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月刊機能材料 2020年5月号

【特集】スマートポリマーの最新展望

商品コード:
M2005
発行日:
2020年5月7日
体裁:
B5判
ISSNコード:
0286-4835
価格(税込):
4,400
ポイント: 40 Pt
関連カテゴリ:
雑誌・定期刊行物
雑誌・定期刊行物 > 月刊機能材料
新材料・新素材 > 高分子・プラスチック

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著者一覧

荏原充宏  (国研)物質・材料研究機構
大矢裕一  関西大学
増田造  東京大学
坂本和歌子  東京工業大学
嶋田直彦  東京工業大学
丸山厚  東京工業大学
宇都甲一郎  (国研)物質・材料研究機構 
中川泰宏  東京工業大学;東京大学
垣内田洋  (国研)産業技術総合研究所 
﨑川伸基  シャープ(株)
伊藤祥太郎  (国研)産業技術総合研究所
秋山陽久  (国研)産業技術総合研究所
林晃敏  大阪府立大学 
作田敦  大阪府立大学
辰巳砂昌弘  大阪府立大学

目次 +   クリックで目次を表示

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【特集】スマートポリマーの最新展望

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巻頭言
Preface

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「関大メディカルポリマー」の開発と医療応用
Development of "Kansai University Medical Polymers" and their Medical Application

関西大学では「『人に届く』関大メディカルポリマーによる未来医療の創出」プロジェクト(文部科学省私立大学研究ブランディング事業採択)を推進している。関大メディカルポリマー(KUMP)とは,関西大学で開発された医療用のポリマー材料の総称であり,スマートポリマーがその中心的役割を担っている。プロジェクトでは,材料化学者,機械工学者,臨床医の3者による医工連携により,臨床現場の「人」(患者,医師)に届く医療器材を開発・実用化することを最終目標としている。本稿では,プロジェクトの紹介とKUMPの例として生分解性スマートポリマーの開発事例を紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 プロジェクトの目指すもの
3 生分解性スマートポリマー
4 生分解性形状記憶ポリマー
5 標的指向性を持つ超安定ナノ粒子
6 温度応答型生分解性インジェクタブルポリマー
7 おわりに

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高分子複合体形成に基づくペプチドの活性化と脂質二重膜の2次元/3次元構造の操作
Polymer Complex-based Activation of a Membrane-active Peptide and 2D/3D Conversion of Lipid Bilayers

本稿では,分子シャペロン機能を持つカチオン性くし型共重合体と生体膜活性化ペプチドE5の複合体による生体膜構造の操作について解説する。特に,細胞程度の大きさを持つ脂質小胞(リポソーム)に対する複合体の作用として,脂質二重膜の2次元的なシートと3次元的なベシクル構造の変換や生体材料としての展開について述べる。

【目次】
1 はじめに
2 カチオン性くし型共重合体によるE5ペプチドの活性化
 2.1 生体膜活性化ペプチドE5
 2.2 カチオン性くし型共重合体による活性化
3 温度応答型カチオン性くし型共重合体の設計
 3.1 エマルション
 3.2 マイクロ流体デバイスを用いた単分散エマルションの作製
4 E5/PAA-g-Dex 複合体の細胞膜に対する作用
5 脂質ナノシートの形成と2次元/3次元構造の変換
 5.1 E5/PAA-g-Dex 複合体による脂質ナノシートの形成
 5.2 シート・ベシクル転移の可逆性と物質のサンプリング
 5.3 外部刺激によるシート・ベシクル転移の操作
6 まとめ

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形状記憶特性を有する生分解性ポリマー材料の開発
Development of Biodegradable Polymeric Materials with Shape Memory Ability

地球環境保全や持続的発展社会の構築に向けて生分解性高分子が注目を浴びており,生分解性高分子の高性能・機能化はその応用範囲をさらに広げる可能性がある。本稿では,高分子が示す形状記憶特性や生分解高分子を簡単に紹介し,我々が進めている形状記憶ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)の開発と応用展開について解説する。

【目次】
1 はじめに
2 高分子の形状記憶
3 生分解性を有する形状記憶高分子
4 生分解性形状記憶高分子のバイオメディカル分野への応用
 4.1 生体温度で駆動する形状記憶高分子
 4.2 バイオメディカルデバイスへの応用
5 生分解性形状記憶高分子の新展開-組織工学からメカノバイオロジーへ-
6 おわりに

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糖応答型スマートポリマーを用いた人工レクチンの開発
The Development of Artificially Synthetic Lectin by Saccharides-responsive Smart Polymers

本稿では糖鎖-レクチン相互作用の概略から医療応用などについて概説し,合成高分子による糖・糖鎖認識システムについて紹介している。加えて,新規性の高い糖認識性官能基としてbenzoxaborole基の特性について詳細に紹介し,これと温度応答性高分子と組み合わせることで作製したレクチン模倣高分子(benzoxaborole基含有高分子)についても紹介している。

【目次】
1 はじめに
2 糖鎖-レクチン相互作用の利用例
3 レクチンの合成アナログの開発
 3.1 フェニルボロン酸(PBA)
 3.2 benzoxaborole基
 3.3 poly(NIPAAm-st-HEAAm-st-MAAmBO)
4 おわりに

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太陽光の侵入量を温度に応じて調整できる液晶と高分子の複合材料
Liquid Crystal/Polymer Composites for Thermoresponsive Control of Solar Transmittance

液晶と反応性メソゲンから,光重合誘起相分離により,反転型熱応答性の高分子ネットワーク液晶を開発した。これは,省エネ効果を有するスマートウィンドウへの応用が期待される。作製法は,透明基板で挟んだ原料を光重合させるだけであり,電源不要で単純な構造・構成となるため,生産と運用の両面で実用化への壁が低い。

【目次】
1 スマートウィンドウとは
2 高分子ネットワーク液晶とは
3 熱応答型PNLC のスマートウィンドウ
4 より高い省エネを目指して
5 スマートウィンドウの評価技術について
6 本技術の展望

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省エネ空調技術を実現するスマートポリマー
A Smart Polymer Realizes an Air Conditioning Technology of the Low Energy Consumption

高分子ゲルは紙おむつやコンタクトレンズ等身の回りに利用されているが,近年は外部環境に応答して体積変化する刺激応答性が注目されている。本稿では下限臨界溶液温度(LCST)を持ち,顕著な温度応答性を示す刺激応答性高分子ゲルに着目し,省エネ空調技術へ応用すべく乾燥条件または周囲に液体の水のない環境下での刺激応答性高分子ゲルの可能性を明らかにする。

【目次】
1 はじめに
2 従来の空調技術
3 空調技術と高分子
4 吸湿放水ゲルの調製
5 ゲルの膨潤収縮
6 吸湿特性
7 ゲルからの放水
8 吸湿脱水サイクル
9 おわりに

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光に応答して可逆的に着脱できるスマート接着剤の開発
Development of Light-Induced Reversible Adhesives

粘着剤のように繰り返し粘着/剥離が可能な性質と高強度の接着力を併せ持つ接着剤は,被着体リサイクルや製造プロセスの効率化などに貢献できる新しい接着剤として期待されている。本稿では,アゾベンゼン含有化合物の光による固液相転移現象を利用した可逆接着剤の開発について紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 アゾベンゼン含有化合物の光固液相転移を利用した可逆接着剤の開発
 2.1 アゾベンゼン含有糖アルコール誘導体
 2.2 アゾベンゼン含有ホモポリマー
 2.3 アゾベンゼン含有ブロック共重合体
3 まとめ

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[連載 革新型蓄電池の開発に向けた取り組み 第1回]

酸化物型全固体リチウム電池
Oxide-Based All-Solid-State Lithium Battery

酸化物型全固体電池を実現するためには,導電率の高い酸化物電解質の開発と電極活物質との固体界面接合がキーポイントとなる。本稿では,酸化物電解質の開発経緯について,結晶とガラスに分けて概説し,特に界面接合に有利な成形性に優れるガラス電解質の特性や応用について,筆者らの研究成果を中心に紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 結晶電解質
3 ガラス電解質
4 おわりに

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