転速度の制御
Control of Chirality Inversion Kinetics of Triple-helical Metallocryptands

 動的なキラリティー反転の速度を自在に制御できる分子として,三重らせん構造とゲスト認識場を併せ持つメタロクリプタンドを設計・合成した。クリプタンド内部空孔でのゲスト包接によるキラリティー反転の加速・減速や骨格金属上での配位子交換によるキラリティー反転の時間プロファイルの制御について紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 ホスト-ゲスト錯形成によるP/Mキラリティー反転速度の制御
 2.1 空孔内でのゲスト包接によるラセミ化の抑制とキラルメモリー
 2.2 アルカリ金属イオンの包接によるキラリティー反転の加速と減速
3 配位子交換反応によるP/Mキラリティー反転速度の制御
 3.1 アミン配位子の交換に駆動されるキラリティーの制御
 3.2 アミン配位子の交換によるラセミ化の際の一時的なキラリティー反転
4 結論

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光渦レーザー誘起前方転写法
Optical Vortex Laser Induced Forward Transfer

 螺旋波面に由来する軌道角運動量を持つ光渦を印刷したいドナー材料に照射すると,自転しながら直線飛翔するドナー液滴が吐出し,高精細な印刷が可能になる。このような技術を光渦レーザー前方転写法と呼ぶ。光渦レーザー前方転写法は,ドナー材料の粘度を選ばない。また,ドナーと印刷したい基板(レシーバー)間の作動距離を大きくとれる。光渦レーザー前方転写法は,次世代のプリンタブルエレクトロニクス・フォトニクス,さらには,バイオプリンティングを支える基盤印刷技術となりうる可能性を秘めている。

【目次】
1 はじめに
2 光渦
3 光渦レーザー誘起前方転写法(OV-LIFT)
4 まとめ

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[Market Data]

プリンター用ケミカルスの市場動向

 2021年のプリンターの世界市場は,対前年比99%とほぼ横ばいであった。すべての方式でマイナスとなったが,市場の縮小自体は小さい。プリンター市場はここ数年横ばいが続いており停滞している。

【目次】
1 世界のプリンター市場
2 国内プリンター市場
3 プリンター用ケミカルスの市場動向
 3.1 インクジェット用色素
 3.2 電子写真プリンター用材料
 3.3 感熱記録用材料
 3.4 感圧記録用材料

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[Material Profile]

フルオレン

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