キーワード:
樹脂溶融型/三次元細胞積層/インクジェット型/積層造形装置/ハイブリッド金属/光重合3Dプリンター/ハイドロゲルプリンティング材料/生体用接着剤/3次元細胞培養担体/PLAフィラメント/再生医療応用/医療/α-TCP/立体臓器製造技術
刊行にあたって
人工的な材料や基材と生きた細胞を組み合わせて、組織や臓器の代替となる構造体を作製する組織工学の中で、近年注目されているのが、印刷技術を取り込んだ、「バイオ3Dプリンティング」である。まだ生体の組織や臓器に匹敵する構造物を作製できてはないものの、これまで関わっていなかった研究者や企業を巻き込んで、急速に発展することが予想されている。
本書は、バイオ3Dプリンティングに関する、そしてバイオ3Dプリンティングにつながるプリンタやインク材料、インクを固めるための方法などを紹介する。またバイオ3Dプリンティング研究に携わる方々に最新の情報を提供することを目的とした。(緒言より抜粋)
著者一覧
當間隆司 武藤工業㈱
國富芳博 ㈱サイフューズ
秋枝静香 ㈱サイフューズ
瀬尾 学 ㈱リコー
栁沼秀和 ㈱リコー
木寺正晃 愛知産業㈱
田中隆三 ㈱松浦機械製作所
大嶋英司 カンタツ㈱
齊藤 梓 山形大学
川上 勝 山形大学
古川英光 山形大学
萩原恒夫 横浜国立大学
伊藤壽一 滋賀県立総合病院研究所
小山靖人 富山県立大学
アブ ビン イヘサン 富山県立大学
秋山義勝 東京女子医科大学
今泉幸文 クアーズテック㈱
増谷一成 京都工芸繊維大学;ネオマテリア㈱
植松 宏 LPWテクノロジージャパン
熊澤義之 東京薬科大学
古川克子 東京大学
Dajiang Du 東京大学
篠原 誠 東京大学
牛田多加志 東京大学
能 清高 ㈱大日本科研
横田秀夫 (国研)理化学研究所
山澤建二 (国研)理化学研究所
渡邉政樹 ㈱リコー
辻村有紀 (国研)理化学研究所
大山慎太郎 名古屋大学医学部附属病院
関根秀一 東京女子医科大学
樋口鎮央 和田精密歯研㈱;大阪歯科大学
石本卓也 大阪大学
中野貴由 大阪大学;異方性カスタム設計・AM研究開発センター
羽田多麻木 東京医科歯科大学
金澤 学 東京医科歯科大学
水口俊介 東京医科歯科大学
清水 透 東京電機大学
目次 + クリックで目次を表示
3Dバイオプリンティング
1 3Dバイオプリンティング
2 3Dバイオプリンタとバイオインク
2.1 細胞のみからなる構造体の造形
2.2 インクジェット方式
2.3 連続押し出し方式
2.4 光造形方式
【Ⅱ バイオ3Dプリンタ編】
第1章 樹脂溶融型3Dプリンタ
1 はじめに
2 樹脂溶融型3Dプリンタ
2.1 供給部
2.2 材料搬送部
2.3 造形部
3 樹脂造形
3.1 造形1層目(テーブルとの固定)
3.2 造形時の硬化収縮
3.3 結晶性樹脂の造形
3.4 吸水性樹脂の造形
4 樹脂造形の応用
4.1 熱硬化型樹脂の造形
4.2 タンパク質や多糖類の構造化
5 最後に
第2章 スフェロイド積層によるスキャフォールドフリー3D細胞プリンティング技術の開発と応用
1 平面培養から三次元培養への変遷
2 バイオ3Dプリンタによる立体組織作製
3 細胞製人工血管の開発事例
4 細胞製神経導管の開発事例
5 その他の再生医療等製品への展開
6 創薬支援ツールへの応用
7 次世代型バイオ3Dプリンタの開発
8 最後に
第3章 インクジェット型バイオ3Dプリンタの開発と応用
1 はじめに
1.1 背景
1.2 バイオプリンティング
1.3 インクジェット
2 インクジェット方式バイオプリンティング
2.1 細胞吐出用インクジェットの構造
2.2 細胞吐出性能の基礎評価
3 インクジェット型バイオ3Dプリンタを用いた3次元モデルの形成
3.1 インクジェット型バイオ3Dプリンタ
3.2 3次元モデルの形成
4 最後に
第4章 金属積層造形装置の開発動向
1 はじめに
2 (独)SLMソリューションズ社のSLM(Selective Laser Melting)
3 (独)Trumpf社のLMD(Laser Metal Deposition)
4 (米)SCIAKY社と(墺)Fronius社のWAAM(Wire Arc Additive Manufacturing)
5 おわりに
第5章 ハイブリッド金属3Dプリンタの特徴と実用例
1 はじめに
2 ハイブリッド金属3Dプリンタ
2.1 ハイブリッド金属3Dプリンタとは
2.2 ハイブリッド化における特長
2.3 CAMシステム
3 ハイブリッド金属3Dプリンタによる金型製作事例
3.1 プラスチック射出成形用の金型作製
3.2 ラティス構造を取り入れた金型製作
4 ハイブリッド金属3Dプリンタによる部品製作事例
4.1 ハイブリッド金属3Dプリンタの大型化
4.2 自動車部品への応用
4.3 航空部品への応用
5 まとめ
第6章 光造形装置としても直描露光装置としても使える1台2役の高速/高精度な3Dプリンタの開発
1 はじめに(開発の背景)
2 SPACE ARTの特長
3 SPACE ARTの構造・仕様・回路パターン形成プロセスフロー
3.1 直描露光装置(電子回路パターン/レジストパターン形成)仕様
3.2 光造形装置(3Dプリンタ)仕様
4 光学エンジンの構成
5 本装置の性能・機能
5.1 直描露光装置(電子回路パタンやレジスト形成)の性能・機能
5.2 光造形装置(3Dプリンタ)の性能・機能
6 おわりに(今後の展開)
第7章 光重合による3Dゲルプリンター
1 はじめに―3Dプリンターについて―
2 3Dゲルプリンター
3 3Dゲルプリンターでの造形に適したゲル材料
4 3Dゲルプリンターで作ったゲルの物性
5 機能性ゲルの造形
6 まとめ
【Ⅲ 材料編】
第1章 材料から見た3Dプリンティング
1 はじめに
2 3Dプリンティング
3 各種3Dプリンティング方式とその材料について
3.1 液槽光重合法(VPP)
3.2 粉末床溶融法(PBF)
3.3 材料押し出し法(MEX)
3.4 結合剤噴射法(BJT)
3.5 材料噴射法(MJT)
3.6 3Dプリンティングの医療用途のまとめ
4 今後の展望
5 まとめ
第2章 ハイドロゲルプリンティング材料
―ハイドロゲルをドラッグデリバリーシステムに使用した新規難聴治療
1 はじめに
2 徐放キャリヤーと薬物徐放化技術
3 徐放性ゼラチンハイドロゲルを用いた内耳への細胞成長因子の投与
3.1 脳由来神経栄養因子(BDNF:brain derived neurotrophic factor)
3.2 インスリン様細胞成長因子(IGF-1:insulinlike growth factor-1)
4 今後の展開
第3章 ペプチド交互共重合体からなる強靭な生体用接着剤の開発
1 はじめに
2 ペプチド交互共重合体のワンポット合成と構造特性
3 ペプチド交互共重合体からなる強靭な生体用接着剤の開発
4 おわりに
第4章 超薄膜状ハイドロゲル
1 温度応答性高分子を利用したインテリジェント表面
2 温度応答性細胞培養表面と細胞シート工学
3 細胞剥離を加速化するための温度応答性細胞培養表面の設計
4 新たな温度応答性細胞培養表面の作製方法の開発
第5章 3次元細胞培養担体CERAHIVE®
1 はじめに
2 生体内近似環境について
3 CERAHIVE®の種類
4 CERAHIVE®のその他の特長
5 おわりに
第6章 3Dプリンター用生体内吸収性材料
1 はじめに
2 熱溶融型積層法
3 生体内吸収性材料
4 ポリ乳酸
5 PEG-PLA共重合体
6 おわりに
第7章 積層造形装置用金属パウダーの物理物性評価
1 はじめに
2 物理物性評価装置と評価方法
3 物理物性評価データの活用について
4 おわりに
第8章 トランスグルタミナーゼ応用ゲル
1 はじめに
2 タンパク質のゲル化とトランスグルタミナーゼ
3 放線菌トランスグルタミナーゼ
4 MTGaseによるタンパク質のゲル化と食品への利用
5 おわりに
【Ⅳ 応用編】
第1章 3Dプリンターの再生医療応用
1 はじめに
2 再生医療の現状と課題
3 立体構造を有する再生臓器の構築
4 立体構造を有する組織の3次元培養技術
5 さいごに
第2章 3Dプリンターの医療への応用
1 歯科矯正への応用
2 補聴器
3 心臓シミュレータ
4 人工骨
第3章 3Dプリンター人工骨作製システム
1 はじめに
2 粉末積層造形法(Binder Jetting)による骨の造形
3 高精度・高強度人工骨を目指した造形法
3.1 概要
3.2 新規BJ方式の概要
3.3 3Dプリント人工骨の特性評価
4 人工骨の生体適応性
4.1 概要
4.2 細胞培養実験
4.3 ラットin vivo実験
5 生体から見た人工骨の反応と応用展開
5.1 要旨
5.2 バイオマテリアルとしての人工骨の立ち位置と課題
5.3 3Dプリント人工骨の生体反応と応用展開
第4章 細胞シート工学を基盤とした立体臓器製造技術
1 ティッシュエンジニアリングによる組織構築
2 細胞シートによる高密度組織の構築
3 立体組織・臓器構築のためのバイオリアクターの開発
4 血管網付与によるスケールアップ組織の構築
5 補助ポンプ型立体心筋組織の構築
第5章 金属積層造形技術を活用した歯科修復物の現状
1 はじめに
2 樹脂積層造形技術
3 金属積層造形技術
3.1 材料の機械的性質
3.2 耐食性
3.3 密度
3.4 疲労強度
3.5 異方性
3.6 金属組織
4 適合精度
第6章 金属3Dプリンタの医療デバイスへの応用
1 はじめに
2 金属3Dプリンタ製部材の安全性~力学特性~
3 金属3Dプリンタ製部材の安全性~生体適合性~
4 患者毎の骨格形状に合わせたカスタム形状インプラント
5 多孔体構造設計による低ヤング率化骨代替材料の創製
6 結晶集合組織制御による生体材料の高機能化
7 おわりに
第7章 ITによる義歯製作と3Dプリンター利用の可能性
1 はじめに
2 CAD/CAM全部床義歯製作の基本的なデジタルワークフロー
2.1 口腔内スキャナーを用いた概形印象採得・簡易咬合採得
2.2 試適用義歯を用いた精密印象採得・咬合採得
2.3 義歯のデザイン
3 世界のCAD/CAM全部床義歯
4 新たに考案したカスタマイズドディスク法
5 CAD/CAM全部床義歯における3Dプリンターの問題点
6 歯科用3Dプリンター材料に望まれる性質
7 CAD/CAM全部床義歯の将来展望
第8章 粉体の焼結プロセスによる3Dプリンティング技術
1 はじめに
2 VP法による3Dプリンティング
3 ME法による3Dプリンティング
3.1 ME法よる金属3Dプリンティング装置
3.2 脱脂・焼結による造形例
4 BJ法による三次元積層造形
5 仮焼結体,グリーン体のCAMによるによる三次元造形
5.1 仮焼結のCAMによる三次元造形
5.2 グリーン体のCAM(グリーンマシニング)による三次元造形
6 まとめ
【Ⅴ 市場編】
第1章 産業用3Dプリンターの開発と市場
1 市場の概要
2 産業用3Dプリンターの種類
2.1 光造形法
2.2 粉末法
2.3 材料押出堆積法(熱溶解積層方式)
2.4 インクジェット法
2.5 シート積層法
3 市場動向
3.1 世界市場
3.2 国内市場
3.3 将来動向
第2章 産業用3Dプリンターの造形材料市場
1 市場の概要
2 材料別動向
2.1 樹脂材料
2.2 金属粉末材料
2.3 その他の造形材料
3 市場動向
4 国内の主要造形材料メーカー
4.1 樹脂材料メーカー
4.2 粉末金属材料メーカー
第3章 バイオ3Dプリンティングの開発動向
1 概要
2 バイオ3Dプリンティングによる生体材料の作製プロセス
3 バイオ3Dプリンティングの手法
3.1 組織化プロセス
3.2 組織構築の手法
4 国内研究開発動向
5 3Dプリンティングの医療応用
5.1 臓器モデル
5.2 義足/義歯
5.3 人工骨/人工関節
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