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刊行にあたって
食物繊維は植物性・動物性食品の中で人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体で、かつては体に不要なものだと思われていたが、今では血中コレステロール正常化,食後血糖値の上昇抑制,血圧上昇抑制,内臓脂肪蓄積抑制,整腸,がん予防,虫歯予防などの効果が期待されている。
本書は、血中コレステロール正常化,食後血糖値の上昇抑制など様々な食物繊維について多岐にわたる効果を、そして難消化性デキストリン、大麦β-グルカンなど注目される食物繊維の特長を解説した。さらにトクホ,栄養機能食品、機能性表示食品,サプリメントにおける食物繊維の役割と用途別市場動向をまとめた。
食物繊維と応用製品の開発に携わるメーカーの方々や大学・研究機関の方々にご購読をお勧めいたします。
著者一覧
田村 基 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 平山和宏 東京大学大学院 宮本潤基 東京農工大学 木村郁夫 東京農工大学 五十嵐美樹 東京農工大学 須藤明日香 東京農工大学 原 健二郎 フジ日本精糖㈱ 小林敏樹 ㈱はくばく 後藤優佳 ㈱はくばく 石原則幸 太陽化学㈱ | 唐澤幸司 伊那食品工業㈱ 金田雅代 女子栄養大学名誉教授 清水寿夫 清水化学㈱ 宮里祥子 松谷化学工業㈱ 定清 剛 ㈱林原 志多伯良博 ㈱ホワイズ 和田美咲 ㈱J-オイルミルズ 長畑雄也 ㈱J-オイルミルズ 古野麻衣子 ㈱J-オイルミルズ |
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第1章 吸収・代謝に影響を与える腸内細菌
1 はじめに
2 食物繊維と腸内細菌
3 オリゴ糖と腸内細菌
4 レジスタントスターチと腸内細菌
5 腸内細菌によるケルセチンの代謝,オリゴ糖と腸内細菌のケルセチン代謝
6 腸内菌叢による大豆イソフラボンの代謝,食物繊維・オリゴ糖と腸内細菌のイソフラボン代謝
7 腸内菌叢によるリグナンの代謝,食物繊維と腸内細菌のリグナン代謝
第2章 腸内細菌叢とその変動因子
1 腸内細菌叢の安定性
2 腸内細菌叢が変動する要因
2.1 薬剤
2.2 食餌
2.3 年齢
2.4 宿主の生理機能
2.5 ストレス
2.6 妊娠
2.7 免疫
2.8 疾患
2.9 肥満
3 おわりに
第3章 腸内細菌の働き解明
1 腸内細菌叢と食事
2 腸内環境と宿主生体恒常性維持
3 短鎖脂肪酸と宿主恒常性維持
3.1 GPR41を介したエネルギー代謝
3.2 GPR43を介したエネルギー代謝制御
4 おわりに
第4章 腸内細菌叢由来代謝物質とエネルギー代謝
1 はじめに
2 短鎖脂肪酸
3 胆汁酸
4 共役脂肪酸とその代謝物
5 おわりに
【食物繊維編】
第5章 プレバイオティクスとしてのイヌリンとその生理機能性
1 イヌリンとは
2 イヌリンの生理機能性
2.1 イヌリンの腸内環境改善効果
2.2 ミネラル吸収促進効果
2.3 脂質関係
2.4 食後血糖上昇抑制作用
3 まとめ
第6章 大麦に含まれる難消化性多糖「β-グルカン」の合成とその生理機能
1 はじめに
2 大麦β-グルカンの生合成
3 大麦の機能性
3.1 食後血糖値の上昇抑制効果
3.2 血中コレステロールの正常化
3.3 腸内環境の改善
3.4 その他
4 おわりに
第7章 グアーガム分解物の生理作用とその医療食への応用
1 はじめに
2 グアーガム分解物とは
3 腸内細菌叢改善作用
4 便通に対する作用
5 下痢に対する作用
6 臨床栄養分野での応用
7 高齢者の排便ケアへの応用
8 おわりに
第8章 腸内環境を整える食物繊維としての寒天
1 はじめに
2 原料と分子構造
3 生理機能
4 腸内環境への影響
5 おわりに
第9章 「大豆多糖類(水溶性おから繊維)の食物繊維としての機能について」
学校給食における食物繊維増加の取り組み
1 はじめに
2 大量調理におけるSOFの特性を生かした調理方法の検討
2.1 SOFとは
2.2 料理開発,調理方法,作業性
2.3 SOF使用の有無による食味調査
3 学校給食へのSOF使用による変化
3.1 食品構成及び食物繊維量の変化
3.2 エネルギー・脂質の変化
3.3 SOFの排便習慣および腸内細菌叢に対する効果
4 おわりに
第10章 グルコマンナン
1 グルコマンナンとは
2 グルコマンナンとこんにゃく精粉の違い
3 グルコマンナンの基本構造
4 食物繊維としてのグルコマンナンの生理機能
4.1 血清コレステロールの低下
4.2 血糖調節作用
4.3 便秘改善効果
4.4 体重減少効果(肥満の改善)
4.5 抗アレルギー作用
5 グルコマンナンの応用について
5.1 デザート関係
5.2 麺関係
5.3 焼き菓子関係
5.4 不溶化グルコマンナン
5.5 グルコマンナン発泡体(グルコマンナンスポンジ)
第11章 難消化性デキストリン
1 はじめに
2 ビフィズス菌の増加
3 整腸作用-メタアナリシス-
4 大腸通過時間の短縮
5 糖尿病・肥満の改善
6 満腹感の持続
6.1 GLP-1分泌の促進
6.2 肥満ラットにおけるエネルギー摂取の抑制
6.3 ヒトにおける満腹感の保持
7 おわりに
第12章 澱粉から酵素でつくられる水溶性食物繊維イソマルトデキストリンの特性と応用
1 はじめに
2 イソマルトデキストリンとは
2.1 基本構造
2.2 製造
2.3 安全性
3 イソマルトデキストリンの諸物性
3.1 基本物性
3.2 安定性
4 イソマルトデキストリンの生理作用
4.1 腸内細菌叢改善作用
4.2 便通改善作用
4.3 下痢軽減作用
4.4 免疫調節作用
4.5 血糖上昇抑制作用
4.6 食後血中中性脂肪上昇抑制作用
4.7 脂質代謝改善作用
5 イソマルトデキストリンの食品への利用
6 おわりに
第13章 低分子化アルギン酸ナトリウム
1 はじめに
2 昆布中の機能性成分,低分子化アルギン酸ナトリウム
3 低分子化アルギン酸ナトリウムの化学構造及び特性
4 低分子化アルギン酸ナトリウムの製造工程
5 低分子化アルギン酸ナトリウムの製品規格
6 用途
7 安全性試験
8 低分子化アルギン酸ナトリウムに含まれているナトリウムの影響
9 有効性
10 特許
第14章 レジスタントスターチの機能
1 レジスタントスターチとは
2 レジスタントスターチの種類
3 レジスタントスターチが豊富な食材
4 レジスタントスターチの体内挙動と生理機能
4.1 体内挙動
4.2 プレバイオティクス効果
4.3 便秘の改善
5 トピックス
5.1 血糖
5.2 肥満
5.3 骨
5.4 免疫
6 終わりに
【食物繊維の応用市場編】
第15章 食物繊維の市場動向
1 食物繊維の概要
1.1 食物繊維の種類と特性
1.2 食物繊維の主な効果
2 主な食物繊維の特性
2.1 難消化性デキストリン
2.2 キトサン
2.3 サイリウム種皮抽出物
2.4 ポリデキストロース
2.5 グアーガム分解物
2.6 レジスタントスターチ
2.7 イソマルトデキストリン
2.8 低分子アルギン酸ナトリウム
2.9 大麦β-グルカン
2.10 イヌリン
2.11 グルコマンナン
3 食物繊維市場の動向
第16章 特定保健用食品(トクホ)市場の動向
1 市場の概要
2 市場動向
3 用途別動向
4 販売チャネル別動向
5 将来動向
6 トクホ市場における食物繊維含有製品の動向
6.1 難消化性デキストリン
6.2 キトサン
6.3 サイリウム種皮由来の食物繊維
6.4 その他
第17章 機能性表示食品市場
1 市場の概要
2 市場の動向
3 関与成分別市場動向
4 訴求効能別市場動向
5 食物繊維を機能性関与成分とする機能性表示食品の動向
5.1 難消化性デキストリン
5.2 その他の機能性関与成分
第18章 美容食品市場
1 市場の概要
1.1 美容成分を含む一般食材
1.2 主要美容食品素材
1.3 主要ダイエット/抗メタボ用食品素材
2 美容食品市場の動向
2.1 美容ドリンクの製品/企業動向
2.2 美容サプリメントの製品/企業動向
2.3 食物繊維含有美容食品の製品/企業動向
第19章 介護食品市場
1 市場の概要
2 市場の動向
3 介護食品の製品/企業動向
第20章 増粘安定剤(増粘剤,安定剤,ゲル化剤)市場
1 市場の概要
2 増粘安定剤の用途(主要食品別)
2.1 ドレッシング,タレ,ソース,ケチャップ
2.2 畜肉製品
2.3 小麦粉由来製品(パン,ケーキ,麺類など)
2.4 冷菓
2.5 ゼリー
2.6 飲料
2.7 介護食(嚥下補助食品)
2.8 その他
3 素材別市場動向
3.1 カラギナン
3.2 キサンタンガム
3.3 グアーガム
3.4 タマリンド(シード)ガム
3.5 ペクチン
3.6 ローカストビーンガム
3.7 アラビアガム(アカシアガム)
3.8 グルコマンナン
3.9 水溶性大豆多糖類
3.10 カルボキシメチルセルロース
3.11 メチルセルロース/ヒドロキシプロピルメチルセルロース
3.12 プロピレングリコール脂肪酸エステル
第21章 腸内環境改善作用を持つ機能性素材
1 イヌリン
2 大麦β-グルカン
3 寒天
4 グアーガム分解物
5 アルギン酸ナトリウム
6 難消化性デキストリン
7 レジスタントスターチ
8 ポリデキストロース
9 フラクトオリゴ糖
10 ガラクトオリゴ糖
11 キシロオリゴ糖
12 乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)
13 イソマルトオリゴ糖
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