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中分子創薬に資するペプチド・核酸・糖鎖の合成技術

Synthesis Technology of Peptides, Nucleic Acids and Sugar Chains for Medium Molecule Drug Discovery

★低分子医薬、抗体医薬に次ぐ第3の医薬として注目を集める「中分子医薬」!
★「ペプチド」「核酸」「糖鎖」のそれぞれについて、合成法・高機能化技術を解説!
★医薬品のみならず、試薬、診断、化粧品、食品関連の方々にもおすすめの一冊!

商品コード:
T1070
監修:
千葉一裕
発行日:
2018年2月28日
体裁:
B5判・317頁
ISBNコード:
978-4-7813-1320-7
価格(税込):
90,200
ポイント: 820 Pt
関連カテゴリ:
ファインケミカル
ファインケミカル > 医薬
バイオテクノロジー > バイオ医薬品

Review

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キーワード:

ペプチド/核酸/糖鎖/中分子医薬/液相合成/固相合成/酵素法/微生物法/自動合成/マイクロフロー合成/マイクロ波/クロスリンク/官能基転移/リン原子修飾/人工塩基/ケミカルライゲーション/グリコシル化/アシル化/フルオラス合成/保護基フリー

刊行にあたって

 医薬品開発に対する大きな期待から,「中分子」が果たすべき役割について急速に関心が高まっている。中分子の主役となり得るものは多くの場合,ペプチド,核酸,糖鎖など,生体高分子を構成する重要なユニットを基軸としたものである。これら生体分子またはそのアナログに期待されるものは,生体系が本来持つ各種高分子の機能であり,低分子化合物では得られにくい,より高度な選択性や精密な作用機作が求められることになった。
 その一方で,医薬品として中分子を位置づけた場合,実際にどのような機能をもった化合物が求められるのか,どのような実験系でこれを実証すべきか,さらには体内での分解や排出,細胞内への到達の予測をいかに確度の高いものとするかなど,課題点も多い。また,化学合成法によって標的物質を得る場合にも,安定した大量生産法の導入,異性体や副生成物の制御,分離方法,化合物としての安定性など,低分子よりもさらに高度な合成技術や分析技術も必要となる。
 本書は,中分子医薬開発において非常に重要な位置づけとなるペプチド,核酸,糖鎖に関連した先端研究に関わる研究者の最新の知見を集約したものであり,これから取り組むべき重要事項の発見に少しでも寄与することができれば幸いである。  
(本書「はじめに」より抜粋・改変)

著者一覧


千葉一裕   東京農工大学
荒戸照世   北海道大学病院
吉矢 拓   ㈱ペプチド研究所
木曽良明   長浜バイオ大学
北條裕信   大阪大学
川上 徹   大阪大学
小早川拓也  東京医科歯科大学
玉村啓和   東京医科歯科大学
布施新一郎  東京工業大学
北條恵子   神戸学院大学
木野邦器   早稲田大学
相沢智康   北海道大学
木村寛之   東京大学
加藤敬行   東京大学
菅 裕明   東京大学
岡田洋平   東京農工大学
JITSUBO㈱
高橋大輔   味の素㈱
関根光雄   ㈱環境レジリエンス;東京工業大学
佐々木茂貴  九州大学
額賀陽平   東京理科大学
和田 猛   東京理科大学
萩原健太   群馬大学
尾崎広明   群馬大学
桒原正靖   群馬大学
藤本健造   北陸先端科学技術大学院大学
中村重孝   北陸先端科学技術大学院大学

木村康明   名古屋大学
阿部 洋   名古屋大学
若松秀章   東北医科薬科大学
名取良浩   東北医科薬科大学
斎藤有香子  東北医科薬科大学
吉村祐一   東北医科薬科大学
山吉麻子   京都大学
新貝恭広   近畿大学大学院
藤井政幸   近畿大学
清尾康志   東京工業大学
大窪章寛   東京工業大学
石田秀治   岐阜大学
佐野加苗   群馬大学
松尾一郎   群馬大学
佐藤智典   慶應義塾大学
上田善弘   京都大学
川端猛夫   京都大学
田中浩士   東京工業大学
稲津敏行   東海大学
長島 生   (国研)産業技術総合研究所
清水弘樹   (国研)産業技術総合研究所
野上敏材   鳥取大学
伊藤敏幸   鳥取大学
田中知成   京都工芸繊維大学
加藤紀彦   京都大学
山本憲二   石川県立大学
千葉靖典   (国研)産業技術総合研究所

目次 +   クリックで目次を表示

【第Ⅰ編 総論】
第1章 中分子医薬品の開発・規制動向
1 核酸医薬品の規制の動向と現状
 1.1 はじめに
 1.2 国内外における核酸医薬品の規制に係わる動き
 1.3 核酸医薬品の品質管理の考え方
 1.4 核酸医薬品の非臨床安全性評価の考え方
 1.5 まとめ
2 ペプチド医薬品の規制の動向と現状
 2.1 はじめに
 2.2 ペプチド医薬品の品質管理の考え方
 2.3 ペプチド医薬品の非臨床安全性評価の考え方
 2.4 まとめ

【第Ⅱ編 ペプチド】
第1章 ペプチド合成法の開発動向と展望

第2章 ペプチドチオエステルの合成とタンパク質合成への利用
1 ペプチドチオエステルとタンパク質合成
2 t-Butoxycarbonyl(Boc)法によるペプチドチオエステルの合成
3 9-fluorenylmethoxycarbonyl(Fmoc)法によるペプチドチオエステルの調製
 3.1 N-アルキルシステイン(NAC)をN-Sアシル転位素子として用いるチオエステル調製法
 3.2 NAC構造の最適化によるチオエステル化効率の向上
 3.3 システイニルプロリルエステル(CPE)をチオエステル前駆体として用いる方法
4 ペプチドチオエステルのタンパク質合成への応用
 4.1 ワンポット合成法によるTIM-3 Igドメインの合成
 4.2 ワンポット法によるヒトsuperoxide dismutaseの合成
5 おわりに

第3章 ペプチドミメティック(ジペプチドイソスター)の合成と応用
1 はじめに―ペプチドミメティック―
2 これまでのペプチドミメティック
 2.1 遷移状態模倣型ミメティック
 2.2 基底状態模倣型ミメティック
3 クロロアルケン型ジペプチドイソスター(CADI)
 3.1 CADIの分子設計
 3.2 クロロアルケン骨格の構築法
 3.3 CADIの立体選択的合成法とペプチド合成への適用化
 3.4 CADIの応用展開―RGDペプチドへの適用を例に―
4 まとめと展望

第4章 マイクロフロー法によるペプチド合成

第5章 マイクロ波を用いる水中ペプチド固相合成法
1 はじめに
2 水分散型保護アミノ酸ナノ粒子を用いる水中ペプチド固相合成
3 マイクロ波水中迅速ペプチド固相合成法の開発
 3.1 マイクロ波照射による水中固相合成迅速化
 3.2 マイクロ波水中固相合成による合成困難配列ペプチドの合成
4 マイクロ波照射下水中反応におけるラセミ化の検証
 4.1 マイクロ波照射下Cys残基のラセミ化とCys含有ペプチドの水中合成
 4.2 マイクロ波照射下His残基のラセミ化とHis含有ペプチドの水中合成
5 おわりに

第6章 ペプチド合成酵素を利用した触媒的アミド合成
1 はじめに
2 アミノ酸リガーゼ(ATP-grasp-ligase)によるペプチド合成
 2.1 アミノ酸リガーゼの探索とジペプチド合成
 2.2 オリゴペプチド合成
 2.3 ポリアミノ酸合成
3 アデニル化酵素(acyl-AMP-ligase)によるアミド結合形成
 3.1 アデニル化ドメインによるペプチド合成
 3.2 脂肪酸アミド合成
 3.3 芳香族カルボン酸アミド合成
4 アシルCoA合成酵素によるアミド結合形成
5 おわりに

第7章 ペプチドの遺伝子組換え微生物を用いた高効率生産技術
1 はじめに
2 大腸菌を宿主とした組換えペプチドの生産
 2.1 可溶型でのペプチドの生産
 2.2 不溶型でのペプチドの生産
3 酵母を宿主とした組換えペプチドの生産
4 組換えペプチドのNMR解析への応用
5 おわりに

第8章 遺伝暗号リプログラミングを用いた特殊ペプチド翻訳合成と高速探索技術
1 はじめに
2 FITシステム
3 特殊環状ペプチドスクリーニング技術「RaPIDシステム」
4 RaPIDシステムによる特殊ペプチド探索の事例
 4.1 KDM4阻害ペプチドの探索
 4.2 iPGM阻害ペプチドの探索
 4.3 METに対する人工アゴニストペプチドの探索
 4.4 多剤輸送体MATE阻害ペプチドによる結晶構造解析
5 FITシステム,RaPIDシステムの今後の展望

第9章 高効率ペプチド製造技術Molecular HivingTM

第10章 AJIPHASE®;ペプチドやオリゴ核酸の効率的大量合成法
1 はじめに
2 AJIPHASE®法によるペプチド合成
3 超効率的ペプチド合成法 第三世代AJIPHASE®
4 AJIPHASE®によるオリゴ核酸合成
5 AJIPHASE®によるオリゴ核酸の大量製造
6 おわりに

【第Ⅲ編 核酸】
第1章 核酸合成法の開発動向と展望
1 はじめに
2 核酸合成関連の副反応
 2.1 固相合成におけるキャップ化反応の副反応
 2.2 UnyLinker合成時の副反応
 2.3 ホスファイト中間体の硫化反応
3 大量合成を指向した研究
4 核酸合成の保護基の開発動向
 4.1 リン酸基の保護基
 4.2 5'-水酸基の保護基
5 RNA合成における最近の動向
 5.1 TBDMS基の2'-水酸基への導入法の改良
 5.2 O,O-およびO,S-アセタールを介した保護基の開発
 5.3 2'-O-修飾RNAの合成
6 おわりに

第2章 インテリジェント人工核酸―クロスリンク核酸・官能基転移核酸の合成―
1 はじめに
2 クロスリンク核酸
3 クロスリンク剤(T-ビニル)の合成
4 RNA標的クロスリンク反応
5 RNAの部位および塩基選択的化学修飾
6 官能基転移核酸の創成
7 今後の展望

第3章 リン原子修飾核酸医薬の立体制御
1 はじめに
2 オキサザホスホリジン法によるホスホロチオエートDNAの立体選択的合成
3 オキサザホスホリジン法によるホスホロチオエートRNAの立体選択的合成
4 オキサザホスホリジン法によるボラノホスフェートDNAの立体選択的合成
5 オキサザホスホリジン法によるボラノホスフェートRNAの立体選択的合成
6 今後の展望

第4章 ゼノ核酸アプタマーの開発
1 はじめに
2 ライブラリの構築
3 RNAアプタマー
 3.1 RNAアプタマー
 3.2 修飾RNAアプタマー
4 DNAアプタマー
 4.1 DNAアプタマー
 4.2 修飾DNAアプタマー
5 核酸アプタマーの応用
 5.1 バイオセンサ
 5.2 医薬品
6 総括

第5章 光架橋性人工核酸の合成と応用
1 はじめに
2 光クロスリンク法
3 光ライゲーション法
4 まとめ

第6章 機能性核酸合成を指向した化学的核酸連結反応
1 求電子性ホスホロチオエステル基を用いた連結反応の開発
2 細胞内での化学的連結反応によるsiRNA分子の構築

第7章 新規グリコシル化反応の開発―Pummerer型チオグリコシル化反応の開発と展開―
1 はじめに
2 Pummerer型チオグリコシル化反応の開発と2’-置換4’-チオヌクレオシドの合成
3 4’-チオリボヌクレオシドの合成
4 チオピラノースを用いたPummerer型チオグリコシル化反応
5 超原子価ヨウ素を用いたグリコシル化反応の開発と展開
6 おわりに

第8章 siRNA,miRNA-mimicおよびanti-miR核酸の設計指針
1 siRNAの設計法
 1.1 siRNAの作用機序
 1.2 siRNAの配列選択法
 1.3 siRNAの化学修飾法
2 miRNA-mimicの設計法
 2.1 miRNAの作用機序
 2.2 miRNA-mimicの配列選択法
 2.3 miRNA-mimicの化学修飾法
3 anti-miR核酸の設計法
 3.1 anti-miR核酸の作用機序
 3.2 anti-miR核酸の配列選択法
 3.3 anti-miR核酸の化学修飾法

第9章 核酸コンジュゲートの合成
1 液相合成法
 1.1 クリック反応
 1.2 二価性リンカーを用いるフラグメント縮合法
 1.3 ネイティブライゲーション法
 1.4 オキシム,ヒドラゾン形成反応
2 固相合成法
 2.1 ホスホアミダイト法
 2.2 タンデム合成法
 2.3 フラグメントカップリング法

第10章 塩基部無保護ホスホロアミダイト法による核酸合成
1 塩基部無保護核酸合成法の有用性
2 塩基部無保護ホスホロアミダイト法の概略
3 STEP 1:5’-O-選択的カップリング
 3.1 塩基部無保護ホスホロアミダイト試薬(2)の合成
 3.2 アルコール型活性化剤による5’-O-選択的カップリング反応
4 STEP 2:P-N結合切断反応
5 STEP 5:脱CE反応とSTEP 6:切り出し反応
6 塩基部無保護ホスホロアミダイト法による核酸合成例
7 終わりに

【第Ⅳ編 糖鎖】
第1章 総論:糖鎖合成法の開発動向と展望

第2章 酵素化学法による糖鎖合成
1 糖鎖の合成
2 糖転移酵素を利用した酵素-化学法による糖鎖合成
3 糖加水分解酵素によるオリゴ糖合成
4 糖加水分解酵素を積極的に利用した酵素-化学法による高マンノース型糖鎖の合成
 4.1 分岐構造を有する高マンノース型糖鎖8糖の合成
 4.2 糖加水分解酵素の限定分解反応によるトップダウン型高マンノース型糖鎖ライブラリ構築
 4.3 改変型エンドα-マンノシダーゼを用いた高マンノース型糖鎖の合成

第3章 糖鎖プライマー法によるバイオコンビナトリアル合成
1 はじめに
2 糖鎖プライマー法とは
3 糖鎖プライマーによる細胞での糖鎖伸長
4 グライコミクスへの活用
5 糖鎖ライブラリーとしての活用
6 おわりに

第4章 触媒的位置選択的アシル化
1 はじめに
2 汎用型触媒による無保護グルコピラノシドのアシル化
3 グルコピラノシドの位置選択的アシル化の先駆的研究
4 グルコピラノシドの4位高選択的アシル化
5 触媒量の低減化
6 アシル化配糖体の位置選択的全合成
7 ポリオール系天然物の位置選択的誘導化
8 さいごに

第5章 α(2,8)シアリル化反応の発展と高分子型Siglec-7リガンドの開発
1 はじめに
2 α(2,8)シアリル化の課題と克服
3 糖鎖高分子型のSiglec-7リガンド
4 まとめ

第6章 フルオラス合成
1 はじめに
2 フルオラス化学とは
3 アシル型フルオラス保護基を用いたフルオラス糖鎖合成
4 アシル型フルオラス担体の開発と糖鎖合成への応用
5 ベンジル型フルオラス担体の開発と糖鎖合成への応用
6 おわりに

第7章 マイクロ波を利用した糖鎖・糖ペプチド精密合成
1 マイクロ波の化学反応への利用
2 糖鎖合成
3 糖ペプチド合成
4 結語

第8章 液相電解自動合成法によるオリゴ糖合成
1 はじめに
2 オリゴ糖自動合成法の原理
3 液相電解自動合成法によるオリゴ糖合成
4 生物活性オリゴ糖合成への展開
5 まとめ

第9章 無保護糖アノマー位の直接活性化を基盤とする糖鎖高分子の保護基フリー合成
1 はじめに
2 無保護糖アノマー位の直接活性化
3 糖鎖高分子の保護基フリー合成
 3.1 グリコシルアジドを経由する糖鎖高分子の合成
 3.2 チオグリコシドを経由する糖鎖高分子の合成
4 糖鎖高分子の機能評価
 4.1 金表面への固定化とレクチンとの結合評価
 4.2 インフルエンザウイルスとの結合評価
5 おわりに

第10章 Endo-M酵素による糖鎖付加と均一化
1 はじめに
2 エンドグリコシダーゼの糖転移反応
3 Endo-Mの糖転移活性とグリコシンターゼ化
4 グリコシンターゼを利用したシアロ糖ペプチドの合成
5 グリコシンターゼによる糖タンパク質糖鎖の均一化
6 その他の改変エンドグリコシダーゼによる糖転移反応
7 コアフコース含有糖鎖に作用するEndo-Mの作出
8 おわりに

第11章 酵母細胞および酵素法を組み合わせた糖タンパク質合成
1 はじめに
2 酵母を利用したヒト型糖タンパク質生産
3 トランスグリコシレーションによる糖タンパク質糖鎖の均一化
4 糖転移酵素による糖鎖修飾
5 まとめ

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