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熱制御に向けた相変化材料PCMの開発と応用

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Development and Application of Phase Change Materials (PCM) for Thermal Management

★物質が相変化する際に吸収・放出する潜熱を利用する相変化材料(Phase Change Material:PCM)!
★有機・無機・バイオベースの各種PCMの開発動向や応用事例を詳述!
★住環境、衣服、電子機器、自動車、医薬品、食品、エネルギー生産など様々な場面での熱管理に応用!

商品コード:
T1259
監修:
堀部明彦
発行日:
2024年4月26日
体裁:
B5判、285頁
ISBNコード:
978-4-7813-1799-1
価格(税込):
64,900
会員価格(税込):
58,410
ポイント: 531 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
地球環境
新刊・近刊
新材料・新素材 > バイオマス素材
新材料・新素材 > 無機・金属材料
地球環境 > 省エネルギー・クリーンエネルギー
地球環境 > 未利用資源活用・リサイクル

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キーワード:

未利用エネルギー / 熱エネルギー / 熱制御 / 熱管理 / 保温 / 保冷 / 放熱 / 潜熱蓄熱 / 相変化材料 / PCM / スラリー / マイクロカプセル / バイオマス材料 / 建材 / 温度調節繊維 / 蓄熱システム / 太陽光発電 / 定温輸送 / 宇宙機器

刊行にあたって

本書は、熱利用・温度制御のための最新の相変化材料・潜熱蓄熱材(Phase Change Material:PCM)に関する研究・技術をまとめたものである。社会の喫緊の課題であるカーボンニュートラルに対して、エネルギーの貯蔵や輸送の効率化がますます必要とされている。カーボンニュートラルの大きな柱として再生可能エネルギーの利用拡大が見込まれているが、太陽光など多くのエネルギー源は不安定であり需要に合わせて供給量を調整することは困難である。そのため、例えば太陽光発電の供給のピークである昼間に蓄電と同時に蓄熱または蓄冷熱の形でエネルギーを貯蔵し、需要時にそのエネルギーを用いることが求められる。また、廃熱などの未利用熱エネルギーの利用を可能とするためにも蓄熱・蓄冷熱技術や熱輸送技術が必要となる。さらに、化学プロセス、醸造プロセス、機械技術、医療工学におけるシステムの温度制御や、衣料素材や建築素材に温度調整性能を付加するなど多くの分野での熱利用に対して蓄熱技術が応用可能である。

(本書「はじめに」より一部抜粋)

著者一覧

堀部明彦   岡山大学
熊野寛之   青山学院大学
川南剛   明治大学
幕田寿典   山形大学
山田寛   岡山大学
阿部駿佑   信州大学
浅岡龍徳   信州大学
稲垣照美   茨城大学
鈴木俊明   住友化学㈱
上田紘平   住友化学㈱
中嶋孝宏   ㈱KRI
中建介   京都工芸繊維大学
能村貴宏   北海道大学
清水友斗   北海道大学
北英紀   名古屋大学
麓耕二   青山学院大学
吉清まりえ   東京大学
川上航太郎   東京大学
大竹登夢   東京大学
大越慎一   東京大学
片瀬貴義   東京工業大学
神谷利夫   東京工業大学
廣森浩祐   東北大学
北川尚美   東北大学
銭衛華   東京農工大学
渡邉貴一   岡山大学
小野努   岡山大学
小林敬   京都大学
長谷川慶   根上工業㈱
鼎健太郎   根上工業㈱
酒井貴史   住友化学㈱
鈴木洋   神戸大学
郷右近展之   新潟大学
丸岡大佑   東北大学
柴田博一   ㈱ザズーデザイン

目次 +   クリックで目次を表示

【第Ⅰ編 有機PCM】

第1章 アイススラリー
1 アイススラリー
2 アイススラリー中の氷粒子の融解潜熱
3 アイススラリーの流動様相と流動特性
 3.1 アイススラリーの流動様相
 3.2 管摩擦係数
 3.3 レオロジー特性
4 アイススラリーの熱伝達特性
 4.1 アイススラリーの熱伝達係数
 4.2 単相流との比較
5 まとめ

第2章 エマルション型蓄熱材
1 エマルション
2 エマルション型蓄熱材の物性値
3 エマルション型蓄熱材の見かけの粘度とレオロジー特性
4 エマルション型蓄熱材の凝固・融解挙動
5 エマルション型蓄熱材の伝熱特性
6 まとめ

第3章 ソフトカプセル型PCM
1 カプセル型潜熱蓄熱物質(Phase Change Material:PCM)
2 相変化物質を封入したソフトカプセル型PCMの作製方法
3 ソフトカプセル型PCMの熱輸送特性

第4章 エリスリトール内包シリカ蓄熱マイクロカプセル
1 はじめに
2 材料と調整方法
 2.1 材料
 2.2 ERMsの調製
 2.3 ERMsの分析方法
3 ERMsの作成結果と評価
 3.1 ERMsの形状評価
 3.2 ERMsの蓄熱特性
4 おわりに

第5章 テトラコサン内包シリカ系マイクロカプセル
1 はじめに
2 PCMのマイクロカプセル化
3 シリカ系マイクロカプセルの生成法
 3.1 ゾル-ゲル法
 3.2 界面重縮合法
4 生成されるマイクロカプセルの代表例と性質
 4.1 形状の評価
 4.2 化学的性質の評価
 4.3 熱的性質の評価
5 まとめ

第6章 エリスリトールスラリー
1 はじめに
2 基礎特性
 2.1 溶解度
 2.2 水溶液中の結晶形状およびサイズ
 2.3 スラリーの見かけの比熱
3 流動特性
 3.1 流動様相
 3.2 流動様相と圧力損失のモデル
 3.3 均質流れのスラリーの見かけの粘度
4 熱輸送特性
5 おわりに

第7章 糖アルコール類の過冷却制御
1 緒言
2 過冷却挙動について
3 キシリトールの凝固挙動
 3.1 一般的凝固挙動
 3.2 攪拌及び過冷却防止剤添加による過冷却解消の試み
 3.3 バーミキュライトなどの多孔質物質混合による過冷却解消
 3.4 キシリトールとバーミキュライトの混合物を用いたコイル式熱交換器設置蓄熱槽
4 エリスリトールの直接接触潜熱蓄熱
5 結言

第8章 脂肪酸による多段型潜熱蓄熱
1 性能評価用の試験装置と起動・評価法
 1.1 性能評価用の試験装置
 1.2 起動・評価法
2 性能評価結果と考察
 2.1 蓄熱・融解プロセス
 2.2 放熱・凝固プロセス

第9章 温調樹脂(ヒートレージⓇ/コンフォーマⓇ)
1 はじめに
2 蓄熱材
 2.1 潜熱蓄熱材
 2.2 潜熱蓄熱材の建材への適用
 2.3 潜熱蓄熱材の繊維への適用
3 温調樹脂
 3.1 温調樹脂の特徴
 3.2 温調樹脂のグレード
 3.3 温調樹脂の設定温度帯
4 成形加工用の温調樹脂
 4.1 ヒートレージⓇ
 4.2 シートに加工したヒートレージⓇの温調性能
 4.3 シートの建材への適用
5 ヒートレージⓇの適用範囲拡大に向けて
5.1 デバイス用途への適用の可能性
5.2 放熱フィラーを含有したヒートレージⓇシートの放熱能
6 おわりに

第10章 樹脂と蓄熱材のブレンドによる物性制御
1 はじめに
2 潜熱蓄熱材の過冷却と結晶化温度の制御
3 新開発の高機能潜熱蓄熱材
4 おわりに

第11章 かご型シルセスキオキサン誘導体の潜熱蓄熱剤への応用
1 はじめに
2 かご型シルセスキオキサンとは
3 POSSの柔粘性結晶転移挙動
4 POSSのPCMへの利用
5 スター型T8誘導体の特異な相転移挙動
6 さいごに


【第Ⅱ編 無機PCM】

第1章 Al基合金相変化マイクロカプセル
1 はじめに
2 PCMとしてのAl基合金
3 Al基合金PCMのマイクロカプセル化
4 様々な作動温度(=コア材料)を持つMEPCMの開発例
5 MEPCM蓄熱体の開発~顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材のハイブリッド材料としてのMEPCM~
6 まとめと実装に向けた展望

第2章 1000℃級の潜熱蓄熱を目指したコアシェル構造体
1 背景
 1.1 高温蓄熱技術の重要性
 1.2 高温蓄熱体の応用例,期待されるシステムなど
 1.3 蓄熱方法の分類
 1.4 高温蓄熱の価値をどのようにとらえるか
2 高温用潜熱蓄熱体開発の現状
 2.1 開発の現状と課題
 2.2 銅系PCMを内包した高温潜熱蓄熱体開発の例
3 終わりに

第3章 低融点合金蓄熱
1 低融点合金とは
2 低融点合金による蓄熱
3 熱吸収材としての低融点合金
4 TIM材としてのPCMカプセル化技術

第4章 低温熱を対象とした潜熱蓄熱材の開発
1 はじめに
2 ガスエンジン排熱などを対象としたミョウバン系潜熱蓄熱材と蓄熱槽の開発
 2.1 蓄熱槽のコンセプト
 2.2 潜熱蓄熱材の調製
 2.3 サイズ低減効果の試算
3 過冷却防止剤を添加した酢酸ナトリウム系潜熱蓄熱材の開発
 3.1 酢酸ナトリウム三水和物の特徴
 3.2 酢酸ナトリウム系潜熱蓄熱材の調製と蓄放熱性能の評価
4 酢酸ナトリウム三水和物を活用した防寒マットの開発
 4.1 防寒マットの試作
 4.2 ソーラークッカーを活用した蓄熱試験
5 おわりに

第5章 長期蓄熱セラミックス(ブロック型-ラムダ五酸化三チタン)
1 はじめに
2 長期蓄熱セラミックスの発見
3 λ-Ti3O5の粒径制御とブロック型-λ-Ti3O5
4 ブロック型-λ-Ti3O5における金属置換
5 おわりに

第6章 2次元-3次元構造転移材料の開発と熱制御への応用
1 はじめに
2 2次元-3次元構造転移材料の設計
3 高温固溶体相を室温に凍結させる非平衡合成法
4 (Pb0.5Sn0.5)Se固溶体の2次元-3次元構造転移に伴う熱伝導率変調
5 まとめ


【第Ⅲ編 バイオベースPCM】

第1章 バイオマス由来PCMとその融点制御
1 はじめに
2 油糧バイオマスのPCMとしての特徴と現状の問題点
3 脂肪酸エステル単成分の実験的な熱特性評価
 3.1 脂肪酸エステルの調製
 3.2 熱特性の評価方法
 3.3 熱特性に及ぼす炭素鎖長の影響と建材用PCMの探索
4 二成分系の熱特性評価及び融点推算
 4.1 二成分系の融点の推算方法
 4.2 活量係数の推算方法
 4.3 種々の混合組成の熱特性の測定結果
 4.4 モデルによる融点の推算結果
5 おわりに

第2章 不可食油脂類由来PCM
1 食用油脂類由来ノンパラフィンPCM
2 不可食油脂類由来PCM
 2.1 不可食植物油由来PCM
 2.2 廃動物性脂肪由来PCM
 2.3 廃食用油由来PCM
 2.4 不可食植物油由来パラフィンPCM
3 結言

第3章 バイオベース高分子を殻材とする蓄熱マイクロカプセル
1 はじめに
2 拡張係数理論による酢酸セルロースマイクロカプセルの構造設計
3 マイクロ流路を用いた単分散な蓄熱マイクロカプセルの調製技術
4 HD内包量の異なるマイクロカプセルの形状と蓄熱特性
5 核化剤の添加によるCAマイクロカプセルの過冷却抑制
6 殻が架橋されたマイクロカプセルの形状と蓄熱特性
7 おわりに

第4章 可食性蓄熱マイクロカプセル
1 可食性蓄熱マイクロカプセル開発の背景と意義
2 可食性蓄熱マイクロカプセルの原料
 2.1 外殻材
 2.2 芯物質(PCM)
3 蓄熱MC調製法
4 PCMの漏洩
 4.1 粉末油脂におけるPCMの漏洩
 4.2 噴霧乾燥におけるPCMの損失
5 まとめ

第5章 環境配慮型潜熱蓄熱マイクロカプセル
1 はじめに
2 懸濁重合
3 潜熱蓄熱マイクロカプセル設計
 3.1 シェル;ポリウレタンポリウレア樹脂
 3.2 コア;飽和型脂肪酸エステル
4 潜熱蓄熱マイクロカプセルの調整例
5 潜熱蓄熱マイクロカプセルの物性評価
6 潜熱蓄熱マイクロカプセルの用途
7 潜熱蓄熱マイクロカプセルへの期待

【第Ⅳ編 応用】

第1章 温調衣類
1 はじめに
2 従来の温調繊維
3 新規温調繊維
 3.1 コンフォーマ®
 3.2 コンフォーマ®の溶融紡糸法
 3.3 温調繊維の吸放熱性
4 温調短繊維
 4.1 短繊維
 4.2 温調紡績糸
 4.3 温調中綿
5 温調長繊維・生地
 5.1 性能評価
 5.2 持続温感性能
 5.3 接触冷感および持続冷感性能
 5.4 持続冷感性能の向上法
6 おわりに

第2章 蓄熱システム
1 蓄熱技術
2 蓄熱材
3 蓄熱槽システム
4 潜熱輸送システム
5 マイクロカプセル化蓄熱材
6 サーマルグリッドシステム
7 蓄熱シート
8 最後に

第3章 次世代太陽熱発電のための金属系蓄熱材料と潜熱蓄熱システム
1 緒言
2 高温・高効率化に向けて進む次世代太陽熱発電
3 金属系熱媒体と潜熱蓄熱材および蓄熱システム

第4章 バイオマス炭化プロセス用蓄熱材としてのFe-Mn-C合金の潜熱蓄熱性能および耐高温酸化性
1 はじめに
 1.1 相変態温度および潜熱量の評価
 1.2 耐酸化性及び潜熱特性に対するアルミナイジングの影響
 1.3 酸化皮膜の耐摩耗性,耐衝撃性評価
2 おわりに

第5章 電子デバイスにおける蓄熱材
1 はじめに
2 なぜ蓄熱材が必要なのか
3 蓄熱材に要求される仕様
4 想定される各種蓄熱材
 4.1 二酸化バナジウム VO2
 4.2 酢酸ナトリウム三水和物
 4.3 非流動性蓄熱材
 4.4 カプセル化パラフィン
5 実際の使用例
6 まとめ

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