キーワード:
イオン液体の特徴,物性と予測,合成法・精製法,純度分析,構造解析/イオン液体中での化学合成,高分子合成,有機電界反応/難溶性物質の可溶化(セルロースの溶解)/生物化学での応用/電解質としての展開/高分子化/イオニクスデバイスへの利用/機能性イオン液体合成/液晶とのコラボレーション
刊行にあたって
<普及版の刊行にあたって>
本書は2006年に『イオン液体として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
シーエムシー出版 編集部
著者一覧
萩原理加 京都大学大学院
宇井幸一 東京理科大学
上田幹人 北海道大学大学院
水畑穣 神戸大学
菅孝剛 関東化学(株)
山本博志 旭硝子(株)
栃木勝己 日本大学
Claus Hilgers Solvent Innovation GmbH, President & CEO
玉田政宏 東京農工大学大学院
松見紀佳 東京農工大学大学院
小島邦彦 東洋合成工業(株)
多田健太郎 東洋合成工業(株)
林賢 東京大学大学院
小澤亮介 東京大学大学院
濵口宏夫 東京大学大学院
西川惠子 千葉大学大学院
東崎健一 千葉大学
大内幸雄 名古屋大学大学院
金井要 名古屋大学大学院
関一彦 名古屋大学大学院
荻原航 東京農工大学大学院
福元健太 東京農工大学大学院
深谷幸信 東京農工大学大学院
James H. Davis, Jr. South Alabama University, Professor
水雲智信 東京農工大学大学院
北爪智哉 東京工業大学大学院
柳日馨 大阪府立大学大学院
福山高英 大阪府立大学大学院
吉澤正博 Monash University School of Chemistry
淵上寿雄 東京工業大学大学院
Neil Winterton University of Liverpool, Professor
伊藤敏幸 鳥取大学
藤田恭子 Monash University School of Chemistry
Douglas R. MacFarlane Monash University School of Chemistry, Professor
Maria Forsyth Monash University School of Physics and Materials Engineering, Professor
中村暢文 東京農工大学大学院
田村薫 東京農工大学大学院
宇恵誠 三菱化学(株)
成田麻子 東京農工大学大学院
栄部比夏里 (独)産業技術総合研究所
松本一 (独)産業技術総合研究所
中川裕江 (株)ジーエス・ユアサ コーポレーション
増田現 日清紡績(株)
片伯部貫 横浜国立大学大学院
渡邉正義 横浜国立大学大学院
中本博文 横浜国立大学大学院
吉田幸大 京都大学大学院
斎藤軍治 京都大学大学院
吉尾正史 東京大学大学院
加藤隆史 東京大学大学院
森誠之 岩手大学 工学部
福島孝典 (独)科学技術振興機構
中嶋琢也 奈良先端科学技術大学院大学
河合壯 奈良先端科学技術大学院大学
執筆者の所属表記は、2006年当時のものを使用しております。
目次 + クリックで目次を表示
第2章 イオン液体の定義
1. はじめに
2. Ionic liquidとは?
3. “Ionic Liquid”は100℃以下に融点を持つ溶融塩だけか?-既出の著書に学ぶ-
4. 国内での代表的な定義
5. 温度による定義
6. 特許の観点からの定義
7. 最近のイオン液体と従来のイオン液体の定義,あるいは溶融塩との違い
8. Ionic Liquidsの日本語表記
9. おわりに
第3章 一般的なイオン液体とそれらの物性
1. はじめに
2. 代表的なイオン液体
3. 構造と物性
4. 温度と物性(温度変化による粘度)
5. 市販品のイオン液体とその物性
6. 品質について
第4章 計算化学による物性予測
1. 純成分-粘度,融点とイオン構造-
1.1 文献調査
1.2 計算
1.3 結果
1.3.1 イオン性液体の粘度式
1.3.2 脂肪族アルキルアンモニウム類の粘度式
1.3.3 イオン液体の融点
1.4 まとめ
2. 混合物-相平衡,輸送物性-
2.1 はじめに
2.2 混合物物性データ
2.3 物性予測―相平衡―
2.4 おわりに
第5章 合成法,精製法の進歩とスケールアップ
1. はじめに
2. 品質
2.1 有機出発物質と他の揮発性物質
2.2 ハロゲン不純物
2.3 水
2.4 プロトン性不純物
2.5 未反応の他のイオン性不純物
2.6 色
3. 合成のスケールアップ
4. イオン液体の価格の将来展望
第6章 イオン液体の高純度合成と純度分析
1. はじめに
2. イオン液体の合成方法
2.1 第4級アンモニウム系イオン液体の合成
2.2 原料由来の不純物
3. イオン液体の精製
3.1 疎水性のイオン液体
3.2 親水性のイオン液体
3.3 着色成分の除去
3.4 金属,金属塩,微粒子の除去
4. 水分の除去
4.1 真空乾燥
4.2 吸着剤使用
5. 純度分析方法
5.1 イオンクロマトグラフィー
5.2 クロマトグラフィー分析
5.3 水分分析
5.4 ガスクロマトグラフィー分析
5.5 サイクリックボルタモグラム
5.6 その他の分析
6. イオン性液体の保存安定性
7. 量産化技術
8. おわりに
第7章 イオン液体の物理化学
1. イオン液体中のイオン構造
1.1 はじめに
1.2 BmimClの結晶多形と内部回転異性
1.3 Bmim+カチオンの結晶および液体中のラマンスペクトルと構造
1.4 BmimCl単結晶の融解と回転異性体の変換
2. イオン液体の液体構造
2.1 はじめに
2.2 イオン液体化合物の結晶構造とイオン間相互作用
2.3 イオン液体中のイオン間相互作用と融点
2.4 イオン液体中の局所構造の可能性
3. 熱現象で観たイオン液体の特異性
3.1 はじめに
3.2 サーモモジュールを用いた超高感度熱分析装置
第8章 イオン液体界面の構造解析
1. はじめに
2. イオン液体の気/液界面構造
3. イオン液体/金属界面
4. 今後の課題
第9章 新規イオン液体群
1. 非ハロゲン系イオン液体
1.1 はじめに
1.2 非ハロゲン系汎用アニオン
1.3 芳香族系のアニオン
2. アミノ酸イオン液体
2.1 はじめに
2.2 アミノ酸イオン液体のメリット
2.3 アミノ酸イオン液体の構造と物性
2.4 展望
3. 新規アニオン
3.1 はじめに
3.2 既存アニオンの構造改変
3.3 新規S含有アニオン
3.4 新規カルボン酸アニオン
3.5 おわりに
4. 新規カチオン系
4.1 はじめに
4.2 非アンモニウムカチオン
4.3 カチオンの機能化
4.4 展望
5. Task-Specific Ionic Liquids 最近の進歩
5.1 はじめに
5.2 機能席導入による物性変化
5.3 合成法
5.4 TSILの応用とトピックス
5.4.1 有機合成反応への応用
5.4.2 分離・抽出技術への応用
5.4.3 酸性TSILと塩基性TSIL
5.4.4 フッ素型TSIL
5.5 まとめと展望
第10章 イオン液体中での化学合成
1. イオン液体の反応場としての新しい動き
1.1 化学反応用溶媒としての要件
1.2 反応場としての新しい動き
1.2.1 光学活性体の創製
1.2.2 ニコチン由来の光学活性なイオン液体
1.3 担体としてのイオン液体
2. イオン液体とマイクロ化学プロセス
2.1 はじめに
2.2 イオン液体中での薗頭カップリング反応
2.3 溝呂木-Heck反応
2.4 マイクロフロー系での触媒的カルボニル化反応
第11章 イオン液体中の高分子合成
1. はじめに
2. ラジカル重合
3. イオン重合
4. 金属触媒重合
5. 重縮合
6. 開環重合
7. 電解重合
8. おわりに
第12章 イオン液体中での有機電解反応
1. はじめに
2. イオン液体中でのボルタンメトリー
2.1 有機化合物の電解酸化還元に及ぼすイオン液体の影響
2.2 イオン液体中での遷移金属錯体メディエーターの電極触媒能の検討
3. イオン液体中での有機電解合成
3.1 イオン液体自身の電解酸化還元
3.2 環状カーボナート類の電解合成
3.3 金属錯体触媒による電解還元的カップリング
3.4 Co錯体による電極触媒的脱ハロゲン化
3.5 ニトロキシルラジカルによるアルコールの電極触媒的酸化
3.6 ベンゾイル蟻酸およびN-メチルフタルイミドの電解還元
3.7 有機伝導体の電解合成
4. 有機化合物の選択的電解フッ素化
5. 導電性高分子の電解合成
6. おわりに
第13章 難溶性物質の可溶化
1. 多糖類
1.1 はじめに
1.2 セルロースを溶解するイオン液体
1.3 セルロースの可溶化に有効な新規イオン液体
1.4 一般天然多糖類の溶解
1.5 おわりに
2. ポリペプチド類
2.1 はじめに
2.2 シルクの溶解性
2.3 一般的なポリペプチド類の溶解
2.4 高極性イオン液体へのポリペプチドの溶解性
2.5 おわりに
3. 核酸
3.1 はじめに
3.2 核酸の可溶化に有効なアニオン構造の検討
3.3 カチオン構造が及ぼす核酸の溶解性への影響
3.4 核酸の溶解に有効な構造を持つ新規イオン液体
3.5 おわりに
4. イオン液体中の高分子
4.1 はじめに
4.2 イオン液体中の高分子の可溶化の報告例
4.3 関連系
4.4 溶液中でのイオン液体と高分子の相互作用
5. 合成高分子
第14章 生物化学
1. イオン液体を反応媒体に用いるリパーゼ触媒反応
1.1 はじめに
1.2 イオン液体と生体触媒
1.3 イオン液体溶媒中のリパーゼ触媒不斉反応
1.4 イオン液体による酵素の安定化と活性化
1.5 おわりに
2. タンパク質の保存用溶媒としてのイオン液体
3. PEO修飾した金属タンパク質の合成
4. タンパク質のイオン液体への可溶化
5. 耐熱性の付与
5.1 はじめに
5.2 光導波路分光法
5.3 タンパク質の耐熱性
5.4 タンパク質の高温電気化学
5.5 イオン液体中のタンパク質化学の将来展望
第15章 電解質としての新展開
1. 電解質に要求される特性とイオン液体の利点
1.1 はじめに
1.2 エネルギー貯蔵デバイス用電解質
1.3 エネルギー変換デバイス用電解質
2.電解質用新規イオン液体
2.1 はじめに
2.2 カチオン
2.3 アニオン
3. フルオロハイドロジェネート系イオン液体
3.1 はじめに
3.2 イオン液体 1,3-ジアルキルイミダゾリウムフルオロハイドロジェネート
3.3 非イミダゾリウム系のフルオロハイドロジェネートイオン液体
3.4 イオン液体合成原料としてのフルオロハイドロジェネート塩
3.5 おわりに
第16章 電気化学的な機能を付与したイオン液体
1. メディエーターの可溶化
1.1 はじめに
1.2 市販キノン類のイオン液体への溶解度
1.3 ポリエーテルキノンの分子設計
1.4 おわりに
2. 酸化還元活性を有するイオン液体
2.1 はじめに
2.2 金属錯体を用いる系(リガンド型イオン液体)
2.3 金属を用いない系(非リガンド型イオン液体)
2.4 おわりに
3. Zwitterions
3.1 はじめに
3.2 液状化とイオン伝導度の改善
3.3 合成方法
3.4 融点に及ぼすカチオンの構造
3.5 融点に及ぼすアニオンの構造
3.6 ZwitterionとLiTFSIの混合物
3.7 おわりに
4. 含ホウ素系イオン液体及びイミダゾール―ボラン錯体
4.1 有機ホウ素系イオン液体
4.2 液状イミダゾール-ボラン錯体
4.3 ポリ(有機ホウ素ハライド)-イミダゾール錯体
第17章 特定イオンの伝導体
1. 多価アニオンを成分とするイオン液体の合成とカチオン伝導特性
1.1 はじめに
1.2 アルカリ金属イオンを含有するイオン液体
1.3 プロトンを含有するイオン液体
2. H+伝導体
2.1 はじめに
2.2 イオン液体+酸
2.3 活性プロトンを構成イオンに含有するイオン液体
2.4 塩基+酸
2.5 おわりに
3. アニオン伝導体
3.1 はじめに
3.2 ポリエーテル/塩ハイブリッド
3.3 アリルイミダゾリウム塩
3.4 ハロゲン化物イオン以外で注目される系
3.5 おわりに
第18章 イオン液体の高分子化
1. はじめに
2. ポリカチオン型高分子化イオン液体
3. コポリマー型高分子化イオン液体
4. イオン液体構造を有する架橋剤
5. 高分子化イオン液体の利用範囲
第19章 イオニクスデバイスへの利用(I:蓄エネルギー)
1. リチウム金属電池への新展開
1.1 はじめに
1.2 イオン液体中でのリチウムの析出・溶解
1.2.1 リチウム極の充放電
1.2.2 電解質の純度と充放電効率
1.3 金属電池への応用例
1.3.1 各種イオン液体の充放電特性
1.3.2 イオン液体の純度と充放電特性
1.4 おわりに
2. リチウムイオン電池への新展開
2.1 はじめに
2.2 リチウムイオン電池とは
2.3 イオン液体のリチウムイオン電池への応用に際して予想される課題
2.4 イオン液体のリチウムイオン電池用電解質としての基礎特性
2.5 イオン液体を電解質として用いたリチウムイオン電池の特性
2.6 おわりに
3. キャパシタへの新展開
3.1 はじめに
3.2 イオン液体の電気二重層キャパシタへの応用
3.3 脂肪族アンモニウム塩系イオン液体を電解液に用いたキャパシタ
3.4 おわりに
第20章 イオニクスデバイスへの利用(II:エネルギー変換)
1. 色素増感太陽電池
1.1 はじめに
1.2 イオン液体中のヨウ素レドックス対の電荷輸送機構
1.3 ヨウ素レドックス対間交換反応の溶媒種依存性と太陽電池セル性能に与える影響
1.4 イオン液体を用いた色素増感太陽電池性能
1.5 イオン液体を利用した固体電解質色素増感太陽電池
2. 光応答ゲル
2.1 はじめに
2.2 ゲルの作成と光応答性
2.3 イオン液体を含浸させたゲルの光応答
2.4 今後の展望
3. プロトン伝導性イオン液体と無加湿中温形燃料電池の可能性
3.1 はじめに
3.2 BrØnsted酸―塩基型イオン液体のプロトン伝導性
3.3 水素酸化及び酸素還元特性と燃料電池電解質としての可能性
3.4 おわりに
4. バイオ燃料電池を目指した展開
第21章 機能性イオン液体の合成
1. はじめに
2. 常磁性イオン液体の開発
3. 蛍光イオン液体の開発
4. イオン液体を用いた新規有機超伝導体の開発
5. おわりに
第22章 液晶とイオン液体のコラボレーション
1. はじめに
2. イオン液体と液晶性分子の複合化
3. 液晶性イオン液体の分子設計と配列制御
4. 液晶性イオン液体の機能発現
4.1 異方的イオン伝導
4.2 選択的イオン輸送機能
5. おわりに
第23章 新規分野の創成
1. トライボロジー
1.1 はじめに
1.2 潤滑剤
1.3 潤滑油としてのイオン液体
1.4 潤滑性能
1.5 摩擦面での反応
1.6 イオン液体の可能性
2. カーボンナノチューブゲル
2.1 はじめに
2.2 カーボンナノチューブによるイオン液体のゲル化
2.3 重合部位を有するイオン液体を用いたカーボンナノチューブ・ポリマー複合体の作製
2.4 カーボンナノチューブゲル(バッキーゲル)の応用
2.5 おわりに
3. 強発光性量子ドットハイブリッド
3.1 はじめに
3.2 イオン液体中における無機ナノ材料作製
3.3 水溶性量子ドットのイオン液体への抽出とその発光特性
3.4 重合性イオン液体による強発光性量子ドット-ポリマーハイブリッドの作製
3.5 おわりに
第24章 イオン液体研究会
第25章 近未来展望
この商品を買った人はこちらの商品も購入しています。
次世代香粧品の「香り」開発と応用《普及版》
価格(税込): 4,730 円
有機電子デバイスのための導電性高分子の物性と評価《普及版》
価格(税込): 6,160 円
炭素繊維 製造・応用技術の最前線《普及版》
価格(税込): 5,830 円
機能物質・材料開発と放射光 《普及版》
価格(税込): 5,720 円
農薬からアグロバイオレギュレーターへの展開 《普及版》病害虫雑草制御の現状と将来
価格(税込): 4,620 円
リグニン利用の最新動向《普及版》
価格(税込): 4,840 円
ポリマー系ナノコンポジットの技術動向
価格(税込): 3,520 円
進化する医療用バイオベースマテリアル《普及版》
価格(税込): 5,390 円